[874] 2017年08月05日(土)
「サブカメラ導入」
我輩は現在、1年半前に手に入れた4,200万画素の「SONY α7RII」をメインカメラとして使っている。
経緯は 雑文854と 雑文855にて書いているとおり、中古33万円と大変高価な買い物だった。
なぜこのような無茶な買い物をしたかと言うと、4,200万画素の高解像画質を得たかったということに尽きる。
<メインカメラ、SONY α7RII> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
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ただ、このカメラを買う前に、旧モデルである3,600万画素の「α7R」を1ヶ月ほど使った。
このカメラはシャッター音が異様に大きく、しかもボディ内5軸手ブレ補正機能が無く、それまで使っていた「OLYMPUS OM-Dシリーズ」と比べるとかなり使いづらかった。
<1ヶ月ほど使ったα7R> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
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我輩は「α7R」を旧式戦艦に例え、「3,600万画素の巨砲であっても波に揺れて当たらぬでは意味が無い」と前線投入を諦め、早々にスタビライザー付新鋭艦の「α7RII」へ移行を決めたのである。
ところがこのカメラは5軸手ブレ補正搭載とは言うものの、その補正能力はOLYMPUSよりも遥かに劣り、機能がOFFになっているのではないかと心配させるほど。最終的にメーカーチェックにまで出したが「異状無し」とのことで、結局このカメラの能力限界だったわけだ。
フルサイズのイメージセンサーで、かつ高画素あるから、OLYMPUSのような強力な補正が難しいことは理解出来るが、5軸手ブレ補正を謳う以上は結果を出さねば納得いかぬ。
またイメージセンサーのゴミはよく目立ち、シンクロスピードも1/125秒と40〜50年前のレベル。
今から考えれば、「OLYMPUS OM-Dシリーズ」の高性能ぶりは常識外れだったのだ。
5軸手ブレ補正機能は業界トップクラスで、普通ならば撮影を諦めるようなシーンでも楽にこなす。
そして小サイズイメージセンサー用フォーカルプレンシャッターの走行距離が短いせいか、シャッター音も静かでシンクロスピードも1/320秒と高速。イメージセンサーのゴミにも悩まされたことは1度たりとも無い。
とは言うものの、やはり「OM-Dシリーズ」のメインスイッチの位置は片手撮影が基本の我輩には致命的欠陥であり、加えて画素数の上限が低いという点において、もはや使い続けることは出来なかった(参考: 雑文854)。
「α7RII」はフルサイズながらもコンパクトなミラーレスカメラなので、今ではオールマイティーに使うカメラとして、本番撮影からメモ用途まで広くこなす。
当然そうなれば撮影シーンによってレンズを選ぶことになる。
本気撮影では高画質なレンズを装着するが、そういうレンズはどうしてもデカい。だからメモ用途程度ならばコンパクトで画質そこそこのレンズに換えるだろう。
そんな感じで煩雑にレンズ交換していたところ、だんだんイメージセンサーのゴミがかなり目立つようになった。ブロア吹き程度では取れない。
そもそも我輩はストロボを使ってF16くらいまで絞り込んで撮影するので、余計にゴミが目立つ。マイクロフォーサーズカメラではこんなことは1度たりとも無かったので面食らっている。
自分でクリーニングしてみたものの上手くいかず(※)、結局はサービスセンター送りとした。そのため約1週間ほどメインカメラが手元に無くなった。
(※カレーライスの最後のひとサジがすくえないのと同様、センサー端に寄せた最後のゴミがどうしても取れない)
そしてカメラが戻った後、ゴミ付着が心配でレンズ交換を躊躇(ためら)うようになってしまった。
おまけにせっかく戻ってきた2週間後、室内でカメラボディを取り落として液晶パネルを割ってしまった。ヒンジもろとも交換で3万円の修理。再び、1週間ほど手元から消えてしまった・・・。
当面は2,400万画素のAPS-C機「SONY NEX-7」を使うことにしたが、これはストロボ用のホットシューが特殊形状のため、カプラー(変換アダプタ)が必要となって煩わしい。それに画素数が少ないので4Kディスプレイでは少々物足らない。
<当面の代替機「SONY NEX-7」> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
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いや、最大の問題は、イメージセンサーの大きさが違えば、同じレンズが同じように使えないということ。広角レンズが標準レンズとなってしまう。やはりAPS-CにはAPS-C用レンズを使うしか無く、そうなるとマウントが共通である必然性も弱い。
修理替えのことも考えれば、メインカメラに準ずる仕様でなければサブカメラとしては使えぬ。
以前 雑文864「サブカメラ不在」にも書いたように、こういう場合は新機種を導入し、現在使っているものを順次サブカメラに格下げしていくことが世代交代的には自然な流れであろう。
そんな時、プロ向けカメラ「α9」の存在がリークされた。まだその仕様はハッキリしなかったものの、次のメインカメラ候補として期待が高まる。
もちろん、「α7RII」よりも上位機種となれば安価であろうはずもなく、すんなり導入とはなるまい。場合によっては数年かけて値が下がるのを待ち、さらに中古品を狙うことになろう。
だが頑張って残業代を貯めれば少しは近付くことは可能かとは思っている。
ところが「α9」の正式発表で仕様が公開されてみれば、どちらかと言えば「α9」はプレス(報道)向けといった高速機で、画素数は「α7RII」には及ばぬ2,400万画素。導入費用の問題以前に、そもそも我輩の用途には合致しなかったわけだ。
そうなるとやはり、「α7RII」をメインとしたままサブのほうを探すしかあるまい。ならば、画素数がそれなりに多い3,600万画素の「α7R」をもう一度買うか。
しかし大音響のシャッター音が使用シーンを狭めるし、5軸手ブレ補正も無い。再び手に入れたとしても、出番があるかどうか。
ならば、画素数を2,400万画素に妥協して「α7II」とするか。シャッター音の問題、手ブレ補正の問題はこれで解決する。値段も「α7R」と同じく中古で10万円。
いや、今ならキャッシュバックキャンペーンがあり、新品でも2万円引き、実質12.5万円で手に入る。新品から使ってみたいので、いっそこれにするかと考え始めた。
待てよ、画素数で妥協するならば、そもそも「α9」を見送った理由も無くなってしまう。
それどころか、サブカメラの使い方の1つとして、手荒な撮影でも果敢に挑戦するスタントマンとして使うならば、「α7」の中古で7万円の出物がある。これで十分なのでは?
頭の中だけで考えてもまとまらなくなったので、ここでマトリックスを作ってみた。
世代 |
モデル |
画素数 |
新品価格 |
中古価格 |
備考 |
I |
α7 |
2,400万画素 |
11万円 |
7万円 |
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α7R |
3,600万画素 |
15万円 |
10万円 |
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II |
α7II |
2,400万画素 |
12.5万円
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10万円 |
新品は2万円キャッシュバック適用価格 |
α7RII |
4,200万画素 |
27万円 |
25万円 |
新品は3万円キャッシュバック適用価格 |
現在、α7シリーズラインナップは2世代目であるが、面白いことに1世代目も新品で売られている。これはα7シリーズだけに限らず、SONYのデジタルカメラ全般的に旧機種との併売が行われている。
さて、サブカメラの選定については1週間ほど悩みに悩み、結局のところ「カメラというものは、最終的に得られる画像が重要である」という価値判断から解像度を優先し、「α7R」を中古で再購入することにした。このカメラならば画素数も3,600画素とメインカメラの代替として活用出来、中古の気安さもあって持ち出す機会は多かろう。
なお、「α7R」のシャッター音の大きさについては、致し方ない。大抵の撮影シーンでは問題になることは無いだろうが、デリケートな撮影シーンがあれば、その時はメインカメラの「α7RII」を持ち出せば済む話。
また5軸手ブレ補正機能が無くとも、ストロボ撮影ならば実質的に関係無いし、そもそもSONYの5軸手ブレ補正は効きがかなり弱いので、今はほとんどアテにしていない。
今回、「α7R」の中古入手金額は11万円で、それ以下の中古出物はSONYの持病である液晶パネルのコーティング剥がれがあって手が出せなかった。
手元に届いた「α7R」は、以前買ったものよりも程度が良く、操作部材も固さがあり、ほとんど使われていないのではないかと思った。
<再度購入したα7R> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
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意外なことに、シャッター音がそれほど大きくは感じない。「カシャシャン」と、割と普通の音質に感ずる。おかしい、以前使った「α7R」ではもっと甲高く「カシャキーン!」という音がしたはず。
あるいはもしかしたらこの個体は製造ロットが新しく、シャッター部が密かに改善されていたりするのか?
試しに、「α7R」よりもシャッターが静かになったと言われた「α7RII」と並べてシャッター音を比べてみたが、やはり大きな違いが感じられない。
もし、「α7R」で十分だったということになれば、超高価な「α7RII」を死ぬ思いで購入した意味が無くなってしまう。
もちろん、「α7RII」のほうは完全無音の静音撮影モードもあるが、残念なことにフォーカルプレンシャッターが動作しない撮影ではストロボが発光せず、我輩にとっては静音撮影モードを使う場面がほとんど無い。
いずれにせよ手元に2台のフルサイズカメラがあるわけで、これらの運用としては、メインの「α7RII」にはツァイスの「Batis 25mm F2」を装着し、ゴミが入らぬようレンズは極力脱着しない。従って、このレンズが使いたい時にこのボディを持ち出すということになる。
一方「α7R」のほうは、ゴミを恐れず積極的にレンズ交換し、また、「α7RII」よりもコンパクトな点を活かして通勤カバンに常備することもある。街中で使うにはシャッター音が心配だったが、実際使ってみるとむしろAF合焦音のほうが大きいくらいで何も問題無い。
そういうわけで、今ではサブカメラのほうが稼働率が高くなっている。
会社帰りにファミリーレストランに入り、気軽にフルサイズ高画素カメラで撮影する。そんな芸当が出来るようになったのも、このサブカメラのおかげ。
<ファミリーレストランでフルサイズ撮影> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
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ちなみにこの写真は、 雑文870にも書いている通り、通勤カバンに常備しているストロボ2灯で撮影した。
なお、シャッター音がおとなしいことはここでも実感した。以前の「α7R」ならばこんな場所ではシャッター音が響いて気が引けたが、今回の「α7R」では全く気にならず撮影出来たのだ。
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