・アイカップ
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ファインダーや接眼レンズで、目の周囲からの光をカットして映像を見やすくするためのゴム目付け。
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・アイスタートシステム
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ミノルタのカメラのうち、αシステムのxiシリーズ以降のAF一眼レフカメラやAPEX、CAPIOSシリーズなどのコンパクトカメラに搭載された機能で、撮影者がカメラの接眼部を覗くと赤外線センサーが感知しAFやAZ(オートズーム)が自動的に働く。αシステムでは、グリップ部の電極式のグリップセンサーとの組み合わせで働く。
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・アイピース
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ファインダーや接眼レンズの、目で覗くレンズの部分。接眼部。
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・アイポイント
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ファインダーや接眼レンズで、全視野が見渡せる位置。
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・赤目防止機能
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カメラ内蔵ストロボでの撮影などで、光軸に対して平行な光を人物に当てると、被写体の網膜を反射した光が「赤目」として写ることがある。暗い場所では瞳孔が大きく開くのでその傾向が強い。そのため、本撮影の前に何度か軽くストロボを発光させて被写体の瞳孔を小さくさせるという方法が考え出された。これが赤目防止機能である。
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・アクセサリー
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システムカメラなどで、カメラの機能を追加・強化するための別売り付属品。ストロボ、モータードライブ、ケーブルレリーズなど。
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・アクロマートレンズ
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2種類の色に対して色収差を取り除いた色消レンズ。クラウンガラスの凸レンズとフリントガラスの凹レンズで組み合わせたもの。
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・アスフェリカルレンズ
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「非球面レンズ」の項目参照。
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・後幕シンクロ
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「あとまくシンクロ」。スローシャッターでストロボ撮影する場合、シャッター幕を開けた瞬間にストロボ光を発光させると、イメージ通りの写真にならないことがある。動体を撮影した場合、ストロボ発光後に被写体が前に進んで行くので、その軌跡が前方に流れることになる。軌跡が前に流れるというのは、一見すると後ろに移動しているように見えてしまう。これではマズイ場合、シャッターが閉まる直前にストロボを発光させるようにすると良い。つまり、フォーカルプレーンシャッターの、先幕ではなく後幕が走り出す直前にシンクロさせている。これが「後幕シンクロ」である。
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・アポクロマートレンズ
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2種類の色に対して色収差を取り除いた色消しレンズ。クラウンガラス、フリントガラス、その他特殊ガラスの3枚で構成されている。
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・アンシャープマスキング
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オリジナルフィルムと、オリジナルの画像をボカして作成した反転フィルム(アンシャープマスクあるいはボケマスクとも言う)を重ねて、ボケ成分を差し引く暗室テクニック。これによって得られた画像はシャープの度合いが増す。
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・異常分散ガラス
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「ADレンズ」の項目参照。
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・位相差検出方式
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AF用焦点検知方式の一つ。レンズから入射した光をセパレータレンズで2束に分け、それぞれをラインCCD上に投影して物体像の結像位置によって合焦・前ピン・後ピンを判断する。MFで言えばスプリットプリズム部分でピント位置を知ることに相当する。位相差検出方式の利点として、ピントのズレ量とズレ方向が分かるため、レンズを一気に駆動してスピーディーに合焦させることが出来る。ただし結像のピーク位置に幅がある場合、それが誤差となる可能性がある。参考として「コントラスト検出方式」の項目参照。
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・一眼レフカメラ
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別名「SLR (Single Lens Reflex camera)」。撮影用レンズとファインダー用レンズを1つのレンズで行うカメラ。参考として「二眼レフカメラ」の項目参照。
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・一脚
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三脚は、設置する場所が問題になる。足場があまり広くない所などでは、1本脚の一脚のほうが良い場合がある。一脚では、カメラを「固定」させることはできないのだが、少なくとも、縦方向でのカメラブレは防ぐことができる。
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・色温度
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黒体(光を全く反射しないもの)を熱していくと、その温度に応じて光が放射される。その温度が高ければ高いほど光は強く、赤から青へと色(波長)が変わっていく。この色について、対応する温度「絶対温度(K、ケルビン)」で表したものを色温度という。色温度が高ければ青白く見え、低ければ赤く見える。
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・色消レンズ
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レンズの色収差を取り除くように作られたレンズ。大きく分けると「アポクロマートレンズ」と「アクロマートレンズ」がある。詳しくは各項目参照。
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・色収差
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ガラスの屈折率は光の波長(色)によって違うため、白色光がガラスの中を通ると虹色に分散されてしまう。そのため、色収差のあるレンズで像を結ぶと、像の周りに不自然な色が付いて見える。この収差を色収差と呼ぶ。ちなみに、青い光は赤い光に比べて屈折の度合いが大きい。
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・イメージサークル
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レンズの投影する映像の範囲
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・印画紙
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感光剤を塗布した紙。ネガフィルムを通した光で焼き付け、現像して写真を得る。紙質により「バライタ紙」と「RCペーパー」がある。なお、サイズについては以下の通り。ただし、ミリ数は印画紙のメーカーによって微妙に異なる。
名称
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サイズの目安
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E判
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82.5mm×117mm
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2E判
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117mm×165mm
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L判
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89mm×130mm
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2L判(LL/キャビネ)
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130mm×190mm
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八ツ切り
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165mm×216mm
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六ツ切り(エイトバイテン)
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203mm×254mm
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ワイド六ツ切り
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203mm×305mm
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四ツ切り
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254mm×305mm
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ワイド四ツ切り
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254mm×362mm
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半切(はんせつ)
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356mm×432mm
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ワイド半切
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356mm×504mm
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全紙
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457mm×560mm
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大全紙
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490mm×590mm
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全倍
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525mm×845mm
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・インスタントカメラ/インスタント写真
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撮影後、数十秒で画像が現れる写真。得られたプリント写真が原版であり、複製には手間が掛かる。
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・インターネガ
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リバーサルフィルム原稿を元に、プリント焼付け用のネガフィルムを作成することがある。これは、リバーサルからの大量のプリント写真が必要な時の方法で、このネガを「インターネガ」と呼ぶ。「リバーサルフィルム」−「インターネガ」−「プリント写真」という経路の真ん中に位置するので、「中間ネガ」とも言う。
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・インテリジェントカードシステム
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ミノルタαシリーズのうち7700i、8700i、5700i、9xi、7xi、5xi、707siにて使用出来るROMカードによる機能拡張システム。カメラの将来性向上と多機能化による煩雑性をカードにより取捨選択出来ることを狙った。大きく分類すると、撮影表現テクニックを手軽に実現する「フォトテクニックカード」、カメラの機能を向上させる「スペックアップカード」、カメラの動作設定を好みに変更出来る「カスタムカード」の3種類ある。なお、カメラにより使用出来るカードに違いがある。(2004年現在、インテリジェントカードシステムは廃止の方向にある)
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・インナーフォーカス
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「Inner Focus(IF)」。もしカメラのレンズがたった1枚の凸レンズであるなら、焦点調節は前後に動かすのみ。しかし、実際のカメラのレンズは数枚のレンズが組み合わされている。単純に考えると、そのレンズ全体を前後に動かしたり、前面の1枚だけを前後に動かすことになる。しかし、巨大な望遠レンズになると、前後に移動するレンズ群によって全体の重心が移動したり、AFの場合では駆動モーターに負担が掛かったりする。またその移動量も大きく、画質の低下やF値の変化を伴うこともある。その問題を解決するために考案されたのがインナーフォーカスである。これは、レンズ内の一部のレンズ(絞り羽根よりも前の部分)だけを動かし焦点を調節する方法。結果、全体の長さも変化せず、重心もさほど移動しない。画質やF値についても、設計時に考慮することによって回避出来るようになった。関連項目として「リアフォーカス」参照。
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・宇宙カメラ
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宇宙飛行で使われたカメラ。「アンスコ・オートセット」「ハッセルブラッド500EL」、「同500C」、「同203FE」、「同553ELX」、「ニコンF〜F5」、「ミノルタα−8700i」などが有名。
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・裏焼き
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引伸し時に、元となるフィルムの裏表を逆にして印画紙に焼き付けること。当然、得られる写真も裏表が逆となり、文字などが写ってる場合には不自然なものになる。これは誤って行う場合と、意図的に行う場合がある。ただし、ベタ焼きの場合では、裏焼きを行うと映像の写っている乳剤面の距離が離れるので、厳密にはピンボケの状態になる。
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・雲台
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三脚などで、カメラをネジで固定する台座部分。
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・エンプラ(エンジニアリング・プラスチック)
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強度、耐熱、耐薬について汎用プラスチックよりも優れているものをいう(耐熱性が100℃以上、強度が50MPa以上、曲げ弾性率が2.4GPa以上)。金属用途に取って代わるプラスチックとして登場し、自動車等に使われるようになり、カメラボディにも使われるようになった。
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・凹(おう)レンズ
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中心部分が凹(へこ)んだレンズ。平行光線を拡散させる働きがある。凸(とつ)レンズと組み合わせて色収差を補正するのに用いたりする(色消しレンズ)。
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・覆い焼き
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写真焼き付け時に、原版となるフィルム上の濃淡がツブれずに再現されるよう、引伸し機で露光中の印画紙に手や紙などで影を作り、局部的な露光量を調節する技法。
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・大判カメラ
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一般的には、4×5判(シノゴ)以上のシートフィルムや乾板を使うカメラのことを指す。商品撮影や建築写真、風景写真などに使われる。
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・オートスタンバイズーム機能
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被写体が人物であると想定し、カメラが被写体との距離に応じて最適な倍率となるよう電動ズームを自動的に調整する機能。
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・オートブラケッティング
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「段階露光」の項目参照。
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・オーバーホール
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カメラの修理や点検などで、一部分についてではなく、カメラ内部全般に渡って「清掃」・「注油」・「調整」・「劣化部品の交換」などを行うこと。定期点検として行う意味合いもある。
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・解像力
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写真レンズで被写体の細かい部分をどこまで再現できるかという能力である。例えば、縞模様の服を着た人物を写真に撮る場合、その縞がどこまでの細かさまで見えるかということ。通常、1mm幅の中にどれだけ縞があるか、その縞の本数で解像力を表す。普通、レンズの口径が大きくなればなるほど、解像力は増す。参考として、「分解能」の項目参照。
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・ガイドナンバー(G.N.)
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ストロボ撮影をマニュアルで行う際、露出決定のために使うストロボ固有の数値。発光量に基づいた数値のため、次の式によって絞り値が算出できる。
ちなみに、ストロボ光は1/15000秒以下の発光時間なので、カメラのシャッタースピードによる露出調整は不可能となる。従って、ストロボ撮影での露出調整の手段は、絞り値の設定のみとなる。
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・外式(外型)フィルム
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発色のための発色剤(カプラー)がフィルムの乳剤面には含まれておらず、現像時に発色剤を添加する方式のフィルム。発色剤を含まないため乳剤面は薄くすることができ、内式に比べて画像の鮮鋭度は良く、画像の劣化も少ない。現在、コダック製コダクロームのみがこの方式を採用している。現像方法は内式に比べて難しく、専用の現像所で処理しなければならない。国によっては(ほとんどの国か?)コダクロームの現像所を持たないものもあり、その場合は米コダック社へフィルムを送って現像処理してもらうことになる。
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・開放F値
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焦点距離を対物レンズの口径(直径)で割った値。同じ焦点距離のレンズなら、前面レンズの口径が大きいほど光がたくさん入るので、その分明るいということになる(F値の数字は小さくなる)。基本的にレンズ光学系の中心軸での明るさである。開放F値は、そのレンズの絞りを開放にした時の最大の明るさであるため、開放F値よりも明るい絞り値は設定できない。
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・開放測光
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撮影レンズを通った光を測光するTTL測光の場合、1つの選択に迫られる。それは、実際の絞り値まで絞り込んで測光するのかどうか、ということである。実際に絞り込んで測光すると、ファインダー像は当然暗くなる。これでは少し不便。そこで、絞りは開放のままで測光し、計算によって実際の絞り値の場合に換算してやる。これが開放測光である。
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・カスタムファンクション
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電子カメラの場合、カメラ全体をコンピュータが制御している。それはつまり、コンピュータ次第で、1台のカメラを好みのカメラに仕立てることができるということ。実際には、操作方法の制限から、あらかじめ用意されたいくつかの組み合わせの中から必要な機能を取捨選択することになる。これがカスタムファンクションである。
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・ガバナー
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機械的遅延装置。
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・カプラー
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カラーフィルム上に写し込まれた像に色を出すための発色剤。C(シアン)、M(マゼンタ/マジェンタ)、Y(イエロー)の3種類の色のカプラーの組み合わせにより、カラーフィルムの映像が表現される。
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・カラーデュープ
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カラースライドの複製。
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・ガラス乾板
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通常の写真フィルムはアセテートやポリエステルにハロゲン化銀を含む感光乳剤を塗布したものだが、支持体となるアセテートやポリエステルが使われる以前はガラスが支持体として使われた。当然ながらガラスは割れ易いが、平面性などの狂いが少なく、精密測定などでは今でも利用されている。
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・カブリ
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フィルムや印画紙などの感光性のものが、外部から洩れた光によって意図せず感光してしまうこと。また別に、色のついた光源が被写体に当たり、カラーバランスが崩れたものも「カブリ(色カブリ)」と表現する。
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・感光
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光の照射により物性などが変化すること。「銀塩写真」の項目及び「ハロゲン化銀」の項目参照。
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・ガンマ
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フィルムなどのコントラストの度合いを表したもの。数字が大きくなれば、コントラストが増し、「硬調」となる。35mmやブローニーのネガフィルムでは、ガンマ値0.6程度が標準とされる。
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・機械焼き
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プリント写真を手作業ではなく機械で自動処理させること。手作業で行う手焼きよりも安くなる。
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・キセノン発光管
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ストロボの発光管。キセノンガスを封入した放電管で、高電圧を加えると、連続スペクトルの人工光源としては最も太陽光に近い光を放射する。そのため、フィルター無しで写真用光源として使用できる。
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・逆光
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照明光が被写体の背後にある状態のこと。
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・キャッチライト
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人物撮影にて、モデルの瞳にライトの映り込みがある状態。キャッチライトがあると目がパッチリして見えるので、レフ板やストロボなどを使って積極的にキャッチライトを入れたりする。
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・魚眼レンズ
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180度前後の視野を写すことのできるレンズ。魚の視野に例えて「フィッシュアイレンズ」とも呼ばれる。180度の全周囲視野をドアスコープで覗いたように全て写し込む「全円周魚眼レンズ」と、写真フレームの対角線でのみ180度の視野を写し込む「対角線魚眼レンズ」がある。「全円周魚眼レンズ」は、気象の雲量測定など学術分野での利用が一般的。
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・許容錯乱円
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ボケというのは、画面上の「点」が広がりを持った「円」に見えることなのだが、この円を事実上の点と見なしてもよいと言える許容限界がある。これが「許容錯乱円」である。これは人間の視力(分解能)を考慮して決められる。通常、35mmカメラの許容錯乱円は、0.035mmとされている。
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・距離計連動式カメラ
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「レンジファインダーカメラ」の項目参照。
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・球面収差
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レンズの中心を通る光と、端を通る光では、わずかに焦点を結ぶ位置が違う。これを「球面収差」と呼ぶ。得られた映像にはシャープさが無く、ピントの甘いものになる。
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・切り現
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テスト現像として行われる手法で、撮影済みフィルムにて先端に近い数コマ分を切り取り現像し、その結果を元にして残りのフィルムを増減感するなど本番現像する。フィルム1本分が同じシチュエーションで撮影されたものでなければあまり意味が無い。注意点として、現像前にフィルムを切るためにコマ間を見ることが出来ず、最低でも1コマは切断による犠牲となる。また、短いフィルムを現像処理する際にクリップされた部分が画面の一部を破損させるため、運良くコマ間で切られても結局その部分のコマは使えない。更に、通常は切り現分・本番分とフィルム2本分の料金が必要となる。
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・銀塩カメラ
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ハロゲン銀塩を用いた感光フィルムを使用するカメラ。
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・銀塩写真
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臭化銀等のハロゲン銀塩を用いた感光物質を利用する写真。単に一般的に言う「写真」のことであるが、「デジタル写真」と対比させた呼び名としてよく使用される。
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・クイックシュー
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カメラを三脚に迅速に固定させるために使われるアタッチメント。あらかじめ三脚とカメラ双方のネジにアタッチメントを装着しておき、そのアタッチメント同士を脱着させることで行う。
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・クイックリターン・ミラー
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黎明期の一眼レフでは、シャッター切った後、フックの外れたミラーはスプリングの力で跳ね上がったままとなる。当然、ファインダーはブラックアウト状態。これでは不便だと言うことで、もう1つスプリングを加え、跳ね上がったミラーを再び下げるメカニズムが開発された。これがクイックリターンミラーである。ただし最近のワインダー内蔵カメラでは、撮影後直ちにフィルム巻き上げが行われるため、スプリングによるクイックリターンをしなくともモーター力によってミラーが下降する。
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・クラウンガラス
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珪石を主原料とし、ホウ酸・ソーダ灰・硝石などを混ぜて作られた光学ガラス。昔の製法では冠の形に成形されたことにより、クラウンガラスと呼ばれる。
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・クリック
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主に、ダイヤルの目盛りが指標に合う時の「カチリ」という音のこと。「Click」という英語の擬音が元になっている。「クリック感がいい」というのは、ダイヤルに適度な抵抗感があり、指の感触だけで設定値を知ることができることをいう。ちなみに、マイクロスイッチを用いた押しボタンでも、カチリと音がするものについては「クリックする」と表現される。
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・グレーカード
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18パーセントグレーで印刷された板のこと。参考として「18パーセントグレー」の項目参照。
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・グレースケール
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白と黒の間を、濃度の違う10段くらいのグレー色を並べたテストチャートの一種。これを最初に撮影光源の下で撮影しておけば、カラー引伸し時に、このグレーが無彩色となるように(色が着かないように)調節することによって良好なカラーバランスが得られる。
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・クローズアップレンズ
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フィルターのようにレンズ前面に装着し、近距離の被写体を撮影するアクセサリー。それは凸レンズであり、虫眼鏡のように作用する。手軽な接写法であり、特にレンズ交換できないカメラでの接写が可能。
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・クローム
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カメラの場合、「クローム」と言えば「梨地クロームメッキ処理されたボディ」のことを指す。中古業界では「シロボディ」または単に「シロ」とも呼ばれる。
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・軍艦部
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カメラ上部の、巻き上げレバーやシャッターダイヤル、巻き戻しクランクなどの操作部のある、カメラ両肩の部分の俗称。向かって左側の部分のみを指す場合もある。
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・ケラれ
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レンズの投影する映像の範囲(イメージサークル)がフィルムサイズより小さい場合や、レンズフードのカゲが画面に現れたりすることで、画面の周辺減光によって黒い翳(かげ)りが出来ること。
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・ケーブルレリーズ
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カメラのシャッターを直接指で押すと、どんなに気を付けたつもりであっても、僅かなブレを起こす。その場合、シャッターボタンに切ってあるネジ穴にケーブルレリーズを装着し、それを操作すれば、カメラに直接触れることなくシャッターを切ることができる。強いて言えば「機械的なリモコン」というところか。最近ではケーブルレリーズ用のネジ穴が切っていないものが多く、カメラの機種ごとに専用リモコンを買いそろえる必要が出てきた。
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・減感
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フィルム現像時、現像時間の短縮によって、公称感度を下回る感度のフィルムにすることができる。この処理を「減感」という。主にフィルム感度設定ミスを救済するために行うが、作画として「減感」を積極的に用いることはあまりない。参考として「増感」の項目参照。
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・現像
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光の当たったフィルムや印画紙には、目に見えない変化が起こっている。その変化を目に見える形にするために行う処理が現像である。
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・コアレスモータ
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回転子(ロータ)に鉄芯を持たないモータ。鉄芯が無いことにより慣性モーメントが小さくなり、動作・停止の反応が早い。また低消費電力でトルクが強い。
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・光路長
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フォーカシングスクリーン(焦点板)から接眼レンズまで光の通る長さ。ファインダー倍率というのは、撮影レンズの焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割った値なのだが、光路長は接眼レンズの焦点距離と同じ長さにしなければならない。もし、ピントを合わせ易くするためにファインダー倍率を上げようとするなら、接眼レンズの焦点距離を短くする必要があり、それはつまり、光路長を短くしなければならないということを意味する。
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・広角レンズ
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明確な規定は無いが、主に焦点距離が35mmより短いレンズのことを指す(35mm判の場合)。
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・口径食
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画面周辺部では、浅い角度でレンズに入射する光が結像するため、光束の一部が遮られて楕円状となる。通常は気にならないが、点光源をボカした場合にその楕円が現れて気になることがある。
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・口径比
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対物レンズの口径(直径)を焦点距離で割った値。Fナンバーの逆数。
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・合焦
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ピントが合うこと。
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・小刻み巻き上げ
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手動フィルム巻き上げ式のカメラで、巻き上げレバーがラチェットなどの機構により、小さな角度で数回に分けて巻き上げできること。「分割巻き上げ」とも言う。
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・コダクローム
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「外式(外型)フィルム」の項目参照。
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・固定焦点
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レンズが固定され、焦点調節機能を持たない状態のこと。「レンズ付きフィルム」は固定焦点式の一例。本来、ピントは平面上にしか合わないのだが、レンズの被写界深度の範囲内のものは、ピントが合っているように見える。これを最大限に利用し、1m〜無限遠を被写界深度でカバーさせておけば、焦点調節の機能が省略できることになる。
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・コピーフィルム
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モノクロフィルムの一種。通常のフィルムは、グラデーションが表現できるように、階調を持っている。一方、コピーフィルムは、「白」か「黒」か、という表現能力しかなく、極めてコントラストの高い写真が得られる。これは文書などを複写する場合に有効で、しかもこのフィルムは解像力がズバ抜けている。図書館で利用されているマイクロフィルムのようなもの。現像の方法を変えると、階調を持った超微粒子のフィルムとして使用できる種類もある。
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・コマンドダイヤル
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主にニコンが使う呼称。「電子ダイヤル」の項目参照。
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・コマ収差
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レンズに対して斜めに入った平行光線では、レンズの端を通った光の焦点位置は外側にズレる。結果として、点光源などは彗星のように尾を引いているように写る。これを「コマ収差」と呼ぶ
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・コーティング
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レンズの表面は、ある割合で光を反射する。ズームレンズでは10枚以上ものレンズを組み合わせるため、その反射量の総和は無視できない。これを解決するためにコーティング技術が発達した。レンズ表面に、フッ化マグネシウムなどを真空蒸着させて透明な薄膜を形成(コート)させたものは、レンズ面で反射した光を入射光と干渉させて打ち消す働きを持つ。現在では、色々な波長の光に対応したマルチコーティング(何層にもコートしたもの)が主流になっている。
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・コンタクトプリント
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例えるなら、インデックスプリントのようなもの。実際は、6コマごとに切られた現像済みネガフィルムを印画紙の上に並べ、日光写真のように露光させる。印画紙を現像すれば、コマが並んだコンタクトプリントが得られる。プリント作業に入る前に、コンタクトプリントの結果をもとにして、補正量を推測することができる。「ベタ焼き」、「密着プリント」とも言う。ちなみに「密着」とは、「コンタクト」を日本語にしたもの。
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・コンティニアスAF
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AFのモードの1つ。シャッターボタンを半押ししている限り、動いているものにピントを合わせ続ける。フォーカスロックは行わない。参考として「シングルAF」の項目参照。
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・コンデンサーレンズ
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集光用凸レンズのこと。引伸し機の光を均一にさせたり、カメラのフォーカシングスクリーンに投影された映像を効率良く眼に届かせるために使われる。
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・コントラスト
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輝度対比(明暗差)のこと。
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・コントラスト検出方式
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AF用焦点検知方式の一つ。レンズから入射した光をCCDに結像させ、像のコントラストが最大になるよう調節して合焦に導く。MFで言えばマット部分でピントを合わせることに相当する。レンズ駆動前にはピントのズレ方向が分からないため、レンズを駆動しながら合焦点を探ることになり、位相差検出方式のように一気に合焦させることは難しい。また、コントラストの低い被写体や暗いシーンではAF不能になる場合もある。ただし、実際に結像した映像のコントラストを判定して合焦点を見付けるためピント精度は得易い。また、デジタルカメラやビデオカメラでは、撮像用CCDからの信号を流用してAFに利用出来るため、AF用のモジュールが必要無い。参考として「位相差検出方式」の項目参照。
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・コンバージョンレンズ
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マスターレンズの焦点距離を変化させるアクセサリー。カメラとマスターレンズの間に装着するものと、マスターレンズの前面に装着するものがある。
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・コンパクトカメラ
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主に、全自動の透過ファインダー式カメラのことをいう。一眼レフでは、どんなにコンパクトであってもコンパクトカメラとは呼ばれない。
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・コンポジット
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全く同じシーンを複数のフィルムで撮影し、それを重ね合わせて合成する暗室テクニック。一つ一つのコマの粒子が目立たなくなり、得られる画像は滑らかになる。
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・最近接撮影距離
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そのレンズがピントを合わせることのできる、最も近い距離。
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・先幕シンクロ
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「さきまくシンクロ」。スローシャッターでストロボ撮影する場合、シャッター幕を開けた瞬間にストロボ光を発光させるのが「先幕シンクロ」である。しかしこの場合、イメージ通りの写真にならないことがある。動体を撮影した場合、ストロボ発光後に被写体が前に進んで行くので、その軌跡が前方に流れる。軌跡が前に流れるというのは、一見すると後ろに移動しているように見えてしまう。これではマズイ場合、「後幕シンクロ」で撮影するとよい。詳しくは「後幕シンクロ」の項目参照。
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・錯乱円
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ボケというのは、画面上の「点」が広がりを持った「円」に見えることなのだが、この円のことを「錯乱円」という。「許容錯乱円」の項目参照。
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・サバチエ効果
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「ソラリゼーション」の項目参照。
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・サーボAF
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AFのモードの1つ。キヤノンが主に用いる用語だが、「コンティニアスAF」のほうが通りがよい。シャッターボタンを半押ししている限り、動いているものにピントを合わせ続ける。フォーカスロックは行わない。参考として「ワンショットAF」の項目参照。
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・三脚
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カメラをセットするための3本脚の架台。イスや机では脚が4つであるのに、なぜカメラの分野では脚が3つなのかということについては、それなりの理由がある。カメラというのは室内だけでなく屋外でも使う道具である。つまり、必ずしも地面が平らであるというわけにはいかない。従って、多少の凹凸でも安定性の高い、3点支持の3脚が作られたというわけである。
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・35mmカメラ
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現在では広く普及している35mmフィルム(幅が35mmのフィルム)を使うカメラ。35mmフィルムは、JISでは「135サイズ」と呼ばれる
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・視度補正レンズ
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我輩もお世話になっているカメラアクセサリー。近視や遠視では、カメラのファインダーの像がボヤけて見える。通常ファインダー像は、光学的には1m先に映像を結ぶよう設計されている。1m先のものがハッキリ見えるようにするために、視力を補正するのが視度補正レンズである。メガネを掛けていれば必要ないのだが、どうしてもファインダーと目の距離が開いてしまい、全視野を見渡すことが難しくなる。ちなみに、乱視用の視度補正レンズは用意されない。
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・シフトレンズ
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建物などの大きなサイズの被写体を撮影する場合、どうしても下から見上げる撮影となってしまう。そのため、距離の近い下の部分と距離の遠い上の部分では、当然、フィルム上に写る大きさが変わって「上すぼまり」となる。これを矯正するため、レンズ面とフィルム面が被写体と平行になるように移動(シフト)させるようにする。これが可能なレンズがシフトレンズである。
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・シボ皮
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シワのような模様で加工された、凹凸のある皮。昔からカメラの胴体に貼られていたが、そのほとんどが合成皮革。しかも最近ではシボ皮が貼られることも少なく、プラスチックの表面がムキ出しである。
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・絞り込み測光
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撮影レンズを通った光を測光するTTL測光の場合、実際の絞り値まで絞り込んで測光することを「絞り込み測光」という。しかし、実際に絞り込んで測光すると、ファインダー像は当然暗くなる。これでは少し不便。そこで、絞りは開放のままで測光する「開放測光」が考え出された。しかし、キヤノンとペンタックスだけは絞り込み測光にこだわり、開放測光へ転換するのが他社よりも遅れた。
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・絞り優先AE
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露出調節は、「シャッタースピード」と「絞り」の2つの設定で行われる。もし露出量を同じにするなら、絞りを絞り込むとシャッターは遅くしなければならない。この対応関係の規則は決まっており、片方の設定値が決まっていれば、残りの設定値は自ずと決まってくる。「絞り優先AE」の場合、撮影者が絞り値を決めるだけで良い。シャッタースピードの設定については、カメラ側がその絞り値に対応するものを自動的に決めてくれる。「この絞り値で撮りたい」という、撮影者の意志が入るわけであるから、我輩は「意志優先AE」と考える。とは言っても、当然ながらカメラの露出調節能力の範囲を越えることはできない。
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・視野率
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実際にフィルム面上に写り込む範囲に対するファインダー視野の割合。ネガフィルムでは、フィルムに写っている全てがプリントされるわけではないので、視野率が100%であることに意味があるわけではない(リバーサルフィルムでも、マウントにセットされると画面の一部が僅かに隠れる)。
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・写真工業
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写真工業出版社の刊行物。カメラに関する技術的な情報が多く、資料性が高い。
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・シャッタースピード優先AE
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露出調節は、「シャッタースピード」と「絞り」の2つの設定で行われる。もし露出量を同じにするなら、シャッターを遅くすると絞りは絞り込んでいかなければならない。この対応関係の規則は決まっており、片方の設定値が決まっていれば、残りの設定値は自ずと決まってくる。「シャッタースピード優先AE」の場合、撮影者がシャッタースピードを決めるだけで良い。絞り値の設定については、カメラ側がそのシャッタースピードに対応するものを自動的に決めてくれる。「このシャッタースピードで撮りたい」という、撮影者の意志が入るわけであるから、我輩は「意志優先AE」と考える。とは言っても、当然ながらカメラの露出調節能力の範囲を越えることはできない。
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・シャッターチャージ
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いくらカメラが電子化されようとも、シャッター羽根(幕)の迅速な動きはスプリングの機械力を利用せざるを得ない。フィルムを巻き上げる際、このシャッター用スプリングも同時にテンションをかけられ、力を蓄える(チャージする)ことになる。これをシャッターチャージと言う。
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・収差
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レンズを通した映像に、「ゆがみ」や「色のズレ」が見られること。光を一点に収束させるためにレンズを使うわけだが、どうしても理想的な光の結像とはならない。このズレを「収差」という。収差は1種類だけでなく「色収差(色ズレ)」、「球面収差(フレア)」、「非点収差(ボケ)」、「コマ収差(にじみ)」、「歪曲収差(歪み)」、「像面湾曲(ボケ)」と6種類あり、それぞれが複合して現れてくる(それぞれの項目参照)。
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・シュー
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ストロボや外部露出計などを装着するためのクリップ。シューにストロボ用のシンクロ接点が付いている場合、「ホット・シュー」と呼ばれ、単にクリップだけの場合は「アクセサリ・シュー」と呼ばれる。
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・周辺光量
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一般的にレンズの明るさはFナンバーで表すが、Fナンバーはレンズ光学系の中心軸の明るさである。それに対する周辺部の明るさのことを周辺光量という。レンズの性能によっては周辺光量が不足(周辺減光)することがあり、その場合には写真の四隅(周辺減光は円状となるため)が暗くなる。一般的には、絞り込むと周辺減光は軽減する。
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・順光
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被写体に対して真正面から光が当たっている状態。太陽を背にして撮る場合がそうである。発色はきれいに出るが、人物写真ではあまり好まれない。鼻の下に強い影が出る、表情がシブくなるなどが理由。
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・蒸着
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メッキのこと。真空にて、金属材料にレーザなどを当てて加熱させて融かす。真空のために、融けた金属は霧状となり、メッキしたいものに付着する。カメラでは、ペンタプリズムやミラーの部分で使われている。通常はアルミニウムや銀が使われる。ちなみに、ペンタプリズムはガラス材の内側で光の反射を行うのに対し、ミラーでは蒸着した表面が剥き出しとなっている(鏡のような裏打ちではない)ため、ミラーを拭くのは極力避けるべき。
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・焦点距離
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焦点から、レンズの中心(後側主点)までの距離。凸レンズの場合は、光が最も集まる時の距離で、凹レンズでは、通った光がレンズの直径の2倍の円に広がる時の距離である。
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・焦点板
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「フォーカシングスクリーン」の項目参照。
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・シリコンクロス
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カメラやレンズ鏡胴を拭くための布。シリコン液で処理されている。
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・シングルAF
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AFのモードの1つ。シャッターボタン半押し(第1ストローク)によってカメラがAF動作を行った際、いったん合焦した時点でフォーカスロックを行うもの。シャッターボタンを押し直さない限り、AF動作は再開しない。参考として「コンティニュアスAF」の項目参照。
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・シンクロ
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ストロボ撮影を行う際、カメラのシャッターとストロボの発光が同期(シンクロ)していなければならない。このことを一般に「シンクロ」という。
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・シンクロコード
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カメラのシンクロターミナルと外部ストロボの間を繋ぐ電気コード。
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・シンクロターミナル
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外部ストロボを使用する際に、発光させる信号を送るための電気接点(コネクター)のこと。最近のカメラにはほとんど装備されていない。
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・深度優先AE
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キヤノンEOS650に初めて搭載されたモード。被写界深度は、「レンズの焦点距離」と「被写体までの距離」、そして「絞り値」によって決まる。しかし、ある点(A点)からある点(B点)まで被写界深度に入れたい(ピントが合った写真にしたい)と思ったら、案外面倒なことである。EOSでは、AF機能を利用してA点の距離とB点の距離を記憶し、現在装着されているレンズの焦点距離情報を基に演算を行って最適な絞り値とピント位置を設定する。これが深度優先AEである。
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・水銀電池
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公称電圧1.3V、公称電気量225mA/hを持つ一次電池。陽極に酸化第二水銀(HgO)、電解液に苛性ソーダ(NaOH)や苛性カリ(KOH)、陰極に亜鉛を用いている。特長は、小型で内部抵抗の変化が少なく電圧安定性が良いこと。環境・公害問題から、最近発売禁止となり、入手はできなくなっている。なお、水銀電池を用いるカメラに対し、通常のアルカリマンガンボタン電池を変換アダプターを介して使うことができる。
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・水素増感
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水素ガスの中にフィルムを数日間入れておくと、感度が数倍に上がる。主に天体撮影などで長時間露光を行う場合、相反則不軌により感度が低下する現象を防止するために行う。参考として「相反則不軌」の項目参照。
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・水中カメラ
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水密耐圧ケース(ハウジング)に入れられた一般カメラや、全天候型カメラとして設計されたニコン・ニコノスが水中カメラとして使われる。水は屈折率が大気に比べて大きく、透視距離が極端に小さくなる。そのため、広角レンズが用いられることが多い。水深10m以上では赤い色の光はほとんど吸収されてしまうため、カラー撮影ではフラッシュ撮影が必要となる。
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・スキャナ
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映像を電子化するための読取装置。スキャンとは「scan=走査」という意味で、ライン状に並んだCCDを移動させながら原稿を端から順次読み取って行く。原稿のほうを移動させるものもあるが、ラインCCDで順次読み取るという意味では同じ。
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・スクラッチ
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いわゆる「キズ」である。現像された直後のフィルムなどは、水に濡れた乳剤面が柔らかくなっており、キズが付き易い。
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・スクリューマウント
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いわゆる「ネジ込み式」のマウント。加工コストは安いが、着脱には何度もレンズを回転させなければならず、あまり機能的とは言えない。また、レンズの停止位置もまちまちで、構造上、露出計に連動させることは難しかった。フジカなどはスクリューマウントにこだわっており、定点ロックなどを備え近代化を図ったが、結局はワンタッチ着脱のバヨネットマウントに移行した。
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・ステッピングモータ
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パルス信号を入力することにより、パルス量に応じた角度だけ回転するモータのこと。オートフォーカス制御や電磁絞り制御などに用いられる。
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・ステップアップリング
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径の異なるフィルターを、このアダプターを介して装着する。通常は小さな径を大きな径のフィルターに変更させる。だから「ステップ・アップ」という。もし逆の場合だと、画面がケラれてしまう。
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・ステー
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「Stay=支え」。三脚の脚部分を中心の棒から支える支柱のこと。
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・ストラップ
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「Strap」。カメラをぶら下げるための肩ヒモのこと。
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・ストロボ
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瞬間的に光を発生させる人工照明。キセノン放電管が発光管として使われている。「フラッシュ」や「スピードライト」と同じ意味。「ストロボ」というのは製品名であるが、一般名称として定着している。
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・ストローク
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ボタン式のスイッチなどの、押し込みの深さのこと。シャッターボタンでは、ストロークが長いと、手ブレ写真に繋がりやすい。機械式のカメラでは、メカニズムが洗練されていないとストロークが長くなりがちである。キヤノンは早くからシャッターボタンを電磁レリーズ化し、ストロークを短くした。その結果、キヤノンFDカメラではバルブ撮影でも電池が必要な機種が多くなった。
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・スナップ
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スナップというのは「素早い」という意味がある。よく、「スナップを効かせる(手首の動き)」とか、「スナップを外す(服飾関係)」という使い方がある。どれも「素早い」という意味から来ている。写真の分野では、「街頭写真」とでも言うのであろうか。人の暮らしや往来を、相手が構えてしまう前に「素早く」写し取る(場面を切り取る)。そういう意味では、一眼レフよりも小回りの利くレンジファインダーカメラのほうが好まれる理由が分かる。シャッター音の小ささも理由。
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・スピゴットマウント
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レンズ−ボディ間のマウントの一種で、レンズ本体を回転させることなく、レンズ側の締め付けリングで固定させる方式。キヤノンFDマウントやズノー、ペトリ、マミヤRB67、ペンタコンシックス(キエフ6c/60/88CM・エキザクタ66)などが採用した。しかし着脱が面倒なため、キヤノンでは締め付けリングとレンズ外装を一体化させ通常のバヨネットと同様な使用感を得た(NewFDレンズ)。
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・スピードライト
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「フラッシュ」や「ストロボ」のこと。ニコンが主に用いる名称である。
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・スプリットプリズム
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「Split Prism」。「スプリット」の直訳は「分割」。フォーカシングスクリーン上でピント合わせをする時、僅かなピントのズレが拡大して見えるように、スクリーンの中心に2個のプリズムを互い違いに配置したもの。ピントがズレればその分、プリズム上の映像は分割して見え、ピントが合ってくると分割された映像が1つになる。ただ、F値の暗い光束ではプリズムによって曲げられる光は目に届かなくなり、プリズムが黒く翳ってしまう。
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・スプリングカメラ
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携行時にはレンズ部の突出した部分を折り畳むことができ、撮影時にはスプリングによってレンズが定位置に固定される構造のカメラ。ブローニーサイズのカメラで、戦前には主流だった。距離計連動式の高級機や、35mmフィルムを使うものもあった。ただし、レンズとボディとの間を蛇腹で覆っているため、古いカメラでは穴が開いて漏光する危険があり、注意が必要となる。
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・スプロケット
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35mmフィルムの両端に開いた穴(パーフォレーション)に噛み合う歯車を持ったカメラ側の送り軸のこと。スプロケットの回転によって、巻き上げ時に1コマ分のフィルム送り量を知ることができる。省スペースを狙ってスプロケットを廃止したカメラもあり、代わりに赤外線センサーによってパーフォレーションの数をカウントし、1コマ分の送り量を知る。
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・スプール
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パトローネ中でフィルムを巻いてある軸のこと。
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・スポッティング
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引伸した写真には、ネガに付いたゴミやキズの痕が焼き付くことがある。専用の絵の具を使い、この痕を塗りつぶす作業をスポッティングという。
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・スポット測光
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画面中央のごく限られた範囲内を測光する方式。メーカーにより、全画面に占めるスポットエリアの大きさはまちまちだが、おおむね2〜5%程である。
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・スリーブ仕上げ
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現像の終わったフィルムを、6コマごと(35mm判の場合)に切り離してシートに入れること。ネガフィルムでは当たり前の工程なので、「スリーブ仕上げ」と明言するのはリバーサルフィルムの場合となる。
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・ズーム比
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ズームレンズにおいて、最長の焦点距離の値を最短の焦点距離の値で割ったもの。例えば、35〜105mmレンズでは「ズーム比3倍」となる。
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・ズームレンズ
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焦点距離を連続的に変化させることのできるレンズ。参考情報として、「ダブルフォーカスレンズ」の項目参照。
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・赤外フィルム
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赤外領域の光に感光するモノクロフィルム。赤外線は波長が長く、大気中の透過力が大きいため、遠くの景色がかすれること無くハッキリ写る。ただし、ハロゲン化銀そのものは可視光にも感光するため、可視光カットのフィルター(R1フィルター)を装着しなければ、通常の写真と変わらなくなる。以前はコダックから赤外カラーフィルムも供給されていたが、今は少なくとも国内販売はされていない様子。
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・セグメント
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「Segment」。文節、切片。液晶などのデジタル表示で、表示される素子の1単位。デジタル数字は、通常7セグメントで表示を行う。
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・セミ判
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ブローニーフィルム(120/220フィルム)を使う画面サイズでは最も小さく、56mm×41.5mmの規格。「645サイズ」とも呼ばれ、120フィルムでは16枚写せる。
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・セルフタイマー
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ある一定時間後(10秒前後)に自動的にシャッターの切れる機能。自分を含めた集合写真などを撮る場合に用いる。セルフタイマー機能の無いカメラでは、別売りのタイマーをシャッターレリーズのソケットに装着して使用する。
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・接写
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被写体に接近して撮影すること。つまり、必然的に拡大撮影になる。
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・接写リング
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接写時、レンズは近距離にピントを合わせるため、前へ繰り出される。しかし、その繰り出し量には限界がある。これを越えて接近したい場合、レンズとカメラの間にリングを入れてレンズ繰り出し量を増やすことができる。このリングを「接写リング」という。大抵の接写リングでは、カメラとレンズ間の信号のやりとりも中継できるようになっている。
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・セーフライト
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「安全光」とも言う。現像時、印画紙を感光させないためには暗室中で作業することになる。しかし、全く暗黒中では作業に支障をきたすため、感光させない照明装置としてセーフライトを使う。モノクロ印画紙は赤い光には感光しないため、セーフライトとして赤色光を使う。しかし、長時間や近距離での暴露は、印画紙のカブリを引き起こす可能性がある。
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・全円周魚眼レンズ
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「魚眼レンズ」の項目参照。
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・潜像
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撮影によって感光したフィルムには、目に見えない変化が起こっている。これはつまり、目に見えない画像が潜んでいるということである。これを「潜像」という。
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・増感
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フィルム現像時、現像時間の延長や増感用の現像液によって、公称感度の数倍の感度のフィルムにすることができる。この処理を「増感」という。あらかじめ増感を前提にして撮影するわけだが、まれに、フィルム感度設定ミスを救済するために行うこともある。モノクロの場合、自家処理が一般的であることから、増感は特別なものではない。参考として「減感」の項目参照。
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・相反則
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通常、画像濃度は「光量」×「露光時間」という関係で比例している。これを「相反則」という。このおかげで、シャッタースピードと絞りの関係が成り立っている。
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・相反則不軌
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通常のカメラが持っているシャッタースピードの範囲内であれば、相反則の関係(画像濃度は露光時間に比例する)が成り立つ。しかし、極端に長い、または極端に短い露光時間の場合にはその関係が崩れてしまう。これを「相反則不軌」と呼ぶ。特にカラーフィルムの場合では、3色のそれぞれの特性が異なるため、色のバランスも崩れることになる。ネガカラーであればプリントの段階で補正されるだろうが、リバーサルフィルムを使う時には30秒以上の露光には気を付けたほうが良い。フィルムメーカーから提供される(またはフィルムのパッケージに同梱される)データシートを参考にし、露出の補正や色の補正を行う必要がある。
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・像面湾曲
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奥行きの無い平らなものを写した場合、レンズを通った映像が平らにならず、くぼんだ形に奥行きを持つ焦点面を作る。これを「像面湾曲」と呼ぶ。その結果、中心部にピントを合わせれば周辺部がボケてしまい、逆に周辺部にピントを合わせれば中心部がボケてしまうことになる。
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・測光
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光の強さを測り、撮影のための露出量を割り出すこと。
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・ソフトフォーカス
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これは、単なるピンぼけとは違う。芯のあるピントの中に、ボンヤリとしたニジミがある状態である。これは、女性を幻想的に撮りたい時などに使う方法。ソフトフォーカスの効果を持ったフィルターを装着するのも良いし、ソフトフォーカス専用のレンズを使っても良い。露出は幾分オーバー気味にすると良い。また、シワやシミが気になるという女性にもソフトフォーカスが好まれる場合がある。理由は、ここで特に述べることもない。
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・ソラリゼーション
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写真現像の効果の1つで、「サバチエ効果/サバチェ効果」とも呼ぶ。フィルム現像時、現像打ち切りの少し前に白色光を当て、適当なところまで現像し定着させる。すると、ネガとポジが組合わさったような映像が得られる。光の当て方と現像打ち切りのタイミングによって、結果がかなり変わってくるので、トライ&エラーを繰り返して自分のイメージに近付けていく。
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・ゾーンシステム
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写真画像上のハイライトからシャドーまでの光度差を全て印画紙上に再現させることは難しい。印画紙の再現幅(ラチチュード)は、実際の被写体の高度差よりもはるかに狭いのである。そのため、被写体の明暗比(ゾーン)に応じてフィルムのコントラストを制御し、広い光度差をフィルム上で圧縮しようというもの。これはアンセル・アダムスによって提唱された適正露出決定法である。ただし現像のコントロールを伴う方法のため、35mm判のように1本のフィルムに様々なシチュエーションが写されたものに適用するのは難しい。また、カラーでのコントラスト調整は、カラーバランスを崩す原因となる。なお、ゾーンシステムを活用したカメラはハッセルブラッドから発売されている。
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・ゾーンフォーカス
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通常、ピント合わせは連続的に調節出来るが、ゾーンフォーカスの場合、例えば「遠景」・「中景」・「近景」と大まかな位置でクリックを設ける。これは、ある程度被写界深度でカバーしようという発想。これなら、初心者でもMFが使えるだろう。特に、昔はAFが無かったので、このような方式が歓迎された。
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・対角線魚眼レンズ
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「魚眼レンズ」の項目参照。
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・ダイキャスト
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一般的に言う鋳物。カメラでは骨組みとなる鋳造金属として使われる。このダイキャストにシャッターユニットや電子回路やモーターなどが実装され、カメラとなる。ちなみに、金型(ダイス)に溶融合金を高温で圧入して鋳造(キャスティング)するため「ダイキャスト」と呼ばれる。「ダイカスト」とも呼ばれることもある。その性質上、内部に細かい気泡が発生し易く、またプレス成型品に比べて折れ易い。
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・タイムラグ
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簡単に言うと「時間差」である。カメラの場合、シャッターボタンを押してシャッターが切れるまでのことを言う。その中ではいくつかの要素に分けられ、「測光のタイムラグ」、「AFのタイムラグ」、「CPUの演算によるタイムラグ」、「ミラーなどの機械動作のタイムラグ」がある。通常では、これらを並列動作させ、出来る限りタイムラグを短くなるように設計されている。しかし現実問題としては、モーターを1〜2つしか搭載していない普及機では並列動作が難しい。高級機のタイムラグが短いのは、モーターの数やCPUの性能による違いである。
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・タイム露出(T)
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主に機械機構としての機能で、シャッターをある一定時間開きっぱなしにする時に使用する。カメラによって操作法は違うが、例えば、「シャッターボタンを押すとシャッターが開き、もう一度押すと閉じる」ものや、「シャッターボタンを押すとシャッターが開き、シャッターダイヤルを回すと閉じる」もの、「またはシャッターボタンを押したまま、シャッターロックを掛ける」ものなど。
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・ダイレクト測光
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撮影時、フィルムに当たる光の量を直接(ダイレクトに)測る方式。オリンパスが得意とする方式である。シャッターが開いた瞬間、フィルム面に当たる光の反射光を測光し、適正露出に達したと判断された時点でシャッターを閉じるのだが、フィルムの種類によって反射率が異なるという問題がある。現時点では問題無くても、将来開発される新フィルムの反射率が誤差に収まるという保証は無い。ダイレクト測光の真意は、フィルムに当たる光を測るということであるから、フィルムの反射光を拾うのは、真に「ダイレクト」と呼ぶべきなのかは我輩には疑問。誤差のあるものがダイレクトと言えるハズが無い。本物を測っておきながら本物とズレがあるというのは、そもそも矛盾している。個人的な意見だが、「リアルタイム測光」と表現したほうが現状をうまく表現していると思うのだが・・・。
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・ダイレクトプリント
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リバーサルフィルムの原稿から、直接プリントに焼き込むこと。印画紙はダイレクトプリント専用のものを使う。ただし、一般のネガからのプリントよりも硬調に仕上がり、値段も高い。
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・多重露出(多重露光)
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フィルムの同じコマ中に何度も露光を与えること。映像がオーバーラップして映る。ただし、その分、露出量が増えることになり、シチュエーションによっては、1回分の露光量を抑える必要もある。多重露出の操作は、カメラにその機能が用意されている場合もあるが、その機能が無いものでも、手巻きカメラなら巻き戻しボタンを押しながら巻き上げることによって可能となる。ワインダー内蔵カメラで多重露出機能の無いものは、多重露出は諦めるしかない。
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・ダブルフォーカスレンズ
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2種類の焦点距離を交互に切り替えて使用できる交換レンズ。ズームレンズのように、焦点距離を連続的に変えることはできないが、大きさ、重量、価格の面では単焦点レンズと同等に抑えることができる。ただし、現在この種のレンズは発展をみていない。
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・多分割測光
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「分割測光」の項目参照。
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・ダークバッグ
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フィルムを現像する際、現像タンクのリールに撮影済みフィルムを装填する。その作業はフィルムのパトローネを開けて行うため、完全な暗黒中でなければならない。しかし、光の入らない袋の中に手を突っ込んで作業すれば、明るい部屋でも問題ない。ダークバッグとは、光の入らない袋のこと。滅多に無いが、カメラ内でフィルムが切れたりして、裏ブタを開けたい時にも、ダークバッグの中で作業すれば、少なくとも感光は防げる。
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・段階露光
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リバーサルフィルムでの撮影は、ほんの僅かな露光量の違いが結果に現れる。ネガカラーフィルムでは失敗とは言えない写真であっても、リバーサルフィルムでは失敗となるケースがある。それだけリバーサルフィルムでの露出決定はシビアである。いくらプロであろうと、写真というのは結果を見てみるまでは分からないもの。万一失敗していたら、もう一度撮影し直すことはなかなか難しい。そんなリスクを負うくらいならば、露出量を少しずつズラしたカットを何枚も撮影しておくと失敗も防げる。この撮影を段階露光という。ワインダー内蔵カメラには、3枚またはそれ以上の段階露光を自動的に行うAEB(Auto Exposure Bracketing)機能を持つものがある。
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・タングステン
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元素の1つで、元素記号は「W」。融点が3410℃(3137K)と非常に高く、電球のフィラメントなどに用いられる。写真の分野で「タングステン」と言うと、「写真用電球による照明」のことを指す。ちなみに、ストロボや太陽光の色温度は5500Kであるから、3000〜3200Kのタングステンはかなり赤みを帯びていることが分かるだろう。詳細は「色温度」の項目参照。
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・単体露出計
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カメラ内蔵露出計ではない単体の露出計のこと。大きく分けて「入射光式」と「反射光式」がある。「入射光式」は被写体に当たる光の量そのものを測定するため、被写体の反射率には左右されない。ただし、離れている被写体(遠くの山など被写体に当たっている光を測りに行けない場合)や、発光している被写体(ネオンサインなど)には不向き。「反射光式」は、カメラ内蔵のもの同じタイプに属し、被写体に反射した光を測定する。当然、被写体の反射率に左右されるが、遠くの被写体を測ったり、発光物や透過光も測ることができる。中でも、測光範囲を狭くしたもの(測光範囲5〜10度など)は「スポットメーター」と呼ばれる。
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・チタン(チタニウム)
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「Titanium」。融点1675℃の金属元素。軽くて丈夫な素材の代名詞である。反面、加工しにくく、加工コストが掛かる。カメラの場合、重量の軽減や強度の向上を図る目的で外装をチタン材とした製品がある。
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・調光
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ストロボの発光量を調節すること。フラッシュマチック撮影の場合では一定の光に対して絞り値で調節して適正露出を得るが、自動調光ストロボではストロボの発光量を調節することで適正露出を得る。(「フラッシュマチック」の項目参照)
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・中央部重点測光
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1967年、日本光学(現ニコン)がニコマートFTNに搭載した測光方式で、それ以降各社がこの測光方式を取り入れた。日本光学の定義では、「焦点板上の画面中央12ミリ径の範囲に測光の重点を置きながら、同時に周囲全面の明るさを測定する中央部に重点のある平均測光」となっている。中央12ミリ径の円内では、露出計の総感度の約60%を持ち、画面周辺では感度比が1/250になる減衰率が条件となるが、他社がこの基準に従ったうえで「中央部重点測光」を謳っているのかは分からない。また、日本光学内部でも、当初の基準に厳密に沿っているわけでもなく、特にニコンF3では測光光学系が一変し(通常のカメラは焦点面に結像した光を測定しているが、F3では透過光を直接測定している)、中央12ミリ径で80%の感度を持つ。
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・中判カメラ
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120及び220フィルムを使用するカメラ。画面幅56mm(フィルム幅は約6cm)に対して、画面長さを41.5mm(セミ判)、56mm(6×6判)、69mm(6×7判)、82.6mm(6×9判)と、様々な画面サイズを取ることができる。もちろん、それぞれの画面サイズを撮るにはそのサイズ専用のカメラが必要(「大は小を兼ねる」場合もある)。
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・超音波モーター
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指田年生氏の発明した非電磁モーター。別名ウルトラ・ソニック・モーター(USM)。圧電セラミックスに高周波の交流電圧をかけ、これによって生じる超音波振動の進行波でローターを回転させる仕組み。特長は、低速・高トルク(従来モーターの1/10の回転数、10倍のトルク)なので減速用ギアが必要ないこと、応答性が速いこと(電源を切って停止するまで1/1000秒)、電磁モーターよりもエネルギー効率が良いこと、中空リング状に設計することができることなどである。最初にこのモーターを実用化したのはカメラの分野であり、キヤノンがAFレンズの駆動用として採用した。
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・長尺フィルム
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100フィートの長さの35mmフィルムを、プラスチックリールに巻いて缶に収めたもの。これを切り分けて使えば、36枚撮り用に市販されているフィルムよりも1本当たりの値段が安くなる。我輩も経済的な理由からこの長尺フィルムを利用している。パトローネは市販のフィルムのものを利用している(パトローネはカシめてあるので、開けると使えなくなる)。
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・追針式露出計
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針式アナログ露出計にて、露出計の指針が示す位置に追針を重ねることにより、適正露出が得られる方式。追針は、シャッターダイヤルや絞り環を回転に応じて動く。
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・ディオプトリー
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「Dioptory」。レンズ度数の単位。「1/焦点距離(m)」によって値が求められる。凹レンズはマイナスの値をとる。
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・ディストーション
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「歪曲収差」の項目参照。
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・定点式露出計
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シャッターダイヤルと絞り環を動かし、露出計の指針が真ん中を示すように調整することによって適正露出が得られる方式。なお、指針ではなくLEDによる表示方式もある。
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・デイライトシンクロ
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「日中シンクロ」の項目参照
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・デジタルカメラ
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「デジタルスチルカメラ」を略した名称。さらに略して「デジカメ」とも言う。フィルムの代わりにCCDで捉えた映像を電気信号に換え、デジタル変換してメモリー媒体に書き込む。機種によっては動画も記録できるものもあるが、基本的には静止画を記録するカメラである。しかし、デジタル記録であるため、階調再現には規格上の限度がある。例えば、RGB記録の場合、各色8ビット(256色)で記録すると約1677万色での記録しかできない。プリントのような反射原稿と比較した場合には遜色無いが、リバーサルのような透過原稿とは比較にならない。もっとも、画像の規格以前にCCDの限界がある。
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・手焼き
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プリント写真を機械処理ではなく手作業でやること。機械作業よりも高価になるが、指示さえ的確であれば融通のきくプリントができる。特に、ネガに写った範囲をカットすることなく最大限にプリントしたい場合は手焼きで行うしか方法は無い。
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・テレコンバーター
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「Tele-Converter」。コンバージョンレンズの一種。カメラボディとマスターレンズとの間に取り付け、マスターレンズの焦点距離を数倍に伸ばすためのアクセサリー。通常、1.4倍と2倍があるが、マスターレンズの開放F値をそれぞれ1絞り分と2絞り分暗くする。マスターレンズの前面に取り付ける「フロントコンバージョンレンズ」もある。
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・データバック
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カメラの付属品(アクセサリー)の一つで、フィルムに日時や任意の番号などを写し込む装置である。カメラによっては標準装備されているが、別製品として供給されているものは、裏ブタと交換して装着する。上級機向けには、コマとコマの間に記録する「コマ間データバック」も用意されるものもある。
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・電子ダイヤル
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主にキヤノンの呼び名で、ニコンではコマンドダイヤルと呼ばれる。ダイヤルの回転を電気信号に変換(エンコード)し、カメラの各設定入力を行う。今までのダイヤルと決定的に異なる点は、電子ダイヤルでは機能が固定されていないことである。キーボードと同じく、あくまで入力装置である。カメラではキヤノンT90の採用が最初であった。キヤノンでは、それ以降、EOSシリーズで全面的に電子ダイヤルを採用し、それがEOSの特徴ともなった。他社では独自の方法を採用していたが、ある時期を境に(特許の関係?)、一斉に同様な電子ダイヤルの採用をして現在に至っている。
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・特殊分散ガラスレンズ
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EDレンズの項目参照
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・凸(とつ)レンズ
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中心部分が出ばっているレンズ。平行光線を集約させる働きがある。凹(おう)レンズと組み合わせて色収差を補正するのに用いたりする(色消しレンズ)。
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・トランスパレンシー
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「Transparency=透かし絵、透明フィルム」。スライドフィルムのこと。
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・トリミング
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裁つ(=Trimming)こと。つまり、フィルムに写っている全てを印画紙にプリントするのではなく、必要な部分を中心に映像を拡大し、余計な部分はプリントから外すことである。簡単なトリミングであれば、ハーフサイズ用のマスクを使った拡大が機械焼きでもできるが、細かい指示のある厳密なトリミングでは手焼きとなるため、コストと時間が掛かる。
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・ハイキー・トーン
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画面全体が明るく、ほんの僅かなシャドー部で構成された写真。単に「ハイキー」とも言う。
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・ハイポ
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現像の際の定着液の主剤として使われる薬剤。「チオ硫酸ナトリウム」のこと。ハロゲン化銀を溶解除去する作用がある。
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・バックフォーカス
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レンズ後端面からフィルム面までの長さ。バックフォーカスが短いレンズ(昔の魚眼レンズなど)では、レンズ後端面がミラーに当たってしまうので、ミラーアップしなければならない。
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・パトローネ
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35mmフィルムで、フィルム本体が収められた、遮光された入れ物。素材は金属製で、表面にフィルム感度設定用のDXコードが打たれている。参考として「DXコード」の項目参照。
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・パノラマカメラ
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左右140度もの広い範囲を撮影できるカメラ。中には、特殊な機構によって360度全周撮影できるカメラもある(手作りカメラ)。一時期、簡易パノラマ写真が流行となり、どのカメラも「パノラマ対応」を謳っていたこともあった。そのパノラマは画面の上下をマスクして疑似的にパノラマにしただけであり、撮影範囲が広がる訳ではない。
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・バヨネットマウント
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「バヨネット (Bayonet)」とは「銃剣」のこと。つまりバヨネットマウントとは、銃剣のように、ワンタッチで脱着でき、しかもしっかりと保持できるマウント形式のこと。通常、レンズとボディの指標を合わせ、5分の1回転もさせればしっかりとロックされる。
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・バライタ紙
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モノクロ印画紙の製造において、感光性の乳剤を紙に塗布する前に、まずゼラチンに硫酸バリウムを混合した液を塗布する。この層をバライタ層と呼ぶ。特徴として、階調が美しく、画像の耐久性に優れる。
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・パララックス
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一眼レフでないカメラで、撮影レンズとファインダーの位置が異なることによる視差のこと。被写体が近ければ近いほど、パララックスの影響は大きくなる。カメラの中には、そのパララックスをファインダー上で、ある程度補正する(画面枠を移動させる)機能を持ったものもある。
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・バルブ(B)
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シャッターボタンを押している間、シャッターを開きっぱなしにすること。
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・ハレーション
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撮影時、極端に強い光がフィルムに当たった場合、フィルムの感光層を通り抜けた光がフィルムベース面で反射して再び感光層に当たることがある。この時、映像はぼやけた感じになる。
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・ハロゲン
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フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、アスタチン(At)のハロゲン族元素。
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・ハロゲン化銀
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ハロゲン元素と銀が化学結合した物質。
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・パースペクティブ
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遠近感のこと。広角レンズと望遠レンズで撮り比べてみると、広角レンズでは、被写体と背景に距離があるように見え、望遠レンズでは、被写体と背景が接近しているように見える。実際には、撮影距離で決定される。
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・パーフォレーション
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35mmフィルムで、フィルム両端にあるコマ送り用の穴のこと。カメラ側は、フィルム巻き上げ時にこの穴をカウントして巻き上げの完了を知る。カウントの方法は、スプロケットによる機械的な回転で行うことがほとんどだが、省スペースのためにスプロケットを廃止して赤外線センサーで行うものもある。ただしこの場合、赤外フィルムを使うとフィルムが感光してしまう。
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・ハーフサイズ
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35mmカメラのフルサイズ版(36mm×24mm)を半分にした大きさ(17×24mm)の規格。シネサイズとも呼ばれ、かつては映画がこのサイズを使用していた。ハーフサイズでは、フルサイズの2倍の枚数が撮影できることになる。
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・ハーフミラー
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ある比率で光を反射と透過とに分けるミラーのこと。カメラでは、撮影レンズから入った光をハーフミラーによって測光素子やAFセンサーに導くために使われることがある。しかし、ハーフミラーには偏光性を持ったものがあり、偏光フィルターを使った場合に測光誤差や測距誤差を生じることもある。
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・半押し
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シャッターボタンを第1ストロークまで押し下げた状態。通常、露出計内蔵カメラでは、シャッターボタンは2段階になっており、1段階目で露出計が働くようになっている。AFカメラでは、それに加えてAFが動作する。
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・反射望遠レンズ
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望遠レンズは焦点距離が長いため、どうしても全長が長くなる。しかし、反射鏡を用いて光路を光学的に折り畳むことができれば全長を短くすることができる。これが反射望遠レンズ(レフレックスレンズ)である。その機構上、特別に工夫した一部の製品以外は絞りは無く、開放固定で使うことになる。
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・パンフォーカス
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レンズの絞りを絞り込んだり、広角レンズなどを使うことで、被写界深度が深くなるよう設定し、ピントを合わせの必要を無くした状態。固定焦点カメラはパンフォーカスを利用している。
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・パン棒
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三脚の雲台に付いている、棒状のハンドル。
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・非球面レンズ
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別名「アスフェリカルレンズ」。レンズの表面は通常、球面の一部である。しかし球面では各種の収差を除去するのは難しい。そこで、光学的に最適なレンズ表面のカーブを計算で求め、球面ではないレンズが作られた。球面ではないため「非球面レンズ」ということ。しかし、製造は難しくなるので、コストも上がることになる。
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・ピクセル
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「ピクセル=Picture Cell」。画像を電子化する際、画像を細かいマス目に区切った1単位のこと。
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・ビグネッティング
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「ビグネッティング=Vignetting」。「口径食」の項目参照。
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・被写界深度
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ピントを合わせた地点からある範囲内では、ボケ具合が「許容錯乱円」に収まる。この範囲ではピントが合っているように見える。この範囲を「被写界深度」という。被写界深度は、「絞りを絞り込むほど範囲が広がる」、「焦点距離が短いほど範囲が広がる」、「距離が遠いほど範囲が広がる」、「ピントを合わせた点から後ろ側のほうが前側よりも広い」という特徴がある。
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・非点収差
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レンズに斜めから入った光について、その光の縦方向の平面にある光と横方向の平面にある光では、焦点位置がズレる。これを「非点収差」と言う。その結果、多少、楕円がかった像ができる。
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・標準反射板
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18パーセントグレーで印刷された板のこと。参考として「18パーセントグレー」の項目参照。
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・標準レンズ
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明確な規定は無いが、焦点距離50mm前後のレンズのことをいう(35mm判の場合)。特に50mm〜58mmの単焦点レンズは、それぞれのメーカーが基準とする性能を持っている。設計に無理がないため、安価で最も明るく、各種収差が良好に補正されている。
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・ピント
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焦点のこと。「ポイント・オブ・フォーカス」が訛って「ポイント−>ピント」となった。
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・ピントリング
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ピントを手動で合わせるための環。溝が切られたゴム製の滑り止めが巻かれていることが多い。
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・ピンホールカメラ
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レンズの絞りを絞れば絞るほど、被写界深度が深くなる。そして、針の穴くらいの大きさまで絞り込まれると、もはやレンズさえ無くてもピントが合って見えるようになる。これを利用したのがピンホールカメラである。もちろん、極限にまで絞り込んでいるので、当然、シャッタースピードはかなり遅くしなけばならない。ピンホールカメラは愛好者によって支えられており、カメラは手作りである。
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・ファインダー倍率
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ファインダーの接眼レンズは、焦点面(フォーカシングスクリーン)を見るためのルーペのようなもの。そのルーペの倍率のことを「ファインダー倍率」という。当然、ファインダー倍率が高ければ映像は大きく、ピント合わせも楽になる。しかし、ルーペの倍率を上げるためには、ルーペの焦点距離を短くしなければならず、そのために光路長を短くする必要がある。参考として「光路長」の項目参照。
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・フィッシュアイレンズ
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「魚眼レンズ」の項目参照。
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・フィルター
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バランスの崩れた光を揃えたり、意図的に画像を歪めたりする目的で使用する、光学的な「ふるい」のこと。
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・フィルム
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「Film」。元々は「薄皮」という意味であるが、写真用語としては、アセテートやポリエステルなどの薄い支持体に感光乳剤を塗布したものを指す。35mm判やブローニー判のようなロール状に巻いたものや、4x5判や8x10判のようなシート状のものがある。
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・フィルム圧板
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カメラに装填されたフィルムが平面性を保つように、裏側から圧力をかけている板のこと。この板に傷やゴミが付いていると、圧力がかかっているためにフィルムに線状の傷が入ることがある。
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・フィルム有効期限
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フィルムは化学変化を利用して画像を得る製品で、その製品特性を維持するための保存温度や保存期間が指定されている。それはフィルムのパッケージに明記されているのだが、写真は現像プロセスを経て初めて完結するので、撮影がフィルム有効期限内であったとしても、現像処理が有効期限を越えてしまえば意味がない。
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・フォトグラフ
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写真のこと。「Photograph」は、「Photo(光)」と「graph(画)」の合成語。
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・フォトグラム
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カメラやレンズを用いず、印画紙上に直接物を置き露光させて映像を得る手法。全く光を透過させない物質を乗せて露光した場合では影絵のような写真が得られ、透明・半透明な物を乗せるとレントゲン写真のような映像が得られる。基本的にはネガ像であるが、密着反転によりポジ画も得られる。
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・フォーカシングスクリーン
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レンズを通った光が映像を投影させるスクリーンのこと。光学的にフィルム面と等距離にあり、ここに結像された映像がシャープに見えれば、シャッターを切った時にフィルム面上でもシャープな映像が投影されることになる。スクリーンはスリガラス状になっており、撮影者は結像された像を裏側から見ることになる。このスリガラスが透明に近付けば近付くほど、画面が明るく感じられるが、映像が結像されずに目に届くようになるため、ピントの精度が低下する。AFカメラでは、カメラがピントを合わせるため、フォーカシングスクリーンには明るさを優先させる傾向がある。
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・フォーカスエリア
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AFカメラにて、ファインダー内でピントを合わせるエリアのこと。ピントを合わせたい部分に、フォーカスエリアを重ねてピントを合わせる。フォーカスエリアはカメラの機種により、中央に1点だけのものや10点以上持つものもある。
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・フォーカルプレーンシャッター
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歴史は古く、実用化は1890年頃だと言われる。そのうちの1つ、「ドラム型シャッター」では、ドラムに巻かれた幕にスリットを開け、そのスリットがフィルムの前を走る時に露光を行うものである。ドラム型は「横走りシャッター」と「縦走りシャッター」があるが、「縦走りシャッター」の例は「ライツミノルタCL」くらいしか知らない。また、現在の主流としては「スクエア型シャッター」というものがあるが、これはいくつかの金属板をアームでリンクさせ、順次開いていく形式。これはよく雑誌等で「縦走りシャッター」と紹介されるが、これは間違いである。「縦走りシャッター」は、あくまでドラム型のものが存在する。他にもう一つ、オリンパスペンFT用のシャッターとして、「ロータリーシャッター」というものがある。これは複数の金属板を扇状に回転させて走らせるもの。ペンFTでは、回転制御を工夫し、1/500秒の高速でも全開できる。そのため全てのシャッタースピードにてストロボ撮影が可能である。
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・部分測光
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画面のごく狭い範囲を測光する方式。スポット測光よりは測光範囲は広い。
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・ブラケット
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カメラとグリップを連結したり、グリップ型ストロボをカメラに取り付けるための金具。
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・フラッシュ
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瞬間的に光を発生させる人工照明。キセノン放電管が発光管として使われている。「ストロボ」や「スピードライト」と同じ意味。
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・フラッシュマチック
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ストロボ光量を一定にした撮影では、撮影距離に応じた適正絞り値が計算で求めることが出来る(「ガイドナンバー」の項目参照)。その関係を利用し、撮影距離に応じた絞り値が自動セットされ適正露出が得られるようにした仕組み。ストロボの反射光を測る調光方式では被写体の反射率の違いによる影響を受けるが、フラッシュマチック撮影では反射率による影響は無い。
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・フランジバック
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カメラマウント面(レンズ取り付け基準面)からフィルム面までの距離。カメラマウントそれぞれに規定値がある。これが合っていないと、例えば無限遠にピントが合わなくなったりする。
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・プリワインド
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主にワインダー内蔵カメラの機能。通常のカメラでは、フィルムを巻き上げながら撮影を進めていく。プリワインド方式のカメラでは、フィルム装填した最初の時点でフィルムを最後まで一気に巻き上げ、撮影時は1コマずつ巻き戻しながら行う。利点は、撮影途中で誤ってウラブタを開けてしまっても、少なくとも撮影済みのコマは感光から守られるということである。カスタムファンクションでプリワインド方式を選べる機種もある。
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・フリントガラス
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珪石・鉛を主原料とし、硝石などを混ぜて作られた光学ガラス。フリント(=Flint)とは火打石のことで、昔の製法では火打石を原料としていたことが名前の由来。
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・フレネルレンズ
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集光レンズの一種。凸レンズのカーブを細かい同心円状に切り分け、厚みの部分のみを取り去ったレンズ。ストロボの集光面や、フォーカシングスクリーンの裏面に使われるフレネルレンズは光を集光させる用途である。
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・プレビューボタン
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絞り込みボタンとも言う。一眼レフカメラにて、レンズの絞り値に応じて常に絞られているとすればファインダー画面はとても暗くて使いものにならなくなる。そのため一般的には、レンズの絞り値をどこに設定しようとも撮影の瞬間まで絞り込まれることはない。しかし実際にファインダー上で被写界深度を確認したい時には、このボタンで強制的に絞り羽根を設定値まで絞り込んで確認する。
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・フレーミング
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カメラを構え、撮影範囲を決めること。
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・ブロアー(ブロワー)
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カメラやレンズについた埃を吹き払うための写真用品。ゴム製で、手で握る部分が小さな風船のようになっている。
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・プログラムシフト
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プログラムAEでは、カメラが露出の組み合わせを決めるが、撮影者の操作によって、その組み合わせを変更できるようにした機能。露出量が同じ「絞り値」と「シャッタースピード」のいくつかの組み合わせが選べる。
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・プログラムAE
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カメラが測光値に合わせた最適な「絞り値」と「シャッタースピード」を自動的に設定する撮影モードのこと。当然、同じ露出量の「絞り値」と「シャッタースピード」の組み合わせはいくつも考えられるが、それはカメラによって決められているし、中には装着レンズによって組み合わせを変える機種もある。
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・プロジェクター
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スライド映写機のこと。
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・フローライト
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「ホタル石レンズ」の項目参照。
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・フローティング
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写真用レンズは各種収差を補正するために複数のレンズで構成されているが、あらゆる撮影距離において良好に補正するには無理がある。特にマクロレンズや超広角レンズなどは撮影距離の変化が大きいためにこの問題が大きい。こういった場合、撮影距離に応じて構成レンズの一部を移動させて補正を行っている。この仕組みをフローティングと呼ぶ。通常は、構成しているレンズの一部をピントリングに連動させてカムで移動させる方式のため撮影者がフローティングを意識することは無いが、MAMIYA RZ67/RB67などの機種ではピント操作がラックピニオンによってレンズ全体を前後させているため、別途フローティングリングを手動調節して撮影距離に応じた補正を行わねばならない。(我輩の場合、RB67のフローティングセットが甘く、ピントが同一平面上に来なかった経験がある。)
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・フード
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逆光などによって、照明光が直接レンズに入ってくると、ゴーストの原因になる。この光がレンズに入りにくいようにするための付属品がフードである。ちょうど、人間が眩しい時に手をかざすのと同じ。
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・分解能
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レンズを通して見た2つの点が重なって見えずきちんと別れて見える能力のこと。角度にて表す(度・分・秒)。これはレンズの有効径に関係し、レンズの明るさ(開放F値)とは直接関係無い。次の式によって算出する。
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・分割測光
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測光時、画面をいくつかのエリアに分け、カメラのマイクロプロセッサーがそれぞれの測光値を比較・演算して最適な露出値を決定する方式。極端な光度差が画面内にあっても、適正露出を得やすいとされる。しかし、マイクロプロセッサーの露出決定の手順(アルゴリズム)によって露出値の結果が変わってくる。つまり、メーカーや機種の違いによって露出値は変わってくる。
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・分割巻き上げ
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「小刻み巻き上げ」の項目参照
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・ベークライト
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コールタールから分離されるフェノール(石炭酸)に繊維を混ぜ込み成型した熱硬化性合成樹脂。20世紀初めにベークランドにより開発された。
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・ベタ焼き
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「コンタクトプリント」の項目参照
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・ヘリコイド
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ピント合わせのために、距離調節リングを回転させてネジの原理によってレンズ鏡胴を伸縮させる機構のこと。
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・ベローズ
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焦点調節(ピント合わせ)は、被写体までの距離が近ければ近いほど、レンズを前に繰り出す必要がある。しかし、レンズの構造を越えてまで無制限にレンズを繰り出すことは無理。しかし、レンズとカメラボディとの間に蛇腹(ジャバラ)を取り付けることによってそれが可能となる。この蛇腹が「ベローズ」と呼ばれる。ベローズはピニオンギヤーによって伸び縮みし、レンズの繰り出し量を増やす。ただし、レンズとカメラ間の機械的信号伝達は絶たれる。
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・偏光
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非金属面を反射した光は、反射面に対して35度前後に反射する場合、特に限られた方向に光の振動を持つようになる。このような偏った光を偏光と呼ぶ。
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・偏光フィルター
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「PLフィルター」とも言う。非金属面を反射した光をカットするためのフィルター。反射面に対して35度前後の角度で撮影するときに効果が上がる。ガラス面や水面での偏光反射を除去し、また非金属面の反射を無くして質感や色彩をクリアにすることができる。露出倍数は3倍前後となる。一般的に、偏光フィルターは年月が経つと偏光効果が低下する。
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・ペンタプリズム
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「Penta-Prism」。ペンタゴナル・ダハ・プリズムの略。断面が五角形の屋根型となっており、一眼レフカメラの頭の部分に入っている。一眼レフカメラにて、撮影レンズを通った光をミラーで45度上方へ反射させたあと、ペンタプリズムによって正像のファインダー像を得る。軽量化の目的で、プリズムではなくミラーのみでペンタプリズムと同じ光路を導く「ペンタミラー」というものもあるが、ペンタミラーは中空であるためにガラスで満たされたプリズムよりも光路長が長くなり、その結果ファインダー倍率は低くなる。
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・ペンタミラー
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「ペンタプリズム」の項目参照。
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・望遠レンズ
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明確な規定は無いが、主に焦点距離100mm以上のレンズを言う(35mm判の場合)。
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・防振レンズ(IS)
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「Image Srabilizer」。手ブレ補正機能を持ったレンズのこと。一眼レフカメラの交換レンズとしては、キヤノンが初めて実用化した。振動ジャイロが検知したブレの量に応じて、レンズ内の補正光学系を動かし、フィルム面上に写る映像にズレが生じないように調節する。これにより、手ブレ限界を2絞り分余裕を持つことができるようになる。
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・ポジ
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日本語で言えば「陽画」のこと。ネガのように階調が反転しているものではなく、目で見たそのままが現れている様子。単に「ポジ」と言うと、「リバーサルフィルム(スライドフィルム)」のことを指すことが多い。
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・ホタル石レンズ
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別名「フローライト(Fluorite)」。キヤノンが1968年に実用化したレンズ材料で、フッ化カルシウム(CaF2)を人工的に結晶化させたもの。屈折率と分散率の低さ、部分分散特性のため、光学ガラスとの組み合わせで色収差を完全除去することができる。
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・ボディキャップ
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交換レンズを取り外したカメラボディのマウント部に、保護のために取り付けるキャップ。
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・ボディ内モーターAF
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AFのレンズ駆動を、ボディ側に納めたモーターで行う方式。モーターの回転力は、マウント部のカップリングを介してレンズ側に伝えられる。レンズ内モーターのように、各交換レンズ内にレンズを組み込む必要はないが、小型のレンズから超望遠のような大型のレンズまでを、ボディ内の1つのモーターで駆動させなければならず、多少の無理が発生する。
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・ポラ切り
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スタジオ撮影で、ライティングや露出をチェックするために、ポラロイドを使ってテスト撮影をすることを言う。
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・ポートフォリオ
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「組み合わせる」という意味だが、写真の分野では、売り込みやプレゼンテーションなどのために自分の撮った写真をまとめることを指す。ひとことで言えば、「作品集」である。
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・ポートレート
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「Portrait」。直訳は「肖像写真」となる。しかし人物撮影一般と考えればよい。
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・ホールディング
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カメラの持ち方や構え方。
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・ライティング
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写真は光と影によって表現される。そのため、照明というのは思った以上に重要な要素となる。「ライティング」とは、このような写真照明をコントロールすることを言う。
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・ライトスキャニング
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カメラのピントが合うのは平面上でしかない。立体物を撮影する場合、どんなに絞り込んでもピントが合わない部分が出てくるのは当然のこと。ライトスキャニングでは、暗黒の中でカメラから一定の距離の部分だけを照明する。そして、カメラと照明を固定したまま、被写体をカメラに一定速度で近付けていく。もちろん、この間はカメラのシャッターは開けておく。こうして得られた写真には、ピントが合っていない部分は存在しない。一般的にライトスキャニングは、被写界深度の浅いマクロ撮影で利用されており、分類としては学術写真に近い。照明には専用の設備が必要となる。(我輩はライトスキャニングの自作にチャレンジしたことがあるが、やはり照明装置を作るのが困難だった。結果もあまり良くなかった。)
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・ラチチュード
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フィルムの露出寛容度のこと。適正露出値から多少外れても、ある程度までは再現が可能な範囲がある。傾向として、ネガフィルムではラチチュードは広く、リバーサルフィルムではラチチュードは狭い。また、高感度フィルムでは広く、低感度フィルムでは狭い。
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・ラッシュ(ラッシュプリント)
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ネガフィルム原版からスライド(ポジ)を作成したもの。
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・ラボ
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現像所のこと。「ラボラタリー(Laboratory)=製薬室」が語源。
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・リアフォーカス
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「Rear Focus(RF)」。もしカメラのレンズが、たった1枚の凸レンズであるなら、焦点調節は前後に動かすのみ。しかし、実際のカメラのレンズは数枚のレンズが組み合わされている。単純に考えると、そのレンズ全体を前後に動かしたり、前面の1枚だけを前後に動かすことになる。しかし、巨大な望遠レンズになると、前後に移動するレンズ群によって全体の重心が移動したり、AFの場合では駆動モーターに負担が掛かったりする。またその移動量も大きく、画質の低下やF値の変化を伴うこともある。その問題を解決するために考案されたのがリアフォーカスである。これは、レンズ内の一部のレンズ(絞り羽根よりも後ろの部分)だけを動かし、焦点を調節する方法。結果、全体の長さも変化せず、重心もさほど移動しない。画質やF値についても、設計時に考慮することによって回避出来るようになった。関連項目として「インナーフォーカス」参照。
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・リトラクタブル
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「Retractable=引っ込めることができる」。カメラでは、ペンタ部に収納可能な小型内蔵ストロボのことを「リトラクタブルストロボ」と言う。
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・リバーサルフィルム
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ネガフィルムのように色が反転せず、自然な色合いで写すことのできるフィルム。そのため、スライド映写機にかけることができる。「スライドフィルム」、「ポジフィルム」、「カラートランスパレンシー」などとも呼ばれる。印刷用の原稿としては、リバーサルフィルムしか用いることができない(データ入稿は除く)。撮影時の光源によって、「デイライトタイプ」と「タングステンタイプ」に分けられる。「デイライトタイプ」は、日中用またはストロボ照明用のフィルム。「タングステンタイプ」は、タングステンランプ照明用のフィルムである。
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・粒状性
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写真の画像は、細かい粒子が集まって構成されている。この粒子の大きさや密度の具合を「粒状性」という言葉で表現する。この粒子の目立ち具合によって、写真画像のザラつき感が変わってくる。
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・両優先方式
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「シャッタースピード優先AE」と「絞り優先AE」の2つの方式を持つこと。結局、その時点でシャッタースピードと絞りを自由にコントロールできることになり、両優先方式を持つカメラは、同時にプログラムAEも持つことが多い。
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・リングストロボ
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接写時、被写体までの距離が極端に短くなることがある。その場合、照明光の入るスペースがなくなる。照明できたとしても、真横から光を当てることしかできず、反対側に強い陰を作ってしまう。リングストロボは、発光部がドーナツ状になっており、レンズの前面に装着できる。これによって、被写体に陰をほとんど作らない照明が可能となる。
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・レフ板
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野外の人物撮影などでは、順光よりも逆光の状態が好まれる。しかし、逆光では被写体が陰になるため、周囲の明るさとのバランスが悪くなる(フィルムの明暗の再現幅は狭いため)。そのため、白や銀色の板を用いて光を反射(レフ)させ、陰の部分を軽く照明させる。特に、モデルの瞳にキャッチライトが入るので、よく使われる方法である。
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・レフレックスレンズ
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「反射望遠レンズ」の項目参照。
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・レリーズ
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「Release」。「解放する、解除する」という意味。釣りの分野では「キャッチ・アンド・リリース(釣ったあとで逃がす)」と言ったり、新発売の商品について「×月×日にリリース(解禁)決定」などと言う。カメラでも同様に、シャッターチャージされた状態を、フックを外して「解除(レリーズ)」することを言う。要するに、シャッターを切ること。「リリース」と「レリーズ」の違いは、各分野において読み方が違うだけである。
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・レンジ
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「Range」。「範囲」という意味。「レンジが広い」などと使う。
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・レンジファインダーカメラ
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「Range Finder Camera」。この場合の「Range」とは「射程」の意味。「距離計連動式カメラ」とも呼ばれる。一眼レフとは違い、透過式のファインダーがカメラの肩に装備されている。人間の目と同じく左右2つの窓から入った映像を重ね合わせ、2重に見える映像が1つになるようにピントリングを調節する。工作精度が同程度のカメラを比べた場合、この2つの窓の間隔(有効基線長)が長いほど測距精度が上がる。レンズ交換した場合、ファインダーの倍率は変わらないが、そのレンズで撮影される範囲がファインダー内で枠(フレーム)として浮かび上がって表示される。当然、望遠側になるほど、フレームは小さな範囲を示す。代表的なレンジファインダーカメラは、やはりライカだろう。しかし、最近になって「現代版レンジファインダーカメラ」とも言えるものが次々に登場し、事実上進化を放棄したライカを見限る者も増えてきた様子。
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・レンズキャップ
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レンズの全面に保護用として付けるキャップ。
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・レンズシャッター
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レンズ光学系内にシャッター機構を備えたもの。絞り羽根と兼ねるシャッターもある。非一眼レフ形式のカメラで採用されていることが多いが、中判カメラなどフォーカルプレン式ではシャッター幕が大きくなる場合にレンズシャッターが採用されることもある。また、35mm一眼レフカメラでは現在レンズシャッター機は無いが、過去にはフォーカルプレンシャッター機よりも安価に供給出来たことによりある程度の市場を持っていた。
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・レンズ内モーターAF
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AFの駆動を、各交換レンズ内に組み込んだ専用モーターによって行う方式。ボディ側からモーターの回転力を伝える必要は無く、電力を供給するだけでよい。大型のレンズを装着したとしても、そのレンズに最適なモーターが組み込まれているため、駆動に無理が無い。
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・レンズリアキャップ
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交換レンズのマウント側に装着する保護用キャップ。
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・レンチキュラー
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Lenticular。眼鏡を使わない裸眼用スレテオ写真に使われる方式。カマボコ型の微少なプラスチックレンズを短冊状にビッシリと配列し、左右2枚の写真を同じく短冊状にして合成した写真の上に重ねている。見る角度によって見える画像が変わるため、視差を与えることが出来る。
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・露光間ズーミング
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露光中にズームレンズによる倍率変更を行い映像を流すこと。画面中央に視線を集める効果が生まれる。
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・露出補正
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カメラのAEではイメージ通りの露出が得られない場合、AEの露出値に対して加減を行うこと。
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・ローキー・トーン
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画像全体が黒で統一され、ほんの僅かなハイライトで画面が構成されている写真。コントラストの低いネガが適している。単に「ローキー」とも言う。
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・18パーセントグレー
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この世に存在する風景の全ての色を混ぜ合わせると、反射率が18パーセントになるという。反射光式露出計はこの考え方を基に作られており、測光した被写体が18パーセントグレーの濃度になる値を出す。これはつまり、白色や黒色の被写体を測光したとしても、18パーセントグレーとして表現されることになる。それを防ぐために18パーセントグレーに印刷された板(標準反射板、グレーカード)を指標として測光すれば、黒が黒として、白が白として表現出来ることになる(実際にはフィルムのラチチュードにより違いが出る)。
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・3色分解写真
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RGB分解写真とも言う。同じ光景をR(赤)・G(緑)・B(青)の3種のフィルターを使ってモノクロ撮影し、得られた3枚のモノクロ画像を撮影時に使ったフィルターと同じ色でそれぞれ合成して得るカラー写真。昔はカラーフィルムが無かったためにこのような撮影法によりカラー画像を得ていた。また、3色分解によりカラー画像をモノクロ画像に変換しておけば、写真の保存性はモノクロ写真と同等にまで高まるため、写真のアーカイブ(長期保存)としても利用される。さらに電子画像の場合では、3色に分けて撮影することによりCCDの解像度を有効に利用することが可能となる(RGBカラーCCDの場合、解像度はR/G/G/Bの並びのため実質的な解像度は低くなる)。このような理由から、惑星探査機やプロ用デジタルカメラバックでは高解像度を得るために3色分解による撮影方法が用いられている。
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・ABC機能
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コンタックス独自の呼称。「AEB機能」と同義。「段階露出」の項目参照。
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・ADレンズ
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「異常分散ガラス」。色収差の補正のために、ホタル石に近い特性を持つガラス材として使われる。
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・AE
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「Auto Exposure」の頭文字であり、直訳すると「自動露出」となる。初期はEE(Electric Eye)とも呼ばれていたが、いつしかAEという言葉に集約されてしまった。強いて言えば、EEというのはコンパクトカメラ寄りの言葉だと言える。
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・AEロック
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カメラの露出計は、カメラを向ける方向によって受ける光の量が変わるために、常に測光値が変化する。特にAE撮影では、測光値が自動的に露出値に反映されるので、ある時点で測光値を一時的に固定させたい場合があり、その際にAEロック機能を使用する。
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・AEB機能
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「Auto Exposure Bracketing」の略。詳細は「段階露出」の項目参照。
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・AF
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「Auto Focus」の略。自動焦点のこと。本格的なAF一眼レフは、1985年発売のミノルタα−7000が最初である。
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・AFロック
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通常、AFはシャッターボタンの半押し(第1ストローク)で動作する。そして更にそのままボタンを押し込むと(第2ストローク)初めてシャッターが切れる。大抵の機種では、シャッターボタンの半押しでピントが合うと、そこで合焦作業が停止する。つまり半押しを維持する限り、AFがロックされることになる。これがAFロックである。しかし、その合焦点位置で続けて何枚も撮影したい場合には、シャッターボタンをその都度押すことになり、当然、AFも合焦作業をやり直してしまう。それを防ぐために、シャッターボタンとは別に「AFロックボタン」を設け、それを押している限りはAFが働かないようにしている。
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・APSカメラ
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「Advanced Photo System」と呼ばれるフィルムを使用するカメラ。35mmフィルムとは互換性が無い。コダックが提唱したフィルム規格で、細かな特長があるが、ここでは1つ1つ説明しない。要するに、きれいなプリント写真が簡単に得ることを目指している。リバーサルフィルム向きのフィルム規格ではない。
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・ASA
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アメリカ規格協会で定められたフィルム感度の標準規格。参考として「ISO」の項目参照。
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・ASZ
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「Auto Standby Zoom」の略。「オートスタンバイズーム機能」の項目参照。
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・AV
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「Aperture Value」の略。絞り値のことを指すが、ニュアンスとしては、「露出量の要素の1つ」という扱い。つまり、「EV=TV+AV」(「EV」及び「TV」の項目参照)。しかし、カメラに「AV」という設定項目があれば、「絞り優先AE」という意味である。
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・DIN
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「ドイツ工業規格(Deutsche Industrie Norm)」で決められたフィルム感度の規格。日本では使わない。「DIN21=ISO100」、「DIN24=ISO200」というように、DIN数が3増えるとISOは2倍となる。
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・DPE
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「Developing Printing Enlarging」。それぞれ、「現像」、「焼き付け」、「引伸し」の意味で、それらを行う店のことを言う。
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・DPI
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「Dot Per Inch」。1インチ(=2.54cm)の線分上にドットが幾つあるかという画素密度を表す単位。数値が大きいほど密度が高い。PPI(Pixels Per Inch)とも呼ばれる。
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・DXコード
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フィルム感度を自動的にカメラ側へ伝えるための、米コダック社が提唱したシステム。フィルムのパトローネは金属製のため、決められた範囲において「塗料を塗る」、「塗料を塗らない」というパターンを施すと、そこが「通電する」、「通電しない」の信号として取り出すことができることになる。2列12個の接点によるコードのパターンは大きめだが、情報量は「フィルム感度」、「撮影枚数」、「そのフィルムのラチチュード」しかないので事足りる。
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・EDレンズ
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「特殊分散ガラス」。色収差の補正のために、色分解作用を少なくする作用を持つガラス材として使われる。
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・EL
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「Electro Luminescence」の略。半導体で蛍光体をサンドイッチしたものに交流電圧を掛け、電界発光と呼ばれる現象により面全体が発光する。平面型で軽量のため、スペースシャトルの表示パネルでの利用実績があり、現在ではカメラの液晶表示板などのバックライトに、当たり前のように使われている。湿気がELの電極材料に与える影響は大きいため、製品は透明シートで厳重に封止されている。
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・EI
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露光指数。ISOの変更が前提となる場合、露出を決めるための目安としてフィルム感度の代わりに与えられる数値。
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・EV
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「Exposure Value」の略で、「露出量」のことを言う。シャッタースピード(TV)と絞り値(AV)を合成したものが露出量(EV)であり、シャッタースピードが1秒、絞り値がF1.0となる露出値をとる場合、EV0と規定される。同じEV値でもシャッタースピードと絞り値の組み合わせがいくつもあることになる。
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・Fナンバー
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「開放F値」の項目参照。
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・GPD
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Gallium Photo Diode(ガリウムフォトダイオード)の略。測光用受光素子として使われる。応答速度が速く直線性に優れる。
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・IF
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「インナーフォーカス」の項目参照。
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・ISO
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国際標準化機構で定められた、フィルム感度の指標。以前使用されていたASAの値と同一である(ISO100=ASA100)。
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・LCD
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「Liquid Crystal Display」の頭文字であり、「液晶表示」と呼ばれる。ダイヤルカメラの天敵でもあるが、黎明期にはNikon F3のように、ダイヤルカメラでありながらファインダー内表示が液晶のものもある。通常は7セグメントのデジタル表示を目にすることが多い。特長は、消費電力が小さく、小型化が可能だということ。ただし、それ自身では発光しないため、暗い場所では照明が必要になる。また、温度変化と機械的応力に弱い。初期の頃は「耐用年数7年」とされていたが、世界最初の液晶表示はいまだに問題なく動作しているという。
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・LED
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「Light Emitting Diode」の頭文字であり、「発光ダイオード」と呼ばれる。カメラには主に赤と緑のLEDが使われているが、その当時は赤と緑しかなかった。現在では露出計の表示として使われることもほとんど無く、警告灯として使われる程度。やはり省電力省スペースの液晶表示と比べると当然の結果なのかも知れない。
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・MF
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「マニュアル・フォーカス」のこと。つまり、手動でレンズのピントリングを回転させ、焦点を調節する方法。
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・PLフィルター
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「偏光フィルター」の項目参照。
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・PPI
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「DPI」の項目参照。
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・RCペーパー
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印画紙のタイプの1つで、印画紙の裏面にプラスチックコートを施しているもの。特長は、現像液や定着液が紙に染み込まず、水洗が迅速に行えるということ、そして乾燥させる時にカーリングしにくいということが挙げられる。
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・RF
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「リアフォーカス」の項目参照。
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・RGB分解写真
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「3色分解写真」の項目参照。
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・SLR
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「一眼レフカメラ」の項目参照。
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・SPD
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Silicon Photo Diode(シリコンフォトダイオード)の略。測光用受光素子として使われる。応答速度が速く直線性に優れる。赤外領域での感度が高いためフィルタにより補正されている。
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・TTL測光
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TTLとは、「Through The Lens(レンズを通る)」の頭文字であり、TTL測光とは、撮影レンズを通った光を測る測光方式である。昔はカメラの肩に受光窓のある機種があったが、今では全ての一眼レフカメラはTTL方式を採用している。なお、TTLというのは和製英語だと言われたこともあったが、アメリカの「ポピュラーフォトグラフィー誌」を読んでみるとTTLという言葉は当たり前のように使われている。
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・TV
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「Time Value」の略。シャッタースピードのことを指すが、ニュアンスとしては、「露出量の要素の1つ」という扱い。つまり、「EV=TV+AV」(「EV」及び「TV」の項目参照)。しかし、カメラに「TV」という設定項目があれば、「シャッタースピード優先AE」という意味である。
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・USM
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「超音波モーター」の項目参照。
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・X接点
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フォーカルプレーンシャッターを搭載したカメラにて、ストロボ撮影可能な最高速シャッタースピードのこと。
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