2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[623] 2008年04月23日(水)
「独裁体制確立」

2006年10月、北朝鮮がついに地下核実験を強行した
核兵器は、それを持っているということを他国に知らしめることが重要であるため、技術的な意味だけでなく政治的にも大きな意味を持つ。
また、その核兵器を敵国に撃ち込むための弾道ミサイルの存在も、軍事パレードや発射実験によって示す必要がある。

「自国が滅ぶような事態があれば世界を滅亡させる」などという声明も、これまでの行動から見て不気味な響きすら感ずる。これは、北朝鮮の狙う戦略の一つであろう。もし核実験や軍事パレードを行わなかったとしたら、このような言葉は口先だけのハッタリとして報道すらされなかったであろう・・・。


さて、我輩が品川の職場から現在の川崎の職場に移ったのは1年半くらい前のこと。
片道2時間もの通勤、我ながらよく続いていると感心する。

通常、それぞれの職場というものは各人の役割分担が既に出来上がっているものだ。
それは、業務分担という表面的なものばかりでなく、例えば職場のムードメーカーだったり、飲み会部長だったり、あるいは雑学博士だったりと、それぞれの個性が活きた「ニッチ(生態的役割)」とも言うべきものである。

我輩は、新しい職場に加わるにあたり、我輩のニッチというものをなるべく早いうちに確立することが重要だと考えた。

我輩の場合、ニッチを確立するための分野として「写真」があった。
もちろん、パソコン知識についても営業集団の中で比較するならば長けていると言えるのだが、そもそも「ソフトウェア管理者」という業務分担が与えられたため、パソコン関係についてはわざわざ戦略を立てるまでもない。

それにしてもこの職場に移った当初は気付かなかったが、個人的に写真活動をしている職員は我輩の他にも何人かいるようだ。推測ではあるが、彼らは我輩が来るまではそれなりに写真分野でのニッチを占めていたのではないかと思う。
そういう中で、我輩は写真に関しては絶対的なニッチを確立するまでになった。これは政治的意図(参考:雑文589「政治的意図」)に基づいた戦略的行動によるものであるから、当然の結果と言える。

我輩の選んだ戦略は、「能書き」よりも「行動と結果」である。
あまり気の進まない集合写真やスナップ写真を敢えて引き受け、創意と工夫によって安定した結果を出す。別段、飛びぬけたクオリティでなくとも良い。一定水準を満たした写真を安定して提供出来るということは信頼に繋がるのだ。

そのうち、職員の証明写真の撮影依頼も来るようになり、こちらも安定した実績を積み重ねることによって我輩の業務のひとつとなった。
下からのレフを使い、表情を明るく見せる。場合によっては複数の写真から良い部分だけを合成したりする。このような地道な作業こそが、自らの信頼を高めることに繋がる。

証明写真
証明写真

他にも、リクルート用パンフレットに使う職員の仕事風景も、我輩が全てコントロールして撮影した。
他部所ではプロカメラマンに頼んで撮影したそうだが、我が営業所は自家撮影ながらも全く遜色無い仕上がりに評判も上々。

リクルート用パンフレット写真
リクルート用パンフレット写真

また、去年は50人もの大人数を撮影した職員総会の集合写真(参考:雑文598「双方のメンツ」)について、今年も同様な撮影を行ったが、今回は60人とさらに人数が増えた。
今年の幹事も、1カットで収まらない人数と判断したのか「人数が多いので2組に分かれてください」とアナウンスしたが、我輩は前回採用した脚立撮影法に自信を持っているため、「分ける必要など無い、全員入れて撮る。」と断言した。
今年はモノブロックストロボ(参考:雑文606「部下が配置された」)を固定位置にセットしているため、撮影距離を取っても光量低下は無い。結果的に、去年よりも写りは良いくらいだった。

大人数集合写真
大人数集合写真

それだけでなく、我輩が導入した写真関係の機材は随時全職員にメールで紹介し、我輩の装備が進んでいることをアピールした。
例えるならば、これは我輩にとっての軍事パレードとも言えよう。

PENTAX K10D導入時の紹介
PENTAX K10D導入時の紹介
モノブロックストロボ導入時の紹介
モノブロックストロボ導入時の紹介

これらの実績は、一つ一つは小さいながらも、我輩のニッチを確実なものとしていった。
そして先日、上司から一つの打診があった。
「毎年、某企業の製品カタログを製作しているのだが、今まで業者に委託していた商品撮影を社内で行えるか?」というものだった。
(ここでは具体的な製品名は明かさないが、カメラよりも大きく、車よりも小さいものとだけ書くに留める。)

「もし撮影が可能ならば、必要となる機材を挙げて欲しい。」と上司は付け加えた。
恐らく、我輩が必要と認めれば、それに対して異論を挟む者はいない(予算内であれば)。それだけ我輩の写真分野でのニッチは絶対的なものになっている。もしこの先ライバルが現れたとしても、能書きよりも実績の積み重ねを重視してきた我輩のニッチは磐石で揺るがないだろう。

考えてみれば、我輩がこの職場に来たのは、奇しくも北朝鮮が核実験を行ったのと同じ2006年10月。
小さな分野ながらも、今まさに我輩の独裁体制が確立された写真分野。

この先の展開が楽しみになってきた。