以前
雑文378「職場写真」でも書いたとおり、職場の写真というのはなかなか撮る機会が無い。
特に現在我輩の居る職場では、飲み会もほとんどが突発的に起こるため事前にカメラを用意するヒマも無く、飲み会写真すら無い。
それでも赴任直後の飲み会では、普段ヘナチョコ妻に使わせている「FUJI GA645Wi」を借りて集合写真を撮ったことがあった。
「集合写真こそ、情報量の多い中判の真価が発揮されるところだ。」
我輩は仕上がりを期待したが、結果を見て落ち込んだ。
極端な露光アンダー。
原因は、カメラ手前に置いてあった白い皿であった。これが強烈な反射体となり、ストロボ調光を惑わせたのが敗因。
「クソー、テーブル三脚を置く時に気付くべきだった。こんな事例は少し想像力を働かせれば事前に予測が付いたはず・・・。」
あまりにつまらない失敗が悔しかった。
ちなみにこの時の写真は、無理矢理フィルムをスキャンしてレタッチを施し、何とかプリント写真に仕上げた。それでもかなり硬調な写真で、写真を皆に配る時は気が引けた。
それ以来、写真を撮る機会も少なく、また撮ろうとする気も無く、時は過ぎた・・・。
しかし最近、職場で周りを見渡すと、あらためて記念写真の重要性を実感した。
我輩がここに赴任した当時のメンバーは、今や数人しか残っていなかった。そのうち我輩も出向元へ戻ることになる。ここらへんで1枚写真を撮っておくほうが良いのではないか?
そんな時、職場の部長殿から毎年恒例となっている花火大会鑑賞会のお誘いがあった。部長殿の邸宅は花火大会の会場が近く、部屋から優雅にワインでも飲みながら花火を鑑賞しようというものである。
出席するのはグループ内の限られたメンバーであるが、前任者なども来るため、記念写真を撮っておけば瞬間的な組み合わせとして貴重なショットとなろう。
当日、
雑文506「写真で知った事実」に書いた大学同期の女性も遅れてやってきた。
10数年ぶりでかなり雰囲気も変わっていた。向こうからすれば我輩も同じように見られていただろうか。直接にはほとんど会話しなかったためそれは分からない。
花火大会が終わった頃、最後に皆で記念写真を撮った。
今回はマニュアル発光で失敗しないように撮った。それでも失敗が恐いため、露出をズラして何枚か撮った。
もしこれで失敗していれば、もはや我輩は生涯に渡って記念写真を撮れなくなるだろう。
こういう場に集まったメンバーは、皆それぞれに出身企業が異なる。考えてみれば不思議な話。
また、距離も時間も遠く離れたはずの大学同期の女性とも再会して同じフレームに収まるというのもなかなか無かろう。会おうと努力して会ったものではなく、前任者の一人としてそこにいるのが不思議な気分だ。
同じフレームに皆で収まったこの写真、恐らく次の会では微妙にメンバーが替わるに違いない。いや、大幅に変わることもあり得る。
貴重な瞬間を捉えた、職場写真である。
さて気になる現像結果だが、「白い天井でバウンス撮影にすれば良かったか」とは思ったものの、「ストロボ直光ではまあこんなものだろう」という程度のものだった。
いずれにせよ、大きな失敗では無かったのが幸い。