先週末、
オーバーホールに出したブロニカSQ-Aiがやっと戻ってきた。
新品の電子基盤独特の匂いがする。基盤が交換されたのだろうか。あるいは防湿処理が施されたのだろうか。
不具合の現象自体が再現されなかったということから、また同じ現象が起こる可能性は残っている。しかし、オーバーホールしたのであるから、今度不具合が起こればレンズのほうを疑ってみようと思う。
さて、我輩は現在、66判をメインに使っている。
特に、
中・大判用スキャナを導入してからは、ブローニーフィルムの消費量は35mm判を大きく上回った。月平均にして約30本ほどか。
ただし、66判は120フィルムで12枚撮りとなる。36枚撮りの35mm判フィルムと比較すれば1/3の枚数。そうなると、35mm判で言えば月平均10本相当となろう。
現在、ヨドバシカメラで見る限り、最も安価なリバーサル120フィルムは「Kodak EPP」である。10本カートンが税抜価格\3,800となっている。もっと粒子の細かいフィルムがあるが、それを選ぶと10本カートンが\4,500くらいになり経済的負担が増大してしまう。
こんな時、645判ならば16枚撮れるのだが・・・。
実は、以前から645判(いわゆるセミ判)の誘惑に悩まされてきた。
645判ならば、フィルムの枚数が増える利点はもちろん、メーカーや製品の選択肢も広く、中古市場も大きい。特に、製品の選択肢が広いというのは大きな魅力。
以前、
苦労して魚眼レンズを手に入れた話を書いたが、もしこれが645判の一眼レフであれば何の苦労も無い。MFはもちろん、AFでの選択肢もある。
最近、視力が落ちてきたためか、微妙にピントの合っていないカットが増えてきた。視度補正レンズを変えても日々の体調により変動する。かといって視度を強くし過ぎると視力を悪化させかねない。視度調節機構を備えたファインダーもあるにはあるが、ファインダー倍率が低いため迅速なピント合わせは難しい。
こんな時、AFがあればかなり助かる。
もちろん、三脚に固定して風景を撮るような使い方であれば、ピントグラスにルーペを当ててピントを確認出来よう。風景専門ならばそれで足る。一コマ一コマを噛みしめるようにジックリとシャッターを切るのもまた楽しいことである。
しかし我輩は、人物などの動く被写体も撮影することがある。
また645判の多くは、自動露出(マルチモード)やフィルム平面性を保つためのバキュームシステム、デジタルバック対応、ワインダー内蔵など、機能としては最新35mmカメラに引けをとらない。それでいてダイヤル式による操作体系が残されているカメラもある。
さらに、645判はレンズシャッター式カメラの選択肢も多い。
特にフジフィルムには特徴ある製品が多くあり、GS645などは折り畳み可能でコンパクトに収納出来るのが面白い(蛇腹を使っているので消耗するようだが)。最近ではレンズシャッター機のほうでもAF化が進み、ズーム搭載のAFカメラさえある。
以上のように、645判はまさに魅力溢れるフォーマットと言える。中判カメラを始めたいという者には、迷い無く645判を勧めるだろう。35mmカメラと同じことをそのまま要求するには645判が最適。
しかし我輩は、中判を始める際に熟考に熟考を重ね、その結果66判を選んだ。
まず一つの理由として、中判カメラの大きさを少しでも切り詰めるためにウェストレベルファインダーを使いたいのだが、そのためには、画面の縦横が関係無い正方形の66判でなければならなかった。
また、我輩の印象としては645判は少し画面が小さく思えた。かと言って67判ではカメラが大きくなり過ぎるため、一眼レフの手持ちの限界として66判に落ち着いたのである。
(もちろん、当時は中判カメラにAFなど存在しなかったため、その点は考慮に入っていない。)
そういうわけで、もしここで645判の魅力に負けて導入することになれば、新たな妥協が生ずるのは避けられまい。
645判と66判とでは僅かな面積の差ではあるが、このために今まで苦労や努力をしてきた。それが「結局は645判でも良かった」などと自分が認めてしまえば、今までの行為は何のためのこだわりだったのかという疑問にブチ当たる。
・・・しかしそうは言っても、フジのズーム搭載AFカメラ「GA645 Zi Professional」などは魅力的で悩ましい。今のところ、金が無いので何とか正気を保ってはいるが、何かの間違いで金を手にすることがあれば、どうなるか自信が無い。
もし、「我輩所有機」に645判カメラが追加されたとしたら、その時はすべてを察して笑ってくれ。