我輩は現在、フィルム撮影をやめてフルサイズミラーレスを使用中である(参考:
雑文855)。
4,200万画素は、一度使い始めるとそれまでの1,600万画素がパソコン画面上であまりに小さく感じられて価値を感じなくなってしまった。
いや、元々デジタル画像に"価値"というものを感じていたわけではなかった。単に利便性(※)を感じていただけだった。何しろそれまでは中判フィルムというメインが存在していたのだから。
(※利便性=低ランニングコスト、即時性、先進性(フィルム機は新製品を望めない)等)
1,600万画素が果たして小サイズかどうかということについては、以前に書いた雑文を見れば理解出来よう(参考:
雑文811、
雑文815)。
今は支障無いとは言っても、近い将来には必ず不足を感ずるようになる解像度であることはもはや確定事項。
10数年前にデジタル一眼レフカメラで撮った300万画素の画像は、今では等倍表示で画面中央に小さく表示されるのみ。当時は300万画素は高画質の代名詞だったと言うのに、まさかこんなことになるとは思わなかった。
中には「画像などその場限りの利用で十分」という者もいようが、そいつらはフィルム撮影時代のことを忘れているとしか思えない。昔撮ったフィルムを簡単に捨てられるか?
我輩は、少なくともメインカメラで撮るものについては、数十年先まで画像を遺そうとする気持ちを持っている。だからこれまで、費用と労力をかけて中判フィルム撮影を行なってきたのだ。もしその場限りの利用とするならば、手間(※)のかかる中判カメラを運用する気などとても起きなかったろう。
(※手間=機材重量やサイズの問題だけでなく、中判用魚眼レンズや中判用ティルトレンズなどのちょっと違う機材、特にマイナーなメーカーの機材を得ようとすれば果てしない努力が必要となることは以前の雑文にも書いた。)
ところがフィルム撮影をやめたことで、4,200万画素のデジタル撮影がメインに格上げとなった。そうなると、通勤カバンに常備する日常メモカメラも1,600万画素では足りなく思えてきた。いやむしろメモだからこそ、情報量は必要だろう。これまで、メモ撮影をして細かい文字が読み取れず困ったことは幾度もあった。
現時点では、高画素機は大枚をはたいて買った「α7RII」しか持っていないわけで、これを毎日持ち歩くのは抵抗があるが、少なくとも具体的に撮影の予定があればこのカメラを持ち出すしかあるまい。
しかしそれにしてもフルサイズ。カメラボディがコンパクトになろうともレンズはそれなりに大きい。もちろんフルサイズだから大きいとは単純には言えないが(※)、現時点で商品化されているレンズに関して言えば、大きいものばかりなのは事実。
(※中判用レンズでもNewMAMIYA-6用レンズのように35mm判よりコンパクトなものがある。もちろん分解能的に単純には比べられないが。)
我輩としては、ズームレンズでなくとも、「24mm F2.8」くらいのコンパクトな広角単焦点レンズがあれば嬉しいのだが、SONYのラインナップを見ると一番近そうなのは「28mm F2.0」。しかしこのレンズは少々全長が長く、カバンの中での収まりが悪そうに思う。実際に使ってみればそうでもないかも知れないが、試しに買うには中古でも5万円と少々値が張る。
困ったな・・・。
少ない選択肢の中で行ったり来たりと1週間ほど不毛な悩みを続けた挙句、APS-CサイズEマウント用のレンズを見てみると、コンパクトなものが多数あることに気付いた。
フルサイズもAPS-Cサイズも、マウントとしては同じなので物理的な装着に支障は無く、ただAPS-C用レンズとしてイメージサークルが小さいだけである。
フルサイズからAPS-Cサイズへのトリミングは当然ながら画素数を減らしてしまうが、フルサイズで4,200万画素ならば、うまくトリミングすれば2,800万画素くらいは確保出来そうだ。これまでのマイクロフォーサーズが1,600万画素であったことを考えると、メモ撮影の画素数アップという目的には適う。
もし今後、5軸手ブレ補正機能を持つ高画素APS-C機が現れれば、改めてそれをカバン常備カメラとして導入しようか。そうすれば、APS-C用レンズも引き続き使える。
以上の経緯で購入したのが、「SIGMA 19mm F2.8 DN」である。
候補としては、SONY純正でパンケーキタイプの16mmや20mmもあったのだが、APS-Cレンズということで低価格を第一に、そして描写性能の評判も加味して決めた。
何しろ、SIGMAのこのレンズは新品で1万5千円、中古で1万2千円。この程度の差額ならば新品のほうが良かろうが、それでも少しでも安くと、中古のほうを選んだ。