結局のところ、「Q」を手に入れても我輩にとっては運用に困るという結論に至った。
とは言うものの、正月買いしたいという気持ちは継続したまま。どうするか。
そこでふと、考えてみた。
マイクロフォーサーズカメラでも、確かPanasonicの「LUMIX DMC-GF3」はかなり小型だったはず。これならば、我輩所有の「DMC-GF1」とボディを置き換えるだけでレンズは流用出来る。登場から少し経ったので、もしかしたら手持ちの金で正月買いも可能かも知れない。
「GF3」が登場した当時は、電子ダイヤルやボタンなどの操作部材だけでなくホットシューさえ省かれたことで、"レンズ交換が出来るコンパクトカメラ"に成り下がってしまったと嘆いたものだ。それがここにきて突然、購入候補に挙がってきた。そのことに自分でも驚く。同じカメラでも、購入動機のアプローチが違うとこうも見方も変わってくるとは。
一眼カメラのなりをして実はコンパクトカメラだった「Q」から視線を外し、コンパクトカメラのなりをして実はフォーサーズカメラだった「GF3」に今あらためて気付いた。
そういうわけで、急遽「GF3」について調査を始めた。
Webの比較写真を見てみると、「GF3」は「Q」と「GF1」の中間くらいのサイズらしい。良くはないが、悪くもない。
しかも、これに手持ちの広角レンズを装着することを考えると、ズームレンズを装着した「Q」よりも、パンケーキ広角レンズを装着した「GF3」のほうが全体としてはコンパクトになろう。
そもそも、マイクロフォーサーズである「GF3」は「Q」よりも遥かにイメージセンサー面積が大きく、画質に有利なはず。少なくとも「GF1」では低感度での不満は無かった。
それに、動画撮影に最適化された高倍率14-140mmズームも手元にあるので(参考:
雑文713)、フルハイビジョン撮影可能なこの「GF3」は大きく可能性を広げてくれるだろう。
(※ちなみにGF1の動画撮影機能はフルハイビジョンではなく、ランク下のLiteハイビジョンしか撮れない。)
「GF3」も発売から数ヶ月経ち、価格もこなれてきた。ボディのみ2万円前後で手に入るようだ。これならば、手持ちの金で"正月買い"が出来る。
ただ唯一、ホットシューが省かれているのが大きなマイナス点。これが無いと外部ストロボが使えず、いくら画質が良くとも業務では使えぬ。経験上、スレーブユニットも使えまい(プレ発光機能が邪魔するため)。
しかし今回はサブカメラというアプローチではなく、ミニカメラとしてのアプローチなので、ホットシューはスッパリ諦めよう。
早速、「価格.com」で最安値を調べてみた。
すぐに手に入れて正月休みの間に使ってみたいので、時間のかかる通販は避け、関東エリアの店を探して店頭で買いたい。
しかし関東エリアの店はどこも高く、ボディのみでも2万5千円ほど。くそ、「Q」のムック本を買わなければ足りたのだが。
やはり「GF3」でも正月買いは出来ぬか・・・と思いながら最安値ランキングページの更新ボタンを押したところ、先ほどは無かった最安値1万9千円のショップが浮上した。見ると、「カメラのチャンプ」であった。ホワイトボディ限定ではあったが、新品でこの値段ならば"買い"である。安ければ色はどうでも良い。
確かに「チャンプ」は2006年にも正月買いした店。しかしあの時は外出先からだったため比較的近かったが、今から行くとなれば少々遠い。行くだけで最低2時間はかかる。クルマならその倍だ。
ならば通販か。関東圏内ならば、発送翌日に届くかも知れない。代金引換便なら、決済手順も省けて最速であろう。その分送料が高く合計2万1千円くらいになるが、それくらいは正月買いということで目をつぶろう。
注文は3日の午前中に行い、発送完了メールはその日の夕方来た。「これなら明日の夕方までには届くだろう」と思っていたら、4日の午前9時には届いてしまった。まさに嬉しい誤算。
早速、手持ちのパンケーキレンズ「ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8」を装着してみた。
この高倍率ズームレンズについては
雑文713でも紹介したが、このレンズはスチル撮影以上にビデオ撮影で威力を発揮する。
ビデオ撮影では、いくらカメラ本体側が高品位なビデオ撮影が可能であったとしても、レンズがビデオに対応していなければ満足な結果が得られない。というのも、撮影中のAFは無音でゆっくり滑らかでなければ不自然極まりない画となる。絞り動作もしかり。
もしビデオ非対応のレンズしか無いのであれば、ビデオの撮影では基本的に固定撮影したカット割りで構成することになろう。当然ながらMF・MEとする。もちろん、本格的に撮るには敢えてそうやるほうが良いのかも知れないが、そうなると面倒で手間がかかる。事前準備も必要で、目の前の光景をパッと思い付きで撮るわけにはいかない。だから、普通のビデオカメラ感覚で撮るにはビデオ対応レンズが必須となる。
我輩はこのことを、「Canon EOS-5D Mk2」(参考:
雑文659)で思い知らされた。
今回の「GF3」では、「GF1」では撮れなかったフルハイビジョン(1920×1080 60i)の撮影が可能である。
ようやくこのレンズを活用出来るようになったということになる。そういう意味では、スチル撮影よりもビデオ撮影のほうが楽しみに思う。
ちなみに、「GF1」との比較写真を撮ってみた。
この写真からは大きさの違いがあまり分からないかも知れないが、手に持った感触としては「GF3」は「GF1」よりもひとまわり小さい。