[695] 2010年05月27日(木)
「北陸ドライブ(5月3日−5日目)」
引き続き、撮影に関する記述には黄色で着色した。
●宇奈月温泉へ出発
この日も早朝5時半頃に目が覚めた。やはり、周囲のクルマの動きが目を覚まさせる。隣に停まっていた軽トラが出て行ったので、少し広くなったなと思ったところ、すぐに別のクルマが入ってきた。しかしセダンなので圧迫感が無くて良かった。もしミニバンなどが隣に来たら気が滅入ることになる。
初日にここで車中泊した時は雨が降ったりやんだりしていたが、今回は良い天気だ。車中泊が明けると毎回その様子を写真に撮っているのだが、ここでも写真を撮っていると、隣のセダンのオイちゃんが声を掛けてきた。
「みんな遠くから来てますね〜。おたく、千葉だし。」
話をしてみると、オイちゃんは昔、千葉県近くの埼玉県に住んでいたことがあるとのこと。だから千葉の地名も知っているという。
ちなみにオイちゃんは、人との待ち合わせでこの道の駅まで来たらしい。
我輩はその後、車内で朝食の冷やしうどんを食べたが、どうにも疲れが抜けないので布団に寝転んだりしていた。
すると8時頃、先程のオイちゃんが窓をコンコンとノックして「店が開きましたよ」と教えてくれた。どうやら、我輩が朝食を食べるために道の駅の店が開くのを待っていると思ったようだ。
まあ、そろそろ出ないと遅くなるので動き出すか。
この日は富山県の宇奈月温泉へ行き、西武鉄道から富山地方鉄道へ移籍した「レッドアロー号」の撮影をする予定である。出来ればその地で温泉に入り車中泊としたかったが、早く帰りたいので撮影が済めば直ちに帰路に就こう。
夜を明かした道の駅「氷見」は同じ富山県であるが、宇奈月温泉まではそれなりに距離がある。しかも一般道を地道に走るのでそれなりに時間はかかる。
途中、9時過ぎくらいにハイオク単価145円のガソリンスタンドを見付けたので給油し、10時頃に宇奈月温泉近くのコンビニエンスストアに入った。
この先、温泉街へ行っても駐車出来る場所は限られているので、温泉街に入ってしまうとクルマで自由に動き回れないだろう。だから、温泉街に入る前に昼食を調達しておくほうが良い。
その後、少し先にある道の駅「うなづき」でトイレ休憩し、10時半頃、温泉街へ向けて出発した。
ここからは、黒部川が側を流れる気持ちの良い道が続く。天気も良いのだが、それが逆に目に痛い。
<宇奈月温泉へ向けて走行> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 10:47 |
ところで、実を言うと我輩は、「宇奈月温泉」という名前すら今回初めて知った。
山間の小ぢんまりとした土地のようなので、少々寂れているのではないかと思う。ひとけの無い温泉街でノンビリと散策というのも面白かろう。
ところがどうしたことか、トンネルのあるところで渋滞が始まってしまった。ちょっと進んでは止まり、またちょっと進んでは止まる。
途中に気の利かない信号機でもあるのかと思ったのだが、次第に「もしかしてこの車列は、温泉街まで続いているのではないか」と思い始めた。もしそうなら、恐らく駅前の駐車場が一杯なのだろう。そんなに人気のある有名観光地だったのか・・・?
カーナビゲーションの地図を見ると、駐車場はまだまだ先のほうらしい。それなのにこの進み具合。もっと早く来るべきだった。
<トンネルの手前から渋滞が始まった> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 10:50 |
だがそれでも、車列はそれなりに動いており、15分も経つと富山地方鉄道の「宇奈月温泉駅」が見えてきた。そしてそのすぐ先に、黒部峡谷鉄道トロッコ列車の「宇奈月駅」が見えている。確か駐車場は、「宇奈月駅」の駅前のほうにあるはず。ということは、あと少しの辛抱か。
<宇奈月温泉駅が見えてきた> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 11:08 |
ところがこの状態から進むのが遅くなり、しかも駅前まで来たところ、駅前駐車場は満車状態で、さらにその奥の駐車場まで車列が続いていた。まだまだ忍耐が必要か。
それでもしばらく頑張っていると、ようやく駐車場のゲートが見えてきた。この段階まで来ると、もはや、"渋滞"というよりも"駐車待ち"という雰囲気に変わった。出庫するクルマが1台あれば、こちらも1台分進む。あともう一息。
だが駐車後に改めて昼食タイムとするならば、時間がもったいない。昼食なら今この時間に済ませておいたほうが良かろう。
我輩は駐車待ちの車内で、先程コンビニエンスストアで買った惣菜パンを食べた。
<駐車待ちの中で昼食> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 11:47 |
ようやく順番が回ってきて駐車料金900円を係員に払い、駐車場所を案内されたのだが、そこは、奥の奥のほうにある臨時駐車場のような砂利敷きの場所だった。
時刻は11時52分。まずは、富山地方鉄道の時刻表を確認。
西武鉄道から富山地方鉄道へ移籍した特急車両「レッドアロー」は、直近では12時40分発の便に特急がある。ただしこの特急がレッドアローの車両かどうかは分からない。特急で運用される車両は「レッドアロー」だけではないからだ。
(※「レッドアロー」は、富山地鉄では「モハ16010形」と呼ばれているが、呼びづらいのでここでは「レッドアロー」と呼ぶことにする)
しかし12時40分までは1時間近くあるので焦る必要は無い。
クルマを降りて振り返って見ると、黒部峡谷鉄道のトロッコ列車が通る鉄橋が見えた。なかなか眺めが良いので、上のほうの見晴台から鉄橋を見下ろしてみたり、鉄橋のすぐ側まで降りて行ってみたりした。そしてその下の斜面には、サル顔のオヤジさんが農作業か何かやっており、我輩と目が合ってしまった。
<トロッコ列車の鉄橋と農作業中のオヤジさん> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 12:15 |
そんなことをしているといつの間にか時間も経ち、特急発車の20分前になっていた。そろそろ駅へ向かうことにしよう。
もし12時40分発の便が「レッドアロー」ではなかったとしたらガッカリだが、それでも次の特急は13時50分発がある。ただ、その便もダメなら、あとは15時30分発となってしまうのでさすがにそれまで待てぬ。
そんなことを考えながら歩いていると、黒部峡谷鉄道の「宇奈月駅」が見えてきた。そしてその向こうに、富山地鉄の「宇奈月温泉駅」も見えている。目を凝らして見ると、「宇奈月温泉駅」にちょうど「レッドアロー」が停まっているではないか。
<「宇奈月駅」の向こうの「宇奈月温泉駅」に特急列車が見えている> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(45mm)] 2010/05/03 12:21 |
ここは終着駅だから、始発ということになる。だから20分前でも駅には到着していたのだ。少し考えれば分かることだが、完全に考えが抜けていた。
「レッドアロー」の撮影は駅に入ってくるところから始めたかったが、それは叶わなかった。駅から出て行くところを撮るしかない。
とりあえず今は、駅に停車しているところを撮りまくろう。
「レッドアロー」が正面に見える場所があったので、そこから狙ってみた。
ところが、中判カメラ「PENTAX 645N」とデジタルカメラ「Nikon D200」の両方とも標準ズーム装着のため拡大率が足りない。これほど離れたシーンは想定していなかったため、望遠レンズはクルマに置いてきてしまったのだ。
クルマへ取りに行くにしても、奥の奥にある駐車場のため、戻ってくるまでに5分は要する。どうするか。
<手持ちの標準ズームレンズでは遠すぎた> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(85mm)] 2010/05/03 12:25 |
結局、望遠レンズは諦めた。
望遠が必要なのはこのシーン以外には無いだろう。ならば、その1カットだけのために貴重な時間を浪費出来ぬ。
我輩はこのシーンを、標準ズームの範囲で撮影した。
次に、「レッドアロー」に近付いて柵越しにカメラを構えて撮影した。
露出の失敗だけは避けたいので、「PENTAX 645N」ではAEB(自動段階露光)にて撮影した。
<駅の外側から撮影> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(85mm)] 2010/05/03 12:28 |
それにしても、この「レッドアロー」の現物を肉眼で見るのは今回が初めて。子供の頃に交通図鑑で見て心惹かれた車両だったのだが、それを実際に見ることが出来るとは思わなかった。昭和的なその面構え、まさに感無量と言うほか無い。
我輩は、図鑑に掲載されているような、キッチリとした写真を撮りたいと日々思っているのだが、今回の撮影でその思いが届くだろうか。
少々横からの角度でも撮影してみたいのだが、柵から離れると柵が画面に入ってジャマになる。またアングルも限定される。
ならば、ホームに入って撮影するしか無い。もちろんホームも広いわけではないから思うがままに撮影出来るということではないが、外から撮るよりは微調整が利くはず。
とにかく、あと10分で発車時刻となるので、行くなら早くしないと時間が無い。我輩は急いで駅の階段を上がって窓口に行き、そこで入場券を買おうとした。
<宇奈月温泉駅> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(45mm)] 2010/05/03 12:45 |
すると窓口のオイちゃんが「1枚でいいの?」と訊くので見てみると、入場券は昔懐かしの硬券だった。せっかくなので、記念にもう1枚買った。
改札で入場券の1枚を出したところ、改札のオイちゃんは「えっ?」という顔をしてホームのほうを見たり切符を見たり戸惑っていた。その様子は、「この切符にスタンプ押しちゃっていいの?」という感じだった。しかし我輩はもう1枚買っているので、スタンプに抵抗は無い。
<硬券の入場券> |
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ホームへ降りるとすぐに撮影を始めた。やはりこちらは低いアングルで撮影出来るのが良い。
しかし時間ギリギリまでホームで撮影していると、駅を出る姿を撮影出来なくなるので、適当に切り上げねばならぬ。メインは中判645での撮影だが、フルオートの「PENTAX 645N」のおかげで手早く撮影が出来た。
<ホームでの撮影> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(85mm)] 2010/05/03 12:37 |
発車時刻の3分前、ホームでの撮影を切り上げることにした。
ホームの階段を上がり、改札を出ようと入場券を改札のオイちゃんに渡した。するとオイちゃんはまた戸惑い、「え・・・と、切符、要りますか?」と訊いてくれたので「あ、いいんですか? ありがとうございます」と礼を言ってその切符を受け取った。
駅を出て、駅前の踏切のところまで行ってカメラを構えて待機する。
今度は動いている列車だから、フィルムとデジタルの2台のカメラで撮影は出来ぬ。ここは「PENTAX 645N」一本で勝負するしかない。しかもAEBにも頼れないので、露出も一発勝負。撮影中にフィルム切れになっては致命的であるから、フィルムカウンターも確認した。
しばらくすると、駅から「レッドアロー」が出てきた。
我輩はカメラを構え、ファインダー越しに見るその姿にフォーカスポイントを合わせた。標準ズームだけに、その姿はまだ小さい。だが、意外に近付くスピードが速く感じたので、思わずシャッターを切ってしまった。
「しまった、まだ遠かったか。」
シャッターが切れてミラーが復元するまでの時間が長く感じられた。
次に「レッドアロー」が見えた時には、もうかなり距離が近くなっており、AFが追いきれず2枚目の写真は撮れなかった。
「しまった・・・。」
我輩はすぐさま振り向き、過ぎ去って行く「レッドアロー」の後部を、ズームレンズで追いながら撮った。
<去って行くモハ16010形> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(75mm)] 2010/05/03 12:40 |
これは完全に我輩の失敗だった。
AW(自動巻上げ)であろうとも、タイミングは非常に大事である。我輩はその基本を忘れ、気の焦りで貴重なタイミングを逸してしまった。もし撮り直し出来るものならば挽回したい。
次の特急は13時50分発。続けて「レッドアロー」という可能性は低いとは思うが、次もそうだという心積もりが無ければまた失敗を重ねてしまうだろう。
駅には早めに入るはずだから、13時20分にはスタンバイしておこうと思う。それまでの間、温泉街を散策することにした。
散策をしていると、12時55分頃に踏み切りが鳴り始めた音が聞こえたので何だろうと思い戻ろうとすると、「モハ14760形」と呼ばれる車両が駅に入るところが見えた。これは、今度13時18分に発車する普通列車らしい。
せっかくだから、この車両が出発するところを写真に撮ってみよう。次の特急を撮影する予行演習にもちょうど良い。
我輩は踏み切り近くの商店に設置してあったベンチに腰掛け、踏み切りが鳴り出すのを待った。
しばらく待っていると、再び踏み切りが鳴り始めた。
我輩は立ち上がり、駅のほうにカメラを向けた。今度は焦ることなく、列車がちょうど良いポイントに来るまでシャッターを切るのを我慢せねばならない。
ところがふと後ろに気配を感じて振り向いてビックリした。別の列車が駅に入ってくるではないか。
普通列車の出発前に特急列車が入ってきたのだ。
完全なる不意打ちだったが、フルオート中判カメラに助けられ、前と後ろの写真を何枚か撮ることは出来た。それにしても、この特急は「レッドアロー」じゃなかったぞ・・・。
<普通列車に続いて駅に入線するモハ10030形> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(70mm)] 2010/05/03 13:13 |
この次の特急は15時30分発まで無いため、残念ながら「レッドアロー」の撮影はもう出来ない。
我輩は最後に、13時18分発の普通列車「モハ14760形」、そして13時50分発の特急列車「モハ10030形」を撮り、鉄道撮影を完了した。
<モハ14760形> |
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[PENTAX 645N/45-85mm(60mm)] 2010/05/03 13:18 |
その後、トロッコ列車が鉄橋を渡る様子などを撮影し、クルマに戻った。
北陸での活動は、一部当初の予定通りではなかったものの、これで完了したことになる。疲れのせいもあり、これで終わったと思うとホッとした。
駐車場を出たのは14時。
駐車場に入る渋滞の車列はまだまだ続いていた。この時間になって訪れるということは、泊まり客だろうか。
●黒部川の河原
途中、道に沿って流れる黒部川がとても気分良さそうに見えたので、河原に行ける場所を探してあっちへ行ったりこっちへ行ったりしてみた。すると、河原近くに「中の口緑地公園」という場所があったのでそこにクルマを停め、河原へ降りてみた。
<中の口緑地公園脇を流れる黒部川> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 14:23 |
水の流れる音が涼しげで、これまでの疲れを癒してくれるようだ。河原の地形を見るため、しばらく散歩してみることにした。
しばらく歩くと、堆積した砂地を見付けた。そこには水の流れを示す跡が残されていた。それを眺めていると、川が増水してこの辺りまで水が流れている様子が目に浮かんできた。
そう言えば、これと似た地形を見たことがある。「蔵王のお釜」登山の際に出会った、水無川の河床(かわどこ)である(参考: 雑文447)。
水が流れていたその瞬間に立ち会えなくとも、痕跡からその時の様子を想像力で知ることが出来る。
<水の流れを示す跡> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 14:25 |
我輩は、寿命さえ続けば、いつか火星へ行ってみたいと思う。
アメリカの探査機からの映像によれば、火星の不毛の大地には水の跡が刻まれているという。それを間近で見て、水が流れた過去の世界に想いを馳せてみたい。もちろん、そのスケールは地球とは比べ物にならない。直径数kmのクレーターを避けるように洪水が流れた跡すらあるのだ。
そんな雄大な水の痕跡は、緑あふれる大地よりも素晴らしく、そしてエキサイティングな風景に違いない。
この河原のように、そんな風景が我輩を待ってくれていると信じたい。
●スーパーマーケット「パルフェ」
さて、これから帰路に就くわけだが、我輩はこの日の活動を終えて疲れた状態である。本来ならば生活時間に入るところだ。
一方、上信越自動車道は上越ジャンクションから信濃町インターチェンジまでの区間が上下2車線の対面通行となっているせいでそこがボトルネックとなり、連休中は深刻な渋滞が発生する。しかも、ちょうどゴールデンウィークのUターンラッシュのタイミングである。インターネットの渋滞予測によれば、19時頃が渋滞のピークとのこと。
以上のことを考えると、まずとりあえずは高速道路に乗り、どこかのパーキングエリアに入って深夜まで睡眠を取った後、渋滞が和らぐ時間帯に自宅まで走り通すことにしようと思う。
そうなると、夕食と入浴をどうするか。
夕食はどこかのスーパーマーケットで仕入れておけば良いとして、入浴は帰宅まで我慢することにした。
宇奈月近辺のスーパーマーケットをカーナビゲーションで検索し、「パルフェ」という店に行った。駐車場は広いが、店に近いエリアはクルマの出入りが多いので、少し離れた落ち着ける場所に停めた。
そして店で弁当と菓子パンなどを買い、駐車場で一息ついた。
<宇奈月のスーパーマーケット> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 14:46 |
しばらくすると、我輩の隣にミニバンが1台停まった。そして延々とアイドリングをしていた。こんなに空いている駐車場なのに、わざわざ我輩の隣に停めてアイドリングするのは何かの嫌がらせか?
結局そのクルマは15分くらいアイドリングした後、再び出て行った。
我輩はこの駐車場で1時間ほど休憩していたが、ふと、ここでクルマを撮って記念にしようと考えた。
この旅では、我輩の移動の手段となり、案内役となり、補給基地となり、そして宿泊施設となってくれた。クルマ無くして今回の旅に対する柔軟な対応は出来なかったろう。母艦として良く働いてくれた。
我輩は、唯一の支えであるこのクルマを最後に撮ることにより、今回の撮影の打ち止めとしたい。
カメラを構えてクルマにフォーカスポイントを合わせた。背景には、雪を頂く山々が見えた。
<母艦として良く働いてくれた> |
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[PENTAX 645N/80-160mm(117mm)] 2010/05/03 15:40 |
我輩がクルマを運転をするようになって早5年。いまだに我輩がクルマを運転していることが信じられないと思うことがある。5年前まで、クルマなどとても自分が所有出来る代物ではないと思っていた。
普通の者ならば、クルマを買うのに特別な覚悟や思い切りは無かろうが、我輩の場合は大変な決断が必要だったのだ。
だからこそ、その一世一代の決断のために、自分が手にし得る中での最高のクルマを選んだつもりである(最初のクルマは97年式メルセデスベンツW202)。逆に言うと、妥協するならばクルマ導入は見送ったに違いない。
クルマを導入して以降、蔵王山、吾妻山、北海道、九州、そして今回の北陸へ到達した。遠い場所に、自分の力でクルマを操り到達した。5年前までは想像だにしなかったことだけに、それに対する実感が薄い。
改めて自分のクルマを眺めて、「本当にこれを自分が運転してきたのか」と驚かされるのである。
●帰路に就く
では、これから高速道路に乗り、どこか手近なパーキングエリアに入ろう。
出発時刻は15時40分。
出来れば少しでも先へ行きたかったが、やはりこの日の疲れを背負っているので、30分ほど走って目に入った「蓮台寺パーキングエリア」で休むことにした。
<蓮台寺パーキングエリア> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 16:31 |
走行中は風が入るのでそれほど暑くは無いが、停車させると途端に暑くなる。
温度計を見ると、29度だった。これではとても寝られまい。だがそうは言っても真夏ではないので、夕方になれば次第に気温は下がるはず。それまで待とう。
<まだまだ暑い> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 17:34 |
少々早いが、ここで夕食とした。
冷やしうどんセットなのでうどんツユをかけて食べるのだが、ツユをかけた後、片手で保持したままデジタルカメラで撮影しようとした。
デジタルカメラはメモ用途であるから、旅の記録のためにこのような撮影も行なうのだ。
<パーキングエリアで夕食> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 17:40 |
ところが片手で保持したせいで弁当容器が中央部から折れ曲がり、うどんツユが運転席シートにザァーっとこぼれてしまったではないか。
大慌てでティッシュペーパーで拭き取ろうとしたが、何枚あっても足りない状況。
「くそ、なんてこった・・・。」
このうどんは関東風のためか醤油の黒色そのままである。それに対しクルマのシートはベージュの薄い色。しかも水分吸収バツグンの布地なのだ。出汁(ダシ)の利いた香ばしい香りに包まれた大きな黒い染みがシート生地にクッキリ残された・・・。
だが呆然とはしていられぬ。このまま乾いてしまえば、本当に染みが固定されてしまう。
我輩は銭湯で使っているタオルを水で濡らしてきて、それをシートに当てて揉んだ。シートに染みこんだツユを、水と混ぜて薄め、それをタオルで再度吸収させるのである。乾いた後に、濡れていないところとの境界線が目立つであろうから、布面1区画全体を水で濡らして拭き取った。
それが功を奏したのか、最終的に染みは完全に消え去った。
もしかしたら赤外線撮影などすれば染みが浮き上がるかも知れぬが、可視光の範囲ではまず判らない。
香ばしい香りは残っているが、帰宅後に「ファブリーズ(消臭製品)」を噴霧すれば何とかなろう。まずは、一安心。
食後、温度計を見てみたが、少し下がって27度になっていた。このまま23度くらいに下がってくれれば、快適に寝られるのだが。
試しに、後部座席でカーテンを吊り、下着状態で寝てみたのだが、やはり暑くて汗ばむ。セキュリティ上、窓も大きく開け放つことも出来ぬ。寝転びながら、ウチワで扇いで古本を読んだりして過ごした。
その後暗くなってくると本も読むことも出来なくなり、頑張って寝ようと努力したのだが、やはり暑さのせいでグッスリとは眠れず、ウトウトとした状態で携帯電話でインターネットの情報を見たり、温度計を見たりした。
そして結局、「どうせ眠れぬのなら、今日のうちに行けるところまで行ってみよう。」と思うに至った。もしかしたら、渋滞予測の19時も過ぎているので、少しは走り易くなっていることも期待したい。
<出発> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 21:04 |
「蓮台寺パーキングエリア」を出たのは21時頃。
北陸自動車道から上信越自動車道へ移り、南下を始めたのだが、やはり途中で渋滞にハマってしまった。この状態では、付近のパーキングエリアも満車に違いない。
もしかしたら、あのまま「蓮台寺パーキングエリア」に留まっていたほうが良かったかも知れないとふと思ったが、それでも少しでも自宅に近付いているという事実のほうが大きく、今さら後悔するつもりも無い。
<やはり渋滞> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/03 22:13 |
渋滞はしばらく続いたものの、渋滞ポイントとなる特定区間を過ぎると流れがスムーズになった。
23時過ぎ、小腹が空いたので「小布施パーキングエリア」で何か買おうと思ったが、土産物ばかりで普通の食べ物がほとんど売り切れ状態。売れ残りのアンパンとアイスクリームを買って食べた。
しかし0時近く、さすがに強い眠気が出てきたので、「東部湯の丸サービスエリア」に入り、ここで睡眠を取ることにした。
洗面所で歯を磨き、クルマの中でパジャマに着替えて布団に横になった。もう暑さは解消され、ストンと落ちるように眠り込んだ・・・。
<この日の軌跡> ※帰路は示していない。 |
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「北陸ドライブ(5月4日−6日目)」
昔の職場仲間たちが、我輩に会いに来た。いや、我輩のほうが会いに行ったのかも知れぬ。
懐かしい顔を見て、昔のような気分になった。
「最近、どうしてる?」と訊こうとして、フッと目が覚めた。
夢だった。
一瞬、自分がどこにいるのか理解出来なかった。
いつもの布団に寝ているだけに自宅にいるのかと思いかけたのだが、妙に狭い空間に戸惑った。
「・・・ああ、そうか、クルマの中か。」
身体を起こしてカーテンをめくると、空が薄明るい。時間は早朝5時過ぎだった。
クルマの外に出てみると、少々肌寒い。
トイレに行ってからサービスエリア内の公園をちょっと散歩した後、再びクルマに戻って出発した。
自宅まではあと200kmほど。
クルマの流れはスムーズで、9時前には着くだろうと思われた。これならパーキングエリアなどに寄ることも無く、ノンストップで帰れるだろう。
途中、クルマのメーター表示を見たところ、どういうわけか燃費計の値が17.5km/Lになっているではないか。ビックリしてしばらく様子を見ていたが、値は少しずつ増えて行き、最終的には17.8km/Lまで到達した。
このクルマのこれまでの平均燃費が11km/Lであることから考えると、この値はとても考えられない。走り方を変えたわけではないのに、いったいどうしてこうなったのだろう。
<燃費の記録更新> |
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[Nikon D200/18-70mm] 2010/05/04 06:39 |
関東に近付くにつれ、だんだん見覚えのあるランドマークが増えてくる。
そして、日常的に行動する圏内に入ると「帰ってきた」という気分になった。しかし気を抜くと事故の元。速度を抑え、慎重に運転した。
帰着は予定より少し早く8時15分。
間を置くとヤル気が起きなくなるので、自宅に着いてすぐに車内の荷物を家に運び込んだ。
車中泊のたびに思うが、相変わらず大量の荷物にビックリする。こんなに荷物を詰め込んで、よくもまあ、運転するスペースと寝るスペースがあったものだ。
<今回の荷物> |
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ちなみに、家に帰ってから驚いたことがある。
クルマに積み込んでいたと思っていた66判カメラ「BRONICA SQ-Ai」が、実は自宅に置いたままになっていたことだ。まあ、特に影響無くて良かった。
<今回の旅で感じたこと>
- ・旅行先選定について
- ゴールデンウィークともなれば、そろそろ暑さが気になってくる季節。北陸は関東よりも北方だが、それでも暑さに悩まされた。伊豆半島にしていたらもっと深刻だったかも知れぬ。
- ・長旅の疲れの問題
- 旅の計画というものは、スケジュールを詰め込んで効率良く多くのスポットを巡るようにするものだが、長旅になると、疲れを解消するための余裕が必要になることを実感した。去年の北海道行きでは、涼しかったことに加え、フェリーで何もしないでノンビリする時間があったのでそれほど疲れが溜まらなかったのだろう。
- ・カメラについて
- 中判「PENTAX 645N」との付き合いはまだ浅いため、いつの間にか測光方式切替スイッチに触れてスポット測光になっていたことがある。そのせいか露出失敗写真の中でも露出オーバーの写真が多かった。
デジタルカメラ「Nikon D200」のほうはJPEGとRAWの両方で撮ったが、今のところRAWを必要とする画像の利用は無い。ただ、画素が不足気味なのは残念。
- ・「レッドアロー」の望遠撮影
- 「レッドアロー」の望遠撮影は、今でも心残りである。たった1カットでも望遠写真があると変化があって良かったかも知れぬ。しかし同じ状況に置かれればまた悩むだろう。
今回のドライブのまとめは下記の通り。
●期間 |
2010年4月29日〜5月4日(6日間) |
●デジタル撮影総枚数 |
約1,400枚 RAW+JPEG記録のため、1セットで1枚とカウント。 |
●フィルム撮影本数 |
120フィルム20本 (Kodak E100G) 120フィルム1本につき16枚撮れるカメラのため、撮影枚数は320枚となる。うち、採用枚数は200枚と上出来。 |
●走行距離 |
1,526km 過去のドライブと照らしてみて妥当なところかと思う。 |
●燃料消費量 |
約123L 最後の給油タイミングを誤ったため、推測値である。 |
●平均燃費 |
12.4km/L 満タン法にて算出。上記給油タイミングの関係上、この計算値も推測となる。 |
●旅行費用 |
40,168円
<内訳>
・高速道路代(ETC) |
:3,800円?(予想) |
・ガソリン代 |
:約18,000円(推測) |
・飲食代 |
:8,468円 |
・銭湯代 |
:1,910円 |
・入館・駐車代 |
:2,780円 |
・土産その他 |
:5,210円 |
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