2000/04/05
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表紙

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2.用語集
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5.カメラ雑文
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7.テーマ別写真
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カメラ雑文

[683] 2009年12月06日(日)
「出張でSIGMA DP2を使ってみる」


「SIGMA DP2」を購入してすぐ、勤務先で広島出張を命ぜられた。
内容としては半日仕事であるから、新幹線での日帰り出張となることは自ずと分かった。朝6時に千葉県の自宅を出発し、広島駅へ11時に到着。昼食を摂り、バスで移動して13時から17時まで会議や工場見学などをして、それが終わればすぐにバスと新幹線で帰路に着き、23時半くらいに自宅に戻る。
それにしても、新幹線のぞみが品川-広島間で4時間ほどというのが驚く。そのおかげで、泊まりがけでの出張はなかなか機会が無い。

ちなみに、出張の日は11月16日の月曜であった。
ならば、その前の土日を広島観光に充てるというのはどうか。宿泊費は自腹となるが、交通費も3万4千円とバカにならぬから、観光とはいえ一つの行動で最大限の効果を得ることは重要だろう。通勤カバンの中に入る「DP2」を運用試験する良い機会ではないか。

ただし、土日全て費やすとなると私費の負担が大きくなるばかりでなく休む時間も無くなる。
今回、土曜日は休息とし、日曜日の早朝出発ということにしたい。

予定としては、日曜日の10時くらいに現地に着き、呉市の「大和ミュージアム」と「てつのくじら館」へ行こうと思う。博物館は意外と時間がかかることを知っているので、あまり欲張らずにこの日を終えよう。
そして次の月曜日の朝早くから宮島に行ってみようかと思っている。

ちなみに、今回は記述が長くなるため、以下、「DP2」に関することは黄色文字で表すことにした。


出発の日、我輩は通勤カバンに着替えの下着やワイシャツ、靴下などを詰め込み、その隙間に「DP2」を入れた。一見すると泊まりがけには見えないところが良い。もしデジタル一眼レフを使うとすれば、カバンには入らず肩に掛けるなどしなければなるまい。そうなると旅行気分がバレてしまう。
こういう、さりげなく高画質性能を持ち歩けることが、「DP2」の最大の性能と言えよう。

品川駅で、6時発の新幹線のぞみに搭乗したが、搭乗前に「DP2」で何枚か撮影してみた。
AFでのピント合わせが多少遅く感ずるため、MFに切り替えて撮影した。


<新幹線のぞみ>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/25秒・F2.8] 2009/11/15 05:51

<新幹線のぞみ>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/40秒・F2.8] 2009/11/15 05:52

車内でも撮影してみたが、ボディがのっぺりとして引っかかりが無いため、ホールドがとても難しい。ブレ防止機能が無いせいもあり、気を抜いて撮影するとすぐにブレる。グリップが欲しい。

それに、気を入れて撮影しようとしても、シャッターが切れるタイミングが分からない。というのも、1回撮影毎に「カシャッ・・・カシャッ」とシャッターのような音が2度聞こえるのだが、これはシャッターの"開き"と"閉じ"ではないらしい。1/50秒のシャッタースピードであっても、音は明らかに2秒ほどの間隔がある。

また、撮影時に液晶画面がブラックアウトする時間も比較的長く、まるで長時間露光で撮影しているような感覚で調子が狂う。


<新幹線のぞみ車内>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/50秒・F2.8] 2009/11/15 09:40

広島駅には10時半頃に到着。
この日の予定として、呉へ行って2つの博物館「大和ミュージアム」と「てつのくじら館」へ行くことにしている。

博物館の見学というのは、意外に時間がかかるものだ。昼食時間も入れると、恐らくこの2つの博物館だけで午後の時間を費やすことになろう。
他にも宮島へ行きたいが、呉から宮島まで1時間半くらいかかりそうなので、宮島へは翌月曜日の午前中にしようと思う。会議は午後であるから計算は合う。

呉駅からしばらく歩いたところに2つの博物館があるのだが、まず「てつのくじら館」にある大きな潜水艦が目を引く。
陸橋から撮影しようとしたが、「DP2」の撮影テンポが遅く、またブレを確認するために画像を拡大して見なければならないのが手間に思う。

それにしてもこれまで気になっていたのだが、背面液晶で撮影画像を確認すると冴えない写真に見えてしょうがない。画像データのほうではなく液晶のせいだとは思うが、液晶画面を見るたびに気持ちが沈む。
何枚か撮り直してみたのだが代わり映えしないし、吹きっ晒しの陸橋では風が冷たく耐えられない。上手く写っていることを信じ、陸橋からの撮影を切り上げるしかなかった。


<陸橋からの風景>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/160秒・F5.6] 2009/11/15 10:41

まずは、「大和ミュージアム」へ入る。
ここには、1/10スケールの戦艦大和の模型が展示されており、我輩としても是非ともここを訪れてみたかったところだ。しかし広島は距離的に遠く、九州帰省途中で寄ろうと思っても大阪ー北九州間はフェリーでの移動となるため、今までその機会は無かった。

<1/10スケール大和模型>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/100秒・F4.0] 2009/11/15 11:30

それにしても1/10スケールの大和というのはここまでデカイのか。そこら辺の漁船よりも大きいくらいだ。
おかげで、「DP2」の画角ではとても全体が入りきらない。

ちなみに、「DP2」のレンズは35mmカメラ換算で41mm相当である。だから、広い範囲を撮影するのに「DP2」を使うべきではなかろう。そういう撮影には28mm相当の「DP1」や「DP1s」が適している。

そもそも、全体を写し込んで情報量を得ようとする広角好きの我輩が、なぜに「DP2」を選んだのか?
それは、せっかくAPSサイズの大きなイメージセンサーを搭載したカメラを買うのならばボケも楽しみたいと思ったからだ。場合によってはデジタル一眼レフカメラの代わりをも務める可能性もあるのだから、メモカメラ専用としておくのはもったいなく思う。


<1/10スケール大和模型>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/125秒・F4.5] 2009/11/15 12:02

ただ幸いなことに、大和ミュージアムでは様々な角度やアングルで観ることが出来るため、後方限定ながらも上方から狙えば全体像が収まった。

<1/10スケール大和模型>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/100秒・F4.0] 2009/11/15 11:25

大和ミュージアムでは、他にも現物展示や戦史、造船技術関連の資料展示などが多くあり大変興味深かった。
1日で全ての展示を見て理解することは不可能であるから、写真撮影をしてゆっくり眺めたいところだが、とても全て撮影しきれないだけでなく、展示物の中には撮影禁止のものもある。

<展示物>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/50秒・F3.2] 2009/11/15 11:12

<展示物>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/10秒・F2.8] 2009/11/15 11:44

ふと気付くと12時過ぎ。そろそろ昼食時か。
しかし我輩は一人で飯屋に入るのに抵抗がある。クルマで来ておれば、コンビニエンスストアで弁当でも買うところだが、歩きでは弁当を買っても食うところが無い。
まあとりあえずは昼食は先送りにして、大和ミュージアムの裏手に見えた公園と展示物を見に行くことにする。

公園には、大和船首の輪郭を実物大で再現しているところがある。主砲のあたりは色の違うブロックで敷き詰めて表現しているのが面白い。
また近くには、潜水調査船「しんかい」と水中翼船「金星」の実物展示があった。実を言うと、「しんかい」には一度お目にかかりたいとつねづね思っていたので、今回一つの目的を果たした気分であった。

<潜水調査船しんかい>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/320秒・F8.0] 2009/11/15 12:19

その後、向かいにある海上自衛隊の展示施設「てつのくじら館」へ行ってみた。
そこには実物大の潜水艦が展示してあった・・・、いや実物大展示ではなく、実物そのものであった。

<てつのくじら館>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/250秒・F6.3] 2009/11/15 12:34

そこは広報施設のためか入館は無料で、潜水艦や機雷の掃海に関する展示があり、興味深く見て回った。
そして最後に、実物展示の潜水艦の内部にまで入ることが出来た。実物の潜水艦に入ったという面白さは、なかなか他では得られまい。
ただ、実物潜水艦まで急いだせいか、あるいは他の展示が思ったよりも少なかったせいか、30分ほどで館内1周してしまった。

思ったよりも早く、2つの博物館を見終わってしまった。もしかしたら、午後はこのまま宮島へ行ってみるのも良いかも知れない。

昼食はまだだったが、とりあえず呉駅まで歩いた。
すると、駅近くにレストラン街のあるビルが目に入ったので、そこに行ってみることにした。少し歩くと、トンカツ屋が見えてきた。値段を見て少し迷ったが、まあ千円程度なので思い切って中に入り、ロースカツ定食を食べた。
周りを見ると、1人で食べているサラリーマンが数人いたので気は楽だった。自分だけ1人という時はあまりにも落ち着かないからな。

食後、列車に乗って広島駅へ行き、そこで乗り換えて宮島口駅まで行った。まだ15時半ではあったが、この季節のせいで少し夕方の雰囲気になっており少々焦った。しかし、これで物足りなければ明日の朝にまた来てみるのも良かろう。

<宮島口駅>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/200秒・F5.6] 2009/11/15 15:27

<宮島行きフェリー乗り場>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/250秒・F5.6] 2009/11/15 15:30

<宮島行きフェリー>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/80秒・F4.0] 2009/11/15 15:38

宮島口駅から、宮島行きフェリー乗り場までは歩いて5分程度の正面にあるが、この微妙な距離感に不思議な趣を感ずる。

フェリーはだいたい15分ごとに出ており、目の前でフェリーを逃したものの、すぐに往復してきてそれほど待たされることもなく乗ることが出来た。

宮島は、小学校の修学旅行で訪れたことがあるが、景色を見渡しても当時の断片的な記憶に当てはまるものがほとんど無く、印象がまるで違うのが非常に残念であった。もちろん、厳島(いつくしま)神社やその鳥居の風景は記憶に当てはまるような気がするが、あまりに有名な風景だけに、修学旅行当時の記憶では無いように思う。
恐らく我輩の記憶の中にある宮島は、パラレルワールドとして別宇宙の中で今も変わらず存在し続けているに違いない。

さて、せっかく訪れた宮島であるから、「DP2」を使って撮影していきたい。
明るい標準レンズとAPSサイズのFoveon搭載ということで、背景をボカした写真を何枚か撮ってみた。ここでは縮小表示せねばならないのが残念だが、パソコンディスプレイ上で等倍画像を見ると、とてもコンパクトサイズのデジタルカメラで撮ったとは思えぬ描写に驚かされる。

ちなみに、このあたりでバッテリーが切れたので予備バッテリーに入れ替えた。


<宮島厳島神社>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/100秒・F4.0] 2009/11/15 16:28

レンズはF2.8と明るく、開放ならば少々暗くとも撮影出来るところが心強い。
それに、外見はコンパクトカメラながらも中身はデジタル一眼レフ並であることを思うと、それだけで撮り甲斐が湧いてくる。最近は、せっかくのデジタル一眼レフカメラ("レフ"無しカメラも含む)でありながら小さなイメージセンサーしか持たぬフォーサーズなるものすらあるのだ。それを考えると、この「DP2」が頼もしく思えてくる。

<宮島厳島神社>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/20秒・F2.8] 2009/11/15 16:36

だが、スタイルがコンパクトカメラ型であるが故に、撮ろうと思ってスイッチを入り切りするたびに沈胴レンズがウィーンと出てきたり引っ込んだりする。スイッチを入れっぱなしにしておいても、一定時間経つと自動的に引っ込んでスイッチが切れる。だから、撮影テンポによっては何度もスイッチを入り切りすることになる。
いかにもバッテリーを喰いそうだな・・・。


陽も傾いてきた。見ると、鳥居がライトアップされているようだ。しばらく待ってもう少し暗くなれば、ライトアップも映えるだろう。
ただ、もう11月であるから陽が沈むとかなり寒くなる。我輩は比較的寒さには強いものの、背広姿であるから耐寒性はあまり無い。

<宮島厳島神社鳥居>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO200・1/15秒・F2.8] 2009/11/15 17:27

寒さの中、頑張ってスローシャッターで鳥居や厳島神社を撮ったりしたが、三脚が無いので、カメラを立木に押し付けたり石垣に乗せたりして慎重にシャッターを切る。そしてブレが無いかを確認するために液晶画面に映して拡大表示をさせる。ちょっとでもブレが認められると、すぐに撮り直しをした。滅多に来られない場所であるから、撮り直しをするなら今やるしかないのだ。

そうこうしているうち、なんとバッテリーが切れてしまった。もう、予備バッテリーは無い。
沈胴レンズを頻繁に動作させ、液晶画面を何度も点灯させ、おまけにこの寒さ・・・。バッテリー切れになるのも理解出来る。

苦肉の策で、最初に力尽きたバッテリーに入れ替えてみることにした。ポケットに入れていたため、多少は暖まっている。乾電池ほどには温度に左右されないかも知れぬが、少しでも撮れるようになればと思った。
幸いなことに、その後数枚の写真を撮ることが出来た。


<宮島>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/4秒・F4.0] 2009/11/15 17:20

18時頃、寒くなってきたばかりでなく、売店もどんどん店じまいをするところが増えてきて雰囲気も寂しくなってきた。もうこの辺が潮時か。
帰りのフェリーは、寒さのためかデッキに出る者はほどんどおらず、船室のほうに集中したためかなり混んでいた。それでも10分程度の旅だから辛いというほどでも無い。
今夜の宿泊地は、広島駅近くにある一泊3,500円のビジネスホテル。早く帰って風呂に入り暖まろう。

宮島を出てホテルに着くまでの間、2つのバッテリーを交互に入れ替えながら街の風景などを撮影したのだが、とりあえずは最後まで撮れたのは幸いである。
ちなみにホテルは眺めも良く、窓から長時間露光で夜景などを撮るなどして「DP2」で遊んでみた。


<長時間露光の夜景>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・15秒・F11] 2009/11/15 22:03


さて翌朝、宮島行きはもう済んだことから平和記念公園のほうへ行こうかと思う。
公園はホテルからは歩いて行ける距離で、近くのバス停からバスに乗れば、広島営業所までそのまま行けるので好都合。

この日は月曜日ということもあり、通勤中のサラリーマンたちとすれ違う。
だいたいの方角しか分からないので適当に歩いてみるが、事前に想像した風景とは違うので不安になる。だが自分を信じて進んでいると、そのうち前方のビルの陰から原爆ドームが見えてきた。

ここも小学生の修学旅行の時に来たはずだが、ハッキリした記憶が残っていない。川沿いに建っているというのも知らなかった。

<原爆ドーム>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO100・1/160秒・F5.0] 2009/11/16 08:58

「DP2」で撮影して液晶画面で確認すると、どうも冴えない画像に見えてしかたない。ピントも何だか甘い気がする。ブレは無いようなので、まあ大丈夫だとは思うが。

川を渡り公園のほうへ歩いて行くと、修学旅行の学生たちが数多くいた。
写真を撮りながら平和記念資料館へ行ってみた。驚いたことに入館料は50円とかなり安い。

ここも修学旅行で来たことは間違いないのだが、やはり内容まではあまり覚えていない。
ところで初めて知ったが、原爆の爆心地は原爆ドームではなくそこから少しズレた病院の上空であるとのこと。これまでの我輩の認識が不意に書き換えられたような気がして多少混乱した。

<爆心地は左下の赤い棒のあたり>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO400・1/25秒・F2.8] 2009/11/16 09:32

それにしても原子爆弾の被害は悲惨であると改めて感じた。
家が押しつぶされ、中に閉じ込められた子供を助け出そうとしたが、火が迫って目の前で焼かれるのを見るしかなかったなど、まさに地獄の様子が絵に描かれていた。
今でも放射線による後遺症に苦しむ被爆(被曝)者が多くいると聞く。原爆で背中に大やけどを負った少年が、その後生き延びたものの、老人になっても傷が完治せず、皮膚が突っ張ったり膿が出たりするという。

さて、11時頃に公園を離れ、昼食を摂る場所を探そうと街中をさまよった。しかしなかなか入り易そうなところが見付からない。いやそもそも食事処が少ない。
そうこうしているうち、裏道へ迷い込んでしまった。こんな場所には何も無いだろうと思っていたところ、1つの喫茶店が目に入った。
「喫茶店か、ここなら一人で入っても良いかも知れんな。」
・・・というわけで、ここに入った。

<裏道の喫茶店> (出た際に撮影)
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO400・1/250秒・F6.3] 2009/11/16 11:46

「ミートスパ」を頼もうとしたところ、品切れとのことで、代わりに「カツカレースパ」を頼んだ。スパゲティにカレーとは珍しい組合せだな。
しばらくして、そこそこの量のある「カツカレースパ」が運ばれてきた。
スパゲティの麺はフライパンで炒めたもののようで、所々に焦げがある。うん、これは、我輩が大学時代に学食でよく食べたスパゲティの特徴によく似ている。焦げの少しパリパリした食感が実に香ばしい。その麺にカレーが絡んで絶妙な味であった。この量とこの味で800円、我輩としては納得出来る。

<カツカレースパ>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO400・1/80秒・F3.5] 2009/11/16 11:33

食後、バス停のある大通りへ出た。時計を見ると、ちょうど12時。
広島営業所まではここからバスで30分とのことであるから、午後1時から始まる会議には十分間に合う。

会議室では全国から各営業所の人間が集まり、活発な意見交換が行われた。
我輩は、出張報告にまとめる時のために、今回の「DP2」を活用することにした。つまり、ボイスレコーダー機能の活用である。
もちろん、要点をまとめれば簡単なメモ書きでも事足りるだろうが、我輩も人間であるからミスはある。完璧にメモを取れているとは限らない。だから、とりあえず会議の音声を録音さえしておけば、後からどうにでもなろう。

「DP2」では、録音中は背面のLEDランプが点滅する。しかし内蔵マイクの穴は前面にあるため、カメラを上向きにして机の上に置いておくことになる。
時々カメラを持ち上げて背面LEDを確認するのだが、しばらく会議に集中していると「DP2」のことを忘れてしまった。そしてふと思い出して「DP2」を持ち上げてみると、いつの間にかLEDが消灯しているではないか。バッテリー切れであった。
急いで予備バッテリーに入れ替えたが、どれだけ空白時間があったかは確かめようが無い。数分か?数十分か?
「どうせ録音しているから」とメモ書きが疎かになっていたのは少々マズかった・・・。


会議が終わったのは17時半。予定よりも30分遅かった。
想定範囲内ではあるものの、だからと言ってノンビリもしていられない。どんなに急いでも、千葉の自宅に帰り着くのは23時半くらいにはなる。

バスに乗って広島駅へ。
新幹線改札口へ急いだのだが、何か懐かしい雰囲気を感じた。
「もしかして、前にもここに来たことがあるような・・・?」
そうは言っても、新幹線改札口など、どの駅でも似たようなものだろうし、これはいわゆる錯覚の類であろう。
そんなことを考えていると、不意に記憶が蘇った。
「寝台特急で帰省する時、途中の豪雨で新幹線に乗り換えをしたことがあった。それは確か、この広島駅だったな・・・? そうだ、豚児を抱えてこの改札を通ったぞ。」
(参考:雑文503「夏の帰省日記(1)」

そのことに気付いた瞬間、小さな衝撃を受けた。
もし、事前にそういう意識があったならば衝撃など受けずにただの懐かしさで終わったろうが、不意にその場で気付くとやはり驚かされる。
(似たようなことは、雑文496「いつも歩いた道、いつも歩いている道」でも書いた。)

<広島駅新幹線改札口>
SIGMA DP2で撮影
[SIGMA DP2・ISO400・1/125秒・F4.5] 2009/11/16 18:19

品川駅には、22時半頃到着した。そして自宅に帰ったのは24時近かった。
さすがに写真を整理する時間も無く、その日は布団に入った。


さて翌日、「DP2」で撮った写真の整理をしたのだが、まずその高品位な画質に改めて驚かされた。まるでデジタル一眼レフカメラで撮ったかのような仕上がりである。撮影時に背面液晶画面で見る画質が良くないので心配していたが、パソコンディスプレイでは美しく映し出された。
着替えや資料などで荷物が一杯になる出張に於いて、これほど心強い相棒もおるまい。もはや、こういう状況で普通のコンパクトデジタルカメラを使うことは無かろう。

ただ、電池の保ちが悪いのは気になる。他のコンパクトデジタルカメラと同じように沈胴レンズを出したり引っ込めたりするのは電力の浪費に繋がる。強度の問題があろうが、手動で行わせるように設計出来ないものなのか? あまり言うと、出来ない理由ばかり持ってきそうだが、問題点があれば解決するのがメーカーであろう。

また、ISO400くらいの高感度になると暗部の粗れが目立ってくるのも意外であった。せっかく高画質を狙うのだから、ここはISO100を常用とし、感度を上げてもISO200までとしたほうが良かろう。ISO400は非常時くらいに考えておく。

画像ファイルについては、RAWデータはシグマ独自の「X3F形式」のファイルが生成されるわけだが、専用の付属ソフトウェアで画像の調整及びJPEG/TIFF化が行える。
そしてそのソフトは、特に専門知識は必要無いので使い易い。これならば、日常的にRAWデータでの記録も問題無かろう。

ただし、RAWデータというのは汎用ではないため、時代が変わると画像を開く手段を失い、ゴミとなる危険もあることを意識せねばならぬ。例えばシグマが倒産したら、誰がソフトをバージョンアップしてくれる? 時代が変わればパソコンのOSも替わろう。そうなると旧いソフトが動かないこともある。
我輩がMS-DOS時代に使っていた「Z's STAFF Kid98」のzim形式画像やWindows3.1時代に使っていた「SuperKid」のzsk形式画像は、今や開く手段を持たぬ。まさに、ゴミだ。

そういう経験から、我輩はこの「X3F形式」のデータをそのままにしておくわけにはいかぬ。「X3F形式」については、それはそれで持っておき、それとは別にJPEG化したファイルも生成させておくようにした。もちろん、1枚1枚レタッチしてJPEG化などせず、ソフトの機能を使って一括変換したものである。とりあえずこのようにしておき、使いたい画像があればその都度「X3F形式」からレタッチしたものを、改めてJEPGデータに変換して既存のJPEGデータに上書きすれば済む。

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