2000/04/05
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カメラ雑文

[347] 2002年04月20日(土)
「デジカメは露出計となり得るか(テスト編)」

今度の長期休暇では、オフシーズンの閑散とした観光地の撮影を計画しているが、そのために露出の失敗は何としても防ぎたい。 失敗しても何度も撮り直しが出来るのならば良いが、長期休暇は何度もあるわけではないのだ。

以前、デジタルカメラ「Canon EOS D30」野外テストについて書いた。その中では「液晶パネル」の件について触れた。
露出が合っているかどうかをモニタリングしようと思っても、明るい屋外では液晶パネルの濃度が暗く見えるため、適正露出を見誤ったのである。

D30はヒストグラム表示が可能であるから、それを参考にすれば良いとの意見もあろうが、ヒストグラムは単に画面上にあるピクセルの輝度分布を表示し、白飛びや黒ツブレを数値的に知るだけであり、そこから露出の加減を知ることは難しい。
その証拠に、元画像を見ないままヒストグラムだけを見て画像調節に挑戦すると、思い通りの結果にはならない。それはつまり、そのピクセルが「暗い」のか、あるいは「黒い」のかという判断は、ヒストグラムのみからは読み取れないことを意味する。よって、ヒストグラムは常に元画像との比較が欠かせず、画像のどの部分がヒストグラムのどの部分に相当するのかということを考えねばならない。

だから、単純にヒストグラムを見ただけでそれが適正露出であるのかという結論は下せない。そもそも電子画像の狭いラチチュードでは、フィルム上で微妙に表現されるような白や黒は、容易にヒストグラムの両端からハミ出してしまう。

「Canon EOS D30」のヒストグラム表示


このようなことに腐心するならば、単体露出計で幾つかのポイントを測り、写真露出的数値から計算して適正値を導き出しても同じ手間だと思われる。
それよりももっと単純に、液晶パネルに表示される画像から直感的な比較が出来れば嬉しい。

以前のD30撮影テストでは、周囲の明るさに影響されて適正露出を見誤る場面もあった。しかしこれは、液晶パネルを見易いように特に工夫したワケでもなく、時には直射日光が当たったような状態もあった。そのため今回のテストでは、明るい場面では液晶パネルに手をかざし、出来る限り同じような条件で画像を見るようにした。
もちろん、屋外のような明るい環境に於いて、液晶パネルの描写をそのまま受け取るわけには行かぬ。そこは想像力を働かせ、これが適正露出であろうという「読み」を行う必要がある。
そして、液晶パネル上で適正露出だと思われる露出条件(シャッタースピード及び絞り値)にて、リバーサルフィルムでの撮影を行った。

その結果は、予想外に良好であった。
(画像を掲載しようかと思ったが、液晶パネルの見え具合をここで忠実に表現することは不可能であり断念した。)
D30の液晶パネルにて判断した露出値が、ほぼ適正露出となってフィルム上に現れていた。ラチチュードに狭い電子画像であるが故、適正露出の山が掴み易かったのかも知れない。
この様子では、露出計代わりにデジタルカメラを使ってみても良さそうだ。フィルムの現像が上がるまでの間、デジタルカメラの画像を見て楽しむことも出来る。

だが今回、120フィルム1本分(12枚撮影)という僅かなテスト撮影であったため、どのような場面でも等しく使えるかどうかはまだ判断出来ない。例えば、液晶パネルは見る角度によって濃度が変わって見えるため、撮影疲れからそのことに気付かず露出を誤ることも考えられる。
液晶パネルを参考にしつつ、結局はいつも通り、適正露出が不安な場面では段階露光でカバーすることになろう。

今回はテスト編だったが、実践編ではどうなるかが期待される。