2000/04/05
OPEN

表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

Canon
 AE-1P
 AE-1
 newF-1

PENTAX
 K1000
 KX
 KM
 LX
 MX
 MZ-5
 MZ-3
 MZ-M

OLYMPUS
 OM-3Ti
 OM-4Ti
 OM-2000

CONTAX
 ST
 RTS III
 Aria
 RX
 S2

MINOLTA
 X-700
 XD

RICOH
 XR-7M II
 XR-8SUPER

カメラ雑文

[143] 2000年 9月19日(火)
「デジタル画像の表現幅」

写真をデジタルデータとして取り扱うには、少し頭の痛い問題がある。いや、「少し」というよりも、「決定的に」と言った方がいいのかも知れない。

昨日の雑文にも書いたとおり、写真の鑑賞には、その鑑賞条件が重要となる。特に、透過原稿であるリバーサルフィルムでは、アンダー露出の写真でも透過光が十分に強ければ適正露出に見える。

透過光が強いと、当然、透明な部分、つまり写真の「白」の部分は明るく見える。また、暗くツブれている階調も浮かんでくる。これは、明るい部分と暗い部分の幅(レンジ)が広がっている状態である。

さて、リバーサルをパソコンに取り込み、ディスプレイに表示させると、リバーサルフィルムを直接見た時よりもクオリティが落ちて見える。これは、ディスプレイの絶対的な光量が不足しているのが原因だ。

例えば、太陽が写った写真があったとする。ハロゲンランプなどの強い光源にかざして見れば、その太陽は眩しく見えるだろう。しかし、ディスプレイで見た場合、太陽は決して眩しく見えない。


ならば、ディスプレイの全体的な光量を上げて、白をもっと明るくすれば良いと考える。しかし、その調節にも限界がある。ディスプレイメーカーが、もっと明るいブラウン管を開発せねば難しい。

しかしそうは言っても、ディスプレイでは白が眩しくなっては都合が悪い。なぜなら、ディスプレイの表示するものは写真だけとは限らないからだ。例えば、ワープロ使う場合、通常は白地に黒色の文字を打ち込んでいく。もし白地が眩しければ、とても長時間作業することなど出来まい。

百歩譲って、仮にディスプレイの光量を上げたとしたら、今まで使っていた「白色」は「灰色」として使うことになる。そうなると、今までパソコン上で使っていた色は24bitカラー(1600万色)では表現しきれなくなってしまう。足りない分というのは、眩しい色の方へ割り振られてしまっている部分のことだ。
この問題は、色数をさらに増やすことでしか解決出来ない。

「ディスプレイの光量を増やすこと」、そして「パソコンが表現出来る色数を増やすこと」、この2点を同時に実現しなければ、デジタルによってクオリティの高い写真を取り扱うことは不可能である。
いくらスキャナの性能が向上しようとも、いくらデジタルカメラの画素数が増えようとも、この問題がボトルネックとなる。もう、金や努力の問題ではない。論理的に上限が決まっていることだから、これは越えようがない。

我輩が、写真のデジタル化について「行こか戻ろか」と思い悩んでいるのは、この点を割り切れないでいるからなのだ。


プリント写真のような反射原稿の取り込みならば、今のディスプレイでも十分だぞ。