[809] 2014年02月03日(月)
「2013年年末帰省日記(4日目)」
20年ほど前、博多湾の干潟にサメが座礁しているのが発見された。それは「メガマウス」と呼ばれる大変珍しい深海サメで、世界で7例目の捕獲となった。特に、その個体は世界初のメスだということでも有名で、当時は新聞記事にも載った。我輩はその記事を切り抜いて持っている(今はスキャニングして紙は捨てたが)。
その後しばらくしてインターネットの時代となり、当時の写真がカラーで見られるようになった。新聞記事の網点の粗いモノクロ写真では分からないディテールが伝わってきて大変興味をそそられた。
メガマウスというのは、"大きな口"という意味からネーミングされたもので、その名の通りの大きな口を持っている。しかし人食いザメのようなサメではなく、ジンベイザメのようにゆったりと漂いながら大きな口を開けてプランクトンを食べる、いわゆるおとなしいサメである。
その姿は、不釣り合いなほど大きな口であること以外に大きな特徴は無いのだが、それでもその存在感は特殊で、どことなく異星の生物のような雰囲気を醸し出している。
いつかその姿を剥製でも良いのでナマで見てみたいもの。しかし世界でも稀なサメであるため、なかなかそういう機会は無いのが現状・・・。
●12月30日(月)
例年、帰省となれば家族行動することが多く、自分だけの都合で行動する機会はなかなか無い。過去には 雑文730のような単独行動もあったが、それはあくまで例外的。
今回は広島で途中下車し単独行動したものの、元々この企画は家族行動を前提としたものであった。そのため、過去に訪れたことのある実績重視の場所選定となった。出来れば初めての場所でのマニアックな目的を持つ単独行動をしたい。
そこで、帰省直前までどこに行くかの検討を重ねていたのだが、ふとメガマウスのことが頭に浮かんだ。確か、博多湾に座礁したメガマウスは近くの水族館「マリンワールド海の中道(なかみち)」にホルマリン浸け展示しているはず。
海の中道は、北九州から50〜60kmほど離れた福岡市にあり、志賀島(しかのしま)が砂洲で繋がった陸繋島(りくけいとう)、いわゆるトンボロと呼ばれる地形となっている。
トンボロについては、例えば神奈川県の江ノ島が有名だが、北海道洞爺湖で見た珍古島(参考: 雑文779)もそうである。我輩自身、トンボロの地形には興味を惹かれるものがある。
ところが海の中道は大変規模が大きく、砂洲の部分は道路や鉄道が通っており陸繋島まで延びている。恐らく、上空からでないとトンボロであることに気付くことは難しいだろう。
それにしても、いくら単独行動でマニアックな目的のためとは言え、ただメガマウスだけのために行くというのは移動距離を考えると効率が悪い。メガマウスを見る(撮影する)だけならば、恐らく現地では10分程度で用事が済んでしまう。
そこで、海の中道付近で別の見所が無いか事前調査したわけだが、有料の海浜公園が水族館に隣接しており、そこに自動車博物館があるとのこと。ここもマニアックで家族向けではない。どうせならばそこにも寄ってみようと思う。
また、近くを走る西鉄貝塚線の列車が味わいのある車両で、マニアックついでにこれも撮影したい。ただし土地勘が無いので撮影スポットが分からない。駅で撮影するのが無難か。そうなるとクルマを近くに停めておく必要がある。どうせクルマを停めておくならば、クルマを置いたまま列車に乗り換えて海の中道まで行くことにしよう。
朝7時半、母親のアパートを一人で出発。
寒い中、レンタカーを停めているコインパーキングまで5分くらい歩かねばならないのがツライが、クルマに乗ってしまえば寒さは関係無い。そして、乗ってしまえばピンク色のボディ色も車内からは見えなくなる。
<ピンク色のクルマで出発> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 07:36 |
ポータブルナビを据え付け、目的地を設定。一般道で1時間半かかるらしい。ナビゲーションの推奨では高速道路を使うよう表示が出たが、一般道でも主に幹線道路を通るのであまり変わらないかと思う。
<ポータブルナビのルート表示> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 07:39 |
目指すのは、海の中道の根元にある「和白」という町。JR線と西鉄線の2つの「和白駅」があるので、そこでまず最初に西鉄車両の撮影をしたい。
<福岡方面へ走行> |
|
[OLYMPUS E-P5/14mm/ISO200] 2013/12/30 07:50 |
9時頃、事前に目星を付けていた場所まで到達した。しかし目的の駐車場が見付からず、幹線道路をそのまま走り抜けてしまった。
このまま進むと和白から遠ざかってしまうので、先の方で折れてグルリと大回りしてしばらく道なりに走り、コンビニエンスストアを見付けて20分ほど小休止。ナビゲーション画面から駐車場所を検討し、ようやく適当な駐車場へ駐車した。
クルマを降りてポータブルナビを見ながら和白駅へ歩いて行くと、いかにもローカル線という佇まいの駅舎が目に入った。それはJR線の和白駅で、西鉄線の和白駅は奥の方にあるようだった。
<JR和白駅> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/30 09:54 |
そこで西鉄線の駅のほうへ行き、とりあえず改札を抜けてホームから撮影をしようと切符を買うことにした。しかし海の中道への料金が表示されていない。駅員に訊いてみると、海の中道に行くのはJR線のほうだと言う。言われてみればそうだった。事前に調べていたのだが忘れていた。
JR線のほうを案内された手前、西鉄車両の撮影は帰りに行うとして、まずはJR線に乗って海の中道に行こうと思う。
再びJR線の和白駅へ戻り、海の中道までの切符を購入。そこから改札を抜け、跨線橋(こせんきょう)の階段を上がってホームに向かった。見ると、跨線橋の上からは隣の西鉄線がよく見渡せるではないか。せっかくなので、JR線の列車が来るまでの間、ここから写真を撮ることにした。
<JR線の跨線橋から西鉄線がよく見える> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/14-140mm/ISO200] 2013/12/30 10:04 |
JR線も西鉄線も、どちらも単線で駅で上下線がすれ違うようになっているようだ。だから、上り列車が駅に停まると、間もなく下り線がやってくる。
ただ、ここでは上方からの撮影となるため、距離が近いとどうしても見下ろしたような写真になってしまう。だから少々離れた位置の車両を狙うことになるので、高倍率ズーム14-140mmを装着して望遠側で撮影した。遠近感が圧縮されて少々イモムシのように写ってしまったが、まあ最初の撮影としてはこんなものだろう。帰り際にもう一度別の場所から狙ってみたい。
<望遠撮影> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/14-140mm/ISO200] 2013/12/30 10:04 |
撮影はJRの車両が来たタイミングで終了。
ちなみにJRのほうは特に珍しくもない気動車だったが、今が珍しくなくとも、数十年後になれば珍しくそして懐かしくなることだろう。
「今その時代にある光景を撮っておけ」と、未来からの声が聞こえたような気がしてカメラを構えた。
<今の時点では珍しくもないJR線の車両> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 10:08 |
列車は、15分ほどで海の中道へ到着。
水族館「マリンワールド海の中道」は駅から5分程度・・・と言いたいところだが、敷地に入ってもまだ長い道があって更に3〜4分は必要だった。
<マリンワールド海の中道> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 10:31 |
チケット売り場で金を払おうとしたところ、大人2,100円と意外に高い。こちら、メガマウスを見に来ただけなのだが。
しかしそういう事情が通用するとは思えないので、せめてJAF割引が無いかと思った。窓口にはそういった張り紙が無かったのでスタッフに訊いてみたがやはり無いとのこと。仕方無く2,100円を払ってチケットを購入するしかない。
<チケット売り場> |
|
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/30 10:35 |
チケット購入後は、駅の自動改札のような入口でチケットを通して入館。
ホールには、2日前に始まったらしい特別展示「深海展」をやっていた。なかなか面白そうだがそれは後回し。今はとにかく、主目的であるメガマウスを確認せねばならぬ。
事前情報によれば入り口近くにあるとのことだが、ホールを見渡してもそれらしいものは見当たらない。
あっちへ行ったりこっちへ行ったりウロウロしたが見付からず、パンフレットを見たり館内案内を見たりしたが分からない。
もしかしたら、深海展の場所確保のため、メガマウスの水槽は一時的にどこかに移されたのかも知れぬ。
<ホールには深海展> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 10:55 |
我輩は深海展の入り口を見つめた。そこは化粧板で囲まれており、しかも入口は折れ曲がった作りなので中が見通せない。唯一、暗いというのだけは分かった。深海をイメージしているのだから暗くしているのだろう。
そこでハッとした。
「そう言えばメガマウスは・・・深海ザメだったか・・・?」
嫌な予感を感じながら深海展の中に入ってみると、なんとその中にメガマウスの水槽が置かれているではないか。
限りなく暗く、そして淡い青い色のライトが当たり、幻想的には見えるが質感が分からない。せっかくの現物展示でありながら、まるで作り物を誤魔化そうとしているかのようにも見える。実にもったいない。
後から入ってきた親子連れが、メガマウスの説明文を見て「暗くて読めないなぁ」と言っているが全くその通り。演出に凝り過ぎて基本的な展示がきちんと出来ていない。この演出が何を伝えようとしているのか、その意図が分からない。まさかとは思うが、フリーク・ショー(奇形の見世物小屋)でも狙っているのか・・・?
<フリーク・ショー> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/14mm/ISO200] 2013/12/30 10:41 |
しかしここで嘆いてもどうしようも無い。
せっかっくここまで来たのだし、高い入場料も払っている。この状態で撮影するしか無かろう。
カメラを構えると、展示スペースが狭くて引きが無いため、超広角レンズでもメガマウスの全体を見渡すことが出来ない。そもそも中央に大きな柱が邪魔している。それに加え、暗いために水槽の向かいに展示してあるパネルの光が映り込んで困った。
まるで、我輩が撮影に来るのを察知して妨害工作を施しているのではないかと疑うほど。
<柱と映り込みがジャマ> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 10:53 |
全体を撮影したいところだが、背後は引きが取れないし、柱が水槽を分断しているしでどうしようも無い。
こうなれば、最終手段の"根性スキャン撮影"を敢行するほか無い。平たく言えば分割撮影して後でパソコン画面上で繋ぎ合わせるという話。しかしうまく繋がるように撮影するにはそれなりにテクニックが必要となる。なるべく平行に、分割撮影の刻みを細かくする必要がある。
撮影にあたり、自分自身がスキャナの読み取りヘッドであるという自己暗示をかける。そして心を無にし、平行移動しながらスキャニング撮影した。「OLYMPUS OM-D E-M1」の強力な5軸手ブレ補正機能だけが頼りである。脇を締め、そっとシャッターを切る。
<7千5百万画素の根性スキャン撮影> (※画像クリックで長辺1600ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 10:46-10:49 |
その結果得られた画像は15,000x5,000ピクセル、画素数にして7千5百万画素相当の画像が得られた。メガマウスがもう少し長ければ1億画素にもなったかも知れない。
それにしてもこういう展示企画を担当した奴は、昔ならば切腹ものだ。「深海の雰囲気を味わってもらいたいから」などというような言い訳をするのかも知れないが、展示というのは見えなければ何の意味も無い。無料展示ならばまだしも、高い金を取って見せるものならば、光に弱い生体展示でもない限り照明を明るくして隅々まで見えるようにすべきだ。
さて、メガマウスの撮影が終わったので水族館には用が無くなったが、せっかく2,100円払ったのだから他の展示も見て回ることにする。
見れば、ちょうどアシカかイルカか何かのショーをやっているようで、客はそちらに集まっているようだ。このタイミングならば、空いた館内を効率よく見て回れる。
<客の居ぬ間に> |
|
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO400] 2013/12/30 11:06 |
途中、またもや「深海展」なるものがあったが、そちらは常設展示のようで、行ってみるとダイオウグソクムシがいた。
我輩は節足動物には比較的興味を持っており、もちろんグソクムシも興味の範囲に入っている。見たところ、全体の形状はワラジムシやフナムシに似ている。だが尾部はシャコのようでもある。
深海展のため大変暗く、しかも赤照明のため撮影は無理かと思ったが、照明ボタンがあってそれを押している間はライトが点く。ISO感度を400まで上げ、何とか撮影は出来た。
<ダイオウグソクムシ> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/30 11:28 |
それから、深海魚であるリュウグウノツカイの展示があったが、こちらは標本展示のため照明は比較的明るかった。しかも引いて撮れる場所だったため全体を無理なく写すことが出来た。メガマウスの展示も、このようにやってくれれば良かったものを。
<リュウグウノツカイ> ※体に合わせてトリミング (※画像クリックで長辺2500ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/30 11:37 |
館内を一回りしてロビーに戻ってみると12時になっていた。そろそろ昼飯時か。
気になってもう一度「深海展」に入ってみた。やはりそこは暗く、メガマウスの説明文が読めない。本当に何がしたい展示なのか分からない。余計な小屋を取っ払ってロビーの照明だけで良かろうに。
<肉眼ではこのようにしか見えない> ※レタッチによる再現 |
|
そこで、写真に撮ることで説明が読めるよう努めてみた。
マイクロフォーサーズでは禁断のISO800とし、1/5秒でF2.8開放で撮影したところ、ようやく読めるようになった。そこには、我輩が新聞記事で目にした写真(上段真ん中)もあった。
<ISO800、1/5秒、F2.8開放での撮影で明るくしたら読めるようになった> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO800] 2013/12/30 12:05 |
昼食について、館内のレストランは混んでいたし1人での利用は難しいと考え、取り急ぎ外に出て食べるところを探そうと思う。
出口に向かう途中、売店があったので覗いてみることにした。
我輩は最近、ピンバッジを集めている。ラッカー塗料流し込みでコーティング無しのものをが良いのだが、これがなかなか無い。
そんな時、メガマウスのぬいぐるみを見付けた。どうせなら、このマニアックなぬいぐるみでも買うか。
だが値段を見ると、単純な作りのわりに3千円近くするようなので棚に戻した。この程度ならば、自分で作ろうと思えば作れるだろう。もっともそんな動機は無いが。
ふと、セイウチのぬいぐるみに目が移った。ちょっと触れてみたが、毛並みが良くフワフワと気持ち良い。値段は千円台。どうせ買うならこっちのほうがモノとして良い。
早速レジに持って行ったところ、2千円台の値段が出た。棚に記された値段の位置がズレていたようだ。ちょっと騙された感があったが、それでもモノが良いのでまあ良かろう。
ところでこのセイウチのぬいぐるみ、お腹のところにポケットがある。セイウチは有袋類だったか?と思ったが、そこに手を入れるハンドパペットだったようだ。それでこの値段ならば納得出来る。ただの塊に過ぎないメガマウスのぬいぐるみより断然良い。
<セイウチのハンドパペットを購入> |
|
|
水族館を出て、再び駅の方へ歩いた。相変わらず寒い。
駅近くにある臨海公園にはレストランがあるようなので、そこで昼食としよう。それに、その公園には第2目的地の自動車博物館もある。
外は小雨が降っているようだが、傘は持ってきていない。
臨海公園は駅の隣に入り口があり、入場料は400円とのこと。入場して歩いて行くが、誰もおらずひっそりとしている。ポータブルナビ画面によれば、レストランまでそこそこ距離がある様子。あまり気を入れて歩いても疲れそうなので、トボトボと力無く歩いた。この間、誰ともすれ違うことは無かった。
<レストランを目指してトボトボと歩く> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 12:29 |
しばらく歩くと、レストランがある地点に到着。ところがそこはレストランでは無く、オープンスペースの軽食コーナー。こんなところで食べるのは寒くてイヤだと思ったが、他に食べるところは無し。しばらく考えた末、ここで食べることとした。
メニューにはたいしたものが無かったが、肉うどんを注文。寒いことは寒かったが、うどんで何とか温まった。
<昼食は肉うどん> |
|
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/30 12:40 |
食後、すぐ近くにあるはずの自動車博物館を探した。
見れば、ゴーカート場の上に被さるように建物があり、そこが博物館になっている様子。入口の看板には、自動車博物館に入りたい者はスタッフに声を掛けよとの記述があり、声を掛けると博物館の入り口の鍵を開けてくれた。誰も先客がいないらしい。
ちなみに入館は500円。公園の入場料と合わせると900円必要ということになる。
<自動車博物館> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 12:50 |
我輩が館内に入ると、スタッフは館内の装置を調整した後出て行ってしまい、我輩1人となった。恐らく、スタッフは監視カメラのスイッチでも入れたのだろう。
<館内> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/30 12:53 |
さて、誰も居ない館内、心ゆくまま撮影が出来る。結果的に1時間もそこで撮影をしたのだが、もちろんここでは全ての写真を掲載することはしない。
ただ一例として、ライブビュー撮影の有用性を示したいと思う。
ライブビュー撮影では、背面液晶の角度を変えることでローアングルやハイアングルの撮影が簡単に行える。もちろん接眼撮影であってもローアングルを撮ることは可能であるが、身体を低く構えねばならないので、1度や2度ならばまだしも、撮影対象がたくさんある場合には大変な苦痛となる。
しかしライブビュー撮影では、6x6判のウェストレベルファインダーで腰だめしているのと同じ要領で撮影出来、大変楽である。
<腰だめローアングル撮影> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/30 13:28 |
また頭上ハイアングルでは、接眼撮影は不可能でノーファインダー撮影とせざるを得ない。6x6判でも、カメラを逆さまにしてウェストレベルファインダーを下から覗くようにハイアングル撮影をしたものだが、逆さまの映像をうまくフレームに収めるのは至難の業。
こちらもライブビュー撮影ならば、背面液晶画面を下に向けるだけで良い。
(※下の例では、縦位置での液晶下向きはE-M1では出来ないが、視野角が広いため頭上ハイアングルでも目視可能。)
<頭上ハイアングル撮影 (約2メートル上方から)> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO400] 2013/12/30 13:28 |
それにしても1時間もの撮影は少々疲れた。早くクルマに戻りたい。
展示室から出て、ゴーカートのほうにいるスタッフに声を掛けると「今開けます」と言うので「今出てきたところ」と答えた。先ほどとは別のスタッフだったので、勘違いしたようだ。
再び、長い道をトボトボと歩いて駅へ向かったが、途中雨が本格的に降り始めたので、疲れているというのに走らされた。
駅に着いて切符を買い、時刻表を見たところ、列車が来るまで20分も待たねばならないようだ。普通ならば20分程度は何とも無いが、寒いので本当に身に堪える。待合室にいたのでまだマシだったかも知れないが、それでも寒さは厳しい。こんなところを「南国」と言うヤツがいるのだから面白い話だ。
列車がようやく現れた時は、正直「助かった」と思った。これでようやくこの寒さから解放される。
<帰りの列車> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 14:26 |
列車の中は暖かく、大変居心地は良かった。車窓を見れば、道路が平行して走っているのが見えた。
ここはトンボロの砂洲の上。左右は海であるが直接は見えない。
<砂洲上を鉄道と道路が平行して走る> |
|
[OLYMPUS E-P5/7-14mm/ISO200] 2013/12/30 14:31 |
出発点だった和白駅に到着したのは14時40分。まだ早い時間帯だが、寒さと疲れのためもうこれ以上の行動は出来ない。しかし最後の作業が残っていた。それは、西鉄線の列車撮影である。
我輩は、JR線と西鉄線との間の連絡路にて列車が来るのを待った。この場所は線路に近く、少々見上げるアングルであるので迫力が出ることを期待した。
もちろん、待っている間は寒さが堪えたが、これさえ終われば後はクルマの中。根性出して頑張った。
ミラーレスカメラでは動体の撮影は少々厳しいものがあったが、それでも今回は良いほうであろう。駅近くでスピードが落ちているせいもあろうかピントは追従している。曇り空ゆえ、被写体ブレしないようISO400での撮影とした。
<西鉄車両> (※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く) |
|
|
[OLYMPUS E-P5/12-40mm/ISO400] 2013/12/30 14:49 |
クルマに戻ったのは15時ちょうど。後はクルマを操って小倉まで戻るだけ。
帰路では、西鉄バスの営業所みたいなところを通過したが、そのせいか西鉄バスが異常に多い。
<帰路> ※トリミング |
|
[OLYMPUS E-P5/14mm/ISO200] 2013/12/30 15:17 |
運転中は雨が降ったりやんだりで、確かに傘を持って行かなかったのは迂闊であったと改めて思った。何しろ前日はもっと酷かった。
途中、下関と若松への分岐にさしかかったのだが、路面の色を変えて行き先を分かりやすくしているのは面白い。
<色分けされた分岐> |
|
[OLYMPUS E-P5/14mm/ISO200] 2013/12/30 16:05 |
帰着は16時50分。
アパートでは母親が回転まんじゅうを買っておいてくれていたので、コタツに入って美味しく頂いた。あずきの風味が、寒さと疲れを癒やしてくれた。
<回転まんじゅうを食べて寒さと疲れを癒やす> |
|
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-40mm/ISO200] 2013/12/30 16:54 |
|