2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[680] 2009年10月28日(水)
「蔵王のお釜(8)-2日目」


早朝5時半頃、何となく目が覚めた。
周囲が起き始めたため、その気配でこちらも目が覚めたのだと思う。
遮光カーテンをめくってみると、来た時は1つおきに停まっていたクルマも、隙間無い状態にまでなっているではないか。そしてその状態から、1台1台とクルマが出て行く。

<道の駅「七ヶ宿」の朝>
道の駅「七ヶ宿」の朝
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 06:10

前席へ移り、前の日に買った稲荷寿司を食べた。
フロントガラスは水滴が付着し曇っている。外気温はそれなりに低いのかも知れない。
外に出てみると車体にも水滴が着いていた。

食後、外に出て早朝のダム湖を眺めたりなど散策してみた。
ここには長い階段と、そして長い滑り台があった。こんな長い滑り台は今まで見たことが無い。

<長い滑り台>
長い滑り台
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 06:07

さて、この日は知らない町を散策する予定。ただし目的地がいまだ決まっていない。
しばらく車内でカーナビゲーションの地図を見ながら検討していたが、なかなか適当な場所が見付からない。確かに、カーナビゲーションの地図からでは町の規模や雰囲気など全く分からないのだから当然ではある。

そこで、とりあえず帰宅経路の途中に存在する町に決めることにした。そうすれば、帰宅する際に多少距離が短くなり苦労が減ると思った。
そういうわけで、那須塩原市の黒磯駅付近などはどうかと考えた。少し観光地の雰囲気があるだろうが、少しくらい賑やかなほうが良かろう。土産を買うのもちょうど良い。

午前6時半頃、道の駅を出て高速道路入り口を目指した。
ガソリンが残り少ないのだが、経路上にガソリンスタンドが存在しない。どうしようかと思ったが、高速道路に入った後で安達太良サービスエリアにて20リットル給油しておいた。

那須塩原に着いたのは午前8時半頃。
高速道路出口でかなり混雑していたので「さすがに観光地だなぁ」と思ったが、黒磯駅方面にクルマを向けると混雑も無くスムーズに走行出来た。
まだ午前9時過ぎだったせいか、店はどこも開いていない様子。しかしその中でも「ダイユー」というスーパーマーケットが開いているようだったので、そこの駐車場にクルマを停めてみた。
では、ここを拠点にして町を散策してみようか。

<ダイユーの駐車場>
ダイユーの駐車場
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 10:11

折り畳み自転車を使おうか迷ったのだが、散策途中で駅や店舗などに立ち寄ることを考えると、徒歩のほうが身軽だろう。カバンなど持たず、ただ、1台のメモカメラ(EOS-5D Mk2)を肩に掛けるのみ。
元の場所に戻れなくなると困るので、携帯式GPS「GARMIN」を持った。電源を入れてみたところ電池が切れそうになっていたので、車内で単三電池を探したがあいにく見付からなかった。
まあ、最悪の場合、コンビニエンスストアでも見付けて電池を買えば良い。

我輩はそこにクルマを置いたまま、黒磯駅の方向(南)へ歩き始めた。
途中、懐かしい感じの写真店や時計店、雑貨屋などを目にして写真を撮ったりした。しかし町が全般的に寂れているのが気になる。歩いている人間もほとんどおらず、住民に溶け込むどころか我輩の存在が浮いているような気にさせられる。

<寂しい商店街>
寂しい商店街
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 10:22

そんなことを考えているうち、午前10時半頃、黒磯駅に着いた。
さすがに駅には人が多かったが、それでも駅構内の規模は小さく、土産物(豚児は食べ物よりも物がいいと言っていた)でも買っていこうかと思ったがめぼしい物は無かった。

<黒磯駅>
黒磯駅
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 10:31

駅前に町内の案内地図があったのでそれを見たところ、自然公園が北の方角にあるようだったのでそちらに行ってみることにした。方角としては、クルマを置いている場所の方向へ戻るのだが、先ほど歩いた道と平行した道を歩くことになる。だから、公園で過ごした後は西へ少し移動すればクルマの置き場所へ戻れるだろう。

テクテクとひたすら歩くのだが、やはり我輩の他に歩いている者はいない。暑くなってきたので途中でコーラを買って水分補給しながら歩く。

午前11時頃、公園の入り口が見えてきた。
恐らく人工的に作ったものだと思われる小川が流れ、トンボが舞っている。大きなトンボが同じところを何度も往復しているのが見えたが、これはオニヤンマだろうか。また、光沢のあるトンボもいたが、こちらはギンヤンマか。イトトンボの仲間も見られた。

しばらく歩いて行くと、浅い池などが幾つかあり、家族連れなどがのんびり過ごしている様子が見えた。
豚児が一緒にいたらまた楽しいだろうなあと思った。

<公園>
公園
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 11:11

さらに先へ行くと、運動公園のようなところに出てきた。ちょうどラグビーをしているのが見える。
我輩は土手に座ってしばらくノンビリした空気を味わうことにした。
ここは初めて来た縁もゆかりも無い場所で、知り合いすらいない。そんな場所の日常風景に触れている。まさに、引っ越して来たばかりの気持ちが再現されている。
「ずっとここに居てもいいかもなぁ。」

<運動公園>
運動公園
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 11:18

10分ほど過ぎた時、ふと目を移すと、向こう側に釣竿の先のようなものが動いているのが見えた。
「何だ? 向こうは川か?」
しばらくそこでノンビリするつもりだったが、気になったのでちょっと見に行ってみた。
すると、土手の下には見事な川が流れており、ゴツゴツした礫が目を引いた。
ふと見ると、川沿いに道があったので、そこを北の方角へ歩いてみることにした。

<川沿いに歩く>
川沿いに歩く
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 11:29

途中、食事処と鮎の観光捕獲場(「やな場」というらしい)が見えてきた。なかなか面白そうだったが、今この時間に何かをやっているわけでもなさそうだったのでそのまま通り過ぎた。

そこからまた歩くと、今度は道しるべが現れ、それによれば1km先に別の公園があると書かれている。
せっかくだから、そこまで歩くか。そして途中から川を離れて歩けば、クルマを置いた場所に戻って来れるだろう。
少し疲れてきたが、そのまま川沿いの道を進んで行った。

ところが、到着した公園はオートキャンプ場で、全く落ち着く場所ではなかった。
「どうする? 戻るか?」
しかし来た道を戻ることがとても苦痛に感ずるため、このまま進んで道を探すことにした。

GPSのスイッチを入れて測位してみると、西の方角のクルマを置いた場所を通り過ぎ、どんどん遠ざかっていく。西へ向かう道が無いのだから前方(北)へ進むしかない。
ちなみに、西のほうは植生に覆われているのでよく見えないが、高台になっているようだ。恐らく、河岸段丘の地形だろうと思われる。どこかでこの高台へ登る道を見付けねば戻れない。

<携帯式GPS「GARMIN」>
携帯式GPS「GARMIN」
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 11:53

しばらく歩いていると、ようやく、西側へ登る坂道が見えてきた。
所々に見える民家の庭先に、コスモスが咲き誇っているのが見える。何となく九州の我輩の実家近くの風景に似ている気がした。

<コスモスの咲き誇る民家の庭先>
コスモスの咲き誇る民家の庭先
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 12:24

その先には、稲が実り黄金色(こがねいろ)に光り輝いている所があった。
これらはまさに、秋の景色。

<頭を垂れる黄金色の稲穂>
頭を垂れる黄金色の稲穂
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 12:28

時々、GPSのスイッチを入れて場所を確認する。
実はこのGPS、全国の細かい道情報を全て入れるにはメモリ容量が足らない。だからその都度、必要な地域を厳選して詳細情報をパソコン側からGPSへ流し込む必要がある。今回、この辺りの詳細地図は入れておらず、大きめの道しか表示されない。だから、GPSとして位置情報は正確に把握出来るものの、ナビゲーションとしての道案内は心許ない。
今歩いている道が、もしかしたら行き止まりになっているかも知れない。しかし目標地点が近付くように歩くしかないのだ。

<方向は合っているが・・・>
方向は合っているが・・・
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 12:45

だんだんとクルマの交通量が多くなってきた。しかし、歩道など何も無いのでクルマが横をかすめて行くので非常に危ない。しかもそういう状態が長く続き、そういう意味でかなり疲れた。

GPSの電池切れが心配で、頻繁にスイッチを入れられないが、もうかなり自分のクルマに近付いていることが分かる。
しかし周りの風景を見た感じでは、全くそんな気がしないので不安にさせられる。本当に辿り着けるのだろうか?
それでも、さらに歩くと大きな通りに出た。そして、この先を歩けばスーパーマーケット「ダイユー」が見えそうだと思えるような雰囲気のところまで来た。
ここまで来ればあともう少し。

<ここまで来ればあともう少し>
ここまで来ればあともう少し
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 13:13

午後1時過ぎ、やっとのことで「ダイユー」の駐車場に辿り着き、クルマのシートに座り込んだ。歩いた道のりは10kmほどか。
日頃の運動不足と年のせいか、この程度の距離を歩いてここまで疲れるというのも情けない話。
もうしばらく休んでいたかったが、昼飯時を過ぎているので、「ダイユー」で惣菜や飲料などを買って食事にしよう。

ちょうどヘナチョコ妻と豚児は帰省しているので、自宅へ帰ってからの夕食と翌日の朝食分も買っておいたほうが良かろう。
買い物をしている間は、まさに地元民に溶け込んでいた。この雰囲気がなかなか楽しい。
レジで割り箸の数を聞かれたので1膳で良いと答えたのだが、クルマに戻って袋の中を見るとなぜか4膳も入っていた。

<「ダイユー」で買い物>
「ダイユー」で買い物
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 13:36

食事後はしばらくシートに座ったまま休んだ。風も程よく気持ちが良い。
読書用として本を何冊か車内に積んでおり、本なども読んで過ごした。

ただ、夜になる前には帰り着きたい。そうなると、午後3時頃までにはここを出発しなければならぬ。
もっとゆっくりしていたかったがそこそこ遠い場所であるから仕方ない。

午後2時過ぎにクルマを出発させ、高速道路入り口を目指す。
ところが途中で渋滞にハマってしまった。高速道路が渋滞の源なのかと思い、もしそうならばやはりこの地でしばらく時間を潰したほうが良いか・・・?
ふと、映画でも観ようかという気になった。北海道へ車中泊ドライブした際にも、最終日に映画を観た。今回もそうするか。

<高速道路に乗る前に渋滞にハマった>
高速道路に乗る前に渋滞にハマった
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 14:31

カーナビゲーションで映画館を検索したところ、黒磯駅付近で1件ヒットした。
どんな映画館かは分からないが、町の規模からすれば小さな映画館に違いない。そうなると、映画のタイトルを選ぶことすら出来ないかも知れぬ。さすがに映画なら何でも良いわけではないのだ。恋愛物くらいしか上映してなかったら悲惨だな・・・。

結局、映画よりも渋滞を選ぶことにした。
ただし幸いなことに、渋滞の源は高速道路ではなく、別の方向にあった。そのため、高速道路入り口へ分岐する道ではスムーズに入ることが出来、渋滞に別れを告げた。

渋滞を抜けた直後ということもあり、高速道路ではスピードも乗っていたのだが、考えてみるとガソリンもそんなに余裕があるわけでもなく、経済的なスピードまで落とし、走行車線を単調に走った。この調子なら午後6時には帰れるだろう。

ところが順調と思われた高速道路も、所々で渋滞気味になってきた。那須塩原からそれほど走っていないが、渋滞をやり過ごすためにパーキングエリアへ入ることにした。
入ったのは矢板北パーキングエリア。
驚いたことに、入り口の時点で渋滞しており、スペースが空くまで駐車を待たされた。

10分くらい待ってようやく駐車したのだが、本線を見ていると走行ペースが遅くなり、ついには渋滞で流れが止まってしまったようだ。
困ったことになった。これでは、出ようにも出られない。出れば即、渋滞の餌食・・・。

<本線が完全にストップ>
本線が完全にストップ
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 16:33

ここは、ヘタに動くよりもしばらく滞在していたほうが良かろう。何しろ、後部座席には布団が敷いてある。そこで寝ておれば良い。
さっそく部屋着に着替えてリラックスした状態で布団に入ったのだが、どうにも暑くて落ち着かない。窓も少し大きめに開けているのだが、それでも汗がにじむ。
結局、寝るに寝れず、横になってしばらく時間を潰したくらいで終わった。

<車内で寝て待つが暑い・・・>
車内で寝て待つが暑い・・・
[Canon EOS 5D Mark2/24-105mm] 2009/09/21 15:31

本線を見ると、渋滞は相変わらずだが、少しずつ流れるようになってきた。
時間はもう午後5時過ぎになっていた。
先ほどのような完全停止の渋滞ではないのだから、もうここらへんで出てみるか。

意を決してクルマを発車させ、渋滞の本線に合流した。
やはり、所々でノロノロ運転となる。しかし、それでも進むことは進んでいるので慰めにはなる。

結局のところ、帰着は午後9時近かった。

<今回の荷物>
今回の荷物


●今回得られた教訓 (蔵王のお釜について)

動画の撮影では三脚が必須であるが、傾きのある場所では撮影のたびに三脚の脚の長さを加減して水平を調整しなければならぬ。1回の動作は大したことは無いが、回数が多くなるとそれなりに負担となり、「ここは撮らなくとも良いだろう・・・」などと撮影に妥協が発生する。
今回は中判撮影とビデオ撮影を両方行なったが、どちらも中途半端に終わったようにも思う。やはり理想としては、ビデオ撮影するならば中判撮影などせずビデオのほうに集中したほうが良いだろう。

また撮影時間について、最初は「自家用車利用のため現地で好きなだけ活動出来る」と気楽に考えていたが、結局、陽が傾けば撮影や観察は出来ない。特に、秋が深くなればなるほど活動時間は制限される。今回、その点に考えが及ばず、後半の活動は少々急かされた。

それから、ラーメンは食べ慣れたものを持って行くべき。


●今回得られた教訓 (知らない街について)

事前調査は大事。行き当たりばったりでは、限られた時間をいたずらに浪費してしまう。

寂れた商店街では単なる散策に終わる。ある程度賑わった商店街、あるいはショッピングモールなどがある街にすれば、それなりの擬似生活が出来ただろう。

また、帰りの時間に追われて落ち着かないため、その街で宿泊するのがベスト。それに、そのほうが生活感も生まれる。早めに帰るならば、早朝帰れば良い。

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