[660] 2009年05月03日(日)
「ゴールデンウィークの計画」
今年は未曾有の不景気のためにゴールデンウィークが4月25日からのスタートとなり、5月10日までの16連休となってしまった。もちろん、その分だけ給料が減ることになる。
それにしても、ほぼ半月の休暇。
このような長期の休暇は滅多に無いため、どこかに旅に出てみたいと考えているところ。
いつものパターンとしては、「どこに何しに行こうか」と考えているだけで休みが終わってしまうことがよくある。しかし半月もあるのだから、さすがにそれは無かろう。
とにかく、いつもは出かける間際に色々と準備に追われて忘れ物をしがちであった。
だから今回は、最終的に行き先が決まらずどこにも行けなかったとしても、準備だけはしておこうかと思う。
我輩はいつもは往復3時間半、利用路線4本もの満員電車通勤のため、せめて休みの日には電車に乗りたくない。
というわけで、クルマでの旅とすることが大前提となる。
豚児はカレンダー通りの休みであるから、平日の行動は当然ながら我輩一人となる。少し寂しいがたまにはそれも良かろう。そういえば、一人旅は2年前の山陰行き以来。
どうせならば、こういう機会でなければ行けないような縁の薄い土地へ行こうかと考えた。
まず西日本方面については、九州は実家があるため毎年のように帰っており、九州のみならず途中下車で対応可能な山陽方面については除外すべきだろう。そうなると、今まで行ったことの無い四国くらいか。しかし四国方面には火山地形が無く、火山地形を好む我輩にはいまひとつ牽引力に欠ける。
そこで東北地方に目が移ったのだが、そのまま目線が北海道にまで移動した。
「どうせ長期休暇ならば、いっそ北海道に行ってみるか・・・?」
考えてみれば、北海道ほど我輩に縁の無い土地も無い。
単純な距離的な問題だけでなく、地理的にも海に隔てられている。しかも九州の実家方面とは対極の位置。
それでも親戚や友人でも住んでいれば訪ねてゆく機会もあるのだろうが、それすら無い。
だがそうは言っても、北海道は火山地形としては魅力的な土地である。
これまで、興味を引く火山の写真などを見た時に、それが北海道だと知ってガッカリすることは多かった。
もし今回、北海道に行くことになれば、その想いも晴れよう。思い切って「巡検ドライブ」に行ってみるか。
(※巡検=地学的な実地調査)
調べてみると、北海道へ行くにはフェリーを使うしか無いらしい。関門トンネルのように北海道もトンネルで行けるのかと思っていたが甘かった。北海道について、我輩がいかに無知であるかを再認識させられた。
代表的な出発港としては、大洗、仙台、新潟、秋田、青森、大間となる。一人旅のためなるべく安くなるよう2等室の利用を考えているが、片道はだいたい2万円くらいかかるようだ(5メートル以下の乗用車の場合)。
不思議なことに、いくら陸路を頑張って青森からフェリーに乗ったとしてもそれほど安くならない。例えば青森-函館間の4時間ほどの乗船でもやはり2万円となっている。
色々とフェリーの情報を見てみたが、関東からだと新潟発のフェリーならば、港までの距離と値段のバランスが良いように思える。土日の高速道路が1,000円となることを狙い、その間の平日4日間を北海道で過ごそうと考えた。
極力コストを抑えるため、食事はコンビニ弁当、風呂は銭湯とし、道の駅で車中泊とする計画。
元々、登山を直接のきっかけとしてクルマを運転するようになった我輩であるから、去年新車を買う時には車中泊を可能とするべくトランクスルーのオプションを追加しておいた。それが役立つ時が来たのだ。
そんな時ちょうど、自宅最寄駅まで家族をクルマで送ることがあった。そして駅から戻ったところ、家の鍵を持って出るのを忘れていたため、3時間ほど車中で待つハメになってしまった。
その時にトランクスルー状態で車中泊をシミュレーションするために3時間寝てみたわけだが、敷いていたマットが薄すぎて背中が痛くなった。トランクスルーも完全にはフラットになっていないということも原因があろう。
また、トランク貫通部の開口部が狭く、寝返りをうつ時に少し窮屈に感ずる。見ると、確かに開口部は強度を持たせるための頑丈なフレームで囲まれている。後部座席の衝突安全性を考えれば、狭くとも文句を言うべきではない。
<車中で3時間ほど寝てみた> |
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後日、厚いマットを敷いて寝てみたところ、完全にフラットな柔らかい寝床となった。あまりに快適で、うかつにも寝入ってしまいそうなほど。
なお、車中泊として実際に使う時には、遮光カーテンをテントのように吊して目隠しにする予定。
<マットとカーテンを装備した状態> |
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車中泊となれば、デジタルカメラバッテリー充電及びパソコン電源の確保が問題となる。ホテルに泊まるなら宿泊時に充電すれば済むが、今回はクルマだけが頼り。
そこで、自動車用直流12V電源を家庭用交流100Vに変換するDC/ACインバーターを購入。送料込みで3,500円だったが仕方無い。
ちなみに、今回の撮影機材としては、制式撮影用として66判は使うものの、66判を補間するサブカメラ及びメモ用途のメインカメラとして「Canon EOS 5D Mark2」を本格投入する。2,000万画素のデジタルカメラとフルハイビジョンカメラを兼ね備えた、旅の記録に相応しい存在である。
そうなると、1週間分の画像データを撮り貯めることが出来るかどうかが問題となる。手元にあるメモリカードをかき集めてみると、16GBを筆頭に8枚のカードがあった。合計容量は44GB。静止画だけならば事足るかも知れないが、ハイビジョン撮影すると不足するだろう。それを考えると、パソコンを使ってUSB接続のポータブルハードディスクにストレージさせねばなるまい。
一方、連絡用としてプリペイド携帯電話も購入した。経費削減のあおりで営業用携帯電話を取り上げられて以来携帯電話は持っていなかったが、ついに私用の携帯電話の導入である。こちらは車中泊でなくとも必要と考えた。
では、具体的な巡検ポイントについての検討だが、ノーマルタイヤの我輩のクルマでは雪道は避けねばならぬ。フェリーは小樽港へ着くため、少なくともそこから北方面へ行くのは避けておきたい。
そうなると、火山地形としてはまず有珠山が挙がる。そして隣の昭和新山、カルデラ湖の洞爺湖、2000年に噴火した西山火口を見て回ろうかと思う。
小樽港から行くならば、通り道にある羊蹄山周辺の湧き水もついでに見てみるの面白いだろう。
また、石狩油田跡というものもあるそうで、そこでは原油が今でも地中から染み出している場所があるという。日本国内でそのような場所があるというのも非常に興味深く、実際に見てみたいし、出来れば原油のサンプルを採取してみたい。
それから、登別には「地獄谷」と呼ばれる温泉噴出地帯があり、そしてその近くには倶多楽湖というほぼ円形のカルデラ湖があるため、この辺りもまとめて見ておこうと思う。
ところで北海道と言えば、「宇宙友好協会(CBA)」というUFO研究団体が1967年に平取町(びらとりちょう)に建設した記念塔「ハヨピラ」が思い付く。
我輩が初めてハヨピラを知ったのは小学生の時で、矢追純一著の「UFO目撃多発地帯」という本に載っていた。B級的な名所ながらも子供心に興味を刺激され、もし行けるのであれば行ってみたい場所の1つでもあった。
そこで、今回は良い機会であるから、このハヨピラへも行ってみることにしたい。
<建設当時のハヨピラ (某所より購入した写真)> |
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以上の見学ポイントについて、小樽港から始まる左回りのルートで「小樽」−「羊蹄山」−「洞爺湖」−「有珠山」−「ハヨピラ」−「石狩油田跡」というふうに順次巡ることを計画した。
ちなみに入浴及び宿泊地は、洞爺湖周辺、室蘭、千歳市を考えている。インターネットで多少の下調べをしてアタリをつけておいたが、感覚的な問題として車中泊し易い場所かどうかは実際に行ってみなければ分からないだろう。
予定 |
4月26日(日) |
新潟港発(新日本海フェリー)
〜フェリー泊〜 |
4月27日(月) |
小樽港着 ・羊蹄山周辺 ・洞爺湖周辺・西山火口
〜車中泊1(洞爺湖周辺)〜 |
4月28日(火) |
・有珠山(ケーブルカー利用) ・昭和新山
〜車中泊2(室蘭周辺)〜 |
4月29日(水) |
・登別地獄谷 ・倶多楽湖 ・ハヨピラ
〜車中泊3(千歳市周辺)〜 |
4月30日(木) |
・石狩油田跡
〜車中泊4(石狩市周辺)〜 |
5月01日(金) |
小樽港発(新日本海フェリー)
〜フェリー泊〜 |
5月02日(土) |
新潟港着 |
以上、一応は計画を立ててみたわけだが、我輩にとって未踏の土地である北海道、しかも初経験となる車中泊で4連泊するということについての不安は大きい。
車中泊をテーマとしたウェブサイトの中には、セダンで車中泊するのはせいぜい1泊が限度であるとする意見もある。我輩のクルマはトランクスルー仕様とはいえ、車中泊で4泊するのは果たして可能なことなのだろうか・・・?
<このクルマで北海道4連泊出来るのか・・・?> |
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とりあえずは、渋るヘナチョコ妻から少し多めに金を借り、もうどうにもならない時にはビジネスホテルに逃げ込めるようにしておきたい。
同じくらい離れた九州の場合であれば実家のサポートが期待出来るが、北海道ともなれば頼る人間は誰もいない。せめて持ち金だけは余裕をもたせていざという時のために備えておきたい。
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