[647] 2009年01月29日(木)
「中古買取り価格」
去年の春頃、車を買い替えようとヤナセに下取り査定を依頼したことがある。
3年前に88万円で買った「メルセデスベンツW202(C200)」であったが、現車を見ることもなく査定額5万円を提示された。
確かに10年モノだけにそれほど高くはないとは予想していたものの、ここまで安いとショックを受ける。
インターネットで情報収集したところ、もはやこの車種の査定額はゼロに近いという。
少しでも高くならないかという気持ちで全国チェーンの中古屋「ガリバー」へ持って行ったところ、それでも8万円という値段であった。
「カメラの買取価格と間違えてないか・・・?!」
店長の話によれば、商品回転率の高い軽自動車なら在庫があればすぐ売れるため値段を付け易いが、そうでないものは売りにくく値段も渋くなるのは仕方ないことだという。
ガリバーで査定中のW202 |
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やはり中古というのはモノの価値というよりも、需要と供給のバランスで決まるもの。
我輩は改めてそのことを思い知らされた・・・。
さて先日1月18日、フルサイズデジタル一眼レフカメラ「Nikon D700」の3万円キャッシュバックキャンペーン期間が終了した。
当然ながら、2,000万画素以上を切望する我輩は購入していない。しかし、D700がフルサイズカメラだということから、このキャンペーン期間中は精神的にも揺り動かされた。
しかしそんな我輩を押しとどめたのが、我輩の強固な意思でも何でもなく、単なる金策の問題であった。
我輩は、気の迷いから「Nikon D700」と各種レンズの購入用として「Nikon F3H」を査定に出すことにした。
その結果、店によって差があるが25〜40万円の額が提示された。
我輩が購入当時は70万円近い額、そしてその後、相場が100万円にもなったこともある「Nikon F3H」だったが、フィルムカメラの暴落と昨今の大不況のためにここまで値が落ちてしまったか。
我輩は、一番高価な値を付けてくれた「チャンプ」に買い取ってもらおうかと考えたが、我輩の写真人生の原点となるF3の特別バージョンを40万円で手放すことについては、かなりの葛藤があり苦しんだ。
そして3ヶ月後、ようやく心を決め「チャンプ」に買取り依頼の電話をした。
「さらば・・・F3Hよ・・・。」
<Nikon F3H> |
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ところが「チャンプ」からは、「今はもうF3Hの買取りはやってないんですよ」と言われてしまった。
ここ最近は高額商品が動かなくなったため、これ以上「F3H」の在庫を増やせないとのことである。現状としては、売ろうと思っても売れないのだ。
結果、我輩は「F3H」を売らずに済んだ。
これは、心の迷いの生じた我輩に対する神の思し召しであると解釈したい。
中古というのはモノの価値というよりも、需要と供給のバランスで決まる。
いくら我輩が「F3H」に価値を認めていたとしても、無意味なのだ。
ただ逆に言えば、世間的に価値が認められなくとも、我輩自身が価値を認めるのならばそれで完結する話。
今回、売れなくて残念という気持ちは確かにあるが、これは、自分の計画通りに事が進まなかったことに対する気持ちであり、F3Hが手元に残ったことについてはそれなりに安堵感があった。
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