先日、「荻窪さくらや」から特価情報DMが届いた。
我輩は毎年、120フィルムを「荻窪さくらや」で通信販売にて購入しているため、このようなDMが届く。
特価情報は色々なアイテムが並んでおり、眺めるだけでも面白い。
ただし、我輩は買いたい物などは無い。
カメラとレンズは欲しい物は全て確保したし、デジタル物に関しても、先日4GBのコンパクトフラッシュメモリを3,500円で買ったばかり。
そう思っていると、ハラリと1枚の紙切れが落ちた。
「なんだ・・・?」
見ると、「号外」と書いてあった。「Nikon D700デビュー」だそうだ。
そう言えば「D300」、「D3」が出たばかりだった。続いて「D700」とはNikonも元気がいい。
その号外には、「FXフォーマット&高画質ISO6400が大幅に身近になります」というサブタイトルが付いている。画素数1210万画素か。そして値段はおよそ30万円。
「アホか、こんなカメラに30万円も払うバカがおるわけなかろう。1200万画素なんて微増じゃないか、それなのに・・・。」
我輩の言葉が途切れた。
「ちょ、ちょっと待て! FXフォーマットと書いてなかったか、このカメラは??」
見ると、さりげなく「FXフォーマット」と書いてあるではないか。フルサイズのカメラなのか?! 念のためにNikonのウェブサイトで確認してみたところ、やはりFXフォーマットとあった。
「D3」がフルサイズとして出たため、一桁シリーズはFXフォーマット、それ以外はDXフォーマットという棲み分けをするのかと思っていたのだが、完全に意表を突かれてしまった。
もっとも、
雑文376「フルサイズCCD」でも書いたように、35mm判フィルムのシステムをそのまま引き継いだデジタル一眼レフカメラがフルサイズ化するのは当然である。ただ2002年の段階では、特にNikonマウントについては、マウント口径の問題とCCDの構造上の問題でフルサイズ化は無理であるとする意見がまかり通っていた時代であるから、当時は我輩のフルサイズ化論はなかなか受け入れられなかった。
しかし現在、フルサイズ化を阻む技術的不可能について、したり顔で論ずる者はおるまい。
今や、40万円のハイエンドカメラ「D3」だけでなく、それよりも10万円も安い中級機「D700」でもフルサイズ化を果たすまでになった。"フルサイズ元年"と呼ぶ者さえいるのだ。
あらためて、号外のチラシを見た。
「Nikon D700」、欲しい・・・。
我輩は現在、自動車関係のウェブサイトの充実のために過去に撮った写真を掘り起こしているのだが、意外にも露出計代わりとして撮ったデジタル写真も利用価値がある。
撮影枚数を気にすること無く、フィルムカメラ撮影の隙間を埋めるように撮ったのであるから、予想外の情報を捉えていたりしたのだ。
デジタルカメラもなかなか捨てたものではないと再認識させられた。
ただ、やはり当時のデジタルカメラだけあって、画素数や画質には限界を感ずる。特に、一眼レフではAPSサイズでありながら広角レンズが24mmまでしか無く、1枚で簡潔にまとまる画が撮れなかったケースも多かったのだ。
我輩はこれまで、
雑文607「我輩の心が叫んでいる」のようにデジタルカメラを認められないことについて書いてきた。
しかし我輩自身は、ウェブマスター(サイト管理者)としてコンテンツ製作に役立つデジタルカメラの進化を歓迎する。
この辺りが第三者には分かりづらいと思う。
だから、ここであらためて明確にしたい。
我輩は、写真を趣味としている立場と、ウェブマスターとしての立場を持っている。
写真を趣味としている立場ではフィルムのみを写真として扱い、デジタルカメラを写真として認めることはしない。
一方、ウェブマスターとしての立場は、デジタルカメラを有用な素材収集機として活用している。
つまり、写真を趣味としている我輩は、たまたま自動車関係のウェブサイトを持っている。逆に言えば、ウェブサイトを持つ我輩は、たまたま写真を趣味としていたということである。
我輩の場合、写真は趣味であるが、デジタルカメラは趣味ではない。
もし写真を趣味としていなかったとしても、ウェブサイト構築のためにはデジタルカメラを導入していただろう。
今回、フルサイズ機「D700」が出るにあたり、我輩はこのカメラの導入を考えている。「性能の良いデジタルカメラが早く手に入るならそれに越したことがない」というのが、ウェブマスターとしての判断である。
写真趣味として欲しいのではなく、目的に対して役に立つかどうかという観点なのだ。
我輩にとって、写真趣味は写真趣味、素材収集は素材収集として明確に分けて考えることが今後は大切となろう。そのことは、自分自身の思想を明確にし矛盾と苦悩を払拭するための大切な心構えであろうと思う。
・・・ちなみに、「D700」を導入するための金策は、これからゆっくり考えることにする。