(※「Canon IXY DIGITAL」はある事情により購入後すぐに手放したため除外した)
これを見ると、キッチリと2年ごとにコンパクトデジタルカメラを買い換えているのが判る。別段意識したわけでもなかったが、このように見事なサイクルが現れるとは思ってもいなかった。
まさか我輩は、各メーカーに操作されて定期的に買い換えている・・・?
買い替えの動機としては、「スペックアップ」あるいは「故障のため」の買替えであるが、故障が理由の場合、そのタイミングは我輩側でコントロール出来る問題ではない。そういう意味で、このサイクルの正確さに不気味さを感ずるのだ。
そうは言っても、このまま常備カメラが無い状態が続くのは困る。急いで次期コンパクトデジタルカメラの機種選定をしなければならない。
金が無くとも、まず目標である。目標が決まれば、それを具体化するための手段を考える。最初に「可能か不可能か」ということを考えるならば、世の中の全ての事柄は全て不可能とされるだろう。
そういう意味で、機種選定は非常に重要なのだ。
今回、我輩は新しく導入する予定のコンパクトデジタルカメラを選定し、とりあえず「Nikon COOLPIX P5100」と決めた。だがこの決断も日々揺れ動いており、なかなか心が決まらない。
前回の雑文では我輩式理想コンパクトデジタルカメラを描いてみたわけだが、そんなものが存在するなら苦労は無いのだ。実際に購入する話となれば既存の機種から選ばねばならず、結局は"どこをどこまで妥協するか"ということでしか決める方法は無い。
我輩がコンパクトデジタルカメラで使用する用途は、次の2点である。
(A) メモ撮影
常に持ち歩き、内容が判れば良いというメモ用として目立たず控えめに撮影したい時など。
(B) 露出計用途
野外では露出計、屋内ではポラ切りの代わりとして。
まず、
(A) メモ用途としては、次の3つの要件が重要となろう。
(A-1) ボディサイズが小さい
(A-2) 起動が早い
(A-3) ズームレンズ
(A-1) 「ボディサイズが小さい」について
やはりカメラボディが小さいと有用である。
一番最近まで使っていた「RICOH GR-D」では、小型ゆえに胸ポケットに携帯していつでも持ち歩くことが出来た。そして必要な時にサッと取り出して撮影したのである。
少なくとも、シャツの胸ポケットに入るくらいでなければ用途が限られてしまい、一眼レフタイプと使い分ける意味が無くなってしまう。
(A-2) 「起動が早い」について
当然ながら、起動時間が早けれはこまめにメモしようという気にさせる。起動が遅い場合、些細なメモ撮影は「まあこれは撮らなくてもいいか」などと諦めてしまうだろう。
(A-3) 「ズームレンズ」について
一眼レフのようにレンズを好みに合わせて交換出来るわけではないため、元々のレンズに束縛されることになる。そのため、場面に応じて焦点距離を可変出来るズームレンズはメモ用途としては特に有用である。そのことは、これまで単焦点レンズの「RICOH GR-D」を使ってきた不便さを身に染みて感じた。
さて、次に
(B) 露出計用途としては、次の4つが要件である。
(B-1) 明るい場所でも見易い液晶画面
(B-2) ホットシュー搭載
(B-3) マニュアル露出モード可能
(B-4) 電子ダイヤル方式
(B-5) ISO100が設定可能
(B-1) 「明るい場所でも見易い液晶画面」について
カメラの液晶画面が直射日光下でも見えるかという点が気になる。
過去に使った「Nikon COOLPIX 5400」では、反射光でも見えるような液晶なのか、直射日光が当たるとかえって見易く感じて好都合だった。あのような液晶が搭載されていると有難い。
またそれとは別の方法として、ファインダー内に液晶画面が見えるEVFと呼ばれる方式であれば、外光に左右されることなく安定して露出確認が可能である。しかし多くのEVFでは液晶画面のドットが粗く(カメラ内部に内蔵された超小型液晶をルーペで拡大しているため)、細かい部分の描写が確認出来ないというジレンマがある。
ただそれにしても、これまでの我輩の経験として、露出計として全く役立たずの液晶を持ったデジタルカメラは無かったように思う。GR-Dのように液晶が見づらくとも、慣れればそれなりに使えた。
それに、店頭では直射日光下での液晶画面の見え方は確認出来ないこともあるため、今の時点で心配してもあまり意味は無いかも知れない。
(B-2) 「ホットシュー搭載」について
ホットシューの搭載は重要である。何しろ、肉眼では確認が難しい瞬間光のストロボであるから、本番のフィルム撮影と同じ条件(同じストロボ)でデジタルカメラで撮影すれば、その場で確認出来る。まさにデジタルカメラの即時性を活かした使い方であり、これが出来なければデジタルカメラを露出計として使うメリットの大半を失うことになる。
そのために、汎用ストロボが使えるホットシューは欠かせない。
(B-3) 「マニュアル露出モード可能」について
何と言っても、マニュアル露出モードは必須である。
通常、シャッタースピードのレンジ(設定可能な幅)は十分であることが多いが、絞りについては大抵の場合、開放F値(F3.5など)〜F8までの狭いレンジであることが多い。中には内蔵NDフィルターでもう少し絞れる機種もある。
(B-4) 「電子ダイヤル方式」について
「電子ダイヤル」とは、厳密に言うとCanon固有の呼称だが、ここでは"設定数値を上下させるダイヤル"という意味での一般名称として定義する。ちなみにNikonの場合は「コマンドダイヤル」と呼んでいる。
「RICOH GR-D」の場合はTv及びAvそれぞれに専用の電子ダイヤルが設けられているため、中級以上の一眼レフカメラと同等な操作性を持つ。しかしそのようなカメラは極めて特殊で、通常は1つの電子ダイヤルをボタンで切替えてTv/Avをコントロールするのが一般的。現実的にはこの方式を選択することになろう。
ヘタをするとアップダウンボタンでチマチマと操作せねばならない機種もあるが、少なくともこういう機種は避けたい。
(B-5) 「ISO100が設定可能」について
我輩はISO100のフィルム(E-100G)を常用しており、露出計として使うならば当然ISO100が設定出来なければならない。
しかしISO200が最低感度というデジカメもあるため注意が必要である。過去に「Fuji FinePix F700」の購入を考えたものの最終的にISO200がネックとなり諦めたことがある。ちなみに、Nikon初のフルサイズデジタルカメラ「Nikon D3」も、最低感度がISO200となっており、いくら超高級機であっても我輩にとってはスペック不足となる。
以上の条件を考えると、「RICOH GX100」、「Canon PowerShot G9」、「Nikon COOLPIX P5100」が候補に挙がった。
それぞれに、「RICOH GX100」はファインダー内液晶EVF、「Canon PowerShot G9」はマニュアル露出の操作性、「Nikon COOLPIX P5100」はコンパクトという特長がある。
特に「Canon PowerShot G9」は、ダイヤルの回転が遅れ無く設定に反映され、ダイヤル回転の移動方向も直感的である。また、マニュアル露出設定時に、設定値に相当する明るさが忠実にプレビューされているのが親切。その点では、「Nikon COOLPIX P5100」ではどんな値に設定しても、プレビュー画面は明るさが変化せず、実際に撮影しなければ明るさの確認は出来ない。
逆にそれぞれのデメリットについては、「RICOH GX100」はズーム無し(本当は有るが、検討時は無いと思っていた)と価格の高さ、「Canon PowerShot G9」はデカイ図体、「Nikon COOLPIX P5100」はマニュアル操作性の不足と言える。
ここのところ毎日、会社帰りにヨドバシカメラに寄って実機を触って悩んでいるが、その度に購入目標機種が変わってしまう。
というのも、「このカメラはどうだろう」と特定の機種を目当てに店頭に見に行くわけだが、その機種のデメリットを実感して萎えてしまい、相対的に他の機種が魅力に感じてしまう。それを何度と無く繰り返しているわけだ。
出来れば一週間以内に機種を選定して金策に集中したいが、果たして当初の予定通り「Nikon COOLPIX P5100」で良いのかどうか・・・。