[531] 2005年03月18日(金)
「コスプレ撮影会3(結果)」
撮影会は土曜日であったため、フィルム現像は新橋のプロラボが営業する月曜日まで待った。
25本のうち、まず10本を現像に出す。
その理由として、露出のミスがあった場合に次の現像で微調整するためである。本当に不安であるならば1本のみ、あるいは、切り現をするのだが、一応勝算はあるので10本とする。どうせ、整理作業は1日で10本程度しかやれない。
数時間後には現像が上がったが、その場では結果が判らない。というのも、そのラボに備え付けてあるイルミネータは明らかに輝度が低く、適正露出かどうかの判断がつかないのである。以前、そこで適正露出を見誤って余計な増感処理をやってしまった苦い経験があるので要注意。
ところで現像料金が計算に合わない。見ると、220増感現像の単価が1,008円となっている。
「しまった、増感現像で840円くらいだと思っていたが、それはノーマル現像の時だったか。」
そうなると、25本のフィルムにおいて当初の予算に4,200円が上乗せとなってしまう・・・。
家に帰ってイルミネータに乗せてみると、かなりのカットがブレていた。全フレームが見渡せるブロニカSQ用ウェストレベルファインダーをルーペ代わりにして見た限りでは、そこそこキッチリと決まっているように見えるのだが、9倍ルーペで目を凝らして見ると、まつげなどが微妙にブレている。背景がブレていないため、被写体ブレであることは明白。やはり1/60秒ではムリなのだろう。
また、少ないながらもピントの甘いものもあった。
今回、フィルムはRDP3(プロビア100)とRAPF(アスティア100)を用いたが、どちらもプラス1段の増感を行っているためなのか粒状性に劇的な違いが無いように見える。
また、撮影条件の違いによるものか、RAPFのほうが微妙に緑のカブリがある。写真撮影用蛍光灯ランプ「キノフロ」が少し影響しているのか?
今回はフラッシュマチックに基づいたマニュアル発光による撮影のため、被写体までの距離によって絞りを加減することになる。シャッタースピードは1/60秒固定としていることにより、撮影距離が遠くなると絞りを開けるため定常光の影響が大きく、逆に近付くと絞りを絞るため定常光の影響が少なくなる。
見たところ、やはり至近距離で撮影した写真にはブレは全く無かった。ストロボ光の瞬間光が高速シャッターの役割を持つためである。
さすがにストロボ光の影響が強いカットでは、色再現性について文句が無い。しかし、ストロボ光の影響が強く出れば出るほど、写真が硬調となってしまう。
もちろん、ポジを観るぶんには問題は無い。ポジの深い階調によって、硬い表現も苦にならない。白は白色ではなく"光"として見える。スポットライトやT嬢の瞳に写ったキャッチライトなど、まさに"光"として見える。
ところが、それをスキャナで読み込ませるのが一苦労。
なまじ表現幅が広いフィルムなだけに、それをデジタルフォーマットの狭い表現幅に押し込むのは様々な工夫と膨大な処理時間がかかる。
まず最初に、取り込む際にはそのスキャナの光学解像度で取り込まねばならぬ。なぜならば、光学解像度以外の解像度設定ではスキャナ内部での拡縮処理が行われるためである。つまり、ラインCCDの取り込む信号をどのようにするか。例えば、1/2縮小ならば一つおきに間引けば済むが、2/3となれば3つの受光素子から得た光を2つの出力としなければならない。これを単純に間引くと、同じ太さの線であっても太く表現されたり細く表現されたりすることになる。
もちろん、それは微細な表現で問題になる話であり、また単純に信号を間引くことなく演算処理によって画像を出力しているかも知れないが、やはり画像処理ソフト「フォトショップ」で拡縮するほうが結果が良い。
我輩の中判用フィルムスキャナは4000dpiであるため、この解像度を使うことになるわけだが、データ量が多くなり処理が重くなる。
次に、取り込みビット数は大きい方がレタッチ時の無理がきく。最初から狭い幅で調整するよりも、少しでも広い幅で調整し、最終的に狭くするほうが良いのは当然のこと。
今回は、広い階調をなるべくデジタルファイル内に押し込めたいのであるから、取り込みビット数は大きくした。
当然ながら、その分だけ処理が重くなる。
また、得られたスキャン画像をそのままハイライト/シャドー調整すると、どこかが階調が黒く潰れたり白く飛んだりする。主要被写体の表現を優先させて調整すればするほど、他が犠牲となるのだ。
これを防ぐには、画像全面的ではなく部分的に調整する必要がある。原版となるポジを横目に見ながら、出来るだけ似た雰囲気になるよう調整することを目指す。
まあ、スキャン画像が思い通りのものとならなかったとしても、原版がしっかりと残っていれば気が楽だ。
いつか、自分のスキャン/レタッチスキルが向上すれば、良い画像が得られるのだから。
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