2000/04/05
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表紙
1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画
12.カタログ
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カメラ雑文
[509] 2004年09月29日(水)
「コスプレ撮影会」
これまでに参加した撮影会では、1日フルに参加すると2万数千円もの参加費が必要となる。金銭を払うだけのメリットが無ければ参加する意味が見出せない。
我輩は、特定のモデルを撮影するために撮影会に参加している。
しかし単にそれだけならば、継続して撮影する意味は薄い。一通りの表情を撮影すればそれで終わりとなってしまう。そこで重要なのが"衣装(コスチューム)"である。
モデルは普段着や水着、そしてコスプレ(セーラー服やチアガール、レースクィーン)などと色々と衣装を替えるわけだが、普段着や水着というのは一般人でも着るわけであるから、衣装としての有り難みは薄い。もちろん、そのモデルに似合う衣装かどうかという問題もあるが、街角で適当に声をかけて撮った写真と決定的な違いが無ければ面白くない。
事実、撮影会主催者が衣装の希望の多数決を取る場面があった時には、水着かコスプレかという選択肢では圧倒的にコスプレ希望が多かった。
水着など、一般人でも着る。有り難みなど全く無い。
我輩は、「大金を払って参加するからには、一般人では対抗出来ないようなブッ飛んだ衣装で登場して欲しい」と考えた。
そうなるとやはりコスプレなのだが、もっとマニアックなコスプレを撮ってみたい。
そこで、コスプレ界で有名なT嬢に目を付けた。T嬢は、仕事としてもコスプレをやっているのだが、そもそも好きでコスプレをやっているため気合いが入っている。
T嬢については以前から認知していたのだが、あくまでコスプレが主であり撮影会開催は滅多に無い様子。
しかしそんな時、T嬢のサイトに撮影会開催の告知が出た。
「珍しいな、撮影会を開くのか。」
我輩は、興味を持ってその案内を読んだ。
開催は9月12日(日曜)。我輩の都合に問題は無い。金銭的にも、まあ何とかなる。
ところが参加人数が問題だった。
各部定員8名とのこと。予想以上に参加人数の枠が少ない。
申込み日時は指定されており、それまで応募出来ない。
滅多に開催されないT嬢の撮影会。参加人数の枠も少ないため、申込みは時間が勝負となることが予想される。申込みフォームに記入する時間を考慮すると、恐らくは受付開始後30秒程度で締め切られると読んだ。
申込み日時は平日の10時となっている。勤務先からアクセスするしか無い。
ところが、我輩の仕事はいつも午前中が忙しく、出社する9時30分はまだ意識していたものの、しばらく作業していてふと時計を見ると10時15分になっていた。
「しまった!15分オーバーは致命的・・・。」
恐る恐る撮影会主催者のサイトを見ると、"10時から受付け"が"22時から受付け"と変わっており、「紛らわしくてすみませんでした」とお詫びの文章が掲載されていた。
助かった。
その夜、迫る時間に緊張しながら、パソコンの前に待機した。ちょうど、ネットオークションで終了間際にスナイプする時のような緊張感である。果たしてうまくいくか・・・?
我輩は、「氏名(漢字/ふりがな/フリガナ)」・「住所」・「電話番号」をあらかじめテキスト書きしておき、申し込みフォームに素早くペースト出来るよう準備した。
そして、とりあえず氏名だけはクリップボードにコピーしておき、入力フォームに入ったらすぐさま氏名欄にペーストすることにした。
22時近くなったため、我輩は何度かキーボードのF5ボタンを押し、主催者サイトの画面を更新させた。何度かやっていると、申込みボタンがクリック出来るようになり、そこから入力フォームへ飛んだ。
予定通りに、まず氏名をペースト。
意外なことに住所等の記入欄は無く、電話番号及び参加希望の部を指定して送信ボタンを押せば良い。しかしそれは競争相手も同じ条件であるから、入力が簡単だからと言って安心している場合ではない。
我輩は入力を終え、直ちに送信ボタンにマウスカーソルを合わせた。
「行けっ!」
まるで"ゲームセンターあらし"のように、激しくバシッとマウスボタンをクリックした。
一応、やるだけのことはやったが、間に合ったろうか・・・?
メールをチェックすると、自動送信メールは届いていた。
しかしそれは、単純に入力が受け入れられたということであり、撮影会参加人数内に入っているのかまでは判らない。
何度かF5キーを押していると、約3分で申込み締切りとなった。申込み自体は思ったより時間的余裕があったと言える。
我輩はしばらくヤキモキしながら主催者側からのメールを待った。そして約1時間後、ようやくメールが来た。
1〜3部での参加を希望していたのだが、参加希望者が多ければ全部参加出来まい。1部のみということもあろう。その覚悟はあった。しかしメールを見てみると、意外にも3部とも参加出来るとのことだった。
2日前の金曜日、我輩はヨドバシカメラでRDP3の220フィルムを買い込んだ。また、室内撮影のためストロボは必須であろう。連続発光で余裕を持たせるために、新発売のPanasonicオキシライド乾電池を購入した。
当日、事前に確認してあったものの初めての場所であるから少し早めに出た。とりあえずハンディGPSには場所を設定しておき、最寄りの駅を降りてGPSの地図を見ながら歩いた。
ところが、GPSでは確かに到達しているのにそれらしき看板が見当たらない。仕方無く、しばらくそこら辺を歩いて回った。
しかし時間もそれなりに経ったので、携帯電話から電話をかけた。
(この携帯電話は、先日の九州帰省時に起きたハプニングにより必要性を感じ、数日前にプリペイドカード式携帯電話を購入した。これならば維持費は通常\1,500/月、最低\750/月で済む。)
電話で誘導されて行くと、そこは先ほど通った場所。案内用の看板を立てている人物がおり、携帯電話で話していた。我輩が電話で話している相手だった。
「すみません、看板出すのが遅くなっちゃって。ここ通り過ぎちゃったんですよね?」
「ああ、そういうことですか。」
そこには、参加者が他に1人いるだけだった。
我輩とその1人は地下にあるスタジオに案内され、早速撮影準備にとりかかった。
その間に、他の参加者たちも現れ、その場は賑やかになった。全部で10人ほどか。どうやらそのほとんどは顔見知りのようで、恐らく撮影会の常連なのだろうと思われた。
しばらくして、T嬢が現れた。
当然ながらコスプレをしているのだが・・・頭にはネコの耳の付いた帽子を被っていた。後で知ったが、デ・ジ・キャラットというアニメのキャラクター「でじこ」のコスプレとのこと。
「これは・・・ブッ飛んだコスプレだ・・・。」
しかしここで怯(ひる)んではならぬ。これでこそ、撮影会に参加する意味がある。単に金で雇われたモデルが与えられた衣装を着ているのとは次元が違う。モデル側が好きでやっているというところに強みがあるのだ。
撮影会自体は非常にアットホームであった。
我輩以外はほとんどデジタルカメラ使用者であったが、我輩の中判モータードライブの激写音で皆が振り返り、「中判ですかー」「いい音がしますねー」「なつかしいー」と声をかけてきた。レフ板を持っていた主催者のほうも「いい音ですねー」と言う。
最初は社交辞令かと思ったが、シャッターを切る度にこちらを見て笑顔でそう言うので、やはり本心なのだろう。
T嬢も「そのカメラおっきいー!」と驚いていた。
今までの撮影会であれば、いくら激写音がしようが珍しいカメラを使おうが他人のカメラで話題になることは無かった。モデルも動ずること無くポーズを崩さない。さすがと言えばさすがだが、ビジネスライクで少し寂しい。
そういう意味では、今回の撮影会は我輩にとって新鮮だった。
しかも、参加者はその場を和ませるのが非常に上手く、常に笑いが起こった。
驚いたのは、まるで事前にネタ合わせをしてきたかのような2人組だった。一人がボケると、もう一人が突っ込む。見事な連携に感心した。
高速連写可能なデジタルカメラをモデルに向け、
「はーい、連写で撮ってるから動かないでー。」
「オイオイ、連写で動かないでどうすんだよ!」
モデルの横からカメラを向け、
「目だけこっち向いてくださーい。」
「じゃあ、こっちは鼻だけ向いてー。」
「鼻だけ向けるか!」
台の上に乗って上のアングルから撮る場面で、
「なに台の上に乗ってしゃがんでんだよ!意味ねえだろ!」
「いや、オレはそうしたかったんだ!」
大量に撮り過ぎでメモリーが一杯になり撮れなくなった時、
「大丈夫、大丈夫、メモリ初期化すればまた撮れるから。」
「せっかく撮ったのを消すのかよ!」
モデルのT嬢も大ウケで、撮影会とは思えない雰囲気がなかなか良かった。
撮影者同士も、「あー、足が画面に入ってるよ」「あ、ごめん」などと気軽に指摘し合っていた。こんなことが出来るのも雰囲気が良い証拠。
第2部では、T嬢はゲームキャラクター「桜塚恋(さくらづかれん)」の衣装で登場した。
これはなかなか格好良かったが、やはりアニメ系のインパクトはあった。
第3部では、ロリータファッションで登場。
コスプレとして考えるとインパクトは小さいかも知れない。
ところでこのスタジオでは、ストロボを使わずにISO100で撮ると、1/30秒・F4.0の条件だった。
我輩はISO100のRDP3を+1増感するつもりで撮影していた。これでスローシンクロ撮影すれば、背景とのバランスが取りやすい。ISO100のままではスローシンクロのシャッター速度が1/30秒となりブレが多発する。
事実、今回1/60秒で撮影した中で幾つもブレ(手ブレ・被写体ブレ)が多かった。1/30秒ではいくら気合いを入れようとも、手ブレはともかく被写体ブレを防ぐことは不可能。
他の参加者を見ると、ストロボを使っている者はほとんどいなかった。
恐らくデジタルカメラであるから手軽に感度を変えられる強みがあるためか。また仮に露出不足となろうとも、パソコンレタッチで救済出来る。
我輩の露出計代わりのデジタルカメラでストロボ無しで撮影してみたのだが、どうしても色が濁ってしまう。
ストロボ直当てで撮影する場合、確かに雰囲気が出にくいのだが、我輩は肌色が鮮やかに出ることを優先させた。
フィルムはいつものように220を使いフィルム装填の手間を減らした。もちろん、フィルムバックの中枠を2つ用意しておき、連続撮影時にはあらかじめフィルムを装填しておいた中枠を交換することで最短10秒のタイムラグで済んだ。35mmフィルムのように巻き戻しの必要が無いのが有り難い。
フィルム装填については、撮影の合い間で行う。
ただし、撮影済みの220フィルムは巻き緩みによる漏光の危険性が高いため、テーピング時には念入りに巻き締めを行った。
結局この日は、220フィルム22本も使ってしまった。
他の参加者には、「うわー、お金がかかるでしょう!」と驚かれてしまったのだが、滅多に撮れないものを撮るにはそういうことは考えない。
また何かをオークションで売却するだけ。
(2004.10.09追記)
ストロボに新発売のPanasonicオキシライド乾電池を使ったと書いたが、今SUNPAKのサイトを見ると「ストロボ本体が発熱をしたり、発光しなくなるといったことがあります」と注意書きされていた・・・。
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