[399] 2003年02月07日(金)
「盗撮に最適」
学生時代は、カメラ・写真が趣味だと言うと「カメラ小僧か」などと言う者が必ずいたものだ。カメラに対するイメージというのは、多少怪しく見える部分がある。
最近、盗撮事件のニュースがかなり多くなった。
先日も、タバコの箱にデジタルカメラを仕込み、女子中学生のスカートの中を盗撮した44歳の男が捕まったというニュースがあったばかり。
タバコの箱に入るカメラという話から、「あのデジカメか?」と推測をしてみたりする。
最初から盗撮目的で購入したのであればどうしようも無いが、たまたま小さなデジタルカメラを購入したことにより、「これは・・・盗撮に使えるかも知れないな」などと想像を膨らませ(要するに魔が差して)、恐る恐る実行に移したら上手く行ったという場合もあろうかと思う。だが、それに味をしめて何度もやっていると、今回のように捕まることになる。
恐らく見付かっていない盗撮者は、報道されている数の何倍もいるはず。
コンパクトなデジタルカメラとは別に、カメラ付き携帯電話の問題もある。
気軽に撮るアイテムとして使われる一方で、盗撮に使われるケースもかなり多いと言われる。日常的な道具である携帯電話にカメラを組込むことで、カメラを隠すことなく相手に気付かれずに撮影することが出来る。撮影音も雑踏の中では気付きにくい。
そもそも、カメラ付携帯電話のテレビコマーシャル自体、盗撮での用例を紹介しており驚かされる。これでは、潜在的盗撮予備軍が盗撮道具を与えられ芽を出すことになる。
盗撮問題は以前からあったが、ここ最近は盗撮に走るまでの敷居が非常に低くなったと言えよう。
カメラが小さくなればどこにでも持って行けるという手軽さはあるが、それ以上にカメラを持つことが肩身の狭い思いをするような世の中になるのは勘弁してもらいたい。そうでなくとも、現像に出す必要の無いデジタルカメラは盗撮には最適過ぎる。
痴漢冤罪の話などよく聞く。やっていないことでも罪に問われるということは、あり得ないことではない。
インターネット上で知ったエピソードだが、海辺を撮影していたら、近くにいた男に「娘を撮ってどうする気だ?」と殴られた。確かに、砂浜には5〜6歳の女の子が遊んでいたが、広角レンズでは点のようにしか写らない。男にファインダーを覗かせてようやく解放されたという。
小さなカメラを常に持ち歩くカメラ好きには他人事と言い切れるかどうか。通勤電車の中で変に疑われて鞄の中を調べられれば、怪しいカメラが出てきてコンニチワ。その時点で疑いはピークに達す。前の日にたまたま彼女とふざけて盗撮ゴッコした画像が入っていようものなら、身に憶えのない余罪も追求され社会復帰は不可能となろう。こういうシチュエーションでは、いくら説明しても警察は言い逃れとしか思わないので甘く考えるな。
それにしても恐ろしい話だ。
少しくらい持ち運びに不便な大きさのほうが、カメラとして健全だと思う。盗撮など思い付きもしないような、カメラらしいカメラ。
そして盗撮者も、どうせ盗撮するのならば、盗撮していることが誰の目にも明らかになるようにやって欲しい。そうすれば、普通に撮影をしている者との区別が出来る(下図参照)。
まさか、自分の娘を撮影しているだけで白い目で見られるような世の中にはならんだろうな・・・?
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