[397] 2003年01月31日(金)
「大画面液晶パソコン」
最近、コタツで使用している"コタツトップノートパソコン"「SHARP Mebius PC-PJ2」の調子がおかしい。
液晶画面の端に、表示されないエリアが縦横に現れた。画面の端なので、決定的な問題とは言えないが、ウィンドウを最大化させた時にスクロールバーが隠れてしまうのは不便に感ずる。
しかしよく考えると、他にも小さな不満点があることを思い出した。
内蔵バッテリーも寿命らしく、ACアダプタ無しでは10分と保たない。
また、キートップやパームレスト部の塗料が剥がれて貧乏クサイ。
それから、CPUがPentium2-300MHzと遅く、画面がSVGA(800x600ドット)で少々狭い。
使えなくなったわけではないが不便である。
そういうことをヘナチョコ妻に言ってパソコン購入資金をねだった。借金は限界までしているので、もうねだるしかない。
このパソコンは1999年購入であり、今年2003年で足かけ5年となる。ヘナチョコは「たった5年で壊れるの」とブーブー言ったが、何とか納得させて8万円前後の予算を獲得した。
インターネット上で中古パソコンを検索し、ショップやオークション等を見て回った。そして、8万円前後の予算があれば、XGA(1024x768ドット)表示液晶、Celeron600MHzくらいのスペックが手に入るということが判った。
しかしながら、画面上で幾つかのショップやオークションの物件を並べて表示させると、液晶画面についての性能表記が不備なものが幾つもあることに気付いた。
通常、液晶画面は、「対角線のサイズ(インチ)」と「縦横ドット数」で表す。例えば、「XGA(1024x768)12インチ」などと書かれる。
しかし、オークションのような個人出品のものだけでなく、ショップの表記にも「12インチ液晶」などとインチ数だけしか書かれていないものが意外に多い。インチ数だけ分かっても、ドット数が分からなければ画面の表示可能な情報量が分からない。
仕方無く、メーカーサイトから一つ一つの機種のスペックを調査することになる。
まあ、この程度の情報は、インターネットで調べれば分かる。しかし、ここでふと思った。
「一般人は画面のインチ数しか見ていないのか?」と。
そう言えば数年前、同僚から「ノートパソコンを買いたいが、画面は12インチあれば十分だよな?」と訊かれたことがあった。
我輩は、「画面の大きさだけあってもドット数が少なければ不便だぞ」と指摘した。テレビではないのだから、画面だけ大きくても仕方無い。
だがソイツには、我輩の言いたいことはあまり伝わっていない様子だった。
結局、ソイツの購入したパソコンはXGA(1024x768ドット)だったようだが、恐らくSVGA(800x600ドット)でも気付かなかったろう。何しろ、職場のパソコンはXGA表示可能な液晶デスクトップだったが、表示はSVGAになっていた。
確かに、インチ数が決まればドット数も一意に決まるものなのかも知れない。だが、その関係はノートパソコンの発売時期によって微妙に変わるであろうし、一般人がそのようなことを全て把握したうえで「12インチが良い」と判断しているようにも思えない。
巷では、ノートパソコンの画面は、インチ数だけが価値判断なのか?
解せぬ・・・。
ところで、デジタルカメラの世界では、レンズ交換可能な一眼レフタイプは高価で少数である。一般に普及しているのは、圧倒的にズームレンズ一体型のデジタルカメラ。
そこで性能の比較となるのが、ズーム比率の数値だ。
去年我輩が購入したオリンパスのデジタルカメラは10倍ズーム搭載機。メーカーとしてもこれは売り文句であり、ボディにも誇らしげに「x10」の文字がある。
しかしズーム比というのは、短焦点側と長焦点側の焦点距離変化率を表したものである(長焦点mm/短焦点mm)。例えば5.4mm〜10.8mmズームであれば、「2倍ズーム」、6.5mm〜19.5mmズームであれば、「3倍ズーム」となる。
しかしこの数値は、巷では映像の拡大倍率として解釈されているふしがある。
例えば「やっぱりデジカメ買うとしたら、8倍ズーム以上あれば足りるかな?」と尋ねられたりする。
だが「ズームの焦点距離とCCDのサイズが分からなければ判断のしようが無い」などと答えても、一般人には理解してもらえまい。結局、「まあな」と適当に流すことになる。
確かに、ズーム比が大きければ大きいほどカバーする範囲が広がるので、有用であることには間違いない。しかし、我輩には8倍ズームが本当にその人間に妥当な性能かどうかは判断出来ぬ。
せいぜい、「今どきの性能だな」という程度しか分からない。いやそれでも、短焦点側があまり広角でないとすれば、いたずらに望遠寄りなだけで、いくら8倍ズームであろうと広い風景など撮れはしない。
これはまさに、ノートパソコンの液晶画面に対する価値観のようだ。
しかし、この問題は自分だけ認識していれば良いかと言えばそうでもない。
よく見渡せば、今のデジタルカメラはズーム比ばかり前面に出し、他の性能を犠牲にするようにもなった。
本当に困ったものだな。
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