雑文178では、110カートリッジの形状を模したデジタルカメラがあれば嬉しいと書いた。しかし、とうの昔に販売を終えたカメラに対してそのような製品が作られるわけが無い。
事実上絶滅したフィルムフォーマットのカメラであるため、カメラ自体、生き残っている個体も少なかろう。
ならばコンセプトはそのままに、新たにデジタル一眼レフカメラ「auto110-Digital」を造れば良い。
これこそ、110フルサイズCCD搭載のデジタルカメラである。
一眼レフゆえ、パララックスも無く、ファインダー内でピントが確認出来、コンパクトながらもレンズ交換のギミックが楽しめる。
画素数も、今どきのCCDであれば実用に十分であろう。
110フィルム時代には遊び程度の用途しかなかった「auto110」であるが、もし仮にデジタル版としての「auto110-Digital」が作られることになれば、その特長をフルに活かし、実用的なカメラとして生まれ変わるに違いない。
小さくとも画質(画素数)を保つことが可能になった現代のデジタルカメラ。しかし残念ながら、メーカーはその利点を活かしきれていない。
一眼レフとして必要な、可動式のミラーやファインダースクリーンを組み込むのは難しいだろうが、液晶画面に表示する「擬似一眼レフ」形式では、表示される画像は粗く、ピント確認は不可能である。
結局現状では、一眼レフの機能を求めると大きく重い大げさな製品を選ぶしか無い。
大型化に結びつくAFや電動ズーム、そして、それらに必要な大容量バッテリー。それらを省き、ちょっとシンプルにすれば、デジタル一眼レフが劇的に小型化するのではないか?
全てのデジタルカメラをそのようにしろと言っているわけではない。
百の製品のうち、一つでもそのようなデジタルカメラがあればいいのだが・・・。
「auto110」の再来を、切に願う。