エンゲル係数とは、家計の総支出のうち食費の占める割合のことをいう。
これは生活水準の一つの指標であるとされる。つまり、食費の割合が高ければ喰うのに精一杯だということになろうか。
さて、我輩が営業となって1年半、ずっと使い続けているカバンがある。
営業用としての特別仕立てのカバンではなく、以前購入したノートパソコン「SHARP/Mebius PC-RJ950R」にオマケで付いてきた布製カバンである。
以前我輩が開発の仕事をしている時に付き合いのあった営業は、物々しいカバンを幾つも持っていた。それを見るたび、「やはり営業はカバンが違うな」と思ったものだ。
だが、我輩が営業に転向した時は慌ただしく、カバンをゆっくり吟味する間も無く手元にあったその布製カバンを使い始めた。営業カバンとして最低限必要な肩ヒモがあったのがその理由。もし肩ヒモが無ければ両手がフリーにならず、納品物などを収めた段ボール箱が抱えられない。台車も押しづらい。
いつかはしっかりした営業カバンを買おうかと考えているのだが、惰性により現状のカバンのまま。
我輩の担当する営業業務は印刷営業であるから、紙関係のやりとりが多い。だから、納品物は元々カバンに入るようなボリュームではない。よって、カバン自体には多くの荷物が入らなくとも良い。
そのため、我輩のカバンには営業活動とは関係の無いものも多く、その割合があたかもエンゲル係数の如く、営業としての不真面目さを指標している。
先日、
中判魚眼カメラを自作したという話を書いたが、その魚眼カメラは失敗率が非常に高く、特に内面反射の処理を試行錯誤している段階である。大丈夫だと思っても、思わぬ条件で光の乱反射がフィルム面にカブり、白内障のように白く霞む。
また、このカメラは目測式であるからピント合わせも難しく、ピンボケのカットが多くなりがち。超広角レンズであるから最短撮影距離が近く、数センチズレれば思い切りピントを外すことになる。そのため携帯式のメジャーをカメラに取り付けて計測出来るようにした。
このように日頃から実写を重ねることにより、より安定したカットを撮影出来るよう努力しているのである。
幸いなことにこの魚眼カメラは比較的コンパクトであるので、外出時には営業カバンに携帯し撮影している。
他にも、魚眼レンズの測光用としてデジタルカメラを使っている。これもコンパクトなため、カバンに入れても負担にならない。
さらに通常の撮影用として、35mm判カメラもカバンの底に沈めている。コンパクトカメラ
「RICOH 35R」である。安いカメラであるから壊れても惜しくない。
もちろん、カメラ以外にもアイテムはある。
手帳と名刺入れは営業として欠かせない。それに、不慮の雨に対して折り畳み傘が必要。
小型ライトは、大地震に備えた最低限の装備である。地下鉄や地下街での被災(恐らく地上よりは安全だろうが電力供給が停止する)や、通勤難民になった時のことを想定している。
それから、職場と自宅の行き来でデータを共有させるため40GBのUSB2.0仕様ハードディスクを持ち歩く。
弁当については、午前中までは重いが午後は消えるのでその分の荷物が軽くなる。
しかしそれにしても、こうして見るとやはりカメラ関係の割合は大きく、営業としての不真面目さを明確に指標している・・・。