2000/04/05
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表紙

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2.用語集
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[274] 2001年06月07日(木)
「Canon EOS D30」


いきなり広告モドキの画像を載せてみた。なかなかイイ感じに写っているこのカメラ、先日中古で購入した「Canon EOS D30」である。こういうふうに撮ると、安物レンズ「EF50mmF1.8」もそれなりに見えるから不思議だ。
しかしこのカメラ、中古とは言うものの25万円もしたのであるから我輩としてはかなり思い切りを必要とした。
何しろ、デジタルカメラである。永く使えるものではないということは最初から分かっている。そんなものに25万円出すというのは、どう考えても道楽以外のなにものでもない。

それを敢えて購入に踏み切らせたのは、今まで使っていた「OLYMPUS C-2020Z」に限界を感じたからに他ならぬ。レンズ着脱式の一眼レフなら簡単な撮影であるのに、「C-2020Z」ではかなりの苦労を伴う。また、全く対応出来ない撮影もあった。それが「EOS D30」を導入することによって一挙に解決出来る。
我輩がこの「C-2020Z」を購入した動機が、それまで使っていた「FUJI FinePix」で撮れない写真を撮りたかったからだということを思い出すと、今回の購入も同じ動機だということを皮肉に感じた。

デジタルカメラは銀塩カメラとは違い、システムそのものが発展途上。これからも先代の足りない部分を部分的に補う動機を常に与えられ続けねばならないのか。そこが理不尽に思える。
デジタルカメラは表面上の世代交代は目まぐるしいものの、成熟度という意味では他の工業製品と比べて進化の度合いはかなり遅いと言わざるを得ない。それ故、我輩のようにしびれを切らし、つい買い換えてしまう者も出てくるようになる。未だ不完全だと知りながらも、完成されるのを待つことが出来ないのだ。これがデジタルカメラ出荷数増大の一要因である。


さて、デジタルカメラに対しての恨み言はここで止め、「EOS D30」について感じたことを書いてみようと思う。

Canon EOS D30
●シャッター速度
1/4000〜30秒、バルブ、X=1/200秒
●レンズ焦点距離
レンズ表記焦点距離の約1.6倍に相当
●撮像素子
単板CMOSセンサー 約311万画素
(2,160×1,440)
●記録媒体
CFカード(Type I、II準拠)
●ファインダー倍率
0.88倍
●大きさ
149.5x106.5x75.0mm
●重量
750g

<全体的デザイン>
まずデザインだが、グリップ部にはシボ革風のゴムが貼られており、デジタルカメラにしては高級感が少しある。外装もプラスチック的なテカリが無いのが良い。多分、キズが付きにくい表面処理ではないかと思う。
しかし欲を言えば、「EOS55」のようなシルバー外装のものがあればいいかと思った・・・、いやいや、商品撮影ではシルバーボディが被写体の光沢面に映り込む危険性がある。やはりブラックボディでなければな。
カメラを自分に向けて見ると、マウント部がかなり右側に片寄っているように見える。これは、フィルムのパトローネを格納する必要が無いデジタルカメラならではのデザインと言える。
グリップが少し太く感じるが、それはEOS630と比べたものであり、最近のEOSと比べれば普通と言える。逆に言うと、EOS630のグリップは非常に指掛かりが良く握り易い。


<操作系>
モードダイヤルは傾いていて精密感というか真っ直ぐ感が無いのが残念に思う。もしダイヤルが取れかかったとしても、最初から傾いているのだから気付くことはない。どうせ傾けるならば、ペンタックスの新型カメラのように手前に傾けたほうが機能的であり、必然的であろう。横への傾きが操作性を向上させたとも思えないため、単にデザイン上の意味しか無いらしい。EOS7でも同じデザインであるため、これはキヤノン内部で流行っているらしい。もしEOS7のダイヤルの傾きと完璧に角度が同じならば、その時はポリシーがあると見なし、誉めてやってもいいと思う。
モードダイヤルのクリック感については「Nikon F3」に慣れた手には馴染まない。誤動作を恐れてクリックを重くしているのか。確かに我輩はほとんど回すことは無いので、それはそれでいいのかも知れぬ。
電子ダイヤルはメイン・サブ共、銀塩EOSとほとんど変わらない。
また、メインスイッチが入ってから撮影可能状態になるまで起動が遅い(メモリへのアクセスのためか)。正確に計ってはいないが、タイムラグが2〜3秒くらいありそうだ。メモリへのアクセスは頻繁に起こり、メインスイッチOFF時でも例えばレンズを着脱しただけで何故かアクセスランプが点く。


<コネクタ類>
コネクタ類は、デジタルデータ出力としてUSB(Canon専用ミニコネクタ)が装備されている。ここからパソコンに接続し、専用ソフトによりパソコン側からカメラの制御が行える。他にシンクロターミナルとリモコン端子、そして映像出力端子がある。特に、シンクロターミナルについては、外れ防止のためのネジ切りがあり、かなり重宝する。それまでの「OLYMPUS C-2020Z」ではすぐにコードが抜けそうになり、ストロボ不発がよく起こった。

<シャッター>
シャッター音は普通の音。通常のスクェア型シャッター(俗に言う「縦走りシャッター」)であるため、チャージするための巻き上げ動作は銀塩カメラの場合と同じように行われるのだろう。単にフィルム巻き上げが無いだけで、そのぶん音の切れがシャープに感ずる。
連続撮影は記録媒体に依存するのか、マイクロドライブ(コンパクトフラッシュサイズのハードディスク)を装着した場合、次のレリーズまでしばらく待たされることがあった。これは撮影リズムを狂わすことになり、実質性能はともかく、使用者のストレスを増大させるだろう。この点はデジタルカメラの盲点と言える。

<長時間露出>
CMOSセンサーの欠点と言われていた長時間露光時の画像ノイズについて、キヤノンでは「改善された」ということだが、試しに5秒ほどの露光時間を与えてみると、それでも暗部のノイズが多い。これで改善されたということなら、元々はかなり酷かったということだろうか。まあどちらにせよ、通常の撮影(我輩の使う範囲内)では全く問題無い。

−2001.06.09追記−
ノイズの問題は、CCDでも試したところ、同じくらいのノイズが出ることが判った。また、条件によってCMOSとCCDでのノイズの出方に違いがある様子。かなり使い込まないと傾向は判らないだろうと思うので、この件についてはあまり深く触れない。

<ファインダー>
撮像素子の面積が35mmフルサイズよりも小さいので、そのぶんファインダーを覗くと画面が小さく感ずる。無理な要求だとは思うが、ファインダー倍率は等倍以上あるといい。もちろん、撮像素子が35mmフルサイズであれば、そもそもこんな問題も無い。

<AF>
AFフレームは横3点。だが実質的には、一番距離の近いものにピントが合うことが多い。どこに合うかカメラ任せというのは困るので、我輩は最初からセンター1点だけに設定している。しかし商品撮影ではMFでなければならないため(シャッターを切るたび測距することになってしまう)、我輩にはAF性能の問題点は気付きにくい。

<画像表示>
液晶画像表示による撮影済み画像の表示は並。メモリから読み出す時間がかかるので、サクサクと画像を閲覧することは出来ない。操作はボタンとサブ電子ダイヤルを使うので、他の機種よりは良いかも知れない。だが、サブ電子ダイヤルに慣れてないせいか、最良の操作性とは言い難い。
ただ、閲覧途中でもレリーズボタンに触れればすぐに撮影モードに切り替わる。いちいちスイッチによる切り替えをしなくても良いので便利だ。

<ホワイトバランス>
ホワイトバランスはシーンごとに選択出来るようになっているが、撮影者が撮影光源を撮影してそれを登録することが出来る。多少露出アンダー気味のものを登録すると良い結果になった。

<ACアダプタ>
室内で使用する場合、ACアダプタでの稼働が必要となる。我輩の場合、今のところ仕事が忙しく外出もままならないため、室内でしか使用したことは無い。そのぶん、ACアダプタのちょっとしたことが気になる。
ACアダプタはバッテリー充電器も兼ねているため、余計なものがコードの中間に挟まっているという感じだ。それがまたデカイ。しかもAC駆動中はバッテリー充電が行えないというのも困りもの。なんとか充電器とは別の、線一本のACアダプタが用意されないだろうか。

<作例>
一眼レフタイプであるということから、従来では不可能だった「接写」と「超望遠」の撮影が可能となった。そのうち、ビクセンのEOS用カメラマウントを購入して顕微鏡撮影も挑戦してみたい。
ここでは、接写リングを装着して撮影した接写を紹介する。使用レンズは全て「EF 50mm F1.8」。
(長辺400ドットにリサイズした)

冷蔵庫で出来た氷の結晶。氷が解けるまでの1〜2分間のうちに撮らねばならない。ストロボ使用。


蚊(ガガンボじゃないぞ)。頭部にピントを合わせるべきだったか。ストロボ使用。


腕時計。撮影時間を示してはいるが、6分30秒進んでいる。ストロボ使用。


電話のジャック。ツメの折れていないものを探すのは案外難しい。ストロボ使用。