[266] 2001年05月23日(水)
「ダメ元修理」
デジタルカメラ「Canon EOS D30」を先日購入した。そのため、今までメインで使っていたデジタルカメラ「OLYMPUS C-2020Z」は使う機会が無くなるだろう予想された。最後に「EOS D30」の外観を撮影した後はその役目を終えることとなる。
気軽なメモ撮影ではもっとコンパクトな「Canon IXY DIGITAL」を使い、本格的な用途では「EOS D30」を使う。
もはや中途半端な存在となった「OLYMPUS C-2020Z」は、友人にでも譲ることにしよう。
ところが、役目を失ったそのデジタルカメラは、自分の運命を察知したのか、突然に異状を起こした。
メインスイッチ兼モードダイヤルには強いクリックストップがあり、「カチッ、カチッ」と設定が出来るようになっている。しかし、ある時それをカリカリッと回すと「ピンッ」と小さな音がしてクリックが全く無くなった。ダイヤルが完全にフリー状態の無段階となってしまったのだ・・・。
それでも動作的には問題ない様子。試しにそのまま使ってみようとしたが、メインスイッチを入れていても、ちょっとダイヤルに触っただけでも回転位置が移動し、いきなりスイッチが切れてしまうこともあった。これには困った。
「ピンッ」という小さな音とクリックが無くなったダイヤルを考えると、クリックの感触を作っているバネが飛んでしまったことが予想された。
もちろん、役割を終えたカメラは故障してもそのままにしておけば良いのかも知れぬ。高い修理代を払うことを思うと、余計な金を掛けず放置するのが一番合理的な方法だ。
だが、その時すでに友人にこのデジタルカメラを譲る約束をしていたため、そういうわけにもいかなくなった。何とかして金を掛けずに元に戻す方法・・・、自分で修理する以外に方法は無い。
というわけで、忙しい時にも関わらずカメラの分解を始めた。
コストを抑えた作りであるためか、分解は意外に簡単で、トップカバーなどはたった3つのネジを外しただけで外れた。
よく見ると、ダイヤル基盤の奥に小さなバネが見えている。もしかしたらこれかも知れないと思い、精密ドライバーでつついてみるとコロンと手元に落ちてきた。
一方、ダイヤル部を見てみると、そこにはバネが入っていたであろうと思われる空間が存在した。奥を覗いてみると、クリック用によく使われるような金属球が入っている。こちらも一叩きすると落ちてきた。
ダイヤルとシャッターボタンのユニット
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中央下にバネとボールがある
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バネとボールの拡大
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とりあえず、ダイヤルのユニット部を取り外したままで、バネとボールを組込んでみた。すると、クリック感が戻った。
「なんだ、案外単純な修理だったな」
そう思ったのも束の間、一番端に位置する画像再生のクリックまで回転させると、バネが再び「ピンッ」と跳ね飛んだ。
それにしてもこれでバネが飛ぶならば、なぜ今まで飛ばなかったのか不思議だ。確かにバネが逃げないようにする構造は無いのだが、最初から無いとすればそれは一体どういうことなのだ?
まあ、それは考えるだけ時間の無駄というもの。我輩はそれでなくとも下らない仕事で忙しいのだ。
バネが逃げるのは、逃げる方向に何も障害物が無いからだ。それは一目瞭然である。だから、単純に考えてそこにフタをすればいい。適当なフタが無いので、プラスチック片で代用することにする。
接着剤で固定するのは時間が掛かるうえ、いつ取れるか不安でもあるため、ハンダコテを使ってフタを溶接した。多少見た目が良くないが、隠れてしまう部分であるため問題は無かろう。
バネとボールを組込んだ状態
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上面
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裏面
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バネが外れぬよう、プラスチック片でフタをして溶接
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上面
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裏面
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カメラ本体
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ここにダイヤルユニットが入る
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結果は良好。どんなに勢い良くダイヤルを回したとしても、バネが飛んで行くことはなくなった。最後にそのユニットをカメラ本体に組み付け、その修理を終えた。
文章で書くと簡単なように見えるかも知れないが、構造を調べながら修理するため、意外に時間だけは掛かっている。正確に計ったわけではないが、体感で2時間ほどか。
このカメラはそのうち、友人の元で余生を過ごすことになろう。しかし、1つ間違えればゴミになるところだった。
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