以前、
巻き戻しクランク部を損傷した「Nikon F3/T(白)」が、やっと全快して戻ってきた。
このカメラは、我輩の主力中の主力であるため、これでようやく心が落ち着いた。
今週の水〜木曜日、我輩は京都へ出張した。持って行くカメラを選んだのは、家を出る数分前というギリギリの時間であり、とりあえず目に付いた「F3L(緑)」を持って行った。
しかし、いつもはモータードライブを装着して使っている「F3L(緑)」だったが、軽量化するために単体の形にした。普段使い慣れていない単体の形態は、メインスイッチの操作をまごつかせた。
もし、メインカメラの「F3/T(白)」があったなら、何も考えずにそれをカバンに入れたことだろう。「メイン」という位置付けは、とっさの時に迷わせない存在と言えるかも知れない。
さて、ヨドバシカメラに修理完了のF3を受け取りに行ったのだが、修理内容は「巻き戻しノブ」、「シュー座部」、「裏ブタロックレバー」を交換し、各部点検したということだった。修理票によると、オーバーホールは行われていない。
ヨドバシカメラの担当者の方は、「ニコンは、お客様にご迷惑をお掛けしましたと言っていました。」と言い、「一応、電子基盤のチェックを行ったそうですが、もし万一、何か不具合が出ましたら対処致します。」と付け加えた。
ニコンが謝っているというのは理解したが、今回の事故の原因がどこにあるのかは判らなかった。とにかく修理して機能を回復させれば問題が終わると判断したようだ。
これは、プロに対する処置としては全く正しい選択である。プロにとっては、結果のみが大事であり、「誰のせいか」などということは別にどうでもいい。誰のせいであっても、機能が回復すればそれでいい。
だが、一般消費者としては、誰のせいでこうなったのかということをハッキリさせてくれなくては気持ちが良くない。もしかしたら自分のせいかも知れない・・・、いや、自分がそう思っていなくとも、メーカーがそう思っているのではないかと心配する。
まあ、ニコンはメーカーであり、サービス業ではない。一般消費者と直接接することは考えないのは当然である。このことを責める意味は無い。
メーカーと一般消費者との間に立つ存在として、販売店がある。今回、ヨドバシカメラは、一般消費者に接する販売店の役目として最大限の働きをし、ニコンの代わりに「すみませんでした」と頭を下げた。
メーカーは製品を修理し、販売店は客の対応とメーカーの交渉をする。ヨドバシカメラは、我輩に頭を下げた分、ニコンを叩いてくれたに違いない。それぞれの役目はキッチリと果たしたと我輩は評価しよう。
直接、メーカーのサービスセンターに行った時に、接客態度を問題にするのはお門違いだと認識すべし。「サービス」と名は付いてはいるが、これは「製品サービス」であり、「接客サービス」ではない。
ニコンはあくまでメーカーである。もし、接客に不満があるならば、直接サービスセンターを利用することは避けた方がいい。