[232] 2001年02月22日(木)
「ニコン純正の破損(その後)」
前回の雑文の件、昨日、ヨドバシカメラに問題のF3/Tを持って行った。
クレーマーだと思われるのがイヤで、極めて低姿勢の状態から入った。
「ヨドバシさんの問題ではなくて多分ニコンのほうの問題だと思うんですが・・・。」
もしこれで何か言われたら、いつでも戦闘状態になるつもりだった。
しかし、意外にもヨドバシカメラ店員は親身になって対応してくれた。1人だけ付いてくれれば十分だと思われたが、2人も対応して頂き、1人は電話問い合わせ、もう1人は我輩の対応に当たってくれた。
外出のついで、平日の昼間であるから、人員的に余裕があったのかも知れないが、それでも重大に受け止めている様子が伝わってくる。
電話対応の様子を聞いていると、どうもニコンは「そんなことはあり得ない」と言っているようだ。それはそうだ。我輩でさえ、「ニコンでそんなことはあり得ない」と最初は自分を疑ったものだ。しかし、どう考えてもおかしい。おかしいからこそ、クレームをつけている。
ヨドバシ側は我輩に「無料で修理・動作チェックさせます」と言った。
我輩は、「強い衝撃を受けた可能性が高いから、値段が折り合えばオーバーホールもしてもらいたい」と要望した。つまり、動作チェックだけでは、その時点での不具合しか判明しないが、例えばヒビがあった場合、それが徐々に広がっていくようなことになれば、時間を置いて不具合が出てくる可能性があるため、部品の点検をしてもらいたいということだ。
「分かりました。それも含めて無料でやらせますよ。」その言葉はキッパリと力強く、頼もしかった。
量販店とメーカーとの力関係は、明らかに量販店のほうが大きい。値付けもメーカーは量販店に従わざるを得ない。アップルコンピュータの「iMac」のように、全国一律価格などという押し付けなど出来ない。いくら出荷を止めようが、卸ルートは無数にあって量販店には勝てないのだ。
だから、このように強く言えるのだろう。何しろ、天下のヨドバシカメラだからな。
もし、個人でサービスセンターに行ったならば、このような力関係は無いため、スムースに事が動いたかどうか分からない。
現に、先ほど雑文を読んだ方からメールを頂いたのだが、それによると、サービスセンターに修理を依頼したものの、他の動作に不具合が発生し、その対応で納得行かないものがあったという。
まあ、ニコンにしてみれば、自信を持った修理をしているという自負はあろう。まさか、悪意を持っての対応ではないと思う。しかし、その自信の分だけ、客を疑うことにもなるのだ。
そう言えば、以前、我輩が問い合わせ等で大変お世話になったニコンの窓口は、確か広報関係の部署だった。しかしニコンの中にも色々ある。サービスセンターとなると事情は変わってくるだろう。サービスセンターは、我輩の見たところ技術屋の集まりのような印象を持った。その分、客を思いやる心を教えられていないのかも知れない。
プロカメラマンとのやりとりでは、純粋に技術で応えればそれでいい。いくら原因が不透明でも、カメラが使えるようになっていればそれでいい。ニコンが非を認めなくとも、無料で対応してくれさえすれば済む。
一般ユーザが利用するにはそれなりの割り切りと交渉力が必要だと思われる。
仕事の交渉で疲れた帰りに、更に交渉するのはゴメンだ。今回、ヨドバシカメラを味方に付けたのは正解だったな。
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