2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[220] 2001年02月01日(木)
「撮っても観れない」

我輩が去年末に死ぬ気で購入したノートパソコン「SHARP/Mebius PC-RJ950R」。その液晶表示パネルは1400x1050ドット(SXGA+)にもなり、我輩のデスクトップパソコンの1024x768ドット(XGA)を上回る解像度だ。
なぜこんなものを死ぬ気で購入したのかというと、ノートパソコンというのは拡張性が低く、今まで何度も貧乏臭い買い方をして後悔してきたので、ここらでハイエンドを狙って永く使おうと思ったからなのだ。

さて、このパソコンの液晶は1ドットのきめが細かい。写真を表示させるとかなり緻密に見えるのが素晴らしい。2年前にハウステンボスへ旅行に行った時の写真などを表示させていたのだが、タワーから見下ろした写真に小さな人影や運河を泳ぐ白鳥の姿を見つけて喜んでいた。
「すげえ、こんなものまで見える。」

この感動を、ハウステンボスに一緒に行ったヘナチョコ妻にも共有させてやろうと思ったが、ヘナチョコはコタツから出るのが寒いので見に行けないという。我輩の部屋は北向きで寒い。
しかし、いくらノートパソコンとは言え、ACアダプタやLANケーブル、マウスなどがぶら下がった状態をいちいち外して持って行くのは面倒。

「じゃあ、そっちのパソコンに画像を転送するから受け取れ。」

我輩はLAN経由でヘナチョコのパソコンのハードディスクに侵入し、画像ファイルを置いた。
そして、ヘナチョコのパソコン画面でその画像を表示して見せた。

「・・・くそぉ。」

ヘナチョコのパソコンは800x600ドット(SVGA)表示だった。すっかり忘れていた。
全体を見せようとすると、細かい部分がよく見えず、拡大すると画面から全体像がハミ出る。画像の大きさは理解出来るが、緻密感などはどうやっても表現出来ない。
結局、普通に写真を見せるにとどまり、我輩の感動はヘナチョコには伝わらなかった。

前にも書いたが、こういう緻密さというのは、やはり並のディスプレイでは体験出来ない。ということは、画像ファイルを送ったりしただけでは、相手は自分の写真を正しく見てくれていないということになる。いや、それがデジタルカメラでダイレクトに撮影したものならば、自分自身がその緻密さに気付かない。
我輩の最新ノートパソコンは相対的な緻密さは高いものの、絶対的な評価として言うならば、まだとても緻密と言えるレベルには及ばない。

フィルムで写真を撮れば、その緻密さに息を飲む時がある。初めてブローニー判のリバーサルを見た時の感動は今でも想い出す。
しかし、初めからデジタルカメラで画像を電子化してしまえば、例え600万画素のデジタルカメラを使おうとも、その画像の緻密さを肌で感じることは不可能。

我輩は今まで、画素数アップのために何台かデジタルカメラを買い換えてきたが、単にディスプレイ上の画像サイズが大きくなるだけで緻密感に変化は無く、写っている内容についてはともかく、画質について感動した覚えは1度も無い。

確かに頭の中では「これは画質がいいんだろうな」と想像は出来る。だが決して体験することは出来ない。画素数や画像サイズの大きさを論理的に理解しているだけで、感動は出来ない。しかし、一般の人間はそのことに気付かず、画素数の大きさに有り難がるのみ。
現時点では、唯一、メッシュの高い線数で印刷物を刷るしか方法は無い。ということは、デジタル画像というのは業界向きなのか。

現在、高画質と謳われているデジタルカメラでは、その画質を「画素数」でしか垣間見ることが出来ない。実際にその画像を見ても、従来の画質と全く変わらない。同じディスプレイで見てるならば当然と言える。

将来、アルバムを見せるように気軽に持ち歩ける高解像度液晶パネルが開発されれば、その時初めて、積極的な意味でデジタル画像を撮影する意味が生まれよう。
しかし、それが当たり前の世の中になる日はまだまだ遠い。今はまだ、デジタル画像の高画質を撮ることは出来ても、観ることは出来ない・・・。


久しぶりにマミヤでも引っぱり出し、緻密さを楽しむことにするか。パソコンごときでは決して味わえぬ緻密さをな!