[203] 2001年01月10日(水)
「受賞」
「グッドデザイン賞」、「カメラグランプリ」、「ヨーロピアン・カメラ・オブ・ザ・イヤー」など、カメラに関わる賞がいくつかある。
どのカメラがどの賞を取ったというのは、ここでは敢えて触れない。しかし調べてみれば分かると思うが、賞を取ったカメラでも、明らかに失敗に終わったものも含まれている。
古いカタログを見てみると、誇らしげに「〜賞受賞」と書かれていたりするが、そのカメラの行く末に目をやると涙を禁じ得ない。
このようなことはなぜ起こるのかは分からないが、そんなに「賞を取った」ということについての意味は無いのかも知れない。ということは、カタログに「〜賞受賞」などと書くことの意味も無い。単に、何も知らない消費者を惑わすだけだ。
JISマーク(工業分野)やJASマーク(食品分野)、ISO規格品など、客観的に認証されるものであれば、一般消費者の選択に参考となろう。しかし、冒頭に挙げた「賞」では、そんなことを考慮された形跡も無い。
・・・かと言って、数字では表せない魅力を評価したようにも思えない。歴代の受賞結果を見ればすぐに判る。
だいたい、出来立てホヤホヤの実績の浅い新製品を評価するのはムズかしいのだ。
それならば、このような中途半端な評価などせずに、実際に巷で評価された結果を受けて賞を与えてはどうかと思う。そのほうがより多くの人の支持を受けられるだろうし、賞としての重みも増すことになる。
評価の基準としては、「知名度(話題性)」、「販売台数」、「苦情件数」・・・などを考慮してはどうか。
もちろん、高級機ならば販売台数は普及機に比べてかなり少なく、単純な比較など出来ない。しかし参考にはなるはずだ。また、同じ販売数でも、最初は売れたがすぐに伸び悩んだりする機種もあろう。コンスタントに細く長く売れ続けるものもあるだろう。その点を評価するのは人間である。
今の「賞」は、持ち回りのイベントのようなものにも見える。
もし仮に、その年発売されたカメラが1機種しかなかったとしたら、それはどんなにヘボいカメラであっても受賞となるのか? まるでどこかの市長選挙のようだ。
ふさわしい機種が無ければ、「該当無し」とする年もあっていいじゃないか。それがカメラ業界の刺激にもなろうかと思う。
正直なところ選考人も、「他に良いカメラも無いしな」などと妥協した年もあったんだろう?
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