[196] 2000年12月26日(火)
「好性能」
我輩は、通勤に地下鉄千代田線を使っている。
今朝はなかなか巡り会わない新型列車に乗ることが出来た。
我輩はだいたい同じドアから乗るのだが、その新型列車はいつも同じ場所にキズや汚れが見られる。ということは、新型列車は1編成しか無さそうだ。
新型列車は、全体が曲面で構成され、いわゆる「カド」が無い。まあ、外見上はともかく、音と振動が少ないのがよろしい。
普通、地下鉄というのは台車の音がトンネル内で反響するため、かなりうるさく感ずるものだ。しかしこの新型列車では、高音の部分が少しマイルドになっている。振動も固くない。
さすがに新型だけのことはある・・・とまとめたいところだが、性能の良さが裏目に出て乗客のほとんどを不快にさせた。
というのもこの新型列車、かなりブレーキの効きが良く、ちょっとした減速でも前のめりになるくらいブレーキがかかる。
それは例えるならば、アナログではなくデジタル的である。ブレーキがだんだん効いてくる・・・というのではなく、ブレーキのON・OFFしかないような感じだ。だから、駅に入る時でも、何度かブレーキをかけたり放したりする動作があり、その都度乗客は前後に揺さぶられることになる。
このブレーキのON・OFF動作が小刻みであればあるほど(インバータ制御のように)、そのショックが小さくなろうが、手動ブレーキでは限界がある。ブレーキ操作を失敗して乗客が将棋倒しになることは珍しくない。
最初のうちは運転手の技量のせいかと思われたが、この新型列車は過去にも何度か乗っており、乗ると必ず加速・減速で苦しめられる。やはり、新型列車のブレーキが効き過ぎるのだろう。
車体も軽そうで、それも制動性を高めている要因に違いない。
ここまで書けば、何を言わんとしているかは分かるだろう?
単純に機械的性能が良いものが、人間寄りのいわゆる「好性能」とは言えないという1つの例だった。
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