2000/04/05
OPEN

表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

Canon
 AE-1P
 AE-1
 newF-1

PENTAX
 K1000
 KX
 KM
 LX
 MX
 MZ-5
 MZ-3
 MZ-M

OLYMPUS
 OM-3Ti
 OM-4Ti
 OM-2000

CONTAX
 ST
 RTS III
 Aria
 RX
 S2

MINOLTA
 X-700
 XD

RICOH
 XR-7M II
 XR-8SUPER

カメラ雑文

[195] 2000年12月24日(日)
「プリインストール」

新しいノートパソコンを購入した。
シャープの「メビウスPC-RJ950R」。解像度1400x1050ドット(SXGA+)の大画面だ。これは、我輩の持つデスクトップパソコンの解像度を上回る。
この原稿を書いているのも、そのノートパソコン上だ。

さて、このパソコンが届いたのは1週間前だった。しかし、それを使い始めたのはそれから数日後である。
なぜすぐに使い始めなかったのか?

ノート型に限らず、最近のメーカー製パソコンには非常にたくさんのソフトウェアがあらかじめインストールされている(プリインストール)。
「ワープロ」、「表計算」、「グラフィック」、「インターネット関連」、「ゲーム」、「データベース」、「アニメ・音楽・3D簡単作成」、「動画取込み・編集」、「辞書」、「各種ユーティリティ」・・・。
それだけでパソコンのハードディスクは一杯。

しかしそれらのソフトの全てを必要としているわけではない。もし全て使い切る者がいたら、いったいどんな人間なのか見てみたい。
だいいち、そんな付属ソフトなどはゴミ同然。例えば3Dソフトにしても、簡単に作れるのはいいが本格的3Dソフトとの互換性など無く、結局はその場で完結させるだけの「お遊び」に過ぎない。

昔のパソコンは、OSやアプリケーションソフトは自分で買い求めたものだった。そこには自分の意志があった。「確かに欲しい」という意志があるからこそ、そのソフトを指名し、財布から金を出し、重いパッケージを持ち帰った。
しかし、今は違う。なんとなくソフトが入っていて、暇つぶしに1回起動してみるだけ。あとは二度と使われること無く「死加重」となる。

不必要で使えないソフトをてんこ盛りにするくらいならば、もっと素(す)の状態にしてパソコンを安くして欲しい。そうすれば、本当に必要なソフトだけを厳選して購入出来るだろう。
今回、我輩は自力でソフトウェアの入れ替え作業をやることにした。ソフトの一新とその状態のバックアップだ。
OSは、その時初めて使った「ウィンドウズMe」だったため、なかなかクセを掴めず時間を浪費した。

それにしても、メーカーのお仕着せというのは、本当に有り難迷惑である。あらかじめソフトを組み込んだ「プリインストール」であるため、いくらウィンドウズ98を使いたくても最初からウィンドウズMeが入っている。当然、LANやモデムのドライバソフトもウィンドウズMe以外は動かない。メーカーではアップグレード用ドライバソフトは用意してあるが、ダウングレードには全く対応していない。仕方なく、単体のウィンドウズMeを手に入れるしか方法はなかった。だからメーカー製パソコンは困るんだ。


今回の苦労は、何となくカメラの分野を彷彿とさせた。
現代のカメラは、まさしくハードウェアの「プリインストール」状態だ。これでもか、これでもか、というふうに機能を詰め込んでいる。良いものを厳選するでもなく、カタログに掲載する項目を1つでも増やすために、「とりあえず」入れる。
最近はおとなしくなったとも言われる、いやいや、それでも十分に食傷気味。

昔ならば、使う用途(ユーザー)に応じてカメラもクラス分けされていた。そしてそれぞれに必要とされる機能も違っていた。
しかし、今は全てのモデルがフルモード搭載であり、中にはローエンドクラスのカメラがハイエンドクラスのカメラの機能を食っていたりもする(もちろん精度や信頼性は違うだろうが)。メーカー内でも、モデルごとの位置付けに混乱をきたしているようで、カメラのネーミングの混乱からもそのことが伺える。

我輩は、実はAFカメラは嫌いではない。しかしAF機能と抱き合わせになっているモノがイヤなんだ。くだらない機能を入れたばかりに他に制限が出てくるのは許せぬ。例えば、ワインダー内蔵によって、それと引き替えに電池の呪縛に縛られるようになってしまった。
この前、ミノルタα-9000を購入したのは、その現れである。理想的なAFカメラの形態ではないにせよ、今のAFカメラに比べればまだ素(す)に近い。その証拠に、α-9000はバリバリに使えるAFではないが、それでもそこそこフィルムは通している。使っていて楽しさがある。AFが使えないほど電池が消耗しても、シャッターだけはまだ切れるという「しぶとさ」がいい。今のAFカメラならば、少しでもハラが減ると全く仕事をしないというのに。

少なくとも、カメラの多機能はメーカー製パソコンのプリインストールと同じくお仕着せだ。そして、どちらも平均的なユーザーが想定され、そこから外れた者は「サポート外です」とされる。

言っておくが、人間というのはそれほど単純じゃない。おまえら(パソコン及びカメラメーカー)は人をナメてるんじゃないのか。企業ならば、金儲け以外の理念(ポリシー)を持たんかっ!



<補足説明>
最近のメーカー製ノートパソコンにはLAN(NIC)やモデムなどのパーツが内蔵されており、それらパーツのメーカー名や型番は明記されない。そのため、別のOSをインストールしようとすると、ドライバソフトの入手が困難となり、事実上、別のOSのインストールは不可能となる。
メーカー製パソコンでは、通常はOSのみをインストールすることは出来ない。付属のCD−ROMは「リカバリディスク」であり、プリインストール(てんこ盛り)に戻すだけ。
ウィンドウズ98とウィンドウズMeは、同じ9X系ウィンドウズであるが、ドライバソフトは共有出来るものと出来ないものがある。つまり「似て非なるもの」なのだ。
ミノルタα-9000は、総合的に見ると堅牢性や信頼性は低いと思う。しかし、基本的なポリシーがそれを補っている。