先日、客先から直帰することがあり、そのついでに秋葉原へ寄った。秋葉原では「カメラのにっしん」という有名な中古カメラ店がある。
「35mmカメラはもう買わない」と決めた我輩だったが、今回は妻が使うカメラを探すのが目的。
以前、大分県の別府に夫婦で旅行に行った時、それぞれのカメラを持って行った。我輩はNikon F3、妻はフジフィルムの安い単焦点コンパクトカメラだった。しかし、妻のフィルムは露出の過不足がひどく、ピントも中抜けしている。そこに写っている我輩の写真にまともなものは少なかった。
そこで、今回は少しでも良く写るようにと、AF一眼レフを持たせることにした。
我輩の持っているAFカメラは、ミノルタα-9000しかない。しかしこれを持たせると「重くて持てない」などとぬかす。
仕方がないので新たに軽いカメラを買い求めることにしたというわけだ。
最初、「AFならキヤノンしかない」と思ったが、既に所有しているミノルタのαレンズがあるため、ミノルタから選ぶことにした。
店頭では、まず最初にミノルタα-3700iが目についた。これはかなり小型であり、どんなにヘナチョコであっても、これくらいなら大丈夫であろう。しかし、ストロボが内蔵されていないというのは、シロウトには煩わしい。
そこで次に目を付けたのが、ミノルタα-303siだった。これはボディのみで1万4千円也。手持ちが2万円しかなかったので、この値段は魅力的である。
店員を呼んで棚から出してもらい、いろいろとチェックした。
我輩もこのカメラについては勉強不足だったが、なんとマウントがプラスチック製。そういうのがキヤノンやミノルタにあるとは知ってはいたが、これがそのカメラだったとはな。
そして、更に驚いたのが、電子音が無いということだった。普通、AFカメラは合焦した時に「ピピッ!」という音を発する。しかしこのカメラは何の音もしない。
店員に訊くと、「え?あ、ホントだ。」などと言う始末。
しかしまあ、1万4千円。
結局そのカメラを包んでもらった。
さて、買ったカメラを家に持ち帰り、24mmレンズを装着して妻に渡した。
「どうだ、軽いだろう!」
妻は両手で受け取り、しばらく考えていた。
「軽い・・・だろ?」
何も言わないのでもう一度言ってみた。
すると一言、「よく分からない。」
結論:ヘナチョコには何を渡してもダメなんだな・・・。
さて、α-303siの印象についてだが、これがまた意外と楽しい。
α-9000で慣れていると、α-303siのAFは実に速く感じる。そして電子ダイヤルが懐かしい。
見ると、液晶パネルにホコリがたくさん付着している。指で拭ったが取れない。どうやら内側に付いているようだった。どこから入り込んだのか不思議だったが、試しに爪でパネルカバーを剥がそうとしたらバリッと剥がれた。よく見ると2枚の両面テープで固定しているだけだった。これが安さの秘訣か。
しかし一応、フルモードが入っている。
気軽にコンパクトカメラ的に撮りたい場合は、妻に借りて撮るのもいいかも知れない。
ここまで書いてふと我に返った。
中判で撮らなくてもいいようなものを気軽に撮るために35mmサイズのF3を買ったハズだった。このままではどんどん安易なほうへ流れてしまい、F3でさえ大げさな撮影用のカメラと位置付けられることになりかねない。
いやはや、人のことをヘナチョコだと言えた義理か。