[169] 2000年10月30日(月)
「感覚」
人によって感覚が違うというのは、今さら我輩が言うことでもない。
そうは言っても、やはり感覚の違いというのは面白いもので、我輩にとって当たり前のことが他の者にとっては当たり前ではなかったり、その逆のこともあったりする。
また、自分が今まで当たり前だと思っていたことが、再認識させられることによって、あらためて新鮮に思うこともある。
先週の土曜日、職場の人間と「相模湖ピクニックランド」でバーベキューパーティーをやった。記念写真ギライの我輩なのだが、観光地を歩き回って撮るものでもないので、テスト撮影を兼ねてニコンFAを持参した。
FAはF3に比べて感触は良いとは言えない。しかし、写真やカメラにこだわりを持たない一般人には新鮮に見えるらしい。
「ちょっと覗かせて下さい!」と言われ、FAを渡す。
「うわー、重ーい!」
そうか、FAでも最近のカメラに比べたらかなり重いんだろうな。
せっかくだからとシャッターを切らせてあげると、また驚いた様子。
「すごーい、シャッターがすぐ切れる!!」
なるほど、最近のAFカメラはAF動作やストロボチャージなど、色々な前準備があるから、押した瞬間にはなかなかシャッターが切れない。それが当たり前のようになっている一般人にとってみれば、我輩のニコンFAの動作はキビキビしているように感じるに違いない。
一方、我輩は我輩で、帰宅したあとF3/Tを触ってみて驚いた。なんとまあ感触の良いシャッターだろう。しかもチタンのザラついた金属感が刺激的。いつも使っているカメラだけに、そのことが当たり前のようになっていて、素晴らしさに慣れてしまっていた。
もちろん、今までもF3は「良いカメラ」だとは思ってはいたが、今回の再認識によって、もっとF3を使いたいという衝動が湧いてきたように思う。
それはまるで、新しいカメラを買った時のような感じだった。
使い慣れたカメラながら、新しい気持ちを持って接する妙な感覚。このように感じる瞬間は、今しか無いかも知れない。もしそうなら、この気持ちが維持されている間に写真を撮りたいと思う。
そう、F3のシャッターでテンポ良く撮りたいものがある。
何を撮るのか、それは来週のお楽しみ・・・と言いたいところだが、うまく撮れるかは我輩にも分からない。
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