あれは7年前だった。
目黒の「三宝カメラ」でニコンF3の中古を衝動買いした瞬間、我輩のAF熱がチュンと音を立てて冷めた。
カタログ上のスペックでは、F3は最新AF機には全く歯が立たない。当時の我輩の主力機キヤノンEOS630を使っている限り、F3は必要ではないと感じていた。以前からもF3は欲しかったが、もはや実用的とは思えなかった。
その観点から言えば、7年前の中古F3の衝動買いは、完全なる無駄買いとなるはずだった。
しかし、それは小さな起爆剤であったのだ。
間もなく、新品でF3を購入すべきだと悟ることになる。
ただし、当時でさえ過去のカメラとも言えるF3はいつ消えてもおかしくない。手に入るうちにストックすべきだと思った。
高価なカメラとその膨大なシステム。生産完了がアナウンスされてから行動しても遅い。
給料が出るたび、ボーナスが支給されるたび、コツコツと少しずつストックしていった。時にはローンや借金もした。「いつ消えるか分からない」という強迫観念がそうさせた。
途中、パソコン関連の設備投資で、かなり足踏み状態が続いたが、先日届いたファインダーで目出度く完了することになった。7年目の一区切りである。
正直な気持ち、もうニコンが倒産しても大丈夫だという感じだ。
計画としては、ニコンF3関連のストックが終われば、次はペンタックスLXのはずだったが、ペンタックスはMFレンズを中心にシステムが破綻しているため、ストックというほど買うモノが無い。
先週土曜日、ストックしたアクセサリー類を撮影し、災害時にも素早く持ち出せるよう幾つかのまとまりに分けて梱包した。
我輩のF3システム
長い努力の成果であるから、誰かに見せたい気持ちは・・・分かるだろう?
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そうそう、書くのを忘れていたが、実際に使っているF3のシステムは別に一財産ある。
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