2000/04/05
OPEN
表紙
1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画
12.カタログ
|
「日本カメラ」1994年7月号224ページ掲載
- Q)
- リバーサルフィルムを鑑賞する際、バックライト光量の違いによって、写真の露出が変わって見えると思うのですが(特にアンダー露出の場合)、印刷原稿に使用する場合では、一般的にどれくらいの明るさを基準にして、印刷結果を予想しているのでしょうか。もし、明確な基準がなければ1/3段の露出調整など意味ないことでしょうから、必ず何かの基準があると思います。露出に関する書籍には、このことに触れたものがなく、たいへん悩んでいますので、どうかよろしくお願いします。
- A)
- 写真のカラーポジ像を観察するための装置は通称、ビューワー、ライトボックスなどと呼ばれていますが、バックライトという呼び方も一理あると思います。正式名としては、ISO規格で規定するイルミネータの名称に統一すべきでしょう。
イルミネータの観察面が暗ければ、撮影の際の露出がアンダーのように見えるのは当然で、規格に沿ったイルミネータを使用することが肝要です。しかし、市販されている製品の多くは、規格よりやや暗い傾向にあるようですが、使い慣れることで印刷結果の予測は十分可能と思われます。
イルミネータの規格については、一般の写真技術書で触れられていないのは、おっしゃるとおりで、メーカーが規格を知らずに作っているのでは?・・・という疑問すらあるのが現状です。
ISO規格の内容は、一般的には難解な部分もあると思いますが、その要点をかいつまんで紹介すれば、「輝度面で5000Kに近似するCIE(国際照明委員会)照明D50(相関色温度5000Kを放射する蛍光灯のタイプ)の色温度を持ち、一般演色評価数90以上、観察面の輝度は1200±300nt(ntとは1m2当たりの照度)、観察面の輝度の均一性は全面を9分割して各部分は前記輝度内にあり、ばらつきは75%いない、拡散性は0〜45度で90%以内、また観察面の周辺の輝度はイルミネータの輝度の18%になるようにニュートラルグレーのマスクを設ける」と規定されています。
以上の規格を満たしているイルミネータは、私の知る限り堀内カラーより発売されている「イルミックス」というブランドだけということを申し添えておきます。
|
|