ポートレートを撮るために一番必要なもの、それは何と言っても「モデル」しかない。
ポートレートは、モデルを決めた時点で写真の
50%が決まると言われている。・・・まあ、この言葉の「
50%」という部分は、特に根拠があるわけではなく、それだけモデルというものが大きなウェイトを占めているということを言いたいのだと思う。
さて、もし仮に有名人をモデルにすることが出来るとするなら、一体誰を選ぼう?
我輩の場合は、ただ単に美人であるということよりも、何かクセのあるモデルがいい。そういうところに、写真にしたくなるような衝動が起こる。
そうだな、「ELTの持田香織」といったところか。かなりミーハーだな(笑)。
我輩がテレビなどを観て感じる、持田香織のクセのある部分とは、顔では笑っていても、本心は何を考えているか分からないという、その雰囲気にある。
「心の中では俺のこと軽蔑してんじゃないのか」とか、「早く帰りたいと思ってんじゃないのか」とかいう気持ちにさせるような、含みのある言動と目線の動き。このモデルを使い、観る者に緊張を感じさせるような写真にしてみたい。
クセのない「モデル笑い」をした女性の写真を撮ったとしても、表面上の部分にしか関心が及ばない。モデルが何を考えているのかということも意識しないし、する必要もない。
しかし、心の隅に引っかかるような、そんなクセのあるモデルは、観る者との間に緊張感を作り、そこに写っているモデルが一体何を考えているのかと気になる存在となる。だから、それをうまく引き出して写真にすることが出来れば、手応えのあるポートレートが撮れそうな気がする。少なくとも我輩はそう予測する。
また、持田香織の写真を何枚か見てみると、それぞれ別人のように写っている。スタイリストによるところが大きいのかも知れないが、それでもやはり、撮りかたによってもずいぶん変わるに違いない。
しかし、持田香織独特の、「含み」を表現した写真はなかなか無いな。営業戦略的に、そのような写真は意識的に撮ろうとしないのか。
持田香織のイラストを描いてみたが・・・、イラストで緊張感を表現するのは、かなり難しい。そうでなくとも、イラストというのは、単純に「似てるか」「似てないか」という方向へ話が移りやすい。「似顔絵」とも言うくらいだからな。やはり写真でないとダメだ。