実は金曜日の夕方、中野の有名中古カメラ店「フジヤカメラ」へ寄った。
さすがに在庫物件が多く、目移りしそうだった。しかし、「本当に欲しいのか」という自問には、「No」と答えるしかない。やはり、欲しいモノは無い。かなり迷ったものもあるにはあったが、結局その場では決められなかった。買って帰った後、「やはり必要なかった」ということになると悲しいからだ。ここは少し考えよう(もし程度の良いF3Hが50万円で出ていたら、迷わず取り置きしてもらっただろうが)。
1時間半ほど物色した後、もう帰ろうかと思い、出口に近付いた。出口近くは新品カメラが陳列されている。そこには、今話題の距離計連動式フォクトレンダーが並んでいる。「もしや」と思いよく見てみると、それはあった。フォクトレンダーのVCメーターだ。
これは前から探していたモノだが、なかなか見つからなかったのだ。そしてそのうち購入を諦めてしまった。それが今、目の前にあるのだから、買わないわけはない。
店員は、
「え、VCメーターですか・・・?えーと、あるかなあ・・・、あっ!、あるなぁ!珍しいー。」などと言う。
その様子から、在庫があるのは滅多にないことだったのだろうと想像する。
フォクトレンダーVCメーター外観
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何の予備知識も無しにこのメーターを見せられたら、一体何の装置だろうかと考え込むに違いない。それはまるで、米国・ロズウェルに墜落したUFOに積まれていたというナゾの小型装置のようだ。
シャッターダイヤル部のクリック・ストップは、軽いながらもしっかりしたもので満足できる。その隣の絞りダイヤル部はクリック無しで無段階設定。
VCメーター動作状況
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使用形態としては、カメラのアクセサリーシューにクリップオンさせるようになっている。
表面は梨地処理の金属製(ブラックタイプのほうは知らない)。全体的に多少の重量感があってよろしい。
測光ボタンを押すと、15秒間測光する。その後自動的に電源が切れるようになっている。
電源はLR44ボタン型電池2個、またはCR-1/3Nリチウム電池を使う。受光角はおよそ30度。高輝度のLEDで、屋外で使っても充分に視認可能だ。
これさえあれば、露出計の無い、あるいは露出計の壊れたカメラでも露出計内蔵に早変わりする。ちょうど、子供の頃に遊んだ、水中モーターのようなものだ。浮かぶモノなら何で推進させることが出来るというコンセプトが似ている。
その操作感は悪くない。このメーター単体だけでも楽しめる。
コンパクトなので、これを使ってマニア同士で「露出当てゲーム」をするのも面白いかも知れない。もっとも、端から見ると異様な光景だろうが・・・。
結局、この日は15万円を持って行き、1万7千円を使った。小さな買い物だった。