[045] 2000年 6月 4日(日)
「やってみなければ分からない」
なんだかんだ言ったところで、やってみなければ分からないことがある。
我輩が初めて自分で現像・引伸しをしたのは、中学の時だった。
現像というと、難しくて面倒くさそうなイメージがある。そして金もかかりそうだ。
しかし、中学校の暗室で初めて現像を体験した時、画像が浮かび上がってくるというおもしろさに引き込まれた。
「こんなことなら、もっと早く使っていれば良かった。」
我輩がリバーサルフィルムを初めて使ったのは、中学か高校くらいだったと記憶している。
それまではリバーサルフィルムというのは特殊な用途としか思ってなかった。描写は美しいが露出が難しく、主にプロが使っているらしいという情報しか無かった。
しかし、試しに一度使ってみると、その映像の美しさに息を飲んだ。プリントでは得られない透明感。緻密な描写。小さなスライドマウントを明かりにかざし、時を忘れて眺めた。
「こんなことなら、もっと早く使っていれば良かった。」
我輩がAFカメラを初めて使ったのは、大学の時だった。
それまでは、AFなどオモチャにしかならないと思っていた。
しかし、シャレで買った中古のミノルタα−7000が思いのほか性能が良く、身を任せることもできた。
「こんなことなら、もっと早く使っていれば良かった。」
我輩が中判カメラを初めて使ったのは、社会人になって1年後だった。
中古カメラ店で1万円で手に入れた二眼レフカメラ「ビューティーフレックス」である。
それまでは、中判カメラは大きく、取扱も面倒で、金食い虫だというイメージがあった。しかし、最近の35mmカメラと比べてもそんなに大きいというわけではなく、取扱もむしろシンプル。色々なオプションのある35mmカメラよりも金は掛からない。
リバーサルで撮影したものを現像に出し、その仕上がりに驚いた。ただ画面が大きいというだけでなく、緻密で驚くほどの階調の豊かさだ。
「こんなことなら、もっと早く使っていれば良かった。」
我輩が具体的に言える範囲はこの程度だが、まだまだ「もっと早くやっていれば良かった」というようなことは、これから先もあるに違いない。
歳をとればとるほど、腰は重くなっていく。だからこそ、考える前に1度はやってみようと思う。
諸君も負けずに自分の世界を広げて行って欲しい。
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