[040] 2000年 5月26日(金)
「見慣れた新しい風景」
人間の視野は、横に広く縦には狭い。特に、上部の視界は下部より狭い。
ニコンF3のファインダーで、ファインダー内情報が小さいくて見にくいという批判が発売当初から言われていた。
見にくい理由は「表示が小さい」というだけではなく、その表示が「画面の上枠に位置している」ということも原因の1つだ。
我輩が毎日通る通勤路は、いつも見慣れた風景だ。
しかし昨日、ふと上を見上げて驚いた。そのビルの2階には麻雀荘があった。大した発見ではないが、我輩の知らぬ風景が、こんな手の届くような範囲にあったということが新鮮に思えた。普通に歩いていると、いかに視野が狭くなっているかという証拠かも知れない。
普段歩き慣れた道は、特に何も考えることなく風景が過ぎてゆく。
アングルを変えると、そこは日常とは違う映像がある。
それは、どんなに身近で見慣れた場所であっても、見方を変えれば必ず発見があるということだ。
意識的にそれをさせてくれるのが、カメラだと思う。
戦場カメラマンは、カメラのファインダーを覗けば恐怖心が消えてしまうという。
この場合、それとは少し性質が違うが、カメラというのはそこまで人間の心理を変えてしまうということを示唆しているのは間違いない。
カメラを持って「探し回る」ことも、新しい発見を促す小道具として重要だと我輩は考える。
カメラを持っていればこそ気付く世界もあっていい。
そういう意味では、カメラというハードウェアも、人間の気持ちを高めるようなカメラであって欲しい。
ところで話は変わるが、今日、ニコンF4を借りた。
さっそく外観撮影をしてホームページに反映させようと思っている。
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