[036] 2000年 5月22日(月)
「安けりゃいいのか?」
今でこそデジタルカメラの出番が増えてきたのだが、やはり屋外で撮影するのは銀塩カメラのF3だ。
電池の心配も無く、必要とあらばフィルムも現地調達が可能である。
最近、フィルムスキャナーによるパソコンでの取り込みが増えてきたため、ネガでもリバーサルでも同じように使えるようになった。
そうなると、扱い易さや手に入り易さ、現像の上がり時間を考えると、自然とネガに傾いていく。
しかし困ったことに、フィルム現像料金が異常に高い。「プリント料0円」というところが増えてきているが、単にフィルム現像料金に上乗せされているに過ぎない。どうせフィルムスキャナーで読み込ませるのであるから、サービス判のプリントなどゴミになるだけだ。中には、「インデックスプリント」というものを強制的に抱き合わせ、高い現像料金を請求するミニラボもある。
「同プリ(同時プリント)のほうがおトクですよ」
知るか。いくらトクでも、必要無いものまで要求しようとは思わぬ。写真などという、自然環境システムに悪影響を与える趣味を持っているのだから、少しでもその影響を軽くしたいと思っている。オマエはそうは思わんか、受付のアルバイト君よ。
ヨドバシカメラのような大きな所は純正仕上げに回すらしく、フィルム現像のみでも余計なことはしてくれない。しかし、フィルム現像ごときで電車を使って上野まで行くのもバカらしい。結局、上野へ行く別の用事ができるまで、現像は出せないのだ。
しかし、「プリント料0円」などという妙な競争がはじまったのも、消費者がバカであるからだ。
過去にも同様な競争があった。
例えば、「望遠であればあるほど素晴らしい」という風潮があった時期、特にコンパクトカメラが異常な競争を繰り広げた。まるでゾウの鼻のように、レンズが伸びる伸びる。そういうカメラに限って、開放F値は書いてない。書けないほど暗いレンズだからだ。
それから、高機能を詰め込む競争もあったな。カメラを買った本人さえ、自分のカメラにどんな機能が付いているか把握できていない。我輩が教えてやると、「こんな機能もあったのか」と驚く。オイオイ、それがこのカメラのウリじゃなかったのか?
諸君が考える以上に、世の中、バカ者が多い。
そもそもプリント写真は、よほど注意深く焼き付けなければ満足な結果は得られない。撮影者がシャッターを切った後も、まだまだやる事は多い。とてもエネルギーの要ることだ。それこそ、写真店の店主と友達になるくらいコミュニケーションがとれていなければ、満足出来るような色は出ないだろう。
逆に、美しいプリント写真を持っている者は、かなりの達人と言える。
しかし、「プリント料0円」というのは迷惑な話だ。ちょっと前の生命保険のように、それ以外のコースは全てが「特殊」とされ、不自由を強いられる。
聞いた話だが、同時プリントに出したらネガにキズが付けられ、クレームを付けると「お客さ〜ん、プリント料0円だらね〜。そんなところまで保証してないんだよ。」とタメ口で言われるそうだ。全てがそんな店ではないにしろ、やはり店側の意識が低下していることを象徴している。
安けりゃいいとでも思っているのか?
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