[019] 2000年 4月29日(土)
「最近のプロ用カメラ」
キヤノンEOS−1Vのカタログを入手した。なかなか気合いの入った印刷物だ(我輩は印刷業界に近いので、どうしてもそこから評価してしまう)。
冒頭から防水性をアピールしているところなど、やはりプロ用カメラとして開発されているカメラだということを感じる。しかし読み進めて行くと、プロ用もかなり自動化されてきていることが分かる。これを技術の進歩と呼ぶには、いささかその速度が速すぎる。もっともパソコンなどと比べると遅いほうだが、これはカメラだろう? F3など20年も変わらなかったぞ。
我輩が思うに、これはリストラの結果なのかも知れぬ。
売れているプロカメラマンといえど、やはり広告業界が冷え込んでいるからには、やはり経費削減は避けて通れまい。そうなると、アシスタントのうち1人は辞めてもらおうと考える。そのためには、カメラを強力にし、合理化を図る必要があるというわけだ。
もっとも、最初からアシスタントなど持たぬカメラマンもいる。そういう人間には、「アシスタントを持てる」ということが購入動機となるだろう。今のカメラは、挨拶もできないアシスタントよりは使えるハズだ。
一方、アマチュアカメラマンはどうか。
「カメラの自動化」というアシスタントの出現によって、怠け者カメラマンが増えてきたように感じる。
そう、かつては我輩もそうだった。
ガラにもなくアシスタントを持ち、文句も言わぬ忠実さをいいことに、そのアシスタントにおぶさっているのだ。
プロなら、そこはきちんとわきまえており、人には任せられないものは自分でやり、誰がやっても同じことについてはどんどん人任せにする。メリハリが利いている。逆にそうでないと、カメラマンとしては食って行けない。
普通、プロ用と言えば「業務用機材」だ。一般人が手に入れることはない。しかしカメラは違う。プロが使う機材と同じものが手に入れられる。
せっかく堅牢性を謳っているのだから、自分の意志を全面に出し、カメラを使い倒せ。
それとも、カメラというアシスタントに笑われたいか?
ところで話は変わるが、この「EOS−1V」という名前、いったいどういうネーミング・ルールなのだ? これから先、新型はどんな名前にするのか? まさか「EOS−1スペシャル」とか、「EOS−1ハイパー」?
きっと今の開発者は、前任者を恨んでいることだろう。
「こんな安易な名前付けやがって、最初はいいだろうが、これからどう収拾つければいいんだ?」
我輩が提案するに、「EOS−2000」などというものがいいのではないかと思うが。どうせ安易なら、どこかのOSに習えばいい。
いや、笑えぬ冗談か。
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