●モデル撮影で何を求めるか
我輩は、モデル撮影がスムーズに行えるよう、モデル嬢とのコミュニケーションが必要であろうと考えた。そのためのツールとして5年前にブログも開設したことは前にも述べている。
しかし我輩にとって、モデル撮影はモデル嬢と仲良くなることが目的ではない。それは単なる手段に過ぎぬ。
我輩が最終的に何を得たいもの、それは他でもない「自分自身の探求」である。
一般的に、「女性写真は天使に見えるよう写すべし」という不文律があろうかと思う。つまり、美しく写すということ。
もちろん我輩も、女性写真は美しく写したいとは考えるが、方向性が世間一般とは完全に異なる。
我輩は女性写真に無味無臭な天使を求めているのではなく、生々しい存在感のあるリアルな女として写したいと思っている。
そのための要件として幾つかあるが、それらには我輩の強いこだわりがあり、例えば「毛穴までしっかり描写する鮮明さ」もその1つで、わざわざ鮮明さを失わせるソフトフォーカス撮影など何の価値も見出せない。
また「肌の色」にも強くこだわり、たとえ雰囲気満点の夕陽の中でモデル嬢を撮るとしても、夕陽の色カブリは許さない。もしそのような状況で撮ることがあれば、モデル嬢にはストロボ光を当てて正しい肌色が出るよう対処するだろう。夕陽の雰囲気をブチ壊す不自然な仕上がりになろうとも、要件を満たすことを優先する。
とは言うものの、自分が自分自身を全て知っているわけではないこともまた事実(参考:
雑文816)。
モデル嬢の選定、コスチュームの選定、本番撮影、そして出来上がった写真の結果判定、それらを通して初めて自分の趣味、嗜好、性癖に気付くことも多い。そしてその気付きを次の撮影に反映させ、更に精鋭化させていく。
そのサイクルを繰り返すことによって未知なる自分を暴く探求行為こそが、我輩がモデル撮影をする目的と言える。
●新しいモデルの発見
さて
前回の団体撮影にて、お気に入りモデルを増やすことはなかなか難しいことを実感した。宣材写真やブログ掲載の自撮り写真は実物を表していないことが多い。
もちろん、参加回数を増やせばそれなりに当たりが来るかとは思う。下手な鉄砲、数撃ちゃなんとやら。
とは言っても金や時間に限りがある以上、無制限に参加は出来ない。事前にリサーチを重ねた上で「このモデルならば間違いない」と確証を得ることが肝要。
今のところ、お気に入りモデルは最初に撮影したR嬢のみだが、もう少し背の高いスタイルの良いモデルも見付けたいと思っていた。
そんな時、別の撮影会スタジオのウェブサイトに掲載されたモデルの画像を見てピンと来た。モデルの名前はF嬢としておく。
そこに載っているF嬢の画像は、本来ならば可否を決められないほどの小サイズであり、しかもバストアップのみ。しかしながらどうしても気になって仕方無く、モデル名で検索したところ、数は少ないものの、過去の撮影会でカメラマンが掲載したものが見付かった。
一般的に、女性写真では撮影カットによって顔が違って見えることはよくある。場合によっては同一人物だとは思えないことも珍しくない。
髪形や化粧、そして服装の違い、あるいは同じ撮影日であっても表情や光の具合によってもガラリと変わる。撮る時にはそういった変化が面白いとも言えるが、モデル選定時には判断を迷う。
今回検索で見付けたF嬢の写真は、この例にもれず幾つかの顔を見せていた。しかしどの顔も我輩の趣味に合致するので驚いた。こういうことはあまり無い。
しかも手足が長くスタイルが良い。そして何よりシャープな目がセクシーで、笑顔が大変良かった。「ツボにハマる」という言葉があるが、今回まさにそういう感じがする。
なお、そのスタジオは初めての参加なのでどういう撮影形態なのか調べてみると、広いスタジオ内で10人ほどのモデルそれぞれを囲んで撮影となるらしい。参加費は1時間6千円だが、4時間参加では1万円(1時間あたり2千5百円)と割安になる。
またモデルの中で特定の1人だけを1対1で撮影したい場合にも対応しており、その時は参加費1万円を払えばモデルを指名して占有することが出来、1対1で1時間撮影可能になるとのこと。我輩のターゲットはF嬢1人に定めたので、今回1万円を出すこととする。
ただし1対1撮影を事前予約するには枠を2時間分で確保せねばならず、1時間としたい場合は当日受付のみとなる。金の乏しい我輩は当然ながら1時間のほうだが、もしF嬢が人気を集めて事前予約が入ってしまうと我輩はF嬢を撮れないということになる。
不謹慎ながら、F嬢がそれほど人気を集めないことを願った。
●撮影計画
撮影サンプルやスタジオの写真を見ると、スタジオは外光がよく入る明るい場所のようだが、それでも我輩はストロボにこだわる。そこにあるがままの光源を使うことは、自分のコントロール出来ない要素を増やすことに繋がり、結局は行き詰まって面倒なことになるからだ。
前回の1対1撮影で投入したバンク(ソフトボックス)では
設置上の失敗があったが、今回は設置方法を改善して撮影に臨む。これでどれくらい効果が上がるのかを見てみたい。
また環境光として全体を弱く照らすバウンス用の1灯と、モデル嬢背後から直光を与える1灯を加え、灯数としてはいつもの3灯にまとめる。
カメラは、標準ズームと望遠ズームをそれぞれ装着したOLYMPUSのカメラ2台「E-M1」と「E-M5 Mark2」を用意することとした。「E-M5 Mark2」のほうは縦位置にてフリーアングル撮影出来るので、縦位置を多用するモデル撮影では有用であろう。縦位置グリップも装着しておく。
ただ残念なことに、後半の写真を見ていくと立体感は弱くなっていた。恐らく、カメラの背面液晶表示が硬調であることから惑わされ、立体感を弱めるライティングに調整してしまったのかと思う。もったいないことをした。
なおピントについては、顔認識モードによって目にピントが来ているのは当然であるが、顔認識されなかったカットもあったようで、その場合は当然ながら通常のフォーカスエリアのほうにピントが合っている。それについては今後の反省点となろう。いくら機械任せとしても、顔認識しているかどうかの確認はすべきだった。
だがあの時は、そういうところまで気が回らなかったというのが正直なところ・・・。
いずれにせよ、ピンボケカットが大変悔やまれるほどに今回のモデル嬢とライティングは良かった。いつもならば軽微なピンボケであっても容赦無く削除するのだが、今回ほど削除に悩んだことは無い。
結局、縮小処理すれば十分に見られるような軽微なピンボケカットについては消すことは出来なかった。
この微小なピンボケカットを心置きなく削除するためには、またF嬢を撮るしかあるまい。
撮影時の悪夢が甦るが、これは神が与えたもうた試練かも知れんな(ダジャレ失敬)。
さて最後となるが、今回の撮影写真を
別のウェブサイトに掲載したのでこの雑文からリンクする。
この雑文上で写真を直接表示しない理由は、今後のモデル撮影に不都合があろうかと考えたため。それゆえ、別サイトとして分け、この雑文の記事が直接写真と関連を持たない一方通行リンク状態とした。