2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[575] 2006年07月13日(木)
「お見合いマッチング」

>>ソニーがαマウントの一眼レフデジタルカメラを発表!<<
そのニュースは衝撃的だった。
店頭でも予約受付中のチラシが目に入る。名前は「α-100」。

写真を見ると、ペンタ部に"SONY"の文字。
「なんだこりゃあ? 持ち歩くのが恥ずかしいな・・・。こんなの誰が買うんだ?」
一目見てそう思った。家電の臭いがプンプンしてくる。
それに比べ、Canon製一眼レフはカメラという感じがする。
「一眼デジカメ買うなら、EOSだろ。」

これまで我輩はデジタルカメラを何台も購入してきており、140万画素から始まり、200万画素、300万画素、500万画素、800万画素と徐々に増やしてきた。
一方、1680x1050のワイド液晶ディスプレイも新たに導入し画像が小さく見えることになり、また業務に於いても印刷用の素材としての用途も浮上してきた。そのため画素数が増えても持て余すようなことはなくなり、むしろ低画素デジタルカメラの使い道が無くなった。

現在、我輩の所有するデジタルカメラの最高画素数は800万画素の「RICOH GR-D」である。
ただしこれはスナップ専用のコンパクトタイプであるから、レンズ交換はおろかズームさえも出来ない。
レンズ交換が出来ないということは、商品撮影は不可能であることを意味する。被写体を大きく写そうと思えば接近する以外に方法は無く、そうなれば遠近感のコントロールが思い通りにならない(参考雑文:267「年の差」536「車の撮影」)。
やはり厳密な撮影は、一眼レフタイプでなければ難しい。

我輩が所有している唯一の一眼レフタイプデジタルカメラは、5年前に中古で購入した「Canon EOS-D30」であることは今さら書くまでもない。
名前が現行の「EOS-30D」に似ており紛らわしいが、キノンが最初に出した一眼レフタイプデジタルカメラとして当時話題にのぼった。
画素数は約300万画素と、別に所有している800万画素の「RICOH GR-D」と比べるとかなり小さく、そろそろ用途も限られるようになってきた。
また、雑文566「ビルオーナーの気持ち」でも書いたように、バッテリーが寿命間近で屋外での使用も難しい。
思い切って、新しい一眼レフデジタルカメラの導入を検討すべきか。

とりあえず、金銭的なことは後から考えることにする。
我輩の所持金はおよそ1万5千円。当月の小遣いはあまり使っていないため我輩にしてはかなりの金額ではあるが、一眼レフタイプデジタルカメラを購入するには少し足りない。最低でも5万円、そこそこのものを買うには10万円前後の予算が必要であろう。
まあ、「手段は後、目標が先」なのはいつものこと。

では機種選定についてだが、まず候補に挙がるメーカーとしては当然ながらキノンである。
交換レンズなど現状のまま使えるため、ボディのみをそのまま入れ替えるだけで面倒が無くて良い。

好都合なことに、旧型「EOS-20D」と新型「EOS-30D」を比べると、決定的な違いは無い。画素数も同じ。
中古で旧型「EOS-20D」を狙えば、かなり割安で手に入れることが出来るはず。
Web上での中古相場を調べてみると、およそ10万円弱。

さて、肝心の金策である。
最近、深夜まで残業することが多かったため、恐らく給料上昇分は3〜4万円ほどかと予想。もしかしたら5万円行くか。
いずれにせよ、去年の別会社出向期間中は残業ゼロだったため、それを前提に生活していた2年間を考えれば、残業代のアップ分をカメラ購入へ回しても許されよう。
毎月2万円積み立てるとして、10万円ならば5ヶ月間か。

ヘナチョコ妻にそのことを相談し、どう思うか意見を求めた。ヘナチョコであるから答えはすぐに出ないが、渋っているのは間違い無い。ヘナチョコが考え込むと我輩はすぐに話題を変えた。
ただし、それから数日間は同じ相談を続けた。その度にヘナチョコは「そういえばそういう話題があったねえ」という反応だったが、考え込んでしまうと我輩は話題を変えた。

そして1週間。
いつの間にか、カメラを買うという話が前提になっていた。

予算は、余裕を見て12万円と考えた。
ヘナチョコは「じゃあ半年間積み立てて買うということで。」と言ったため、慌てて「前借りで。」とお願いした。
しかし金が無いと言う。
そこで一つ思い出した。ちょうど、社内預金解約のためにまとまった金が入金されるのだ(不景気のため社内預金が廃止となった)。

金策は出来た。
そしていざ購入という段階に来た。
そこでふと思った。
「そういえば手元のCanon EFレンズ、それほど充実しているわけではなかった。広角は24mm止まりで、35mm判換算で38mm程度・・・。」

我輩所有AFレンズで充実しているのはMINOLTAαであり、広角も17mmまである。これなら24mm感覚で使える。
いっそ、MINOLTA製デジタルカメラにするか?
そうなると、「α-7デジタル」が選択肢になろうか。
調べてみると、ボディ内手ブレ補正機能があり、どんなレンズでも手ブレ補正が効くことが分かった。これは良い。

ところが、画素数が610万画素ではないか。
主な買い替え動機が画素数アップであるから、610万画素というのは受け入れられない。
しかも、起動時間が2秒というのもツライ。最初に検討していた「EOS-20D」の起動時間が0.2秒であるから、かなり見劣りする。
「αSweet DIGITAL」も調べてみたが、起動時間は1秒ではあったものの、画素数は同じく610万画素。

「くそ、MINOLTAはカメラ分野から撤退したから、もう新機種は望めんのだ・・・。」
そんな時、ふと思い出した。
「SONYのデジカメ・・・か?」

冒頭で貶(けな)したSONYの一眼レフデジタルカメラ「α-100」。
見ると、画素数は1,020万画素と十分。起動時間は0.9秒。予想価格は10万円弱。
「う〜む、まあまあか・・・。」
今ひとつ納得出来ないが、少し興味が出てきた。

SONY製というイメージがどうしても引っかかるが、このカメラを使えば我輩所有αレンズの広角17mmから望遠300mmが活かせる。しかも、それらが全て、手ブレ補正される。
何より、画素数は1,020万画素というのが良い。先日のA1サイズポスターの仕事も、これくらいの画素数があれば何とか使えたろう(参考:雑文573「撮影依頼」)。

予算の範囲内で1,000万画素クラスの一眼レフデジタルカメラが手に入る・・・。
当初は800万画素が上限と思われた今回の買い替え計画だったが、一気に1,000万画素がターゲットに入ってきた。

残念なことにまだ発売されていない機種のため、Web上でも情報が限られている。
店頭でも簡単なチラシのようなカタログしか無い。
書店に行ってみると、「月刊カメラマン」と「月刊CAPA」が「α-100」の特集を組んでいたのでまとめて購入。その分の出費が痛いが、高い買い物であるから研究するためにはやむを得まい。

「α-100」は1,000万画素ながらもビギナークラスであるらしく、電子ダイヤルは1つしか無い。マニュアル露出しか使わないため、出来れば電子ダイヤルは2つ欲しいのだが、まあ多少不便ではあるが、絞りはAVボタンを押しながらでも良かろう。
何と言っても、1,000万画素だからな。

さて、想定される用途の一つとして、テーブルトップスタジオがある。
例えばネットオークションの説明用商品写真や、レア物を手に入れた時の記念撮影などである。
これまでは300万画素というサイズのため、あまり本気になって撮影することはなかった。心の片隅には、「所詮、300万画素だからな」という意識があり、適当に撮って適当に画像合成して辻褄を合わせていた。

それが今回からは1,000万画素になるわけで、66判で撮影するように慎重にセッティングせねばならぬ。
ちょっとでもホコリが落ちていれば、1,000万画素のカメラであるから写り込んでしまう。
逆にいえば、気を入れて写せばそれだけの結果が出るとも言えよう。
楽しみだ。

・・・待てよ?
テーブルトップスタジオで撮影するために、ストロボのシンクロコードを繋ぐ必要がある。「α-100」がビギナークラスだとしたら、シンクロソケットが無いという可能性もあるのではないか・・・?

その予感は的中した。
確かに、このカメラにはシンクロソケットは無かった。
しかも、シンクロソケット増設アダプタを付けようにも、MINOLTA特有の形状をした専用ホットシューである。そのため、まずJIS規格のホットシューに変換した後、改めてシンクロソケット増設アダプタを付けねばならない。
実際に手元のα-707siでやってみたが、2階建てのような状態となり接触不良の確率も高くなることが容易に想像出来る。
MINOLTAのAFカメラはこの点が非常に煩わしい(第一世代のαを除く)。


−MINOLTA αシリーズでシンクロコネクタを設置するための荒技−

初めからシンクロソケットが付いていれば何の問題も無いのだが、余程の高級機でない限り省略されている。
(参考:雑文337「最初に水没するのは」
まさか、シンクロソケットには高度なテクノロジーが使われており、安価なカメラでは搭載不可能とでも言うのか?

「α-100」がいくら1,000万画素であっても、ストロボが使えないのでは意味が無い。せめてJIS規格のホットシューがあれば何とか我慢したのだが・・・。

予約注文寸前のところだったが、思わぬ仕様不足により「α-100」が購入候補から外れてしまった。
なんということだ、心はすでに1,000万画素だというのに!
こんな状態で800万画素に収まるわけがなかろう。

そういうわけで、他にシンクロコネクタの付いた1,000万画素のカメラを探してみると、「Canon EOS 5D」か「Nikon D200」しかない。
「EOS 5D」は35万円と議論の余地無し、「D200」は20万円と多少安いものの予算は完全にオーバー。しかもNikon製である。

念のために中古を検索してみたところ、「EOS 5D」は30万円とやはり論外。
一方「D200」は15万円のものがあり、予算12万円に近い。
「ウーム、頑張れば中古のD200が手に届きそうだが、しかしNikon製カメラだからなぁ・・・。」

この状態は、例えるならばコンピュータマッチングによるお見合いシステムみたいなものか。
学歴や年収、身長、体重などの条件は合致していても、フィーリングが合わなくてねぇ・・・みたいな感じに似ている。
何となく、女性の気持ちが分かるような気になった。
やはり年収(画素数)が少ないとしても、フィーリングの合う男前「EOS 20D」を選ぶか。

しかし我輩は熟考した末に、フィーリングよりも条件を優先させることにした。
年収(画素数)が高ければ用途も広がる。学歴(MFレンズ資産が活かせる)の高さも魅力。
フィーリングが合わなくとも、長くつきあえば馴染むことだろう。情熱は感じないが、それもひとつの選択肢である。
まあいずれにせよ、初婚(新品)では敷居が高いため、再婚(中古品)となるわけだが、贅沢は言っていられない。

以上のような経緯で、ようやく「Nikon D200」に決定した。
結局、この結論が出るまでに2週間ほど悩んだことになる。
機種が決まったら、あとは購入するのみ。

中古品がターゲットであるからと、まずネットオークションを探した。
ネットオークションでは、出品者にもよるが状態説明がかなり細かく記述されていることがある。写真説明も付いている。下手な中古業者よりも安心出来ることすらある。
もちろん、説明不足の出品物もあるが、そういうのは無視する。
オークションであるから最終日まで値段は分からないが、だいたい15万円前後と見た。即決価格が付いているものもそれくらいである。

そこでふと、「価格.com」で新品の最安値を調べていないことに気付いた。ヨドバシカメラやコジマ電器で20万円の値が付いているから、恐らくは18万円くらいがいいところだろう。
しかし実際に見てみると、最安値は15万数千円。中古と同じくらいで新品が出ているではないか。
かなり驚いたが、同じ値段ならば新品を選ぶのは当然のこと。
その場で注文した。

考えてみれば、一眼レフカメラを新品から使い始めるのは15年ぶりくらいではないかと思う。それは「BRONICA SQ-Ai」であり、それ以降は全て中古カメラばかり。

再婚者との結婚を覚悟していた今回の購入であったが、思いがけず初婚相手となり、まさにラッキーであった。


−到着したばかりのD200にAi50mmレンズを装着−