2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[566] 2006年03月14日(火)
「ビルオーナーの気持ち」

我輩は普段あまりテレビを観ないのだが、先日珍しくテレビ番組に見入ってしまった。
それは、ビルの耐震性についての番組である。

旧い建築基準法で建てられた昔のビルの耐震性が問題になっており、耐震補強をするにしても億単位のコストが必要だという。
ビルのオーナーは、「あと10年ほどすれば寿命が来て建て替えることになるビルについてそんな膨大なコストはかけられない」と取材で答えていた。
大手ビルオーナーならばまだしも、個人経営のビルオーナーであれば、予定外の費用はなかなか捻出出来るものではない・・・。


さて、先日、我輩の営業時代の先輩T課長から誘われて飲みに行った。「食うだけ食ってくれ、飲むだけ飲んでくれ」と気前が良い。
(「T課長」とは、雑文398「勝つためのこだわり」で登場した「T主任」のことである。)

勘定時に我輩は「いや自分の分くらい払いますよ」と財布を出したのだが、「いいから、いいから」などと言って払わせてくれない。
何かあるなと思ったら、今度の休みにT課長の所属するソフトボールチームの練習試合が我輩の地元でやることになったそうで、「撮影に来てちょんまげ!」と言われた。

ここ最近は寒い日が続き、ハッキリ言って億劫だった。
しかし退屈気味の豚児の気晴らしとして一緒に連れて行っても良かろう。車で行けば、行き帰りの寒さは何とかなる。

撮影機材については、当然ながらデジタルカメラしか選択肢は無い。
我輩はソフトボールそのものには興味が無く、撮影した写真を作品として残すことは考えていない。そうなれば、自ずとランニングコストの低いデジタルカメラが選択されることになる。
T課長としても、すぐに画像が見られるデジタルカメラでの撮影を望んでいる。

では、数多く所有するデジタルカメラのうち、どれを使うか。
言うまでもなく、一眼レフタイプの「Canon EOS D-30」である。

スポーツ撮影というのは、選手と同じフィールドで撮影出来ない限りは望遠撮影は必須となる。まさか広角専用のデジタルカメラ「RICHO GR-D」を持って選手たちと混じって撮影するわけにもいくまい。審判に偽装して撮影でもするか?

もちろん、OLYMPUS製ウルトラズームのコンパクトデジカメも持っているが、シャッターレスポンスが非常に遅く、一眼レフタイプに及ばない。またAFとMFの切り替えがすぐに出来ないのはスポーツ撮影では致命的。
(ソフトボールのようなスポーツでは、置きピンが有効な場面がある。AF/MFの切り替えがスムーズではないカメラではAFに頼らざるを得ず、シャッターボタンを押す度に測距し直すことになり使いづらい。)

ところで、「Canon EOS D-30」は2000年発売されたカメラで、デジタルカメラとしてはかなり旧いと言える。しかし、一眼レフ形式ということもあって基本性能がしっかりしており、画素数は300万画素と少ないのだが利用価値はそれなりに高い。
また、現在内蔵ストロボの故障があるものの、それ以外の大きな不具合も無く今でも順調に働いており、まだ数年間は使えそうに感ずる。

我輩は、当日に備えて2つのリチウムイオンバッテリーを充電しておいた。試合時間は1時間程度。バッテリー1個でも十分に足る。もう1個はいざという時のための予備として、多分出番は無いだろうが気まぐれで用意した。

練習試合当日、我輩はカメラを構えて選手たちを望遠レンズで追った。
デジタルカメラであるから、ボールをジャストミートする瞬間がその場で確認出来るのが良い。メモリも空にしてきたので撮影枚数も十分に行けるはず。

ところが、10分ほど経過してバッテリーが切れた。
「?・・・寒いから切れたか?」
まあ、予備バッテリーもあることなので、バッテリーを入れ替えて撮影を続行。まあ、最初のバッテリーは何らかの原因でうまく充電されてなかったのかも知れぬ。

だが、2つ目のバッテリーも10分ほどで切れてしまった。
慌てて最初のバッテリーを入れ直した。ポケットに入れて暖めていたので、もしかしたら復活するかも知れないが、元々低温に強いバッテリーだと聞くので、どれだけ効果があるか・・・。

やはり、そのバッテリーも入れた直後は満充電表示なのだが2〜3分ほどで切れた。そのため、数分ごとに2つのバッテリーを交互に入れ替え撮影続行を試みた。
また、完全にMF撮影に切り替えたり、画像サイズを小さくしてメモリに記録する電力の節約を図ったりしたのだが、それでも試合最後までは保たなかった。

1時間後にはもう一試合あったのだが、バッテリー切れのカメラでは何も出来ず、また豚児の鼻水が垂れてきたので、T課長には申し訳なかったが、家に帰ることにした。

それにしても、このバッテリーはもはや寿命なのだろうか?
確かに、発売から6年も経つカメラであるから、それも十分あり得る話。今までは室内撮影が主であったから、バッテリーの消耗についてはあまり意識したことが無かった。

今後野外で一眼レフ形式のデジタルカメラで撮影することがあれば、2つのバッテリーで20分程度の撮影しか出来ないわけである。いくら基本性能がしっかりした一眼レフ形式のデジタルカメラであっても、さすがにこれはマズイ。

では、新しいバッテリーを購入するか?
今まで通りの運用をするのであれば、新しいバッテリーも2個必要になろう。それなりの出費を覚悟せねばならないが、まあ、必要ならば仕方ない。

ここで、ふと思った。
「300万画素程度の旧いカメラに新たなコストをかけるのはもったいない。もう少し待てばフルサイズの安い一眼レフタイプのデジタルカメラも出てくるのではないか・・・?」

Canon製デジタルカメラはバッテリーの互換性が高いため、新しいカメラを購入したとしても流用可能ではある。しかし2台目の一眼レフタイプデジタルカメラがCanon製であるという確証は無い。もしかしたら所有レンズが豊富なNikon製になるかも知れない。あるいはズームレンズを多く所有するMINOLTA製になるかも知れない。PENTAX製もコンパクトで意外に良いかも知れない。

古いビルを持つオーナーが、今のビルにコストをかけて耐震補強をしたくない気持ちが、少し解ったような気がした・・・。