2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[852] 2015年12月03日(木)
「好きにやりたまえ」


最近、4Kビデオが撮影可能なデジタルカメラが増えてきたようだ。
我輩はそれを横目で見て、鼻で笑う。

「デジタルカメラにビデオ撮影機能など、要らぬわ。」

そんな我輩も、以前はデジタルカメラにビデオ撮影機能を求めていた1人だった。
何しろ、我輩のパソコン環境は、フルハイビジョンビデオの編集を前提にしたスペックとしている(参考:雑文736)。
フルハイビジョンは最終的にブルーレイビデオに書き込むため、ビデオフォーマットはAVCHD形式で一貫して取り扱うこととした。AVCHD形式は(当時としては)処理が大変重く、パソコンのCPU性能によって作業効率が全く変わってくる。

切り貼り編集後のレンダリングで時間がかかるだけならば放っておけば済む話だが、編集時にヘッドをちょっと移動させるだけで砂時計状態になったりコマ送り状態になったりすると、我輩の作業そのものが捗(はかど)らない。

またハードディスクも、当時は「1TBのハードディスクなんて使い道が無いだろう」と言われていたものだが、ビデオ編集では未編集のソースファイルと編集済みのファイルを保存するための容量が必要となる。もちろん、ビデオ撮影後ただちに編集出来れば良いが、作業時間が取れずに未編集ファイルのまま溜め込むことも多い。
結局のところ、ビデオ用途にはハードディスク容量はいくらあっても足らぬ。

それでも何とかパソコンを増強し、フルハイビジョンのビデオ環境として不足を感じないほどには環境を構築した。
現在、我輩のパソコンにおいてRAW現像環境が快適なのは、ビデオ編集に必要なパソコンスペックを構築したことによる副産物と言える。

ところでビデオ映像というのは、家電環境で視聴することが大前提だと我輩は思っている。
パソコン上では様々な形式のビデオファイルを取り扱うことが出来るのだが、それはパソコンの汎用性が高いせいである。再生のためのコーデックをインストールしたりと環境を構築すれば良い。
だがそれはつまり、環境が整っていないパソコンでは再生出来ないビデオファイルもあるということを意味する。

業務上経験したことだが、形式を変換したビデオファイルを客先に納品した時、客先では「画面は出るが音声が出ない」とか「音声は出るが画面が出ない」とか、あるいは「全く再生されない」などということが良くある。

このような環境依存のビデオファイルは、いくら高画質であろうとも記録としての役割を果たさない。だから我輩としては、ビデオというのはいつでもどこでも再生が保障される家電ビデオ媒体(AV媒体)へ揃えることを大前提とする。

そういう理由によりこれまで我輩は、NTSCビデオのAV媒体は「Video-CD」と「DVD-Video」、フルハイビジョンビデオのAV媒体は「BD-Video」に作り込んでいた。これら歴代3種のAV媒体には、それぞれ家電プレーヤーが用意された。これらのプレーヤーを使う限り、再生出来ないということは有り得ない。

ところが最近、4Kビデオが撮影可能なカメラが増えてきた。
次のフォーマットとして高画質化するのは悪くは無いのだが、その次の8Kビデオも聞こえてくる。テレビ放送としても、既にNHKが8Kの試験放送を計画している。

我輩は以前、パソコン用液晶ディスプレイが、4K・8Kテレビの登場によって一挙に高解像度化することを予想した(参考:雑文811雑文815)。そしてそれを歓迎している。
しかしながらビデオ環境としてはまた別の思いがある。

「ビデオ編集はもう、ついて行けん・・・。」

せっかくハイビジョン編集環境を構築したというのに、また新たなフォーマットに移行せねばならぬとは。
いやそもそも、次のAV媒体は登場していないじゃないか。いまだブルーレイディスク止まり。4K・8Kビデオの受け皿となる媒体が、無い。

こんな状態で、いくら高画質な4K・8Kビデオが撮影可能なカメラがあったとしても、とてもビデオ撮影する気は起きない。
撮ったは良いが、その先、どうすれば良い・・・?

もう、ビデオはやらん。
メーカーは好きにやりたまえ。