2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
 F3 (F3H)
 FM3A
 FM2
 FM
 FE2
 FE
 FA
 FG
 FM10
 FE10
 F4
 F-401X

Canon
 AE-1P
 AE-1
 newF-1

PENTAX
 K1000
 KX
 KM
 LX
 MX
 MZ-5
 MZ-3
 MZ-M

OLYMPUS
 OM-3Ti
 OM-4Ti
 OM-2000

CONTAX
 ST
 RTS III
 Aria
 RX
 S2

MINOLTA
 X-700
 XD

RICOH
 XR-7M II
 XR-8SUPER

カメラ雑文

[801] 2013年11月10日(日)
「福島車中泊の旅」


●車中泊の事前計画

9月は3連休が2週続けてあるので、どちらかの連休で車中泊での一人旅をしたいと思っていた。
しかしながらこの時期は予想外に気温が高くなってしまい、車中泊をするには厳しいと判断して断念した。そこで次に狙うは、10月の3連休となる10月12〜14日。この時期ならばさすがに涼しくなるであろうし、雑文797にも書いたように、新しく入手するマイクロフォーサーズカメラ「OLYMPUS OM-D E-M1」を撮影に投入出来るタイミングでもあるので丁度良い。

そこで、行先の選定であるが、所詮は3連休。遠過ぎない範囲での検討となるわけだが、あまり近過ぎても車中泊の必然性が無くなる。このサジ加減が難しい。
都内を越えて行くのは疲れが倍加するので自ずと東北方面に目が行くのだが、そうなるとこれまでにも行ったことのある場所ばかりで目新しいものはあまり無い。
ただ、東日本大震災後に東北を目指すのは初めてのことになり、色々と見ておく必要もあろうかと思う。

これまで東北方面では、宮城県(蔵王)くらいは日帰り圏内であったわけだが、それは登山目的のみであった。だから登山以外にも周辺を色々と巡ることを考えると日帰りでは無理があろう。だからと言って登山無しというのも目的が弱い。やはり登山は前提とせざるを得まい。
そこで今回、福島の山「浄土平」を中心とした旅とすることを決めた。

浄土平へ行く目的は幾つかある。
まず、天体観測地として最適であるということ。これは雑文795にて手に入れたポータブル赤道儀を活かす絶好の機会となろう。1週間前に週間天気予報をチェックした限りでは、直前まで雨が降るものの連休にはギリギリ晴れそうである。
それから、一切経山を越えた五色沼湖畔にて、もっとゆっくりと時間を過ごしたいと以前から思っていたこともある。やはり日帰り行程では、帰りの体力や行動時間の制約が大きいため、どこか気持ちが落ち着かないところがある。
さらに、浄土平にて車中泊するためである。もし万一下界が暑い日であったとしても、浄土平は標高が高いため車中泊には支障が無いと考えた。車中泊では寒い分には着込めば良いが、暑い時には対処の方法が無いのだ。

さて、浄土平周辺にて登山以外の見どころが無いかと探したところ、裏磐梯から会津若松方面に幾つか観光ポイントがあるようで、今回の旅は浄土平と会津若松周辺をそれぞれ1日ずつあてることとした。
具体的な候補地は、裏磐梯では「磐梯山噴火記念館」、「裏磐梯五色沼(※)散策路」、「いなわしろ淡水魚館」。会津若松では「福島県立博物館」、「さざえ堂」、「末廣クラシックカメラ博物館」、「昭和なつかし館」とした。もちろん、これら全てを1日で巡るのは無理なので、その場その場の都合に合わせて取捨選択することになる。
(※吾妻山の五色沼と裏磐梯の五色沼は全く別の地域にある別の池)

また、裏磐梯ではボンネットバスが運行されているという情報を見付けた。旧車は撮影対象として我輩にとっては最適である。
これらの候補地はポータブルナビに登録しておき、必要に応じて呼び出せるようにしておいた。

撮影機材については、今回は新たに入手するマイクロフォーサーズカメラ「OLYMPUS OM-D E-M1」の実戦投入の場と考えている。そしてサブは「E-M5」とする。レンズは旅行では常に使う「7-14mm F4」は必須として、明るいズームの「12-35mm F2.8」、そして10倍ズームの「14-140mm F4.0-5.8」、望遠も何かに使うだろうと「100-300mm F4.0-5.6」を持って行くことにした。
一方、登山巡検では我輩的な制式記録という位置付けから銀塩中判カメラは不可欠なので、これについては「BRONICA SQ-Ai」と40mm広角レンズを用意した。そうなると当然、単体露出計も必要。

この3連休はごく普通の連休であり、ゴールデンウィークや年末年始盆休みなどの特別な日というわけでもない。我輩1人が勝手に決めた旅行ゆえ、旅費はなるべく安く済ませる必要がある。
宿泊については車中泊なので宿代は不要だが、ガソリン代と高速代はどうしてもかかる。ETC夜間割引を狙うならばやはり夜中走行となろう。いずれにせよ渋滞を避ける意味でも夜中走行以外に選択の余地は無い。
銭湯については、ウェブで色々と検索した結果、土湯温泉にて「こけし湯」というところを見付けた。入浴料は250円とリーズナブル。駐車場も広いようで有難い。

出発予定は10月11日(金)の夜。
しかし帰宅してからろくに睡眠も取らず出発するのも気が重い。それに新しく入手するカメラ「OM-D E-M1」の到着日でもあるので、思い切って午後半休を取って万全を期そう。そしてついでに、10月15日(火)も休暇をくっつけて4連休とした。これならば2泊して残り1日を休息にあてられる。


●10月11日(金)

職場にいたところ、朝9時には「OM-D E-M1」が届いたとのメールがヘナチョコ妻から届いた。届くのが早過ぎて気持ちが落ち着かないが、午前中に仕事を片付けることに手一杯で、余計なことを考えずに済んだ。

帰宅は14時近く。待ちに待ったカメラの到着だったので、箱の開封時点から記録写真を撮ろうと思い、室内のストロボのセッティングなどが忙しかった。これが済んでようやくカメラにバッテリーを入れてシャッターを切ったりした。

<到着したOLYMPUS OM-D E-M1>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
到着したOLYMPUS OM-D E-M1

さて、荷物の用意はこれからとなる。一応は携行品リストは作っているのだが、なかなか直前にならないと行動出来ないのが我輩の性格。しかも、寝具などは直前まで使うのでクルマに積み込むのは本当に出発直前となる。
浄土平までは高速道路を使って約4時間。夜間割引ギリギリに引っかかる午前3時くらいに出発すれば、午前7時には着くだろう。そこから逆算して、22時くらいに寝れば十分かと思われる。

しかし色々と準備をしているうちに23時になってしまい予定の狂いが発生。それに、寝具の積み込みをしないと他の荷物が載せられないので、起きた後の用意も慌ただしくなろう。
ならばいっそのこと、このまま寝ずに寝具を積み込んで早めに出発し、現地で車中泊としようか。
そういうわけで、実際の出発は24時半頃となった。


●10月12日(土)

最初の目的地をどうするか迷ったが、雨がまだ少し残っているようなので登山となる浄土平は後回しとしておこう。とりあえず車中泊として静かな立地と思われる裏磐梯の道の駅「裏磐梯」を目的地とした。
ガソリンは数日前に満タンにしてあったので、今回の出発時には満タンリセットの必要は無く、そのまま夜の道を走行して高速道路に入った。

<夜の高速道路>
夜の高速道路
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 00:48

いつもは音楽やラジオなどを聴きながら運転するのだが、単調さは眠気に繋がるので、今回は映画DVDの音声だけを流すことにした。映画ならばストーリーがあるので単調さは無い。しかも1度観た映画なのでシーンも思い浮かぶ。ちなみにタイトルは「スターゲイトSG-1」というものだが、1エピソードは1時間くらいで終わるが運転中は次のエピソードの再生操作が出来ず、次の回を再生させるごとにパーキングエリアに入ることになった。

最寄りインターチェンジから高速道路を降りたのは4時前くらい。
カーナビゲーションの示すラインに従って森の中を縫うようにひた走る。舗装され中央車線の引かれた立派な道路ではあるものの、対向車もほとんど出会わぬ真っ暗な光景。路面には大量の落ち葉が覆っており雨で濡れている。こういうのはカーブでのスリップに繋がるので気を付けねばなるまい。それに、所々で局所的な濃霧に包まれるので先行き不安になる。

<落ち葉の覆った真っ暗な道をひた走る>
落ち葉の覆った真っ暗な道をひた走る
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 04:15

そんな時ふと、こんな真っ暗な中で人里離れた寂しい場所に独りだということを改めて気付いた。我輩自身、クルマを運転するようになってそれほど経ってはいないが、電車移動の頃には考えられなかった旅を今しているのだと実感したのである。

最初の宿営地である道の駅「裏磐梯」に到着したのは早朝4時半頃。まだ辺りは暗く、夜中の景色と変わりない。
トイレに行ってから寝ようと外に出たところ、思ったより寒かった。ふと自分の身体を見ると半袖を着ている。やはりもう長袖の季節か。長袖の着替えは持ってきているので明日はそれを着ることにする。
クルマに戻ってスウェットに着替えて後部座席の布団にもぐり込んだ。毛布の上には掛布団は無いが、それで十分に思えた。
目覚まし時計を7時にセットして、眠りに入った。

次に目が覚めたのは7時少し前で、セットした目覚ましを鳴らすことはなかった。
周囲はすっかり明るくなっており、到着時には分からなかった周囲の様子がこの時初めて確認出来た。

<道の駅周辺>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
道の駅周辺
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 07:08

ところで、福島県の旅ということで放射線測定器を持参してある。福島原子力発電所の事故が起きてから初めての福島入りなので、放射線量も見ておきたいと思ったからだ。
車内で計測したところ、0.09μSv/hと思ったよりも低い数値で逆に驚いた。この数値は、千葉の自宅周辺での線量と同程度である。
ちなみに車内で計測したのは外に出るのが面倒なせいもあるが、これまで千葉県内でも車内で計測することが多かったため同条件で測定する意味もある。

<線量計の値>
線量計の値
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 07:19

とりあえず着替えて車内で軽く朝食を済ませ、これからの行程についてナビゲーション画面を見ながら考えた。ここから近いスポットは「磐梯山噴火記念館」と「裏磐梯五色沼散策路」であるが、雨が降ったりやんだりとあまりパッとしない空模様なので、自然地での撮影には適さない(雑文711のように雨天が好ましいケースもあるが)。しかしスケジュールを考えると、この先、経路としてムダ無く巡るためには天気についての贅沢は言えまい。

さて、まだ朝早い時間なので「磐梯山噴火記念館」はまだ開館していないはずだから、まずは「裏磐梯五色沼散策路」のほうへ行こうと思う。
ナビゲーション画面に従って走って行くと、目的地に広い駐車場があったのでそこにクルマを停めた。外は少し寒かったので、コンパクトジャケットを上から着て「E-M1」と「E-M5」を2台持って散策路に向かった。手軽さを優先してカメラバッグの類(たぐい)は持たなかった。空はどんより曇っているが、天気予報によれば晴れる方向にあるらしいので雨は降るまい。

<裏磐梯五色沼散策路駐車場>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
裏磐梯五色沼散策路駐車場
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 08:11

駐車場から少々歩くと、土産物店とその先に青い水を湛えた池が見えてきた。「蔵王のお釜」や「吾妻山の五色沼」ほどの神秘性は無いが、それでも普通の池にしては色が青く見えて興味をそそる。
我輩は、手にしたばかりの「E-M1」をここで本格的に使い始めた。

<E-M1を本格使用>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
E-M1を本格使用
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2013/10/12 08:27

ところが途中、ポツリポツリと雨がパラついたが、空を覆う木々のおかげでそれほど気になるものではなかったし、しばらくすると止んでしまうような程度だった。
一眼レフカメラで撮影している者がいたので邪魔せぬよう脇を通り抜けて行ったところ、そのタイミングで再び雨が降り出した。今度は少々強い降り方である。我輩のカメラは防滴なので良いとしても、先ほどの一眼レフカメラの者はどうだろうと少し気になった。まあ、木の根元でやり過ごせばそのうち止むとは思うが。

ところが今度の雨は意外にもザアザアと降り始め、木々による防御も全く役に立たぬ状態となり、我輩自身慌てた。
幸いにも防寒着代わりのコンパクトジャケットが撥水性で、フードを被れば上半身は雨に濡れない。しかしカメラのほうは?

<散策中にまさかの本降り雨>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
散策中にまさかの本降り雨
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 08:51

「E-M1」と「E-M5」は共に防滴を謳ったカメラである。先日などネット動画にて、「E-M1」に蛇口から流した水をジャブジャブかけながらシャッターを切る様子がアップロードされていたくらいだ。
とはいえ、謳っている"防水"ではなく"防滴"であるので、過信するわけにはいくまい。その場では大丈夫でも、後で不具合が出るかも知れない。そもそも、買ったばかりの新しいカメラをこのように濡らすのは心情的にも抵抗がある。
またそれ以上に、装着しているレンズの問題がある。
「E-M5」には「Panasonic 14-140mm F4.0-5.8」、そして「E-M1」には「Panasonic 12-35mm F2.8」が装着してあり、防滴仕様なのは「12-35mm」のほうだけだったはずなのだが・・・、それは我輩の思い違いかも知れず自信が無い。

コンパクトジャケットの内側にはカメラ1台分が入るくらいの余裕があったので、やむなく非防滴レンズを装着した「E-M5」だけをジャケット内に入れて保護し、「E-M1」のほうは防滴性能に任せることとした。レンズが心配だが、似た仕様の「12-40mm F2.8」が11月下旬に手に入る予定なので、最悪レンズがやられても立ち直れるだろう。
それでも最初はレンズを下に向けて極力レンズに水滴がかからぬようしていたが、徐々にそれも無意味になるほど雨が降りかかるようになってしまった。コンパクトジャケットにしても本格的なレインウェアではないので、あまり長時間雨に濡れていると染みてくるので安心は出来ない。

ようやくクルマに戻り、コンパクトジャケットを脱いで運転席に座って一息ついた。上半身は濡れなかったが、ズボンの前のほうがかなり濡れており、登山用に用意しておいたズボンに履き替えようかと考えたが、まずはカメラの手当が先。ボディに着いた水滴をタオルで丁寧に拭き、動作を確認したところ、特に問題も無く動いている。防滴性を謳っている製品なのだから、この程度の雨で使えるのは当たり前か。我輩が心配し過ぎなのかも知れん。

とりあえずホッとして、次の行動を考えた。時刻は9時。
インターネットにて「磐梯山噴火記念館」の開館時間を確認するために「Amazon Kindle(アマゾン・キンドル)」でGoogle検索しようとしたところ、なぜかGoogleの検索窓に文字入力が出来ない。どうやらGoogleの仕様が変わり「Kindle」では使えないようだ。
通信料がかかるが仕方無い、携帯電話からインターネットアクセスして確認した。それによれば開館は9時とのことで(※実は11月までは8時開館で、そのことは帰宅後に知った)丁度良いタイミング。これから向かうことにしよう。
距離はそれほど遠くは無く、1分くらいで到着。

<磐梯山噴火記念館> ※戻り時に撮影
磐梯山噴火記念館
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 09:48

600円の入館料は事前に知ってはいたが、その規模から見て少々高く感じた。
「展示物は撮影禁止」とあるのには参った。いくら小規模な展示館であっても展示の全てをその場で理解し記憶するのは不可能。中でも、磐梯山について過去に起こった火山活動による見どころは興味深く、後でそのポイントを巡ってみたいと思わせたのだが、撮影禁止なので暗記するしか方法が無い。こんなことならば、ポータブルナビを持ち込んでその場で幾つかのポイントを登録すれば良かった。
ただ、クルマに戻ろうとして出口に向かったところ、「希望者には周辺のジオサイトをまとめたパンフレットを配布する」との掲示があったのでそれをもらっておいた。

クルマに戻ったのは9時50分頃。雨は上がっていた。ふと見れば、濡れていたズボンはいつの間にか乾いていた。
これからジオサイトを巡ってみようかと思ったのだが、ふとボンネットバスのことを思い出し、事前にプリントアウトしておいたバス時刻表を確認した。どうやら「裏磐梯高原駅」というところから10時半くらいにボンネットバスが発車するようだ。その停留所が起点なので発車時間少し前から停車しているだろうから、その様子を写真に撮ろう。

しかしながらナビゲーション画面によれば、付近に「裏磐梯高原駅」という駅は見付からない。おかしいなと思ったが、バス時刻表の路線図から目星を付けてそこに行ってみることにした。
距離としてはそれほど離れていないので、「あそこの方かな」と先を見ながらクルマを走らせていると、視野の右側にボンネットバスの姿が不意に現れた。予想外だったので驚いたが、すぐにブレーキを踏んで方向転換し、近くの観光駐車場にクルマを停めた。

クルマを降りて近付いてみると、「裏磐梯高原駅」というのは鉄道の駅ではなく、バス案内所の単なる小屋であった。

<裏磐梯高原駅のボンネットバス>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
裏磐梯高原駅のボンネットバス
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 10:14

我輩はクルマ移動なのでこのバスに乗るつもりは無く、そのため少々遠慮気味に遠巻きに撮影してまわった。
我輩自身は昔の時代のボンネットバスの記憶は無いが、トラックのほうは長らくボンネット式も生き残って使われていたし、我輩の記憶にも明瞭に残っている。だからこの姿は懐かしい。

<ボンネットバス>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
ボンネットバス
ボンネットバス
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 10:15

ひとしきり撮影を終えてふと道路の向かい側を見ると、比較的大きな土産物店があったのでちょっと寄ってみたくなった。そこには駐車場もあったので、とりあえずクルマに戻ってそちらの駐車場に移動させた。

店内では特に我輩の興味をひく物は無かったが、見ると裏手に池があるのに気付いた。どうやらここは、先ほど雨に降られながら歩いた散策路の反対側のようだ。それは丁度良い。散策路は途中で引き返したので、実を言うと少々物足りなかった。今からちょっと歩いてみようか。
今度は雨に降られても良いように、登山用として用意したレインウェアを上下に着ておくことにした。さすがにもう雨は降らないとは思うが、肌寒いので着ておくほうが良かろう。

ところが歩いてすぐに雨が降り出した。一体どういうことだ、天気は回復する方向ではなかったのか?
上下にレインウェアを着ているので今度はズボンが濡れることはないが、カメラのほうは先ほどと状況は同じ。まあ、あれだけ濡れたカメラなので、今更濡れることを心配しても無意味か。防滴性を信頼して良いのか分からないレンズのほうにしても、先ほどは大丈夫そうだったので今度もまあ大丈夫だろう。
ただ、普通に傘をさして歩けるこういう散策路では、わざわざカメラを浸水の危険に晒してまで撮影するようなものではない。

<雨の五色沼>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
雨の五色沼
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2013/10/12 10:59

いずれにせよ、ここまで濡れれば今さらどうしようも無い。
その状況をムダにしたくないので、この様子を写真に撮っておくことにした。もし万一要修理となるにせよ、転んでもタダでは起きぬ。

<完全雨濡れのE-M1>
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完全雨濡れのE-M1
[OLYMPUS OM-D E-M5/7-14mm/ISO200] 2013/10/12 10:56

散策路は幾つかの池を巡るように続いているのだが、ポータブルナビで確認しながら歩いていると「まあこれくらいで良いか」と思える地点まで到達したので、そのまま来た道を引き返すことにした。
クルマに戻るとレインウェアを脱いで運転席に座った。さすがに身体は全く濡れていない。レインウェアの素材は高価なゴアテックス製ではないが、それなりに通気性のある素材でムレも無く助かった。

カメラについても、先ほどと同じように念入りに拭く。レンズの伸縮鏡胴部分も水分を拭き取った。1度拭いてもズーム操作で伸縮させると再び濡れたが、拭き取りを何度か繰り返すと濡れなくなった。
レンズマウント部分に漏水は無いかとチェックしてみたが、特に問題は無さそうに思えた。ただ、再びレンズを装着しようとしたところ、後端レンズの内面が少し曇っているのが見えた。ギョッとしてその状態を写真に撮ろうと思ったが、カメラを構える間に曇りは消え去った。
また、カメラ裏側を拭いていたところ、ファインダー接眼部のレンズ内面も曇っていたので「しまった」と思ったが、こちらも写真に撮る前に消え去り、二度と曇りは出なかった。

時計を見ると12時少し前。そろそろ昼食時か。
近くのコンビニエンスストアにて焼うどんの弁当を買って食べた。この手の焼うどんは油に浸っているようなものなので健康に良くないはずだが、これがなぜか旨く感ずるのでタチが悪い。

食事をしながら、フロントガラスにパラパラと打ち付けて外の景色を歪ませる雨を眺めていた。これはもしかして明日の登山計画にも影響があるやも知れぬ。そもそも寒さは想定外だった。
とりあえずは今からはどうしようか。
会津若松の市内観光ならば雨でも何とかなろう。そう思ってポータブルナビを操作したところ、途中経路に「いなわしろ淡水魚館」があるのに気付いた。まずはここに寄ってみるか。

クルマで走っていると、雨が止んで陽も射し良い天気になった。
目的地には30分もかからず着いた。駐車場脇に手打ちソバ屋があり、ちょっと食べたくなったが余計な出費になるので我慢である。そもそも飯屋に一人で入るのは好まない。
ところで、ここでの放射線計測では0.04μSv/hと出た。千葉県の自宅よりも低い値で驚いた。

「いなわしろ淡水魚館」の入り口はひっそりとしており、営業中なのかと少々不安になる。
窓口には誰もおらず、「少々お待ち下さい」というフダがあったのでキョロキョロしながら様子を窺っていると、奥からお姉さんが出てきて受け付けてくれた。

<いなわしろ淡水魚館>
いなわしろ淡水魚館
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 12:51

館内に入ったが誰もいない。
その奥に渡り廊下があってその先が水族館の本館らしい。しかし帰りの1家族とすれ違ったのを最後に、完全に我輩1人となってしまった。
確かに水族館そのものは小規模であったが、淡水魚と限定した範囲ではそこそこ充実していた。

<誰もいない館内>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
誰もいない館内
[OLYMPUS OM-D E-M1/7-14mm/ISO640] 2013/10/12 13:01

我輩は低速シャッターの手ブレ補正の強化されたという「E-M1」でチョウザメの撮影を試みた。なかなかユーモラスな顔つきでぜひ写真に収めたいところだったが、いくら手ブレ補正機能が強力であっても被写体ブレがあって上手くは写らなかった。やむなく感度をISO640まで上げたが、それでもやはり完全には止まらない。こういうケースでは「Nikon D600」のほうが適していたのだろうが、新しいカメラのテスト撮影も兼ねているので、失敗写真もまた結果として受け止めたい。

水族館には30分くらいいたが、外に出て改めて外観などを撮ったりしていて妙にシャッタースピードが速いことに気付いた。危ない、感度を上げたまま戻すのを忘れていた。気付かずそのままであれば、この後の撮影が台無しになるところだった。

さて、次はその先の会津若松市内に行こうと思う。
候補となるスポットは「福島県立博物館」、「さざえ堂」、「末廣クラシックカメラ博物館」、「昭和なつかし館」と4ケ所挙がっているものの、現時点で13時半なのでせいぜい2ヶ所が限度であろう。
「福島県立博物館」は規模が大きいようなので、ここを選ぶとそこだけで終わってしまうに違いない。歴史人文的な内容っぽいので撮影禁止の可能性も高く、今回は見送ることにしよう。とりあえず、「さざえ堂」に行ってみようと思う。

「さざえ堂」の近くには観光用の無料駐車場があることは確認済みで、ポータブルナビに位置をセットしクルマを発車させた。先ほどは陽が射したというのに、今は曇り空で寒々としている。長期的な傾向はともかく、現時点での天気は全く安定していない。

「さざえ堂」近くには30分ほどで着いた。駐車場が見えるところまで来たが、駐車場に入ろうとするクルマが前に3台ほど見える。見たところ、どうも駐車場は満車のようだ。
1台は駐車場に入るのを諦め、2台は駐車場にとりあえず入った。我輩も続いて入ってみた。
我輩を含めた3台は駐車場内で円を描いた転回状態で待機したのだが、やはり駐車場は満車。すぐに1台分空いたので、先頭の1台はそこに停めた。次のクルマは諦めたようで出口に向かう。その間に駐車車両に戻る観光客がいたので、出口に向かったクルマがそこに停めるのかと思って見ていたが、そのまま出て行ってしまった。
そういうわけで、駐車車両に戻った観光客がクルマを出したら我輩がそこに停めることになる。しかし急かすのも嫌なので、あまりそちらを見ないようにして待ち、空いたところで駐車した。

ここでのカメラはどうしようかと考えたが、巡検ではないので中判を使うまでも無かろう。さっと撮ってさっと戻るつもりだ。空模様が怪しいので傘を持って行く。
ポータブルナビの案内を徒歩モードに切り替え、「さざえ堂」のほうへ歩いて行った。ナビ案内によれば、細い生活道路のような坂道を歩けということらしい。こんな先に観光地があるのかと不思議に思ったが、やがて鳥居が姿を現し多くの観光客も見えてきた。「さざえ堂」はこの先にあった。

<さざえ堂への坂道>
さざえ堂への坂道
[OLYMPUS OM-D E-M1/7-14mm/ISO200] 2013/10/12 14:09

ここで「さざえ堂」について述べると、これは小さな木造の建物で、歴史的背景は不勉強で知らないのだが、入り口から螺旋状の階段を上がって行くと途中で下りの螺旋階段になるが、同じ階段を引き返すこと無く降りてくる特殊な構造になっているという。
以前、「さざえ堂」についてテレビか何かで見た記憶があったのだが、今回会津若松へ行くことを決めてから検索して初めてこの土地に「さざえ堂」があることを知ったのである。大きな興味があるわけではないが、ちょっと見てみたいとは思っていた。

「さざえ堂」へ伸びる石段を上がると、ちょうど案内の人が「さざえ堂」について説明をしているところだった。この時雨が降り出し、説明を聞くために集まった観光客たちは傘を差したので少々混雑気味で動けなくなった。
どうやら「さざえ堂」の階段を上がるのは有料のようだが、参拝料は400円とのことで躊躇した。「せっかくここまで来たのだから」という考えもあったのだが、「400円あれば良い物が食える」という気持ちも大きく、結局は階段上りは諦めた。どうせ中に入ってもその階段の特殊性は視覚として一覧出来ないだろう。要するに、内側から写真に撮っても面白くはないだろうということだ。外観が撮影出来ればそれで気が済むんだからいいじゃないか。

雨が降っているので、傘を差しながらの撮影となった。午前中にあれだけ濡れたので、多少の滴がかかっても気にすることは何もない。
それにしても雨空は白っぽく写るのでメリハリが無く残念である。青空ならば地味な建物でも写真映えしたろうに。

<さざえ堂>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
さざえ堂
さざえ堂
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 14:18-14:19

一通り撮影したら気が済んだので元来た道を降りようとしたところ、横道に進む観光客がいたのでそちらに行ってみた。するとそちら側が観光の表玄関らしく土産物店が軒を連ねていた。それに加え、長い階段とそれに平行して長い屋外エスカレーターがあった。それはまるで、江の島のエスカーのよう。

<屋外エスカレーター>
屋外エスカレーター
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 14:32

雨はとりあえずは止んだようだが、これまでの様子を見れば一時的なものだろう。
駐車場に戻ってみると相変わらず満車状態で、先ほどの我輩のように空き待ちのクルマがいた。この状態でクルマに戻るとすぐに発車せざるを得ないだろう。そうなるとポータブルナビの目的地設定をするヒマも無い。
仕方無いのでクルマに戻る前に外で立ったままポータブルナビで行先を決めることにした。

現時点での時刻は14時40分。やはりあと1ヶ所というところか。
次の行先は・・・とナビゲーション画面の地図をスクロールさせていたところ、「末廣クラシックカメラ博物館」が目に入ったのでそこを目的地にセットした。事前調査によれば駐車場があるはず。
目的地のセットが完了したので、クルマに戻ってもすぐに発進可能。予想通り、我輩がクルマに戻ると、空き待ちのクルマの運転手があからさまに反応し、いつでもクルマを動かせるかのような姿勢を取っているのが見えた。

駐車場を出てナビゲーション画面に従って走ると、一方通行が多い市街へ入り込んだ。一方通行は道を間違えるとややこしいので気を付けながら走ったのだが、目的地周辺まで来たと思われるのに駐車場が見付からず通り過ぎてしまった。「もしかしてあの狭い横道が駐車場への入口か?」と思ったのだが、一方通行なので戻れない。・・・と思っていたらおじいちゃんの運転する軽自動車とすれ違った。うーむ、高齢者は一方通行免除か・・・?
いずれにせよ、また回り込んで同じ場所に戻らねばならない。そして、今度は無事に駐車場に着いた。

「末廣クラシックカメラ博物館」は白壁造りの大きな蔵のような建物内にあった。建物の中に入ると、売店やら酒蔵の展示やらあったものの、一見してカメラの展示があるようには見えず、一瞬、場所を間違えたのかと思った。しかしカメラ博物館についての案内掲示があったので間違い無いようだ。その掲示によれば、売店レジにてカメラ博物館のチケットを買ってくれとのこと。
早速レジに並んでチケットを所望すると、300円払ったのちに展示室へ案内された。その部屋は先客がおらず明かりが落とされていた。

電気を点けてもらい、引き戸を開けて「どうぞごゆっくり」と言われ入ったのだが、我輩1人だけという状況で少々落ち着かない。こういう場所は通常、防犯カメラがあるはずで、我輩の様子もどこかで見られている(あるいは録画されている)のだろうかと余計なことを考えてしまったのである。
とりあえず、あまり怪しい動きをせぬよう撮影しようかと思う。ちなみに撮影はOKとのことであった。

<末廣クラシックカメラ博物館> ※アオリ修正&トリミング処理
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
末廣クラシックカメラ博物館
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 15:14

撮影については、展示品を1つ1つ撮影するのはとても出来ないし、やる気も起きない。品数が多いということもあるが、我輩は35mm一眼レフカメラの歴史以外の歴史はあまり興味が無く、それ以外のものは見るだけで気が済む。
とりあえず、ショーケース単位では全体を撮っておく。「E-M1」の1,600万画素ではとても1台1台の詳細は写らないだろうが、「こういうカメラがここにある」というインデックス的な意味での記録はしておこう。

<インデックス的撮影> ※アオリ修正
インデックス的撮影
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 15:11

その後、改めて1台1台を撮っていく。
やはり、我輩の人生に関わったカメラに興味を持つ。実際に使っていたカメラだけでなく、当時憧れていたカメラや、興味を持って眺めていたカメラなどである。

中でも、「ディスクカメラ(1980年代後半)」は幾つも展示されており興味をひいた。
当時はコダックから鳴り物入りで発表されたのだが、どう見ても主流となるとは考えられず、手に入れたいとは思わなかった。しかしディスクシステムの斬新な発想とメカニズムには興味をそそられた。何しろ、円盤状のフィルムを1コマ分ずつ回転させて撮影するのだから、さすがの我輩も度肝を抜かれたのだ。
ただし、「ディスク」と言うと連続的な回転体というイメージがあるが、このカメラの場合はどちらかと言うと「リボルビング」なのだ。
そのシステムのメリットとしては、撮影途中でもフィルム(ディスク)交換が可能で、現像所でもスピンドル(回転軸)に複数枚のディスクを挿して大量処理出来るなどと記憶しているが、フィルム面積が小さく画質が決定的に悪かった。もちろん実際に使ったわけではないので写真現物は見たことはないが、カタログに掲載された作例の時点でかなり粗かったのだからどうしようも無い。
「こんなものが存在し得たのだから面白い時代だったなあ」としげしげと眺めるのである。

<ディスクカメラ>
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ディスクカメラ
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 15:14

それから、使い捨てカメラの元祖「セルビ(1980年代後半)」もあった。
「セルビ」は110サイズのフィルムを使うトイカメラで、フィルムカートリッジがハミ出す構造から「ヤドカリカメラ」と呼ばれることもあり、その後同じ構造のカメラがメーカー違いで数多く発売されていた。OEMなのか、あるいは類似品なのかは今でも分からないのだが、名の知れたメーカーは1つも無かったので類似品なのだろう。ちなみに我輩も同じタイプのものを持っていた。
ところが同じタイミングで富士フィルムから「写ルンです」という使い捨てカメラ(※)が登場した。110フィルムを使うタイプで、明らかに「セルビ」を意識したカメラであった。我輩は「使い捨てとは思い切ったことするなあ」と思ったが、結局は110サイズでオモチャの域を出ないもの。いずれこのタイプのカメラは世間的にも飽きられてしまったが、富士フィルムだけは35mmフルサイズにバージョンアップしたものを出し、その名も「写ルンですHi」とした。その路線が当たって実用として広く受け入れられたことは、今更我輩が書くまでも無い。
(※当時は「使い捨てカメラ」と呼ばれていたが、環境配慮のため「レンズ付きカメラ」と改名された。)

<セルビ>
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セルビ
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 15:13

また、雑貨的な物の中に「タムロン・フォトビクス(1980年代後半)」があるのに気付いた。これは懐かしい。この装置は、我輩が写真を初めて電子化する時に使った記念すべきものである。
元々、「フォトビクス」は写真をテレビに映す機械という位置付けであったのだが、我輩はこれをVHS-HiFiビデオデッキに繋いでビデオテープに録画していたのだ。今で言うフィルムスキャンを、当時はアナログでやっていたわけだ。
しかしアナログでのビデオ記録はスチル再生では画像が揺れてクオリティはあまり良くなかった。だから、CCDからの信号をデジタルの状態で記録する方法は無いものかと考えた。「フォトビクス」を分解して色々考えたりしたが、シロウトに手に負えるものではなく、結局「フォトビクス」は分解状態で廃棄処分となってしまった。

<タムロン・フォトビクス>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
タムロン・フォトビクス
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/12 15:25

それにしても、ショーケース越しの撮影では映り込みは厄介だった。手持ちの紙や身体全体で覆って遮光すれば良いのだろうが、どこで録画されているか分からないしあまり怪しい動きをするのも憚られた。

さて、一通り撮影を終えて一息ついた。時計を見るとまだ30分くらいしか経っていなかったが、やることはやり終えてしまった。出口付近の本棚に昔のカメラ雑誌がギッシリ詰まっていたが、ジックリ読むような環境でも無いし、クルマに戻るとするか。

外に出ると小雨が降っていたが、まだ空はそれほど暗くない。時刻は16時で、まだ生活時間に入るには早いかと思ったが、クルマに戻ってしばらく考えた末、「さざえ堂」近くにあった大きなスーパーマーケットで食料品を買い込むことにした。
途中、「カメラのキタムラ」を見付けたので寄ったりして、スーパー「リオン・ドール」に着いたのが16時20分。
初めての土地ではレジ袋持参が当たり前の所もあるので、念のためにポケットにレジ袋を突っ込んで行った。案の定、会計時にはレジ袋は渡されなかった。最近はこういうところが多くなり、飛び込みの買い物が難しくなって困る。

<スーパー「リオン・ドール」>
スーパー「リオン・ドール」
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO400] 2013/10/12 16:43

クルマに戻り、買った弁当を早速食べ始めた。一応おかずが何品か入っているものを選んだのだが、無意識に焼きうどんが入っているものを選んでしまった。なぜかこの旅、焼きうどんが無性に食べたくなる。
雨は降ったかと思えば止んで空が明るくなる。しかしまたしばらくするとまた雨で安定しない。明日はどうなることやら。
弁当を食べ終わってふと時計を見てみると、まだ17時にもなっていないではないか。マズイな、つい勢いで食べてしまったが、夕食には少々早過ぎた・・・。

<早過ぎた夕食>
早過ぎた夕食
[OLYMPUS OM-D E-M1/7-14mm/ISO400] 2013/10/12 16:47

いずれにせよ、もう生活時間となっている。これから考えねばならぬのは、入浴と宿泊地のこと。
天気の問題もあるが、翌日は一応一切経山への登山を予定しているので、出来ればそこに近い道の駅「つちゆ」で宿営したいところ。しかしそこは現地点から60kmほど離れており、今からだと気が重い。
ならば、途中経路上にある道の駅「ばんだい」までなら10kmなので、そこに泊まろうか。

しばらく休んで17時半頃出発。既に暗くなった道をポータブルナビの指示に従って走る。
それにしても、初めての土地で入り組んだ市街地(しかも夜道)を走るなど、ナビゲーション指示無しで走ることは不可能に思える。ナビがあるからこそ、我輩は今ここで運転していられるのだ。それを考えると、こういう便利なものが無かった時代のドライバーはよく知らない道を運転出来たなと感心させられる。

20分ほど走って道の駅「ばんだい」に到着。閉店間際という雰囲気だったがクルマはそこそこ出入りがある。

<道の駅「ばんだい」>
道の駅「ばんだい」
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO400] 2013/10/12 17:53

トイレに行った後、ポータブルナビで周辺検索にて入浴施設を調べてみたところ、近場に1軒あるようだった。ところが施設の情報を改めて携帯電話からウェブ検索して調べたところ、料金が1,000円とかなり高いことが判明した。どうやら銭湯というよりも大型健康ランドのようなものらしい。
さすがに入浴でそんなに金を使うわけにもいかず、やはり当初の予定通り、道の駅「つちゆ」に向かうことに決めた。距離も10km近付いて残り50kmとなっているし、時計を見るとまだ18時過ぎ。暗いので夜中のような錯覚があった。

まず入浴が先ということで、事前に調べていた土湯温泉「こけし湯」に向かう。
暗いので景色が見えず、ポータブルナビの示す道をただ辿るだけであったが、19時頃に到着。いつの間にか着いたという印象だった。暗いので立地が分からないが、あまり民家のあるような場所では無さそうである。駐車場が広いのは有難い。

<土湯温泉「こけし湯」>
土湯温泉「こけし湯」
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO400] 2013/10/12 19:05

入浴時間は20時までということで、あまり余裕が無い。建物は公共施設的な大きなもので、中に入り券売機で入浴券を買って受付に出す。入浴料は250円とかなり安い。
シャンプーなどは置いていないらしいが、いつも石鹸持ち込みなので特に気にすることではない。
100円返却式の貴重品ロッカーがあるが、面倒なので利用しない。財布は持ってきていないし、クルマのキーはメカニカルキーを持ち出して腕にはめており、入浴中でも手元にあるから大丈夫。

30分後、クルマに戻って道の駅「つちゆ」を目指す。
やはり真っ暗な道なので、どんな場所を走っているか全く見当がつかない。先ほどと同じように、ナビゲーション指示に従って走っていたらいつの間にか着いたわけだが、道の駅駐車場にはキャンピングカーやその他クルマが大勢停まっており、その中でもなるべく他のクルマと隣り合わないようなところに停めた。もちろんこのような配慮をしても後から来たクルマが隣に来ることもあるが、少なくとも現時点で出来る配慮は必要だろうと考えた。
見ると、道の駅本棟から離れた別棟にあるトイレが比較的近い。

<道の駅「つちゆ」に到着>
道の駅「つちゆ」に到着
[OLYMPUS OM-D E-M1/7-14mm/ISO400] 2013/10/12 19:49

入浴時に使って濡れたタオルをステアリングに掛け、後部座席の布団に潜り込む。風呂上りでまだそれほどでもないが、何となく肌寒さを感ずる。湿気と温度差のためか、たちまち窓が曇ってきた。
どうやら外は強風らしく、時々ゴオッという音がして微妙にクルマが揺れるのを感ずる。台風が近付いているらしいが、まだ南洋のほうにあるんじゃなかったろうか。
試しにほんの少し窓を開けて風を通したところ、ゴォッという風の音と共にウィンドウ内側の水滴曇りが一瞬で消え去った。

部屋着のスウェットに着替えて布団の中でこの日撮った写真などをチェックしたりしていたが、目が疲れて眠くなったのでそのままウツラウツラの状態に入った。0時近くになって目が覚めたので、ちゃんと寝ようと思い、歯を磨いて小用を済ませることにした。
相変わらず外は風が強いようで寒そうだったが、別棟トイレまでは小走りに行けば何とかなろう。そう思ってスウェットのまま外に出ると、これがまた寒い。普通に考えれば、ちょっとの距離ならば身体の余熱があるので大丈夫だと思ったのだが、強風が熱を吹き飛ばすせいか、ほんの数歩歩いただけでもう身体がガタガタ震えが止まらなくなり焦った。寒いなんてものじゃない。身体が動かなくなりそうだ。

急いでトイレまで辿り着き、扉を開けようとふと見ると、そこに大きく文字が書いてあるのに気付いた。
『閉』。
「何だ?扉が閉まっているのは見れば分かるが・・・?」と思いながらも震える手で扉を開けようとするが開かない。男子トイレは故障中なのか? ならばその隣の障害者用トイレに入るか。そう思って隣の扉を見るとまた別の文字が大きく書いてある。
『鎖』・・・?
何だろうかと思って更にその隣の女子トイレの扉を見ると、また別の文字が見えた。
『中』
「閉・・・、鎖・・・、中・・・? 閉鎖中だと!?」

その場で踵(きびす)を返し、クルマに向かって走った。早く戻らねば命が危ない。
強風に煽られながらもようやくドアの横まで戻り、キーを開けようとするがリモコンキーがポケットの中に見当たらない。さすがに焦ったが、ようやくキーを見付けて車内に滑り込んだ。そして後部座席のハーフ毛布を引っ張り出し、身体に巻き付けた。ガタガタと震えが止まらない。

車内はそこまで寒くはなかったので、強風が問題なのだろう。別棟トイレが使えないならば、少し離れた本棟のトイレに行くしかないが、いずれにせよ身体が温まるまでは外に出られない。いや待てよ、上着は何も持って来ていないのでどうする?
仕方無いので、少々みっともないがハーフ毛布に身を包んだまま駐車場を歩いてトイレに行った。

強風の中だったが、ふと横を見ると星がキレイで、オリオン座もハッキリ見えた。ここで星夜写真を撮れば素晴らしいものとなろうが、こんなに寒い状態では1分も持たず、また強風のため頑丈な三脚でも無力だろう。

トイレに行ってみるとそこには洗面所に相当する場所は無く、手洗いは壁に配管されたパイプから流れ落ちる妙なものしか無い。まるで何かの排水口のようにも見える。さすがにそこから出る水を口に含むのは抵抗があり、就寝前の歯磨きはどうしようかと悩んだ。
結局、車内にあったジャスミン茶でうがいしながら歯を磨いて済ませた。


●10月13日(日)

6時頃、周囲のクルマの動きで目が覚めた。
遮光カーテンをめくって外を見ると、青空が広がり良い天気になっていた。確かに、夜中に星が見えていたのだからその時点で晴れていたわけだ。
着替えて外に出てみれば、周囲は完全に開けた立地で、目の前には浄土平や一切経山のある吾妻山連峰が見える。こんな場所では、強風は遮る物も無く吹き付けるのも道理。
しかし今は強風も無く、登山にも問題無かろう。

前の日に「リオン・ドール」で買っておいた朝食用の総菜を食べ、後部座席の天幕を降ろして出発前準備を整える。トイレに行って戻ってみると、吾妻山連峰に虹が架かっていた。

<吾妻山連峰に虹>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
吾妻山連峰に虹
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 06:43

浄土平駐車場へは、磐梯吾妻スカイラインを走って行くことになる。ここは元々有料道路であったが、最近になって無料化されたとのこと。我輩は今回、無料化になって初めて走る。
それに加え、いつもは福島側からこのスカイラインを登っていたのだが、今いる場所からだと福島側とは反対の土湯温泉側から登ることになり、これも初めてのこととなる。

クルマを走らせると、確かにスカイライン入り口では料金所が取り壊されており、そのまま通過出来た。7時前という時間では道を走るクルマはほとんど無く、良いペースで登っていく。
さすがに標高が高くなると雲がかかるせいか、陽が差したかと思うと次の瞬間には曇ったり小雨が降ったりする。

<土湯温泉側から磐梯吾妻スカイラインを登る>
土湯温泉側から磐梯吾妻スカイラインを登る
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 07:07

浄土平駐車場に着く直前、一切経山の噴気の見える場所に出た。すぐ脇に駐車場があり、見れば「兎平駐車場」とある。ここは最初に浄土平へ来た時にクルマを停めた場所だった(参考:雑文603)。

クルマを降りて一切経山を望むと、ちょうど見事な虹が架かってキレイに見えた。2008年に噴き出した噴気が相変わらず出ている。噴気が始まった当時、更に大規模な火山活動の前兆と考え、この光景はあくまでも一時的なものと考えていたものだ。だがこの状態のまま既に5年。これが安定した姿ということか。

<一切経山に見事な虹>
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一切経山に見事な虹
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 07:21

一通り撮影した後、クルマに乗ってすぐ先の浄土平駐車場に停め直した。スカイラインと同様、ここも以前は有料だったが、今では無料となっている。
駐車場の大部分は舗装されて白線が引かれているが、登山者はその奥のほうにある未舗装のエリアに停めるのが常。そちらが一切経山に近いし、駐車場出入り口から離れているので落ち着いているからだ。

<浄土平駐車場(未舗装エリア)に駐車>
浄土平駐車場(未舗装エリア)に駐車
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 07:42

クルマを降りてトレッキングシューズに履き替えるなどしたが、少々風が強くて寒い。
今回は防寒着は用意していなかったし、そもそも五色沼ほとりでのんびりと半日過ごすくらいの気分でいたので、この天気では諦めるしか無い。
もし今回初めて来たというのであれば強行したい気持ちもあったかも知れないが、ここは何度も来ている地であるし、今回は主に「E-M1」のテストを兼ねていることもあり、五色沼は次の機会とすることにした。

そういうわけで、せっかく履いたトレッキングシューズはそのままとしながらも、ザックは使わず普通のショルダータイプの小型カメラバッグをたすき掛けで周辺散策をすることにとどめる。ザックではレンズ交換の度に背中から降ろさねばならぬから面倒なのだ。
撮影機材としては、巡検ではないので中判カメラを必要とせず、デジタルカメラのみとなる。結局、今回の旅での中判カメラの唯一の出番を失った。

ちなみに、ここでの放射線量を計ってみたところ、0.11μSv/hとそれほどでも無かった。山のほうには放射性物質が降り注ぐのかと思ったがそうでも無いようだ。むしろ植生が少ない分、線量も少ないのかも知れぬ。千葉のほうでも雑草や落ち葉の辺りは線量が異常に高い数値が出るのだ。

さて、まずは噴気の写真を撮ろうと思い、対面にある吾妻小富士に登ることにした。
防寒着は無いものの、レインウェアを着れば風を防ぐことが出来るので寒さはかなり和らぐ。
吾妻小富士は駐車場面から見てそれほど高くなく、丸太の階段があるのでスニーカー程度で登ることの出来る、いわば観光客向けの山と言って良い。
ただ、この丸太階段は所々崩れており、前回の台風か何かによるものかと思われた。

<吾妻小富士の丸太階段>
吾妻小富士の丸太階段
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 07:49

吾妻小富士登頂は、ゆっくり登っておよそ10分弱。そこから浄土平駐車場が一望出来る。

<浄土平駐車場での位置関係>
浄土平駐車場での位置関係
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 07:59

そこから300mm望遠レンズを使って自分のクルマのほうを写そうと思ったのだが、吹きさらしのためか強風すさまじく、立っているのがやっとの状態。衣服が引っ張られて旗のようにバタバタ音を立てるほど。望遠を覗くファインダーもブルブル揺れて安定してくれないのだ。それでも風が一瞬弱まる時があるのでそのチャンスを狙って撮影した。

<吾妻小富士山頂から超望遠撮影>
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吾妻小富士山頂から超望遠撮影
[OLYMPUS OM-D E-M1/100-300mm/ISO200] 2013/10/13 07:54

次に一切経山の噴気について、2008年撮影時もデジタルカメラでは300mmを使って撮ったが、当時は1,000万画素APSサイズの「PENTAX K10D」であった。しかし今回は1,600万画素マイクロフォーサーズの「E-M1」なので拡大率はそれよりも大きいはず。そのことは、帰宅してからの写真観察に役に立とう。何しろ現場ではあまりの強風でまともに観察出来ないので、写真での観察しか手段が無いのである。

<吾妻小富士山頂から見た一切経山噴気>
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吾妻小富士山頂から見た一切経山噴気
[OLYMPUS OM-D E-M1/100-300mm/ISO200] 2013/10/13 07:55

見たところ、こちらは強風で踏ん張っているというのに噴気はノンビリと昇っているように見える。そこが不思議で仕方無いのだが、スケールが大き過ぎて動きが緩慢なだけなのだろうか? あるいは山体が風をブロックしている?
そう言えば風は向かい風で、ちょうど一切経山のほうから吹いてくる。

<吾妻小富士山頂から見た一切経山噴気>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
吾妻小富士山頂から見た一切経山噴気
[OLYMPUS OM-D E-M1/100-300mm/ISO200] 2013/10/13 07:56

それにしても、噴気開始から約5年で硫黄の析出など火山地帯らしくなったものだと思う。
帰宅後に写真調査で気付いたことだが、5年前の噴気は上の方から出ているもので、下のほうにある勢いのある噴気は当時は無かったものだった。

噴気の撮影が終わると、今度は周囲の山々の山肌を撮っていった。浸食や崩落の跡が見えて興味深い。この程度の標高になると植生が邪魔をしないので地形観察にはもってこいである。何時間眺めていても飽きることは無かろう。

<周囲の山々の山肌>
周囲の山々の山肌
[OLYMPUS OM-D E-M5/14-140mm/ISO200] 2013/10/13 08:09

しかしながら強風が如何ともし難く、例え吹き飛ばされないにせよ本能的に湧く恐怖心が拭えないのであまり長居したくない。出来れば吾妻小富士の火口を一周するお鉢巡りをしたいところだが、このまま引き返すことにする。実際、他の観光客もすぐに引き返しており、見える範囲では火口周囲には人影は無かった。

駐車場側に降りた後、浄土平レストハウスの横を通ったが、さすがにまだ8時台なのでシャッターが閉まっている。ここで買いたいものがあったのだが、9時くらいにまた来てみようと思う。それまでの時間潰しに散策木道を一周することにした。
そこでは湿原に植生が覆っているのでそれほど面白いわけでもないが、雄大な景色を求める意味では「E-M1」の描写力に期待したいところ。
やはり風が強いせいか、空模様は見上げる度に姿を変える。一面青空になったかと思うと、次には怪しい雲が立ちこめる。

<散策木道>
散策木道
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 08:26

それにしても、一回りしても30分くらいのものだった。時刻は8時50分。
見ると駐車場は満車に近く、未舗装エリアもそろそろ停められる場所が埋まりつつある。たった1時間の差でこれほどまでになるとはにわかに信じ難い。

<満車も近い駐車場>
満車も近い駐車場
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 08:45

クルマに戻り一息ついたが、他にやることが無くなってしまった。登山のつもりで早く来たものの、一般観光となってしまったのだから当然そうなる。

しばらくすると9時を回ったので、改めて浄土平レストハウスに行ってみると、予想通りオープンしていた。売店エリアでは、満車駐車場からも想像出来るくらい賑やかな状態で、我輩の捜し物も難儀したが、ようやく見付けて買い物を終えた。

<浄土平レストハウスの売店エリア>
浄土平レストハウスの売店エリア
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 09:18

買ったのは、かねてから欲しいと思っていた一切経山バッジ3種。思ったよりも値段が高かったので躊躇したが、せっかく来たのだからと奮発した。また、豚児用にキャラクターもののマグネットも買っておいた。

<売店での購入品>
売店での購入品
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 09:33

さて、思いがけず時間が余ったので、どこに行こうか。
ナビゲーション画面を見ながら考えていると、1つのターゲットが目に入った。
「UFOふれあい館」
福島市街方面を抜けて1時間ほど走るらしい。その方向へ行くならば、そのまま南下していわき市の博物館「ほるる」へ寄るのも良い。そして夜にはさらに南下して、天体観測地として以前からマークしていた常陸大宮の「花立自然公園」に行って星夜写真を撮ろう。
このように徐々に南下していくコースを取れば、最終的には自宅に近くなって帰りが楽になる。

早速クルマを発進させ、浄土平駐車場を出て福島市方面へ降りて行った。
見れば、反対車線は大渋滞で大変なことになっている。ほんの1時間前まではほとんどクルマが走っていなかったのに、この変わりようは何だ?
少なくともスカイライン無料化も要因の一つには違いない。

<反対車線は大渋滞>
反対車線は大渋滞
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 09:43

(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
反対車線は大渋滞
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 09:43

ガソリン残量が半分以下になっていたので福島市内で給油。セルフ式でも173円/Lだった。千葉のいつものスタンドより13円/Lも高いので満タンは避け、帰宅に支障無い程度の20L給油としておいた。

千貫森(山)ふもとにある「UFOふれあい館」の駐車場に到着したのは11時。試しに放射線量を計ってみると0.22μSv/hと少々高い。
クルマを降りて見晴台から眺めると、吾妻山連峰らしき山々が見えた。試しに300mm望遠レンズで撮ってみたところ、確かに一切経山の噴気が確認出来た。確か40kmくらい離れているのだが、よく見えるものだと感心した。

<一切経山噴気の大遠景>
一切経山噴気の大遠景
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 11:09

<300mmにて更に拡大撮影>
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一切経山噴気の大遠景
[OLYMPUS OM-D E-M1/100-300mm/ISO200] 2013/10/13 11:11

さて、「UFOふれあい館」のほうだが、ひっそりしていて寂しい感じであった。
入館料400円を払って入ると、ちょうど1組の家族が出るところだった。館内の客はどうやら我輩1人になってしまったようだ。

<UFOふれあい館>
UFOふれあい館
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 11:15

入る前からせいぜい高校生の文化祭レベルだろうと少々バカにしていたが、意外にもそこそこ展示物がしっかりしており、少なくとも入館料分は楽しむことは出来た。
途中から2家族ほど入ってきて賑やかになり、出口付近のミニシアターでは立体映像による千貫森紹介ビデオも上映された。

<UFOふれあい館内部>
UFOふれあい館内部
UFOふれあい館内部
UFOふれあい館内部
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 11:19-12:04

クルマに戻ると12時も回っていたので、いわき市の博物館「ほるる」を目指して出発した。
途中、コンビニエンスストアで昼食を摂り、更には「あぶくま洞」付近を通過し、14時半頃到着した。
入場料630円を払って入館しようとしたところ、JAF割引があることに気付いたがもう遅かった。

館内ロビーではまず大きな首長竜の化石が出迎えた。コンパニオンのお姉さんに確認すると、撮影はOKとのことで早速「E-M1」でパシャパシャ撮り始めた。

<「ほるる」館内ロビー>
ほるる館内ロビー
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 14:42

さすがに化石館というだけあって化石展示は充実している。国立科学博物館と比べて展示数は敵わないものの、迫力という点では負けていない。
ちなみに、帰宅後にウェブ検索したところ、東日本大震災時には化石の破損もあったそうだが、そのことには全く気付かなかった。

<迫力ある化石展示>>
(※画像クリックで長辺1200ドットの画像が別ウィンドウで開く)
迫力ある化石展示
[OLYMPUS OM-D E-M1/7-14mm/ISO400] 2013/10/13 15:00

化石展示の次は、エレベーターで地下深く数十メートルまで潜り、石炭採掘の展示となった。
もちろん、地下数十メートルというのは事実ではないが、エレベーターの演出によりそれくらい潜ったかのような気分になれるのだ。

<石炭採掘の展示>
石炭採掘の展示
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 15:37

展示の詳しい内容については本題ではないので省くが、この博物館での撮影枚数としては150枚ほどとなった。低照度下での撮影が多く、高感度での撮影が難しいマイクロフォーサーズでも「E-M1」の5軸手ブレ補正は有用である。

博物館を出てクルマに戻ると16時となっていた。
それでは最後にポータブル赤道儀による星夜撮影を行うため、「花立自然公園」へ向かうこととする。道のりはおよそ80kmで、さすがに博物館を歩きづめの疲労では一般道は気が重く、やむなく高速道路を使った。だが最寄りのインターチェンジで降りてからもなお遠く、わざわざその公園まで行く意味があるのかという疑問が湧いてきた。それにもう暗くなっているので、他の観測者がいれば進入時のクルマのライトが邪魔になろうかという心配もある。こういう場所では、暗くなる前に到着しておくべきだろう。

そこで、途中のコンビニエンスストアで夕食がてら再検討を行うことにした。車内でコンビニ弁当を食べながらふと空を見ると、思ったほど星が見えないことに気付いた。どうやら、月が明るいのが原因のようだ。この状態ならば、このまま観測地に行っても同じだろう。
結局、そこから最寄りの道の駅「かつら」に行って様子を見ることにした。

途中、狭い橋を渡ることがあったが、対向車とのすれ違い時に少々左に寄り過ぎたためか、「ドカン!」と音がして左側ドアミラーをポールに当ててしまった。見ると、ミラーの角度がおかしい。
すぐ脇のコンビニエンスストア駐車場にクルマを停めて調べたところ、ミラーカバーの角度が変わっていたので手で引っ張ったところ「ガコン」と元に戻った。しかしそれでも内側のミラーの角度が直っておらずリモコン操作も不能だったので、これも手で「ガコン」と角度を直したところ、正常に動作するようになった。

道の駅「かつら」は川のほとりにあり、駐車場は表に面した道からは直接入れず裏から回り込んで入るようになっているせいか駐車車両も3台くらいとひっそりしている。

<道の駅「かつら」>
道の駅「かつら」
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO400] 2013/10/13 18:31

もしかしたら河原で天体観測出来るかもと思い、クルマを降りてちょっと歩いてみたところ、なんと裏手の河原では多くの家族がバーベキューをしており、道の駅側からライトも照らされていた。

さすがにここでは無理だなと引き返し、クルマの後部座席の寝台で寝そべった。
計画ではもう1日車中泊するつもりだったが、気持ち的に旅が終わってしまったような状態なので、もうこのまま家に帰ろうかと思い始めた。高速道路を使うなら、午前0時まで待たねばならないが、時計を見るとまだ18時半ではないか。あまりに周囲が暗いのでなんだか夜中の気分になっていたが、明らかに錯覚であった。

ともかく、時間を潰す意味もあるが、目が疲れているので仮眠は取っておこうと思う。
布団を被って寝たのだが、妙に眠りが浅く、1時間もすると再び目が覚めた。早く帰りたいという気持ちがあるせいかも知れない。

カーテンをめくってふと見れば、月が良い具合に見えている。そこで少し窓を開けて300mm望遠レンズにて寝ながら撮影してみた。布団に入ってぬくぬくと天体撮影も良いものだ。
ちなみにマイクロフォーサーズでの300mmは換算600mmとなるが、それでも月撮影では小さく写る。もっと望遠があれば良いのだが、画像を拡大してみると、どうも大気の揺らぎがあるようで、月の輪郭が揺れている。やはり雨上がりの今日は条件が良くない。

<車内で寝ながら月を撮影>
車内で寝ながら月を撮影
[OLYMPUS OM-D E-M1/100-300mm/ISO200] 2013/10/13 19:49

月の撮影を終えて時計を見ると、20時近く。目が冴えてしまったのでもう寝るのはやめた。どうやら目の疲れも軽くなったので、いっそこのまま帰路に就こうかと思い始めた。
カーナビゲーションによれば高速道路を使うと2時間半。しかし一般道でも3時間とある。この差は少ない。思い切って一般道で帰ってみるか。

やはり帰りも映画DVDの音声を流しながら運転した。
前後にほとんどクルマがおらず走り易い。信号機もずっと青のまま。もし前方に遅いクルマのテールランプが見えてきたとしても、スローダウンして近付かないようにした。また、後ろにクルマが着いても、特に気にしない。こういう道を走るのは地元車なので、どちらもしばらくすると横道に入っていなくなる。

<夜の一般道をひた走る>
夜の一般道をひた走る
[OLYMPUS OM-D E-M1/12-35mm/ISO200] 2013/10/13 20:11

つくば市に入って馴染みの道路を走るようになると、自宅までもうナビゲーション指示が無くとも帰れるので気分が楽になった。時間もまだ21時半くらいで、普通のドライブと変わらない。
そして自宅近くのガソリンスタンドまで辿り着くと、最後の給油をして今回の旅の出費を締めた。
帰宅は23時と、ナビゲーション予測とピッタリ同じであった。

ちなみに、ポールにぶつけた左ドアミラーの件だが、明るい時間に見てみるとウインカーレンズが割れており、もし雨水が入ればショートしかねない状態であった。帰り路で雨が降らなかったのは幸いだったと言える。

<ウィンカーレンズが割れている>
ウィンカーレンズが割れている

偶然にも、左のウィンカーレンズがネットオークションに出品されており、これを5千円で入手した。少々高いが、LED発光部分があるので仕方無かろう。

<ウィンカーレンズの交換>
ウィンカーレンズの交換
ウィンカーレンズの交換


●今回の旅のまとめ

<福島県内位置関係>
福島県内

<走行集計>
  走行距離 消費燃料 燃費
全行程合計 822km 67.51L 12.2km/L

<費用集計>
  金額 備考
ガソリン代 11,109円 ハイオク給油
高速料金 5,300円 片道ETC夜間割引適用
食費 3,065円 買い物5回
入場料 1,830円 4ヶ所
銭湯 250円  
土産物 2,225円
その他 5,000円 破損ウィンカーレンズパーツ代
(合計) 28,779円  

<撮影集計>
  撮影枚数 データ容量(RAW)
OLYMPUS OM-D E-M1 891枚 12.3GB
OLYMPUS OM-D E-M5 64枚 885MB
OLYMPUS E-PM2 4枚 55MB
(合計) 959枚 13.2GB