2000/04/05
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表紙

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カメラ雑文

[715] 2011年02月02日(水)
「PENTAXのデジタル一眼レフ導入記(その2)」


「PENTAX K-x」の購入が決まった。
フジヤカメラのウェブサイトにて、レンズキットでの中古出物が3万円であったのでそれを注文。

レンズキットに付属するレンズは18-55mm(換算27-83mm)。単品であれば、中古価格4千円くらいからある安物。
このレンズはそれほどコンパクトとは言えず、我輩の用途ではほぼ利用価値が無い。しかし今は金が無いので、本命の「15mm広角」と「70mm中望遠」を手に入れるまではこのレンズを使うことにしようか。

とは言っても改めて考えると、このまま何もせず待っていてもレンズを買う金が生まれるわけではない。
毎月1万円の小遣いを貯めるとしても、必要な8万円までは8ヶ月間かかることになる。しかもそれは、ジュース1本さえ買わない条件での計算。恐らく、実際には1年と少しかかるだろう。

無駄だとは思っていながらも、部屋の中を見渡した。
「何か、換金出来るものは無いか・・・?」

この時代ではもはや、銀塩関係の機材は二束三文でしか売れない。とても8万円は生み出せない。
いや、待てよ・・・。ロシア製ティルト&シフトレンズ「HARTBLEI Super-Rotator 45mm F3.5」はどうか? これならば希少なので、欲しい者がいれば高くとも買うだろう。
(参考:雑文389

実は、このレンズは死蔵状態にある。
と言うのも、同時に手に入れたカメラボディ「Kiev88CM」が壊れて動かなくなったからだ。いくらレンズが優秀でも、カメラが使えねば意味が無い。
新たにカメラを買おうにも、外国製カメラ、特にロシア製はどのみち壊れやすい。実用として使うのはもうやめよう。

一時期、マウントアダプターでデジタル一眼レフカメラに装着して使ってみたのだが、イメージセンサーの小さなカメラでこのレンズを使ってもメリットが無い。
我輩はシフト撮影ではなくティルト撮影のほうを求めているのだが、35mmフルサイズ程度で撮影するならば、ピント面を傾けずとも単純に絞り込んで被写界深度内に埋めれば済む。

そこで早速、レンズをYahooオークションで出品することにしたが、値段をどうするかを少々悩んだ。と言うのも、参考となるはずの当時の購入価格を忘れてしまったのだ。
そこで、何となく即決価格14万円で出品してみた。高額なので売れるかどうか分らなかったが、まあその値段で落ちなかったら今回は売るのをやめておく。
しかしそれでも2日くらいで落札され、早々に現金化出来た。

いきなり転がり込んだ大金。途端に気が大きくなる。
事前検討していた2本のレンズは問題無く買えるが、カメラのほうは「K-x」ではなく、後継の「K-r」にしておけば良かったかと少々後悔した。金にモノを言わせて追加購入するか?
・・・いやさすがにそれはやめておく。まあ、「K-x」のほうが我輩好みのデザインなので良かろう。

それにしても困ったことに、余った金で魚眼レンズまで揃えようと余計なことを考えてしまう。まさか、モデルガンに化けたりはしないだろうな・・・。

さて、購入計画にある2本のレンズのうち「15mm」のほうはカメラの三和商会で4万5千円、そして「70mm」のほうはスズキカメラ商会で3万5千円でWeb購入した。
とりあえず、これで目標のシステムが完成したので、このカメラの記念撮影を行った。

<K-xとレンズ3本>
K-xとレンズ3本

「K-x」の地味な利点は、単3電池が使えること。これは、長く使い続けるために一番大切なポイントである。
専用バッテリーを使う製品は、バッテリーの寿命がその製品の寿命を律する。いくら故障無くとも、バッテリーが無ければただのガラクタ。
タチの悪いことに、専用充電池の寿命が尽きた頃には、もはや新品で手に入れるのが困難となっているのが普通。予備バッテリーを買っておこうにも、それも同様に劣化するので意味が無い。

今回、単3型「エネループ(ニッケル・水素蓄電池)」を予備を含めて8本購入。充電器は持っているので、電池パックのみで3千円ちょっとの出費だった。専用バッテリーを使う他のデジタルカメラに比べると格段に安く済んだ。

ところで偶然にも、職場の備品デジタル一眼レフカメラもPENTAX製の「K10D」である(参考:雑文615)。これは2年くらい前に我輩が購入手続きしたもので、単純に値段の問題でこの機種を選んだ。
今回購入した「K-x」がどれくらいコンパクトなのかを知るには、慣れ親しんだ「K10D」と並べてみるのが良かろう。

<K-xとK10Dの比較>
K-xとK10Dの比較

こうして見ると、大きさの違いは明らか。
特に、「K10D」のグリップ部やペンタ部の幅広感は大きい。今まで特に何も感じなかったはずであるのに、「K-x」を手にした後では、「K10D」が途端に間延びしたカメラのように感じられて驚いた。
これは恐らく、デザイン上の共通点が多いせいかと思う。もし全く異なるデザイン同士ならば別物という認識になるので、こういう感覚は無かっただろう。

それにしても、「K-x」とコンパクト単焦点レンズとの組み合わせは素晴らしく良くまとまっている。広角15mm(換算23mm)を着けておけば何も要らないという気持ちになる。

<コンパクトにまとまった一つの完成形>
コンパクトにまとまった一つの完成形

不思議なことに、「D700」ではこのような感覚は無い。「D700」に単焦点レンズを着けても何か頼り無く、ズームレンズを装着して初めてシックリくる。
これだけ性格の異なる機種であれば、役割分担も明確で棲み分けに問題は無かろう。
一方、「LUMIX GF1」のほうは、ポケットに忍ばせておく任務や、ハイビジョン撮影などに引き続き活用したい。

これで、デジタルカメラが3台体勢となった。

改めて見ると、やはりフルサイズデジタル一眼レフは大げさ過ぎる。「GF1」との2台体勢では、歳の離れた兄弟という感じで運用時のバランスが悪い。
兄弟で例えるならば、「D700」が20歳の兄、「GF1」が8歳くらいの弟か。その間に次男がいればギャップが和らぐのだが。

以前はAPSサイズデジタル一眼レフ「D200」を持っていたのだが、こちらも兄弟で例えると18歳くらいの次男に相当したので、やはり三男「GF1」との間が空いてバランスが悪い。

そういう意味で、今回ちょうど中間の位置に13歳くらいの次男「K-x」が入ってくれたおかげでうまくバランスが取れた。

<デジタルカメラ3台体制>
デジタルカメラ3台体制

それにしても、「K-x」はコンパクトだとはいえ、実際に我輩の通勤カバンに入るだろうか。出来れば、15mmレンズを装着したままで入れておきたい。

ただしカバンの中はゴミやチリもあるかと思うので、カメラを裸のまま入れるわけにもいかない。
「LUMIX GF1」を入れていたNikonオリジナルグッズのポーチに入れてみたが、パンパンになってしまい具合があまり良くない。そこで、A5ノートパソコン「Let's NOTE」に付属していた巾着袋に入れた状態でカバンに収めてみた。カメラの高さがカバンの厚さに位置するようにしたのだが、ちょっときついかなという感じはするものの、特に問題は感じられない。少々重い気もするが、元々が重いカバンなので、誤差の範囲と言われればそうかも知れない。
どうせならば70mmレンズも入れておこうか。

<「K-x」と我輩の通勤カバン>
「K-x」と我輩の通勤カバン

通勤時は通常、昼食のおにぎりと500mlのペットボトル流用水筒、電子書籍「kindle」、折畳み傘、大型の手帳などが入っている。そこに「K-r」を入れた状態で通勤してみた。
朝はフル重量となる。ちょうど、ロケット打上げ時のように、燃料満載状態で最大重量。
そして帰宅時、おにぎりと500ml飲料の消えた分が軽くなっている。
結果としては、特に問題は無さそうだった。荷物が増える日もあるかも知れないが、朝さえ大丈夫ならば、1日大丈夫だろう。

ただし難点は、カバンから取り出す時にモードダイヤルが必ず動いてしまうということ。
というのも、この「K-x」はモードダイヤルがかなり緩く、ちょっとしたことですぐに回転する。その回転のしやすさは電子ダイヤルと同程度で、カリカリッと回ってしまうのだから困ったもの。
特に、動画撮影モードになってしまっていることに気付かずにメインスイッチを入れるとミラーアップ(ライブビュー)状態となり、ファインダー側がブラックアウトして少々焦る。
これは、カメラを使う前にまずモードダイヤルをセットする癖をつけるようにするしかない。

ストラップについては、通常の首掛けタイプは収納に邪魔であるから、コンパクトデジタルカメラによくあるようなハンドストラップを着けてみたが、あまりに華奢で強度に不安を感じ、OLYMPUSの革製ハンドストラップを購入した。
さすがにこれならば強度に不安は無い。

<革製ハンドストラップ>
革製ハンドストラップ

ところで、室内をパシャパシャ撮影していると妙なことに気が付いた。どうも描写が甘い。
まさかピントか?
試しに、MFで合わせて撮影してみたところ、今度はクッキリと写った。なんと、数十センチ後ろのほうにピントが合っている。何度やっても同じ結果だった。

こうなってしまうとピント調整のためにPENTAXのサービスセンターへ持ち込む必要がある。
しかも、行ったその場で調整が完了するはずもないので、再度受け取りに出向かねばならないだろう。非常に面倒くさい。

もし買った店に言うとしても、微調整の問題なので不具合認定されるかどうか。そのために色々と説明したりと大変な苦労が想像出来る。
いっそ盛大に故障でもしておれば単純なのだろうが、微調整の問題は、もし自分の手元で何とかすることが出来れば助かるのだが・・・。

探せばあるもので、ウェブ上で情報を探してみると、工場調整用のデバッグモードを起動させることによってAFポイントを調整出来るという情報を得た。
結果、何とか満足の出来る結果が得られるようになった。

それにしても、今まではPENTAXの一眼レフカメラなど「SFX」以降はバカにしていたものだが、今買ってみると意外に面白くハマりそうではないか。
結局、後日もう1台買うことになるのだが、その話はまた次の雑文にて。

(その3へ続く)
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イラスト提供:シェト・プロダクション