2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
9.掲示板
10.アンケート
11.その他企画

12.カタログ Nikon
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カメラ雑文

[614] 2008年01月30日(水)
「2本のAFレンズの購入」

我輩は現在、デジタルカメラを「Nikon D200」、「RICOH GR-D」、「Nikon COOLPIX5400」を使っている。
そのうち一眼レフタイプはD-200の1台のみであるが、一眼レフ型であるだけに、デジタルシステムの中心として活躍している。

一眼レフタイプのデジタルカメラについて、かつては300万画素の「Canon EOS D30」を使っていたのだが、こちらはEOSマウントのため、装着出来るレンズはAFタイプのみ。それゆえ、マウントアダプタを介して無理やりMFレンズを使う以外には、MF撮影を強いられることはあまり無かった。
ところが今は、MFレンズも装着出来るNikon製のデジタルカメラのため、AFレンズはボディと同時購入した標準ズーム1本しか無く、MF撮影を強いられる機会はそれなりに多い。

そんな去年の11月1日、東京モーターショーに見学に行った。我輩は自動車関連産業に関わっているため、業務上の見学であった。
その時我輩は、D200にMF24mm単焦点レンズを装着していた。室内撮影のため開放F値の小さな明るい単焦点レンズが良かろうと思ったからだ。

ところが、撮影している途中で気が付いた。
「もしかして、ピンボケしてないか・・・?」
背面液晶パネルで拡大表示させてみると、確かに大きくピンボケしてるのが判った。

「まあ、MFであるから手違いもあろう」と軽く考えて再度撮影してみた。すると、またもや大きくピンボケしているではないか。
「なぜだ? 今度は注意深く合わせて絶対に合焦させたと思ったが・・・。」
我輩はショックを受けた。

今度はフォーカスインジケーターを見てピントを合わせて撮影してみた。すると、今度はクッキリとピントが合っていた。
我輩は、自分の目が信じられなくなった。
「もしかして、焦点板がズレたのか? それとも我輩の目が衰えたせいか?」
ファインダーを覗いてゆっくりとフォーカスリングを回してみたのだが、映像がぼやけている状態からクッキリとした状態まで見えているつもりである。しかしながら、クッキリとした範囲に少し幅があるように感じた。つまり、ピントの山がどこにあるか分かりづらい。

これまで、このようなことが顕在化したことは無かった。
導入初期に300mmミラー望遠レンズをMFで使ったことについて雑文576「実戦投入」にも書いたが、このときはスポーツ写真だったため、ピンボケのカットがあっても動体に追随しきれなかったと解釈していた。もしかして、動体云々の問題ではなかったのか? そして、ピントが合っていたカットは、たまたまの偶然だったのか?

原因はともかく、モーターショーの現場では、自分の目でピントを見るのは断念し、フォーカスインジケーターだけを頼りに撮影してその場をやり過ごした。

撮影は、2GBのメモリカードの容量が一杯になった時点で終了。
撮影中は気付かなかったが、撮影後は目が非常に疲れていた。
フォーカスエリアを被写体に合わせてインジケーターを見ながらピントリングを回し、ランプが点いたらフレーミングしなおしてシャッターを切る。あまりインジケーターを凝視しすぎるとフォーカスエリアがズレてしまうことがあり、なかなか気が抜けない。
この一連の動作を数百回行ったのであるから、目が疲れて当然であった。

元々、我輩はブロニカ中判カメラにおいてMF撮影をしている。
人間のやることであるからピンボケ写真もたまに出てくるが、考えてみれば最近は少しピンボケカットが増えたような気もしてきた。
やはり、我輩の目の衰えであろうか。

ブロニカの場合はファインダーを換えられるため、ルーペ倍率の高いウェストレベルファインダーを使えば良い。それに焦点板にはスプリットプリズムとマイクロプリズムがあるため、迷いが無い。
それに比べ、D200ではファインダーは固定式で、しかもプリズム系の焦点板は用意されていない。
やはり、D200はAFレンズを使うことを前提としたカメラか。まあ、当然と言えば当然・・・。

たまたま、先日行われた豚児の「おゆうぎ会」にて、望遠ズームレンズの必要性が出てきた。
もちろん、ブロニカの250mm望遠レンズで制式写真は撮ったのだが、現時点で未現像なため結果が判らない。バックアップとして、その場で確認可能なデジタルカメラでも望遠撮影したいと思う。もちろん、決められた席からの撮影であるから、ズームであることは必須。また、ストロボや三脚の使用が制限されることも多く、手ブレ防止機能の付いたVRレンズは魅力的。
(ストロボについては撮影距離の問題、三脚については会場での禁止事項の問題である。)

一方、日常撮影用として大口径レンズでの撮影も有用であることを感じている。
これまでMF50mmF1.4レンズをD200でも使っていたのだが、やはりフォーカスインジケーターをチラチラ見ながらピント合わせする作業は疲れる。何しろ、このレンズを使う時は手持ちでの近接撮影が多いため、ちょっと身体の位置が動いただけでピントがズレるのだ。
これがAFレンズになるだけで大幅な負担軽減となることが期待される。

まず望遠ズームについては、豚児撮影用という名目があるため家計からの支出でまかなうことにした。予算は6万円程度ということで、ヘナチョコ妻への説得が必要だったが、何とか年末調整の返還金を充てることで納得させた。
ちなみに予算6万円というのは、「AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G」を想定していたことによる。ただこれは、最初に目に付いた望遠ズームということでしかなく、実際に購入検討する段階で幾つかの候補となるレンズの仕様を精査して決定する予定。

それから、50mmレンズについては、家計から支出する名目が無いため、我輩が自力で購入せねばならぬ。そうなると、価格の安いAF50mmF1.8を選択するしかない。まあ、F1.4もF1.8も似たようなもの。実際の撮影では開放で撮影できるシチュエーションも限定されよう。
また、どうせAFレンズを買うのであるから、Dタイプにするほうが良かろう。安いレンズであるから、ヘタに倹約しても意味が無い。
中古で買ったほうが5千円ほど安いようだったが、注文メールすると「在庫無し」と返信されたため、仕方無く新品で注文した。

望遠ズームのほうは、製品が幾つもあるためなかなか決まらなかった。
逆に言えば、全てを求めると該当するものが無い。
我輩としては、「低価格」、「最短撮影距離が短い」、「手ブレ防止機能」、「F値が5.6を超えない」、「フルサイズ対応」という希望があるのだが、〜300mm系や〜200mm系の望遠ズームには無数に種類があり、比較するだけでも大変である。
ドンピシャリと全ての希望条件を満たすものが無いので、妥協点を少しずつ変えながら吟味していくしかない。

結局のところ、選定しようにも選定しきれず堂々巡りとなってしまい、最初に検討した「AF-S VR 70-300mm F4.5-5.6G」を購入することとした。根拠を以って決めたわけではないため、勢いで「えいやっ!」と購入ボタンを押したわけだが、画面上に「ご注文ありがとうございました」と表示されたのを見て、本当にこのレンズで良かったのかと不安になった。

さて、数日後に2つのレンズが届いたわけだが、非常に満足している。
これまで我輩は、デジタルカメラの画像を「露出計/ポラ切り用途」あるいは「本番撮影ではない参考用途」と位置付け、なるべくその装備には金をかけないようにはしてきたつもりだったが、ここにきて2本のAFレンズを購入することになるとは複雑な心境である。しかも、そのうち1本は、絞り環の無いGレンズなのだ。
ただ、デジタル専用(APSサイズ専用)レンズを購入しなかったのは、F100やF80を導入すればフィルムでも使えるという余地を残したわけで、その気になればデジタル限定とせずに済む。そればかりか、フルサイズデジタル一眼レフカメラが一般的になった時にも使えるという安心感は大きい。

実際に使ってみたところ、AFの恩恵はかなり大きいと感じた。
特に、50mmレンズでは室内撮影で使う場面が多いため、片手にストロボを持って撮影する時など、片手でカメラを操作せねばならない。そういう時にAFは便利に思う。
もちろん、ストロボをスタンドに設置すれば済む話だが、クリップオンストロボを手に保持してサッと手軽に撮りたい時もある。

望遠ズームのほうも、超音波モーターを内蔵したレンズのため非常に高速・静音のAFが楽しめる(動作だけでも楽しい)。 しかも、手ブレ防止機能まである。 Nikonの手ブレ防止機能は、PENTAXやSONYのようなCCD補正式ではなくレンズ補正式であるため、フィルムカメラでも使えるのが大きなメリット(ただし利用可能な機種は限定される)。

我輩は元々、AF撮影そのものは否定していない。むしろ、中判カメラにもAF化を切望している(参考:雑文454「MF派でない宣言」雑文084「中判カメラのAF化について」)。
露出などは正解値が人によって違うため、完全な自動化には無理がある。しかし、ピント合わせなど誰がやろうが、あるいは機械にやらせようが、求める結果は同じ。そういう意味では、自動巻上げと同じである。このようなものについての自動化は、積極的に使うべきだと思う。

ただそうは言っても、MFで撮りさえすれば今回のレンズは必要無かった。そういうことが頭をよぎると少しつらい。
いや、そのMFが難しいのだ・・・。

それにしても、一眼レフカメラの醍醐味である「絞り開放背景ボケ写真」と「望遠写真」が、AFと手ブレ防止機能によって手軽に楽しめるようになったことは、素直に嬉しい。
これまでは、情報量を得るために広角写真ばかりを撮ってきたわけだが、たまには一眼レフカメラらしい写真を撮るのも良かろう。特に、望遠撮影は覗き願望を満たす(参考:雑文326「覗き」)。

今回我輩は、初めて一眼レフカメラに触れた時の感動を思い出した。