2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
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5.カメラ雑文
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カメラ雑文

[576] 2006年07月20日(木)
「実戦投入」

先日の雑文「Nikon 「D200」」では、「D200」について購入前時点での気に入らない点を述べた。
この点については、購入後にあらためてジックリと見てみた。


●電子ダイヤル(コマンドダイヤル)について

前後に電子ダイヤルが付いているが、特に回しにくいのが前ダイヤルである。
ダイヤルそのものはクリック感が弱いというのは承知しているが、それに加えてグリップのゴム部が指の摩擦を増やしているということが分かった。そのため、ゴムに囲まれた前ダイヤルは回しづらく、更に感触が悪くなっているのだ。
やはり、シャッターボタン下部に電子ダイヤルを付けるのは良くない。シャッターボタン手前側(キノン方式)に付いているほうが邪魔するものが何も無く、最も理にかなっている。
ニコンも、意地を張らずキノン方式に改めたらどうかと思うが、ニコン贔屓(ヒイキ)の人間にはこれが使い易いのかも知れない。
まあ、そこまでいくと余計なお世話か。


●シャッターの感触について

店頭で試した時には頼りない印象のシャッターだったが、自室でシャッターを切った時には、周囲が静かなためか案外切れのあるシャッターフィーリングであると感じた。
ただし、それで満足のレベルに達しているということではない。少なくとも、子供の視線をこちらに向ける力は持っていないことが分かった。撮影会などで使うとすればかなり不利となろう。


●撮影モードについて

撮影モード変更についてだが、どうやっても使い易いとは思えない。
他メーカーを含む他の機種では、モードダイヤルが別に設けてあり、そこでP/S/A/Mの切り替えが簡単に出来る。ただしこの4種類だけだとダイヤルの表示が寂しすぎるため(ヘタすればα-507siの貧弱なモードダイヤルのようになってしまう)、通常はピクチャーモード(シーンセレクト)のアイコンを並べているのが一般的。
我輩が想像するに、「D200」ではピクチャーモードを搭載する気がなかったため、モードダイヤルが貧弱になることを避ける目的で敢えてボタン式としたのではないか。しかしボタン式にしても、左肩に置いて欲しかった。
これは、ニコンD1系高級機などにも共通する問題。


●デザインについて

ペンタ部の剃り込みカット的デザインは、思ったほど気にならないように思う。
それは光の加減か、あるいは我輩所有カメラになったことによる贔屓目(ひいきめ)なのかは分からない。
ただし、内蔵ストロボはデザインに大きく影響を与えていることは間違いない。
確かに内蔵ストロボは有用であろう。しかし我輩個人の事情を述べると、「このカメラでなければ撮れない写真」というのは価値を認めることが出来ない。というのも、同じ被写体を別のカメラで撮り分けることがあるため、内蔵ストロボを使ってしまうと撮影条件が異なり都合が悪いのだ。



ところで今回、「D200」購入後に実戦投入する機会があったため、それについてのエピソードなどを書くことにする。

職場のT課長の所属するソフトボールチームが、7月16日開催の県大会予選で戦うとのこと。
「撮影に来るってみんなに言ってあるからヨロピク!」と言われた。
ヨロピクって言っても、「D200」のバッテリーが1コしか無いのだ・・・。

これまでデジタルカメラを新規購入した際には、予備バッテリーは2個追加購入するのが恒例であった。そのため今回も、「D200」購入時に予備バッテリー入手について検討していた。
純正にてバッテリーを揃えると非常に高価なため、安価な互換バッテリーが使えればそれが良い。何しろ、純正品の1/3〜1/4程度の値段で手に入る。
もちろん互換バッテリーの中には粗悪なものがあり、そういうバッテリーを使って機器を故障させたり最悪の場合にはケガを負うようなこともある。我輩の場合、ROWAやKenkoの互換バッテリーを使ってきたが、特に問題は無かった。

そういうわけで今回も互換バッテリーを探してみたが、なぜか「D200」用のものが見付からない。調べてみると、「D200」はカメラ側でバッテリーのIDを読み取って純正品かどうかを見分けているらしい。そのため、そのIDを持たせぬ限り互換バッテリーは作れないことになる。
・・・ということは、高価な純正バッテリーしか選択肢が無い。

バッテリーの価格はニコンオンラインショップで¥8,032。これを2個買うのはキツイ。
そこで、様々な価格比較サイトで探して¥6,140のショップを見付けた。2個分で4千円も安い計算。

我輩はT課長に撮影のための条件を出した。
「カメラのバッテリーが無いんで、バイト代出るなら撮影行きますよ。」
「おっしゃ、5千円くらいでいい?」
「OKっす。」

後で考えてみると、交通費のことを忘れていた。
電車で行くと往復2千円かかる。そうなると車を使うしかない。燃費が10km/Lとすると、往復道のりが50kmであるから5リットルのガソリン消費。つまり、700円くらいか。

さてレンズの選定だが、直前に購入したAFレンズ18-70mm(35mm判換算で27-105mm)がある。超音波モーター搭載でAFが速い。
豚児が自転車で接近してくるところを連続撮影してみたが、見事にピントが合っている。これは使えると思った。

ただそれにしては望遠が足りない。1,000万画素からトリミングすれば良さそうにも思ったが、そうすると70mmレンズの被写界深度であるから迫力に欠けてしまう。
そこでMFながらも135mm F2.8(35mm判換算で200mm)を加えた。しかし、それでも望遠が足りない。
「ウーム、望遠はEOS用のAF100-300mmかα用のAF100-300mmしか無いのだ・・・。」

ふと、チノン製ミラーレンズ300mm F5.6が思い当たった。(参考:雑文326「覗き」)これならば交換マウント式のため、Nikon用としても使える。
早速、「D200」に付けてみたが、コントラストが低くピントの山が見えない。
「まあ、無いよりマシ。」

ところで肝心のバッテリーについては、店に在庫が無いため取り寄せとなってしまった。ニコンオンラインショップの画面でも品切れ中であるから、これはもう仕方無い。

今回、メモリは2GBのものを用意しているが、同時に画素数もかなり大きくなっているため撮影枚数がそれほど伸びたということもない。RAWファイルでは現像処理が必要で手間がかかり容量も食うため論外。JPEG画像であっても最高画質では200枚程度。
瞬間を捉えるため連写は欠かせない。そのため撮影枚数は400枚は欲しい。
結局、JPEGの中くらい画質に設定。


試合当日、見事に晴れた。
望遠撮影でもブレないようにISO400にしていたが、あまりに日差しが強いためISO100に下げたほど。

ソフトボールの撮影であるから、土埃や汗などがカメラを汚すことが予想される。
こんな状況で新品カメラと新品レンズを使い始めるのは少し気が引けるが、ストックしてあるNikon F3を使い始めることと比べれば気が楽。
Nikon F3のようなカメラは消耗すれば後が無く、いくら金を積んでも新品は手に入らないが、デジタルカメラであればいくら消耗しようが買い換えれば済む。買う金が無かったとしても、貯金すればいつかは手に入る。一般的にデジタルカメラは新しい製品ほど性能が高いため、必ずしも同じカメラにこだわる必要が無いのだ。

審判の「プレイボール!」の掛け声とともに、ソフトボールの試合が始まった。

予想通り、AF18-70mmはほとんど出番が無い。バックネット側からバッターの写真を撮るくらいにしか使わなかった。
唯一のAFレンズなだけに残念。

135mmのほうは開放F値が2.8と明るくピントの山が良く見えたが、我輩自身がそもそも動体撮影に慣れていないため、近付いたり遠ざかったりするプレイヤーには翻弄させられた。
何しろこれまでは、ピントリングの方向などどちらでも構わぬと思っていたが、こういう場面に遭遇するとやはり大きな問題だと感ずる。

T課長はライト守備で撮影距離が遠い。その場合はミラーレンズ300mmが必要になった。
ピントの山が見えないが、雑文283「近視のMF測距能力」で鍛えた測距能力を使い、何とかピントを合わせたつもりである。
背景にミラーレンズ特有のボケが現れるため、T課長ほど離れていない選手にも使ってみた。なかなか面白いため、結局はミラーレンズでの撮影も多かった。
コントラストの低さが問題だが、パソコンレタッチで何とかすれば良いだろう。

バッテリーは予備が無いため、なるべく節約したい。
「EOS-D30」では、一定時間が経つと電源が切れるようになっている。その場合はシャッターボタンを押したりスイッチを入れ直したりすると復帰するが、起動に数秒の時間がかかるのが煩わしい。

一方「D200」の場合、起動時間はほぼ一瞬であるため、こまめにスイッチを切っても問題無い。
またスイッチを切り忘れても電源が切れることは無いようだが、それによってバッテリーの消耗が早まるような印象は無かった。まるで普通の銀塩AFカメラを使っているような感覚である。最近の一眼レフタイプのデジタルカメラは皆こうなのか?

シャッターについては、バッターを撮影する際にボールを打つ瞬間のカットを撮ろうと5コマ/秒の連写を行なうのだが、バックネットからの撮影では連写音がバッターの集中力を欠くのではないかと心配になった。
しかし、後日確認したところ、全く気付かなかったという。
こういう場面では、静かなシャッターというのも利用価値があると感じた。

また、空振りの時にはそのカットをその場で削除した。
そうすることにより、メモリ容量を節約出来るばかりか、帰宅後に写真を整理する手間も節約出来ることになる。
従来の「EOS-D30」では、削除するには削除ボタンを押した後に"OK"を選択してボタンを押さねばならなかったが、「D200」では削除ボタンの2度押しで済むのが良い。連続撮影の複数コマでも迅速に削除可能。


さて試合結果であるが、残念なことに第1回戦で負けてしまった。つまり予選落ち。
春季大会では優勝したほどのチームだったが、それが油断に繋がったのかも知れない。
撮影枚数は200枚ほど。勝ち負けに関わらず2回戦目が予定されていたため、半分に抑えた。バッテリーもインジケーター1目盛りほど少なくなったがまだ行けそうに思った。

この後、順位決めのための敗者同士の試合が始まることになっていたが、急に暗雲が立ちこめたかと思うと、ビックリするほどの土砂降りとなり中止になってしまった。

今回の撮影では望遠でのMFに苦労させられたが、もし次回撮ることがあれば、AFで望遠撮影をしたいと思う。ただし現状では、そのためだけにAF望遠レンズを購入するのは難しい。


 
−チノン製ミラーレンズ300mm F5.6−