2000/04/05
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表紙

1.主旨と説明
2.用語集
3.基本操作法
4.我輩所有機
5.カメラ雑文
6.写真置き場
7.テーマ別写真
8.リンク
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10.アンケート
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カメラ雑文

[326] 2001年12月24日(月)
「覗き」

昔、ヒッチコックの「裏窓」という映画を観た。
細かい部分は忘れたが、確か、怪我をしたカメラマンが療養の暇つぶしに望遠レンズで自宅の窓から近所の生活を覗き見るという話だったと思う。そしてそのカメラマンは、思いがけず殺人の現場を目撃してしまい、命を狙われるようになる・・・。

人間というのは元来、遠くのものを近くに見たいという覗き本能があるのかも知れない。 「覗き本能」などと言うと抵抗があるかも知れないが、言い換えれば「好奇心」ということか。

高いビルや山の展望台に行くと、たいてい有料の双眼鏡が設置してある。そして、大して珍しくもないはずの建物を双眼鏡を覗くことによって引き寄せて見る。
やはり、遠くのものが近くに見えるのは面白い。
それは、中学の時に初めて望遠レンズを覗いた時のことを想い出させる。あの時のレンズもまた、ミラーレンズだった。

先日、某タレントが風呂場を覗いて捕まった。この場合は、遠くの映像を引き寄せるというよりも、自分自身が近付いて行き、ついでに風呂場の窓まで開けてしまった。これなどは、見えないところを見ようとする覗きで、非常にタチが悪い。
このタレント、一年前にも隠しカメラで女性のスカートを逆さ撮りした容疑で捕まっている。好奇心による覗きというよりも、明らかに性欲による覗きであり、痴漢行為と言えよう。

正統派の覗きとは、近くで見ようと思えば見えるものを、わざわざ遠くから離れて望遠レンズによって映像を引き寄せることである。

我輩は普段、24mmレンズをよく使うが、このような広角レンズを用いると、ゴチャゴチャと色々なものが写り込むことがある。以前雑文に書いたように、写真の情報量には驚かされるのであるが、その写真を高倍率ルーペによって部分拡大して見ていると、まさに時間を忘れることがある。これなどはまさに「覗き」と言える。

ただ、やはり写真の情報量には限界がある。いくらルーペで拡大しようとも、フィルムの粒子よりも小さなものは見えない。
そこで、写真に写ったものをルーペで拡大するのではなく、実風景を拡大してみたいと思う。実風景を拡大するルーペ、それが望遠レンズである。


さて、先日我輩は、ヤフーのオークションで望遠レンズを手に入れた。 以前、ケンコー製ミラースコープについて書いたのだが、このレンズはなかなか見付からない。ロシア製のミラーレンズなどはよく見掛けるのだが、当たり外れの激しいロシア製であるから、手を出すのは避けたい。
そんな時、1つのレンズが目に留まった。チノン製ミラーレンズ300mm F5.6。我輩の探していたケンコーミラースコープが300mm F5.0であるから、ほぼ同じ仕様と言える。 注目すべきはそのコンパクトなサイズにあった。これならば85mmくらいのレンズにしか見えない。携帯性は抜群。

その後、我輩はこれを1万5千円で落札し手に入れた。
このレンズは交換マウント式で、各社の一眼レフに装着出来る。我輩は顕微鏡撮影用にニコン用のマウントを持っていたので、それを使ってF3に装着した。
いずれCanon EOS用やFD用のマウントも手に入れようかと思う。


Canon用500mmのミラーレンズと並べてみたが、これほどの違いがある。300mmのほうは、まるでテレコンバータのよう。


F3に装着してみるが、比較的小柄なボディと比較しても、やはりコンパクトに変わりは無い。これで300mmというのだから驚く。F4やF5などに装着すれば、ほとんど違和感無かろう。


実際にファインダーを覗いてみたが、ピントの山がなかなか掴めない。ファインダースクリーンを全面マットに換えてみてやっとピントが合った(ような気がした)。そもそもミラーレンズは、ピントを合わせにくいものなのだが、このレンズはコントラストの低い被写体にはピントの山が見えない。
「これがAFだったらなあ」と思う数少ない瞬間であった。

まだ具体的に何かを撮ろうと考えているわけではないが、携帯性が優れている利点を活かし、どこかで面白そうなものを見付け、じっくりと覗いてみたい。